犬の診療を行なう獣医師

ペット保険と一口にいっても、さまざまな保険会社や保険商品があり、補償に関する条件はそれぞれ異なります。

それゆえ、何にどこまで保険が適用されるのか、どのように保険商品を選ぶべきかなど、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、ペット保険における補償範囲や適用対象の基準、補償範囲を広げる「特約」の概要などについて解説します。また、ペット保険を選ぶ際の注意点も紹介するので、ぜひご一読ください。

関連記事:ペット保険は必要?いらない?加入のメリット・デメリットと選ぶ際の5つのポイント

目次

ペット保険の一般的な補償範囲は、「通院」「入院」「手術」の3つが基本

ペット保険の補償範囲は、おもに「通院」「入院」「手術」の3つです。

上記に加えて、ペットが他人にケガをさせてしまったり、物品を壊してしまったりして法律上の損害賠償責任を負った場合に適用できる「賠償責任保険」を特約として付加することができる保険商品もあります。

犬・猫などのペットには、健康保険のような公的な医療保険制度が存在しません。
そのため、本来なら治療費は飼い主さまがすべて自己負担しますが、ペット保険に加入していれば、費用の一部を負担してもらうことが可能です。

結果的に治療を受けやすくなるため、ペットの健康維持に役立つことはもちろん、高額な治療を選択しやすくなるというメリットがあります。

また、基本となる通院・入院・手術のうち、補償範囲を一部に特化することで、毎月の保険料を抑えている保険商品もあります。
「家計への負担を軽減したいけれど、万一の場合の補償はしっかり付けたい」という場合、補償範囲をよく確認し、適切な保険商品を選ぶことが大切です。

 

 

 

 

 

ペット保険の適用対象はどこまで?

猫の診療を行なう獣医師

ペット保険への加入を検討している場合、あらかじめ適用対象を押さえておく必要があります。
何にどこまで保険が適用されるのかを把握できていないと、いざというときに補償を受けられない可能性があるためです。

そこで、ペット保険の適用対象になるもの、ならないものを以下にまとめました。


◇ペット保険の適用対象になるもの
ペット保険が適用されるかどうかは、おもにタイミングと動物病院での診療内容によって決まります。
保険“加入後”に発生した病気・ケガを治療するための通院、入院、手術については、治療費を補填してもらうことが可能です。

具体的な項目は、以下のとおりです。

  • 病気やケガに対する診療費用
  • 薬剤料
  • 処置料
  • 入院費用
  • 手術費用
  • 手術での麻酔費用

細かい条件は保険会社・保険商品によって異なるので、加入前に必ず詳細を確認しましょう。

 

◇ペット保険の適用対象にならないもの
ペット保険“加入前”から患っていた病気やケガ、先天性異常に関する通院、入院、手術については、適用対象外となります。

また、病気・ケガの治療にあたらない去勢手術や避妊手術、予防接種、健康診断なども適用対象になりません。
契約者の故意や自然災害によって発生した病気・ケガなども、補償を受けられないことが多いため、あらかじめ注意が必要です。

具体的な項目は、以下のとおりです

  • 既往症、先天性異常による通院、入院、手術
  • ワクチン接種
  • 健康診断
  • ワクチン等の予防措置により予防可能な病気(狂犬病など)
  • 去勢手術
  • 避妊手術
  • 妊娠・出産費用
  • 爪切り、歯石取りなどのケア
  • 地震、噴火、津波などによる病気・ケガ
  • 獣医師または獣医療の診療施設の従業員による医療過誤

適用対象外の条件についても、加入前の時点でしっかり確認しましょう。

ペット保険の補償範囲を広げる「特約」とは?

ペット保険の「特約」とは、保険商品をカスタマイズするためのオプションとなる補償サービスのことです。
この特約を付帯すると、ペット保険の補償範囲を広げられます。
代表的な特約には、以下のようなものが挙げられます。

・移動用補助器具費用特約
病気やケガが原因でペットが歩行困難に陥り、車椅子などの移動用補助器具が必要になった場合、その費用を補償する特約です。

・ペットセレモニー費用特約
ペットが亡くなった際のお葬式や火葬、仏具などにかかる費用を補償する特約です。

・診断書費用補償特約
保険金を請求する際に求められることがある、獣医師の診断書作成にかかる費用を補償する特約です。
保険は、治療ではない文書料には適応されないため、こういった特約を設けている保険会社もあります。

ペット損害賠償責任特約
ペットが他人にケガをさせたり、物品を壊したりした際に、その損害分を補償する特約です。
賠償金の支払いに加え、示談交渉も依頼できるケースがあります。

なお、特約には主契約の一環として自動的に付帯されるタイプ(無料)と、任意で別途申し込むタイプ(有料)の2種類があります。
また、特約はあくまでオプションなので、主契約なしで特約だけ申し込むことはできません。

補償範囲だけじゃない!ペット保険を選ぶ際の注意点

ペット保険の書類とお札

ペット保険を選ぶときは、補償範囲以外の条件にもしっかり目を通す必要があります。以下に挙げている3つのポイントは、特に注意すべきでしょう。

・免責金額
・定率補償
・補償限度額

それぞれ詳細を解説するので、ぜひ押さえておいてください。

◇「免責金額」が設定されている場合がある
ペット保険に申し込むと、契約条項を定められた約款(やっかん)が提示されますが、その内容の一つに「免責金額」が設定されていることがあります。
これは「あらかじめ決められた一定の金額(免責金額)に達しない治療費は補償しない」というものです。

例えば、2万円の免責金額が設定された保険に加入していて、実際の治療費に5万円かかった場合は免責金額を超える3万円だけ補償され、残った分の2万円は自己負担となります。

治療費が高額にならないと保険が適用されない可能性もあるため、加入前に必ず確認しておきましょう。

また、免責金額の有無によって保険料も変動します。免責金額ありの場合、毎月の保険料は安くなりますが、前述のとおり自己負担が発生します。

一方、免責金額なしだと保険料が高くなる代わりに、治療費が低額でも補償を受けることが可能です。
このようなメリット・デメリットも踏まえつつ、免責金額をチェックしましょう。


◇治療費の一部のみが補償される「定率補償」の商品が多い
ペット保険の多くは、「手術1回あたりいくら支払う」といった定額補償ではなく、「実際にかかった治療費の○割分を支払う」という定率補償を採用しています。

例えば、補償割合70%の保険に加入していて、実際の治療費に1万円かかったケースで考えてみましょう。
この場合、保険会社からは7,000円が補償されますが、残りの3,000円は自己負担になります。

人間を対象とする一般的な医療保険とは異なるシステムであり、補償割合も保険商品によって差異があるので、慎重に検討してください。

◇「補償限度額」が設定されているケースも
一般的なペット保険では、1日あたりの補償金額、あるいは1年あたりの補償金額・補償回数(日数)について、あらかじめ上限が定められています。

例えば、1年あたりの入院回数限度が10日で実際には20日間入院した場合、10日分の入院費用だけ補償されるということです。

補償されなかった分はすべて自己負担となるので、ペットの健康状態や年齢なども考慮しながら、適切な保険を選ぶことが重要といえるでしょう。

まとめ

ペット保険の補償範囲は、保険会社または保険商品によって大きく変わります。
基本的に補償範囲が広くなるほど、保険料も比例して高くなる傾向にあるため、補償される内容と金額のバランスを踏まえて、自分に合った保険商品を選ぶことが大切です。

また、ペット保険には移動用補助器具の費用、診断書作成の費用、法律上の損害賠償責任を負った場合の損害をカバーする特約もあります。
特約についても補償範囲や金額がそれぞれ異なるので、必要なものを漏れなく利用できるよう、入念にチェックしましょう。

 

監修者:金子 賢

監修者
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。
趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。

この情報をシェアする

【ペット保険比較】10秒でカンタン比較

関連記事