
愛犬が「フガフガ」と苦しそうに鼻を鳴らしていると、とても心配になりますよね。
この記事では、愛犬の鼻づまりの考えられる原因や家庭でのケア、動物病院の受診目安について詳しく解説します。
愛犬の苦しそうな呼吸を解消するために、まずは原因や対処法を正しく理解しましょう。
犬の鼻づまりは、鼻炎や副鼻腔炎、アレルギー、歯周病、鼻腔内の腫瘍や異物などが原因で起こり、フガフガという呼吸音やくしゃみ、鼻水、口呼吸などの症状がみられます。鼻水の色や臭いによって疑われる病気は異なり、黄色や緑色の鼻水、血の混じった鼻水、悪臭がある場合は注意が必要です。呼吸困難や舌が青紫色になる症状は緊急性が高いため、すぐに動物病院を受診しましょう。自宅でできる鼻づまりの対処法や、原因別の治療法、病院へ行く目安を知り、愛犬の健康を守ることが大切です。
これは鼻づまりのサイン?まずは症状をチェック

犬の鼻づまりは、呼吸の様子の変化で気づくことがあります。
普段と違う音がしたり、口で呼吸する時間が増えたりしていないか、注意深く観察することが大切です。
とくに「フガフガ」「ズーズー」といった苦しそうな呼吸音は、鼻の通りが悪くなっているサインかもしれません。
これらのサインに早めに気づくことで、原因を特定し、適切な対処につなげられます。
苦しそうに口呼吸をしている
犬は基本的に鼻で呼吸する動物のため、口を開けて呼吸している時間が長いときは注意が必要です。
暑いときや運動後、興奮しているときの口呼吸は生理的なものですが、安静にしているにもかかわらず苦しそうに口呼吸を続けている場合、鼻がつまってうまく呼吸ができていない可能性があります。
呼吸が浅く速くなっていないか、舌の色が紫っぽくなっていないかもあわせて確認しましょう。
睡眠中にいびきをかくようになった
今までいびきをかかなかった愛犬が、急にいびきをかくようになったり、音が大きくなったりした場合は、鼻づまりのサインかもしれません。
鼻から喉にかけての空気の通り道である気道が、鼻水や炎症、腫れなどによって狭くなることが原因でいびきが発生します。
とくに、パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は、もともと鼻の構造が複雑で、いびきをかきやすい傾向にあります。
鼻水が垂れている、または鼻の周りが汚れている
鼻水が出ているのは、鼻づまりのわかりやすい症状のひとつです。
鼻水がネバネバしていたり、膿のようだったりすると、鼻の中にたまって詰まりやすくなります。
また、犬は鼻をかむことができないため、鼻の不快感から前足で鼻をこすったり、家具や床にこすりつけたりすることがあります。
その結果、鼻の周りが鼻水やよだれで汚れてしまうことも、鼻づまりを判断するサインです。
くしゃみが頻繁に出る
くしゃみは、鼻の中に入った異物や刺激物を排出しようとする生理的な反応です。
しかし、くしゃみが頻繁に出たり、連続して止まらなくなったりする場合は、鼻の粘膜に何らかの異常が起きている可能性があります。
アレルギーや感染症によって鼻の粘膜が刺激され、くしゃみが続くことで鼻づまりを引き起こすことも少なくありません。
ほかの症状とあわせて、くしゃみの回数や頻度もチェックしましょう。
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犬が鼻づまりを起こす6つの主な原因
犬の鼻づまりは、さまざまな原因によって引き起こされます。
原因によって対処法が異なるため、何が原因なのかを見極めることが重要です。
1.ウイルスや細菌感染による鼻炎・副鼻腔炎
ウイルスや細菌が鼻の粘膜に感染して炎症を起こす「鼻炎」は、鼻づまりの一般的な原因です。
症状が悪化すると、鼻の奥にある副鼻腔まで炎症が広がる「副鼻腔炎」に進行することもあります。
はじめはサラサラした鼻水ですが、炎症が進むと黄色や緑色のネバネバした鼻水に変わり、鼻腔内にたまって鼻づまりを引き起こします。
この病気は、ほかの犬からうつることもあるため注意が必要です。
2.花粉やハウスダストなどによるアレルギー反応
人間と同じように、犬も花粉やハウスダスト、カビ、ノミなど、特定の物質(アレルゲン)に対してアレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギー性鼻炎になると、鼻の粘膜が炎症を起こして腫れ、空気の通り道を狭めてしまいます。
透明で水っぽい鼻水やくしゃみが主な症状ですが、目のかゆみや皮膚の赤みをともなうこともあります。
特定の季節や環境で症状が出る場合は、アレルギーが原因の可能性があります。
3.歯周病の悪化が鼻に影響している
意外な原因として、歯周病の悪化が挙げられます。
とくに高齢の犬に多くみられ、歯周病が進行すると歯の根元に膿がたまり、その炎症が鼻と口を隔てている骨を溶かして鼻腔内へと広がることがあります。
これにより、悪臭をともなう膿のような鼻水が出たり、顔が腫れたりして、鼻づまりを引き起こす原因となります。
日ごろからのデンタルケアが予防につながります。
4.鼻の中にできた腫瘍(ポリープなど)
鼻の中に腫瘍(ポリープや癌)ができることも、鼻づまりの原因です。
腫瘍が大きくなるにつれて鼻腔を塞いでしまい、呼吸がしづらくなります。
初期症状は鼻炎と似ていますが、進行すると鼻血が出たり、顔の形が左右非対称になったりすることがあります。
とくに中高齢の犬に多くみられ、命にかかわる危険な病気のため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
5.草の種やおもちゃの破片などの異物の吸い込み
散歩中に草の種や植物の破片を吸い込んだり、遊んでいる最中におもちゃの小さな破片が鼻の中に入ってしまったりすることも、鼻づまりの原因になります。
異物が入ると、犬はそれを取り除こうとして激しくくしゃみをしたり、鼻を前足でこすったりするしぐさをみせます。
通常は片方の鼻だけで症状がみられ、突然発症するのが特徴です。
6.老化による身体機能の低下
犬も年を重ねると、人間と同じように身体のさまざまな機能が衰えます。
鼻の機能も例外ではなく、鼻の内部を適度な湿度に保つ分泌腺の働きが弱まることがあります。
これにより鼻の中が乾燥しやすくなり、刺激に対して過敏になったり、粘膜の防御機能が低下したりして、炎症が起こりやすくなり、鼻づまりを引き起こすことがあります。
犬の鼻水の色でわかる!病院へ行くべきサイン
愛犬の鼻水の色や状態は、健康状態を知るための重要な手がかりです。
ここでは、鼻水の色から考えられる病気の可能性について解説します。
もし鼻水に異常がみられた場合は、自己判断せずに動物病院へ相談することが大切です。
透明でサラサラな鼻水
水のように透明でサラサラした鼻水は、アレルギー性鼻炎や、ウイルス感染症の初期段階でよくみられます。
花粉やハウスダストなどのアレルゲンが鼻の粘膜を刺激したり、感染の初期で炎症が軽度だったりする場合に、このような鼻水が出ます。
くしゃみや咳、涙などをともなうこともあります。
症状が軽く、犬が元気な場合は少し様子をみてもよいかもしれませんが、症状が長引く場合はアレルギーの原因を特定するためにも受診を検討しましょう。
黄色や緑色のネバネバした鼻水
黄色や緑色をした粘り気のある鼻水は、細菌感染を起こしているサインです。
ウイルス感染やアレルギーなどで弱った鼻の粘膜に細菌が二次感染すると、白血球の死骸などが混じって膿のような鼻水になります。
この状態は副鼻腔炎(蓄膿症)の可能性があり、放置すると慢性化したり、肺炎に進行したりするリスクもあるため、早めに動物病院で診てもらう必要があります。
血液が混じった鼻水
鼻水に血が混じっている、あるいは鼻血そのものが出ている場合は、危険な病気が隠れている可能性があります。
鼻の内部にできた腫瘍や、歯周病の悪化によって鼻の奥が傷ついている、または事故などによる外傷が原因かもしれません。
犬が興奮して鼻血を出すことはほとんどないため、鼻からの出血は緊急性の高いサインととらえ、すぐに動物病院を受診してください。
悪臭を伴う鼻水
鼻水から嫌な臭いがする場合は、重度の歯周病や深刻な感染症が疑われます。
とくに、歯周病が進行して歯の根元にたまった膿が鼻に抜けてしまうと、腐敗臭のような強い悪臭を放つ鼻水が出ることがあります。
このような状態は犬にとって強い痛みをともなうため、食欲がなくなることも少なくありません。
病気がかなり進行しているサインなので、すぐに動物病院での治療が必要です。
病院へ行く前に!自宅でできる愛犬の鼻づまり対処法3選
愛犬が鼻づまりで苦しそうにしているとき、動物病院へ連れて行く前に、自宅で症状を和らげてあげられる方法がいくつかあります。
ただし、これらはあくまで応急的な対処法であり、根本的な原因の解決にはなりません。
症状が改善しない場合や、悪化するようなら、すぐに獣医師の診察を受けてください。
加湿器を使って部屋の湿度を適切に保つ
空気が乾燥していると、鼻の粘膜も乾燥して刺激を受けやすくなり、鼻づまりが悪化することがあります。
加湿器を使用したり、ぬれタオルを部屋に干したりして、室内の湿度を50〜60%程度に保つように心がけましょう。
適度な湿度は鼻の粘膜を潤し、詰まった鼻水をやわらかくして排出しやすくする効果が期待できます。
とくに、犬が多くの時間を過ごす寝床の周りの湿度を調整してあげることが有効な対処法です。
蒸しタオルで鼻を温め、汚れを優しく拭き取る
蒸しタオルを使って鼻のあたりを優しく温めてあげるのも、効果的な対処法です。
蒸気の湿気と温かさが鼻の通りを良くし、固まった鼻水や鼻の周りの汚れをふやかし、拭き取りやすくします。
火傷をしないように、蒸しタオルは飼い主が手で触って少し温かいと感じる程度の温度にしてください。
犬が嫌がる場合は無理強いせず、リラックスしているときにおこないましょう。
鼻の周りを拭くときは、ゴシゴシこすらずに優しくおさえるように拭き取ります。
十分な水分補給をさせて脱水を防ぐ
鼻づまりで口呼吸が増えると、体内の水分が失われやすくなり、脱水状態に陥ることがあります。
また、体内の水分が不足すると鼻水がネバネバして、さらに鼻が詰まりやすくなるという悪循環にもつながります。
いつでも新鮮な水が飲めるようにしておくのはもちろん、ドライフードをふやかしたり、ウェットフードを与えたりして、食事からも水分を摂取できるように工夫するのも有効な対処法です。
要注意!短頭種に特有の鼻づまり

パグ、フレンチブルドッグ、シーズーといった鼻が短い「短頭種」は、その独特の顔の構造から、ほかの犬種に比べて鼻づまりを起こしやすいという特徴があります。
これは単なる体質の問題ではなく、「短頭種気道症候群」という病気が関係している場合も少なくありません。
短頭種の飼い主は、この犬種特有のリスクを理解し、日常生活でとくに注意を払う必要があります。
短頭種気道症候群とは?鼻がつまりやすい理由
短頭種気道症候群とは、短頭種に特有の骨格が原因で起こる、呼吸器系の病気の総称です。
具体的には、鼻の穴が狭い「鼻腔狭窄(びくうきょうさく)」、喉の奥にある軟口蓋という部分が通常より長い「軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)」、気管が細い「気管低形成」などが含まれます。
これらの構造的な問題により、空気の通り道がもともと狭くなっているため、少しの炎症や刺激でも鼻づまりや呼吸困難に陥りやすいのです。
この病気は、いびきや「ガーガー」という呼吸音の原因にもなります。
日常生活で特に気をつけたいこと
短頭種は、日常生活において呼吸器への負担を減らす工夫が重要です。
肥満になると首周りの脂肪が気道をさらに圧迫するため、体重管理はとくに大切です。
また、暑さに非常に弱く、体温調節のためのパンティング(あえぎ呼吸)がうまくできないため、夏場の温度管理は徹底する必要があります。
興奮させすぎないように落ち着いた環境を整え、首輪ではなく気管を圧迫しにくいハーネスを使用することも有効な対処法です。
動物病院で行われる鼻づまりの検査と治療法

犬の鼻づまりで動物病院を受診すると、まずは原因を特定するための検査がおこなわれます。
ここでは、動物病院で一般的に行われる検査の流れと、主な治療法について解説します。
どのような検査が行われる?
動物病院では、まず飼い主から症状や経過を詳しく聞く問診をおこない、犬の全身状態をチェックする視診や触診をします。
鼻水が出ている場合は、その状態を調べたり、細菌や細胞を調べる検査に出したりすることもあります。
鼻の奥や胸の状態を確認するためにレントゲン検査をおこなうことが多く、異物や腫瘍が疑われる場合は、CT検査や内視鏡を使って鼻の内部を直接観察する、より詳しい検査が必要になることもあります。
原因に応じた犬の鼻づまりの主な治療法
犬の鼻づまりの治療法は、原因となる病気や症状によって異なります。
ウイルスや細菌感染が原因の場合は、症状や検査結果に応じて抗菌薬や消炎剤などを使用します。
アレルギーが原因であれば、抗ヒスタミン薬やステロイドなどによる治療に加え、原因となるアレルゲンを特定し、生活環境から取り除くことが重要です。
歯周病が原因の場合は、歯石除去や抜歯などの歯科処置をおこないます。また、鼻腔内の腫瘍や異物、短頭種気道症候群などでは、症状や状態に応じて外科手術が検討されることもあります。
犬の鼻づまりに関するよくある質問
ここでは、犬の鼻づまりに関して飼い主からよく寄せられる質問にお答えします。
Q.
犬の鼻づまりで「フガフガ」と音がするのは病気?
A.
「フガフガ」という音は、短頭種などでは生理的な範囲でみられることもありますが、病気のサインの可能性もあります。
急に音がし始めた、音が大きくなった、ほかに鼻水や食欲不振などの症状がある場合は注意が必要です。
アレルギーや感染症、あるいは鼻の奥に腫瘍ができていることも考えられるため、気になる場合は一度、動物病院に相談することをおすすめします。
Q.
鼻づまりの解消で、綿棒などを使って掃除してもいい?
A.
愛犬の鼻づまりを解消しようとして、綿棒やティッシュを鼻の穴に入れるのは絶対にやめてください。
犬の鼻の粘膜は非常にデリケートで、傷つけてしまう危険性が高いです。
かえって症状を悪化させたり、異物を奥に押し込んでしまったりする可能性もあります。
鼻の周りの汚れは湿らせたガーゼなどで優しく拭き取るにとどめ、内部のケアは獣医師に任せるのが安全な対処法です。
Q.
犬が鼻づまりで眠れていない…すぐに救急病院へ行くべき?
A.
鼻づまりで眠れていない場合、呼吸が苦しい可能性があります。
とくに、口を開けたまま必死に呼吸している、舌の色が青紫色になっている(チアノーゼ)、ぐったりして動かないなどの症状がみられる場合は、呼吸困難に陥っている危険な状態です。
このような場合は命にかかわるため、様子をみずに、すぐに夜間救急対応の動物病院へ連れて行く必要があります。
Q.
犬の鼻づまりはマッサージで改善できる?
A.
鼻の付け根(目頭の少し下あたり)を優しくマッサージすると、血行が促進されて一時的に鼻の通りがよくなることがあります。
ただし、これは根本的な原因の解決にはならず、あくまで補助的なケアです。
愛犬が嫌がる場合は無理に行わず、症状が続くようであれば獣医師に相談してください。
まとめ|鼻づまりの予防には日々の観察と適切な環境づくり
愛犬の鼻づまりを予防し、健やかな毎日を守るためには、日々の観察と生活環境の整備が欠かせません。
歯周病予防のためのデンタルケアを習慣づけたり、アレルギーの原因となるハウスダストを減らすために室内を清潔に保ったりすることが大切です。
また、愛犬の呼吸の様子や鼻水の状態などを毎日チェックし、少しでも異変があれば早めにかかりつけの獣医師に相談することで、病気の早期発見・早期治療につながります。
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