猫を飼う費用

猫との暮らしを考えたとき、飼育にはどのくらいお金がかかるのか知っておく必要があります。猫を飼うには、猫を飼育し始める前にかかる初期費用以外にも、医療費や食費など、まとまったお金が必要です。猫に不自由な暮らしをさせないためにも、月々にどの程度費用がかかるのかシミュレーションしておきましょう。

本記事では、猫を飼う際にかかる費用について紹介します。便利な飼育グッズも紹介しますので、猫の飼育を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

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まだペット保険に加入していない方、これから加入する方、保険の乗り換えを検討中の方は参考にされてください。

目次

猫を飼う際の初期費用は?

猫を飼う初期費用

猫を迎える際には、初期費用としてまとまったお金が必要になります。ここでは、猫を迎え入れる前に最低限揃えるべき飼育用品や、初めにかかる医療費の相場を紹介します。

◆ワクチン接種
ワクチン接種は、ワクチンの種類によっても異なりますが、1回につき約5,000〜1万円です。ワクチンは、子猫が生後16週になるまでの間に3,4回の接種をすることが推奨されています。ペットショップやブリーダーから飼った場合、1回目はすでに済ませていることが多いため、残りのワクチン接種は飼い主が動物病院で接種する必要があります。

 

◆避妊・去勢手術
避妊・去勢手術は、必ずしも必要ではありませんが、病気の予防や問題行動の軽減などのメリットがあるため、手術を前向きに検討している飼い主も多いでしょう。去勢手術は、生後6ヵ月前後に行うのが理想とされており、約1万5,000~2万円かかります。また、避妊手術は、生後6~8ヵ月頃が理想的な時期で、費用は約2万5,000~3万円です。

 

◆キャットフード
猫を飼う際に、必ず必要なのは総合栄養食とされているキャットフードです。キャットフードには、水分量の少ないドライフードと、嗜好性の高いウェットフードの2種類あります。フードに使用されている原材料によっても価格が異なりますが、ドライフードは1kgあたり約500~800円、ウェットフードは1kgあたり約1,000円で購入できます。

 

◆フードボール・ウォーターボール 
猫のフードを入れるフードボールと、水を入れるウォーターボールも用意が必要です。特にドライフードを与えている場合、いつでも水が飲めるようにしておきましょう。高さのない食器は、猫が首を下げる必要があるため食べにくくなります。できれば、猫の身体の大きさに合った高さのある食器を用意しましょう。フードボールとウォーターボールは、それぞれ約1,000~2,000円で購入可能です。

 

◆トイレ用品
猫は決まった場所で排泄をする生き物なので、トイレを用意すると、部屋の中での粗相を防げます。トイレには、箱型のものからトイレ砂が飛び散らないようにカバーが付いているものまでさまざまな種類があります。種類によって価格が異なり、約1,000~3,000円で購入可能です。また、トイレ砂も、木質や紙など材質に違いがあり、1袋約500~1,000円で揃えることができます。

 

◆爪とぎ・爪切り
猫には、爪とぎを行う習性があり、家具や壁などを守るためにも専用の爪とぎが必要です。爪とぎには、ダンボールや木材などいろいろな種類の素材があり、形状も壁掛けのものや床に設置するタイプなどさまざまです。一般的な床に置くタイプのダンボール素材の爪とぎであれば、約1,000~2,000円で購入できます。

 

◆ブラシ
猫の抜け毛や毛玉の対策に、ブラシを1つ用意しましょう。ブラシには、さまざまな種類があるため、猫の毛の長さと猫の好みに合わせて選ぶことが大切です。長毛の猫は、毛の根元に届くピンブラシやスリッカーがおすすめです。短毛の猫は、ラバーブラシや豚毛ブラシを使用すると抜け毛を取り除けます。ブラシの種類にもよりますが、スリッカーは約1,000円、豚毛ブラシは約3,000円が相場です。

 

◆おもちゃ
猫が運動不足にならないために、おもちゃは必要な飼育用品です。おもちゃにも、猫じゃらしやヒモのような形状など多くの種類があります。猫によって好みが違うため、猫がよく遊ぶおもちゃを選びましょう。おもちゃは、1つ約500~1,000円で購入できます。壊れたおもちゃの破損部分を飲み込んでしまう猫もいるため、おもちゃは消耗品として定期的に買い替えましょう。

 

◆キャリーバッグ
キャリーバッグは、動物病院など外に出かける際に必要になります。リュック型やショルダーバッグ型などさまざまなタイプがあります。またサイズも種類があるため、大きすぎず、小さすぎない猫に合ったサイズを選びましょう。キャリーバッグはタイプによって値段も異なり、約3,000~1万円で購入可能です。

揃えておくと便利なグッズ

猫用ベッド

次に、必ず必要ではありませんが、できれば揃えておきたい便利なグッズを紹介します。価格相場とグッズを購入するメリットについても紹介しますので、必要だと感じた場合は、購入を検討してみてください。

 

◆猫用ベッド
猫は、寝る場所に定位置がないため、猫用ベッドの準備は必須ではありません。しかし、猫用ベッドを用意すると、猫がゆったりと安心してくつろげるスペースを用意できます。ベッドには、シンプルなスクエア型からドーム型、ハンモック型など、さまざまな種類があります。猫用ベッドの相場は、約1,000~3,000円です。猫の好みに合った形や素材を選びましょう。

 

◆ケージ
ケージは、来客時や窓を開けての掃除の際に、猫を安全に避難させておくことができます。ケージは、簡易的な折りたたみ式のものから2段や3段式のものまでいろいろな種類があります。ケージは、2段式のものであれば約1万円で購入可能です。また折りたたみ式であれば、約4,000円で購入できます。

 

◆キャットタワー
猫はもともと高いところから獲物を狙う習性があるため、上下運動を好みます。猫の運動不足解消のためにも、キャットタワーの用意をおすすめします。キャットタワーは大きさや形状にさまざまな種類があるため、部屋の広さや猫の大きさに合わせて選ぶようにしましょう。キャットタワーは、約5,000~1万5,000円ほどが相場とされています。

 

◆猫用ハーネス
猫用ハーネスは、災害時など緊急で外に出る必要があるときに便利です。キャリーバッグに入れて外に出る際にも、ハーネスを付けておくと脱走を防ぐことができます。猫用ハーネスは、約1,000円で購入できます。ハーネスの装着を嫌がる猫は多いため、日ごろから徐々に慣れさせて おきましょう。

 

◆しつけスプレー
猫のしつけスプレーとは、猫が嫌いな匂い成分が入ったしつけに使用する道具です。噛んだり爪を研いだりして欲しくない場所に吹きかけると猫が近寄らなくなります。ただ、猫に直接吹きかけると、飼い主との信頼関係が崩れる恐れがあるため、使用方法には注意しましょう。しつけスプレーは、1,000~2,000円ほどで販売されています。

 

◆ペット消臭剤
猫の排せつ物は、強烈な臭いがするため、消臭対策をしないと部屋全体が臭う原因になります。消臭剤はスプレータイプや置き型、トイレに混ぜておくビーズタイプとさまざまです。万が一、猫の口の中に入っても安全なものを選ぶことが大切です。ペットの消臭剤の価格は、タイプや原材料によって大きく異なり、500~3,000円ほどで購入できます。

 

◆猫用シャンプー
長毛種の猫やよく身体を汚してしまう猫には、シャンプーが必要です。猫用のシャンプーは、通常の洗い流すものから水のいらないドライシャンプーもあるので、猫に負担がかからないものを選びましょう。シートタイプのシャンプーは、お尻や口周りのちょっとした汚れを拭き取るのにも便利です。猫用シャンプーは、約500~2,000円で購入可能です。

 

◆ペット用掃除機
猫を飼育していると、抜け毛の多さに悩んでいる飼い主も多いでしょう。通常の掃除機では取り切れなかったり、ブラシに毛が絡みついたりするため、吸引力の強いペット用掃除機はおすすめです。メーカーによって掃除機の形状や強みは異なるため、用途に合った掃除機を選びましょう。ペット用掃除機は、約5,000円から購入でき、性能の良いものでは、10万円以上する掃除機もあります。

猫にかかる医療費

猫にかかる医療費

猫が病気やケガをした場合、人間のように健康保険がないため、治療費は全額飼い主が負担します。愛猫のもしものときのために、ペット保険への加入がおすすめです。ここでは、猫の病気やケガの治療に治療費がどの程度かかるのか紹介します。

 

◆ケガや病気の治療費
猫が転落などで骨折をした場合、手術の必要はなくギプスで固定する治療になると、1回の処置で1万円ほどかかります。処置をしてもらった後も、経過観察などで通院する必要があり、さらに費用がかかるでしょう。

また、慢性腎臓病は猫がかかりやすい病気と言われています。一度患うと生涯治療が必要になるため、かかる治療費も高額です。年間にかかる治療費は、平均で1頭27万円ほどかかるとされています。

 

◆手術代
手術が必要なケガや病気の場合、人間よりも高い費用がかかります。猫に多い歯周病や歯肉炎の手術には、約6,000円必要です。また、異物を誤飲した際に、異物を除去するための開腹手術は、約13万円かかります。特に高額な手術費用がかかるのは骨折です。1回の手術で約20万円の費用がかかります。

今回紹介した「歯周病」、「異物の誤飲」、「骨折」は飼い主が日ごろから気を付けていれば防ぐことができます。手術を行うケガや病気にならないような環境作りを大切にしましょう。

猫を飼う際にその他かかる費用

猫のペットホテル

猫を飼育するには、飼育用品代と医療費以外にもさまざまな費用がかかります。ここでは、消耗品や医療費以外にかかる費用を4つ紹介します。

 

◆ペット保険 
猫がケガや病気で治療を受ける場合、治療にかかった費用は100%飼い主負担です。ペット保険に加入すると、治療に必要な費用を一部保障してもらうことができます。ペット保険には、定率補償、定額補償、実費補償という3つの種類があります。

ペット保険の費用は、その補償内容によっても価格が大きく異なりますが、平均すると月々1,000~5,000円です。猫の年齢によっても料金が変動する保険もあるため、補償内容と料金表は、しっかり確認しましょう。

 

◆トリミング 
長毛の猫や自宅でお手入れができない猫は、トリミングが必要です。猫のトリミングは、毛の長さや大きさによっても価格が異なり、シャンプーのみであれば約4,000~8,000円で依頼できます。ただし、毛玉が酷い場合やかなり暴れる猫の場合は、追加料金がかかる可能性があります。

トリミングサロンでは、爪切りや肛門腺絞りのみ依頼することも可能です。爪切りや肛門腺絞りの費用は、約500~1,500円です。暴れて家ではできないという猫には、トリミングサロンに依頼するのをおすすめします。

 

◆ペットシッター 
ペットシッターとは、飼い主が留守のときに、猫が普段生活している家で、身の回りのお世話をしてくれる仕事です。猫が慣れている家の中で生活できるため、ストレスが少ないのがメリットです。しかし、ペットシッターは時間制のため、終日猫を見守ってもらうのは難しいというデメリットもあります。

ペットシッターの基本料金は、猫1匹につき60分約2,000~3,000円が相場です。基本料金以外にも交通費や初期費用、割増料金がかかる業者もあるため、よく確認してから依頼しましょう。

 

◆ペットホテル
ペットホテルは、飼い主が家を留守にする場合、猫を預けられる施設です。動物病院に併設されたペットホテルもあり、急病などにも対応してもらえることがメリットです。初めて利用する場合、猫によってはストレスを感じ、体調を崩す可能性もあるため注意しましょう。

ペットホテルは立地や時期によっても料金が異なり、1泊2,000~5,000円ほどかかります。多頭で預けたり、連泊で利用したりすると割引される施設もあるため、前もって料金を調べておくのも重要です。

猫を飼う際にかかる1ヶ月の費用は?

ここでは、猫の飼育にかかる1ヶ月の平均費用を紹介します。

食費 約4,000円
消耗品(猫砂、おもちゃなど) 約1,000円
光熱費 約1,500円
ペット保険料 約3,000円

合計すると約9,500円です。この費用にワクチンや治療費、ペットホテルなどの料金が別途必要です。

また、猫の適温は20~28度と言われており、真夏や真冬には温度管理をする必要があります。エアコンなどを使用すると、1ヶ月の光熱費は、もう少し高額になる可能性もあります。

猫を飼うために生涯がかかる費用をシミュレーション

猫の平均寿命は、15~16歳です。猫が15歳まで生きたと仮定して、生涯かかる費用を計算すると、先ほど紹介した1ヶ月にかかる飼育費用に180ヶ月をかけるので、約171万円になります。

しかし、この料金はあくまで相場であり、急なケガや病気になった際の治療費や、初期費用、通院が必要になった場合の医療費などを考えると、もっと高額になります。万が一に備えて、猫を飼育する費用を準備することが大切です。

まとめ

猫と暮らす際には、事前に揃えておく飼育用品やワクチン接種代などで、ある程度の費用が必要です。また、毎月の消耗品や食費、光熱費もかかるため、月に1万円ほどは準備しておくことをおすすめします。

さらに、ケガや病気になると、治療費や手術費用、通院費が必要です。医療費は高額になる恐れもあるため、資金はあらかじめ準備しておくことが重要です。猫を飼う前に、どの程度の費用が必要か考え、しっかり準備をしてからお迎えしましょう。

 

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木内比奈子
この記事の監修者 木内 比奈子
ファイナンシャルプランナー。少額短期保険募集人、損害保険募集人。大学卒業後、保険代理店勤務を経て、ペット保険の重要さを感じ資格を取得。北海道犬と14年間、ヨークシャー・テリアと5年間暮らした経験を活かして、おもにペットやペット保険に関する記事を執筆、監修。ペットとの楽しい暮らしをサポートするため、正しく役に立つ情報を発信していきます。

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