ペット保険のトラブル

愛するペットのためを思って、安心を得るために加入するのがペット保険です。しかし、なかには保険金を受け取れない、契約更新ができないなど、想定外のトラブルに発展してしまうケースもあります。

 

この記事では、ペット保険でよくあるトラブルとはどのようなものか解説します。何が原因で起こり、どうすれば防げるのか、対処法もあわせて紹介しますので、現在トラブルに巻き込まれている人や今後のトラブルを避けたい人はぜひお役立てください。

 

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まだペット保険に加入していない方、これから加入する方、保険の乗り換えを検討中の方は参考にされてください。

目次

ペット保険でよくあるトラブルと対処法

ペット保険でよくあるトラブル

ペット保険でよくあるトラブルとして、たとえば以下のようなものがあります。

  • 保険がおりなかった
  • 保険金が思ったより少なかった
  • 保険金の振り込みまでに時間がかかった
  • 契約更新時に不利な条件がついた
  • 契約更新時に保険料が高くなった
  • 契約更新ができなかった

1つずつ詳しく解説します。

 

保険がおりなかった

最も代表的なトラブルが、保険がおりなかった、受け取れると思っていた保険金が受け取れなかったというものです。おもな原因は以下のとおりです。

  • 加入時に告知義務違反を行っていた
  • 免責事由に該当する治療を行った
  • 待機期間中に治療を行った
  • 請求限度を超えていた

それぞれどういうことなのか、対処法とあわせて見ていきましょう。

 

落とし穴①加入時に告知義務違反を行っていた

告知とは、保険に加入するときに現在のペットの健康状態について申告することです。人の医療保険と同じように、ペット保険でも告知をする義務があります。

 

たとえば先天性の病気や治療中の病気があるのに申告せず保険に入った場合、その病気が悪化して治療を受けたとしても、保険金を受け取れない可能性があります。それだけでなく、強制的に契約を解除されるケースもあります。

 

対策としては、保険加入時に、どんなにささいなことでも必ず正確に申告しておくことが大切です。もし誤って申告が漏れてしまった場合は、保険会社に連絡して相談するようにしましょう。

 

落とし穴②免責事由に該当する治療を行った

ペット保険は、動物病院で支払った医療費のすべてが補償されるわけではありません。たとえば以下のような費用は補償対象外です。

ペット保険で補償されないもの
  • 健康診断
  • 予防接種
  • 去勢や避妊の手術
  • ワクチンを打っていれば防げた病気
  • 飼い主が故意に傷付けた場合の治療 など

 

落とし穴③待機期間中に治療を行った

待機期間(免責期間)とは、保険の契約をしたあと、実際に補償が開始されるまでのあいだの期間のことです。保険によって異なりますが、加入後「30日・90日・120日」 などと定められています。待機期間中は、病気の治療を行っても保険金を受け取ることができません。

また病気、ケガ、がん、など傷病によって待機期間が異なることがあるため、いつから補償されるのか、必ず確認するようにしましょう。

関連記事:ペット保険【待機期間なし】は3社!すぐ使えて補償開始が早いのは?【FP監修】

 

落とし穴④請求限度を超えていた

保険によっては、「入院は最長○日まで」「手術は年間○回まで」など一定の制限を設けている場合があります。

たとえば入院に関して年間20日までという日数制限がある保険の場合、同年中に30日連続で入院しても、10日×3回の入退院を繰り返しても、上限を超える10日分は保険金を受け取れないことになります。

これに関しても、対策は加入前に確認しておくに尽きます。

 

振り込まれた保険金が少なかった

「保険金は振り込まれたけど、思ったより金額が少なかった」というトラブルもあります。この場合、おもな原因は以下のとおりです。

  • 補償の割合が低く設定されていた
  • 免責金額が設定されていた
  • 保険金の支払い上限が設定されていた

それぞれについて、対処法とあわせて見ていきましょう。

 

落とし穴①補償の割合が低く設定されていた

ペット保険は、それぞれ補償割合(かかった費用のうち保険会社が補償する割合)が異なります。たとえば10万円の治療費がかかった場合、補償割合100%なら保険金は10万円、70%なら7万円、50%なら5万円です。

※ただし、一日または一回の支払金額に上限がある場合もありますので、ご注意ください。

 

加入する保険の補償割合を確認しておかないと、あとから全額もらえるとおもったのに一部だけだった!という事態になりかねません。保険料が安いものほど補償割合が低いことが多いので、注意しましょう。すでに加入中の場合は、補償割合の高い別の保険に入り直すという方法もあります。

 

落とし穴②免責金額が設定されていた

免責金額とは、発生した診療費のうち必ず契約者が自己負担で支払わなければならない金額のことです。

たとえば免責金額5,000円と設定されている保険なら、2万円の費用がかかっても補償の対象になるのは1万5,000円(2万円-5,000円)だけです。免責金額は、人の保険や自動車保険などでも設定されていることがあります。

 

免責金額が高い(自己負担が多い)保険ほど、保険料が安い傾向があります。保険料だけに目を奪われることなく、こうした細かい点についてもきちんと確認しておくようにしましょう。

 

落とし穴③保険金の支払い上限が設定されていた

保険金は1日あたり(1回あたり)○円までなどと上限が定められていることがあります。たとえば手術の補償限度額:10万円となっている保険に入っていた場合、30万円かかる手術を受けても全額が補償されず、思ったより保険金が少ないと感じる可能性があります。

 

支払い上限は、加入時点ではなかなか意識しにくいものです。しかし、治療費が高額になるときほど影響が大きくなります。契約のしおりや保険会社の公式サイト、重要事項説明書や約款などを見て確認しておきましょう。

 

保険金の振り込みまでに時間がかかった

ペット保険では、保険金請求の手続きをしてから保険金が振り込まれるまで30日以内とされているケースが多くあります。受け取りまで思ったより時間がかかったせいで、保険に入っているのに一時的に家計が苦しくなってしまったということも場合によってありえます。

 

特に、請求手続きの際、必要な項目の記入が漏れている、書類の添付が足りていないなどの不備があると時間も手間も余計にかかります。ミスや漏れがないようよく確認して送信・送付を行うようにしましょう。

 

こうしたトラブルを防ぐには、最初から窓口精算ができるペット保険を選んでおくのも有効です。窓口精算なら治療費を一旦全額負担して、あとから保険金の請求手続きをするのではなく、病院の窓口で補償分を差し引いた自己負担分のみを支払うだけで済むので、時間も手間も金銭的な負担も軽減できるでしょう。

関連記事:窓口精算できるペット保険!アイペットとアニコムどちらが良いか徹底比較!

 

契約更新時に不利な条件がついた

ペット保険は1年契約が基本です。そのため、通常は毎年契約更新の手続きが行われます。しかし、なかには契約更新の際に特定の病気に関しては補償しないなどの不利な条件を設定されてしまうことがあります。

 

特に、前年に補償限度額いっぱいまで保険金を受け取っているケースや、長期間にわたって多額のお金がかかりやすい慢性疾患にかかっているケースは要注意です。

 

条件を提示された場合、それを受け入れて次の契約を更新する、保険の継続をあきらめる、他社での加入を検討するなどの選択肢があります。ただ、他社でも保険加入の前に告知(健康状態の申告)や審査があるので、条件なしで加入できるとは限りません。

 

契約更新時に保険料が高くなった

ペット保険では、ペットの年齢が高ければ高いほど保険料も高くなるのが一般的です。当然ながら、毎年更新するたびにペットの年齢は上がっているので、前年に比べて保険料も上がります。

 

加入時の保険料だけでなく、翌年、翌々年、その先はいくらになるのかまで確認しておきたいところです。高齢になって病気のリスクが上がってきたタイミングでもうこれ以上払えないとなってしまうと、後悔が残るかもしれません。

 

ペットの年齢を変えることはできませんが、保険料を抑えたいなら、特約を外す、補償割合を下げるなどの方法があります。保険の見直しも検討してみましょう。

 

契約更新ができなかった

そもそも契約更新ができないケースもあります。上述のように契約更新時に不利な条件がついたときと同様、慢性疾患になった場合や補償限度額まで使い切った場合などです。ペットが高齢になったために補償の対象から外れてしまう場合もあります。

 

更新の可否と、何歳まで更新し続けられるのか(更新可能年齢)、かつ更新の条件をよく確認しておきましょう。

 

保険選びで失敗しないためには、加入前にペット保険についてよく知っておくことが重要です。以下の記事では、入ってはいけないペット保険の特徴を解説しているのでご覧ください。

トラブルが起きてしまった場合の対処法

トラブル時の対処法

トラブルが起きてしまった場合、契約のしおりや保険会社の公式サイト、重要事項説明書や約款、保険証券などで現在の補償内容を確認するのも有効ですが、専門用語が多く難解に感じるかもしれません。まずは、保険会社のコールセンターに問い合わせて聞いてみるのも良いでしょう。

 

相手の説明に納得できない、契約内容と違う対応をされた、故意に事実とは異なる説明をされたなど場合は、国民生活センター(消費者センター)に相談してみましょう。消費者ホットライン「188」で電話できます。

 

国民生活センターでは、相談に対する助言のほかADR(裁判外紛争解決手続)も可能です。保険会社と契約者、双方の話し合いを通じて、和解の仲介などをしてくれます。国民生活センターの公式サイトでは、実際にペット保険に関する紛争を解決した事例なども掲載されています。

 

1人で抱え込んだり泣き寝入りしたりするのではなく、気軽に誰かに相談しましょう。

【FP解説】ペット保険のクーリングオフ制度とは?

ペット保険のクーリングオフ制度

ペット保険加入後にトラブルが起きてしまった場合は、「クーリングオフ制度」を使用することもできます。クーリングオフ制度とは、契約を申し込んだ日、または重要事項説明書を受領した日から8日以内であれば、契約の撤回ができるというものです。

 

クーリングオフが適用されれば、すでに支払った保険料が返還される場合もあります。この制度を使用することによる違約金や損害賠償などはありません。

 

ただし、制度規定や申請方法などは、各保険会社によって異なるため確認してください。申し出期限を過ぎてしまうと、クーリングオフが使えなくなるため注意が必要です。

また、なるべくクーリングオフ制度を使用しなくてすむように、申し込み前には補償内容をよく理解しておきましょう。

 

以下の記事では、ペット保険加入者の「ペット保険をやめた理由」や、「失敗したこと・後悔したこと」などをご紹介していますので、参考にしてください。

ペット保険のトラブルを防ぐためのポイント

ペット保険トラブルを防ぐポイント

ペット保険のトラブルを事前に防ぐためには、次の2つの点が特に重要です。

  • 契約前に補償の内容を確認する
  • 申込時にペットの健康状態を正しく告知する

以下、それぞれ解説します。

 

契約前に補償の内容を確認する

補償の内容は、保険会社や契約プランによって異なります。契約前に、自分が加入しようとしているペット保険についてよく確認しておきましょう。あらかじめ知っておけば、いざというときになってから「こんなはずでは」と後悔する事態を防げます。特に確認しておきたいのが、以下のようなポイントです。

ペット保険で確認しておきたいポイント
  • 補償範囲(どんなときに保険金を受け取れるのか)
  • 補償割合(治療費の何割を補償してくれるのか)
  • 保険金の補償の対象外になるのはどんな場合か
  • 保険料(加入時だけでなく、契約更新を続けた場合どう変わっていくかも確認)
  • 免責金額
  • 待機期間
  • 限度額、日数・回数などの制限
  • 窓口精算の可否
  • 契約更新の条件など

確認することが多くて大変に感じるかもしれませんが、どれも契約のしおりや約款に必ず書いてある重要な項目ばかりです。資料を見てもよくわからないときは、保険会社に問い合わせれば教えてもらえます。

 

申込時にペットの健康状態を正しく告知する

申込みの際は、ペットの健康状態を正しく告知するようにしましょう。ペットの年齢、病歴、直近の通院歴などの申告に漏れやミスがあった場合、保険料をきちんと支払っていたのに保険金を受け取れない、契約を解除される、といったトラブルに発展することがあります。

 

軽い症状だったから申告しなくてもいいかなどと自分で判断せず、ささいなことでもすべて正確に申告することを心がけましょう。告知のしかたに迷った場合は、保険会社に問い合わせて確認するのが確実です。

関連記事:ペット保険の告知はバレる?バレない?告知義務違反をしたらアウト?

まとめ

ペット保険の注意点

ペット保険のトラブルとしてよくあるのは、保険金を受け取れない、保険金の金額が思ったより少ない、契約を更新できないといったケースです。いずれも、加入する保険の内容をあらかじめよく確認しておく、正しく告知するといったことを心がければ予防することができます。

 

とはいえ、ペット保険の複雑な内容を細かいところまで理解するのは難しいことです。
もしも迷ったら【ペット保険比較のピクシー】をチェックしてみましょう。多数の保険会社のさまざまな契約プランをかんたんに比較できます。

保険料はもちろん、補償割合や免責金額、限度額なども一目でわかりますよ。ペットが病気やケガに見舞われてから「こんなはずでは」と後悔したくない人、自分の希望に合った保険を選びたい人はぜひ活用してくださいね。

 

また、以下の記事では獣医師へのインタビュー取材をもとに、ペット保険おすすめランキングを紹介しています。ペット保険に入るならどこがいいのか、迷っているという方はあわせてご覧ください。

この記事の監修者 工藤 崇(FP事務所MYS(マイス)代表取締役社長兼CEO・ファイナンシャルプランナー(AFP))
1982年北海道生まれ。北海学園大学法学部卒業後上京し、資格試験予備校、不動産会社、建築会社を経てFP事務所MYS(マイス)設立、代表に就任。雑誌寄稿、WEBコラムを中心とした執筆活動、個人コンサルを幅広く手掛け、2016年7月法人化し「株式会社FP-MYS」を設立しました。 2009年、資格学校にて勤務をしている際、体調不良により手術、約10日間入院した際に「高額療養費制度」「医療費控除」の知識がなく、「もっと世の中のことを知らなければならない」とFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取得する。FP仲間と人脈が広がるなか、2015年7月に個人事業主として独立。

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