猫の種類 シンガプーラ

シンガプーラは、純血種としては世界最小の猫種です。しかし、意外と筋肉質で「小さな暴れん坊」という異名のとおり、やんちゃな一面も持ち合わせています。

そんなシンガプーラの歴史や特徴、性格、飼い方についてご紹介します。シンガプーラを飼っている人はもちろん、これからいっしょに暮らしたい、飼えないけどもっと詳しく知りたいという方、ぜひお読みください。

猫種 シンガプーラ
英語表記 Singapura
原産国 シンガポール
毛種 短毛種

 

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目次

シンガプーラの歴史

シンガポール土着の猫が起源

シンガプーラは自然発生の猫であり、いつ生まれたのか定かではありません。もともとはシンガポールに古くから住み着いていた猫であり、ときどき見かけるものの特に気に留められることのない存在でした。

1972年、「大きな瞳を持つセピア色の猫がいる」と聞いたアメリカ人の愛猫家メドゥ夫妻は、仕事で東南アジアに赴任中にシンガポールを訪れました。街中で小さなセピア色の猫を見つけたメドゥ夫妻は、滞在先に連れて帰り一緒に暮らし始めます。1975年、赴任を終えた夫婦は、シンガポールで見つけた5匹の猫とともにアメリカに帰国しました。
夫婦がアメリカに持ち帰った小さな猫は、「シンガプーラ」と名付けられ、美しい毛色と人懐っこさから多くの人を魅了したと言われています。

世界一小さな猫種として認められる

アメリカに帰国したメドゥ夫婦は、さっそくシンガプーラの繁殖を始めます。育種は順調に進み、6~7年という異例の速さで新しい猫種として登録が認められました。

1979年には国際的な血統登録団体である「TICA」に、1982年には「CFA(アメリカ猫愛好家協会)」に公認されました。正式に猫種として認められたシンガプーラは、世界一小さな猫種として広く知られる存在になり、今日に至ります。

地元のシンガポールでシンガプーラは観光マスコットに認定され、マレー語のクチン(猫)とチンタ(愛)から、「クチンタ(愛猫)」という愛称で親しまれています。

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シンガプーラの特徴

シンガプーラの特徴

体は華奢で小さいが筋肉質

シンガプーラは、純血種としては世界一小さな猫種です。成長しても3kg程度にしかならず、一般的な猫よりもひと回り以上小さく、見る人に華奢な印象を与えます。

だからといって弱々しくはなく、見かけによらず体つきは筋肉質でほどよく引き締まっています。小さくても無駄な贅肉がつきにくい、すこぶる健康的な体なのです。

細く短い毛はシルクのような手触り

熱帯のシンガポールに暮らしていたシンガプーラの被毛は細く短く、体に密着してペタッと生えています。弾力はありませんが、シルクのようなやわらかな手触りです。

大きな耳と目

シンガプーラの頭は丸く、大きな目と耳が印象的です。耳は先端が尖っていて、付け根は幅広で深いカップ型をしています。

アイラインを引いたようなぱっちりした目は力強さが感じられ、色はヘーゼル、グリーン、イエローのいずれかで輝きがあります。

シンガプーラのサイズ(体重と体高)

世界最小の猫種であるシンガプーラの成猫の体重はオスは2~3.5kg、メスは2~3kgと軽量です。また、体高は25cmしかありません。

シンガプーラの性格

やさしく甘えん坊

シンガプーラは、おとなしく、甘えん坊な性格 です。飼い主の言うことをよく聞くので、しつけがしやすい猫です。

また、人見知りすることがあまりなく、初対面の人間にも早く慣れ懐きます。ほかの猫とも打ち解けることができ、多頭飼いでも安心です。

やんちゃで活発な一面も

その一方で、シンガプーラは「小さな暴れん坊」という異名をもち、やんちゃで活発、好奇心旺盛な性質ももち合わせています。じっとしていることが少なく、小さな体で元気に動き回ります。

また、高い場所に飛び乗るのが大好きで、小さい体を生かして人の肩にピョンと飛び乗ることもあります。とはいえ、体が小さく鳴き声が小さいので、物を壊したり大騒ぎしたりすることはほとんどありません。

シンガプーラの毛色

シンガプーラの毛色

シンガプーラの毛は1本に数色の毛色があり、地色はオールドアイボリー、毛の先端はアグーチセピアと呼ばれる淡い茶色です。

シンガプーラの飼い方

自由に移動できるように工夫する

シンガプーラの運動量はそれほど多くありませんが、活発に動き回ります。できるだけ部屋を閉め切らず、家の中で自由に移動できるように工夫しましょう。

障害物にぶつかって怪我をすることがないように、使わない家電製品や家具は片付けてください。猫専用の部屋を用意したり、部屋を自由に出入りできるように猫用の入り口を設けるといいでしょう。

また、好奇心旺盛なシンガプーラは、お風呂場でもトイレでも構わず入ろうとします。事故防止のために浴槽の水は抜いておきましょう。このほか、洗濯中はグルグル回る水の動きを面白がって、洗濯層に飛び込むことがあるので目を離さないでください。

静かな環境を用意する

シンガプーラは騒がしい場所が苦手です。話し声、車や工事などの騒音が大きい環境ではストレスが溜まってしまいます。防音対策を行うなどして静かな環境を用意しましょう。

小さな子どもがいる家庭では、子どもが遊ぶ部屋と猫が過ごす部屋を分けるといいでしょう。

寒さ対策をしっかり行う

シンガプーラは1年を通して温暖な気候のシンガポールで暮らしていた猫なので、寒さは苦手です。薄い被毛では真冬の低温に耐えられません。

冬場は暖房を強めにかけて、室温を22℃以上に保ちましょう。特に、子猫は寒さに弱いので、寝床に毛布などを敷いて寒がらないように工夫しましょう。

シンガプーラのかかりやすい病気

シンガプーラのかかりやすい病気

ピルビン酸キナーゼ欠損症

シンガプーラは近年の遺伝子研究によって、遺伝性疾患が多いことがわかっています。その中でも特に発症リスクが高いとされているのが「ピルビン酸キナーゼ欠損症」です。

この病気は赤血球上のピルビン酸キナーゼという酵素が不足することで、貧血状態に陥るのが特徴です。動こうとしない、食欲がない、足取りが重いなどの貧血と思われる異変を発見したら安静にさせましょう。

肥大型心筋症

心臓の筋肉が厚くなる「肥大型心筋症」もシンガプーラに多い病気です。血流が滞って血栓ができやすくなり、足が麻痺することもあります。発症した場合は、心臓機能を高める薬や血液をサラサラにする薬を投与することで症状をコントロールします。

シンガプーラの平均寿命

シンガプーラの平均寿命は10~15年とされています。日本で猫の平均寿命は15年程度ですから、健康管理をしっかり行えば同じくらい長生きするということです。

シンガプーラの価格相場

シンガプーラの子猫の平均価格は約22万円です。

シンガプーラを飼っている有名人

テクノポップユニット「Perfume」の樫野有香(かしゆか)がシンガプーラを飼っています。

 

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