犬の鼻水は病気のサイン?

健康的な犬の鼻は、しっとりと湿っているだけで鼻水が垂れることはありません。しかし、鼻水が垂れていたり、鼻水に色が付いていたりする場合は病気のサインである可能性があります。

 

そこで本記事では、犬の鼻水について以下の点を中心に解説していきます。

  • 鼻水が出る原因
  • 鼻水の色から考えられる原因
  • 病院に行くべき鼻水とは
  • 鼻水の治療法・予防法

一見、様子をみてしまいがちな犬の鼻水について正しく理解するためにも、ぜひ最後までお読みください。

 

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目次

犬が鼻水を垂らす原因

犬が鼻水を垂らす、飛ばすなどの原因は、主に以下のようなものが挙げられます。

  • ウイルスや細菌、アレルギーによる鼻炎
  • 鼻に異物
  • 寒暖差

それぞれ解説していきます。

 

ウイルスや細菌、アレルギーによる鼻炎

ウイルスや細菌によって、鼻の粘膜に炎症が起きることで鼻水が出ます。また、アレルギー性の鼻炎は犬にも存在し、鼻水はアレルギー症状の1つです。

ウイルスや細菌による鼻水はねばねばした膿性の鼻水が多く、多量に分泌された鼻水によって鼻づまりを起こすことも少なくありません。

 

鼻に異物

鼻に異物が入ることで鼻水が出る場合もあります。人間と比べて犬は地面との距離が近いため、ほこりやごみを吸い込みやすく鼻水が出やすいのです。

 

また、嘔吐をした際に吐しゃ物が鼻に入ってしまい、鼻水が出るケースもあります。

 

寒暖差

寒暖差による鼻水は、とくに冬場に多くみられます。空気が冷えた屋外から、暖房の効いた室内に入ると、寒暖差の影響で鼻の粘膜が刺激されるのです。鼻水がすぐに治まればとくに気にする必要はありませんが、長引く場合は念のため動物病院の受診をおすすめします。

鼻水の色と特徴

一般的に、鼻水にはいくつかの色があり、それぞれ原因が異なります。

  • 透明でさらさらした鼻水
  • 黄色・黄緑色の鼻水
  • 出血性の鼻水(鼻血)

鼻水の色ごとにどんな原因があるのか、それぞれ解説していきます。

 

透明でさらさらした鼻水

透明の鼻水は、生理的なものが最も多いといわれています。緊張したときや寒暖差のある環境にいたときに出やすく、多くの場合症状が長引くことはありません。

 

黄色・黄緑色の鼻水

膿性で、黄色または黄緑色の鼻水が出ている場合、細菌感染による症状の1つかもしれません。ウイルスが原因で黄色や黄緑色の鼻水が出ている場合もあります。どちらにせよ、症状を悪化させないためにも、早めに動物病院を受診するのが望ましいでしょう。

 

また、膿性の鼻水は鼻づまりを起こしやすいため注意が必要です。

 

出血性の鼻水(鼻血)

出血性の鼻水は、外傷鼻腔内腫瘍などにみられます。まずは動物病院を受診し、出血の原因を突き止めることがたいせつです。

 

犬が鼻から出血した場合、止血のためにティッシュを鼻に詰めるなどといった処置は望ましくありません。犬のマズル(鼻先から口周辺の部分)を保冷材などで冷やしながら、速やかに動物病院を受診してください。

犬が鼻水を出す主な病気

犬が鼻水を出す主な病気

鼻水が症状の1つとして認められる犬の病気は、主に下記のとおりです。

  • ケンネルコフ(伝染性気管支炎)
  • 歯周病
  • 犬ジステンパーウイルス感染症
  • 鼻腔内腫瘍

それぞれの病気と鼻水の特徴を解説していきます。

 

ケンネルコフ(伝染性気管支炎)

ケンネルコフは、免疫力の低い子犬がかかりやすいウイルス性の感染症です。

 

ケンネルコフは、膿性の鼻水黄色・黄緑色の目やにが出るなど、人間でいういわゆる「風邪」のような症状がみられます。ケンネルコフは、混合ワクチンの接種によって感染を防ぐ、または発症しても軽度の症状で済むことが多い病気です。

 

ただ、重症化すると肺炎を引き起こし、命にかかわることもあるため注意しましょう。

 

歯周病

歯周病とは、歯垢中の細菌が原因で、歯肉などの歯周組織に炎症を引き起こす病気です。初期症状としては、口臭や歯肉の腫れが一般的ですが、鼻水やくしゃみなどの症状もみられることも少なくありません。

 

歯周病を放置すると歯がぐらつく、抜ける、顎の骨がもろくなって骨折するなど、病状が深刻になっていきます。

 

犬ジステンパーウイルス感染症

犬ジステンパーウイルス感染症は、消化器・呼吸器・神経系にみられるウイルス感染症です。この感染症の初期症状は、鼻水や目やにをはじめ発熱食欲低下下痢などです。

 

犬ジステンパーウイルス感染症は、ワクチン接種によって多くの場合感染を防ぐことができますが、ワクチン未接種の犬の致死率は90%以上といわれています。

 

鼻腔内腫瘍

鼻腔内腫瘍とは、鼻のなかにできる悪性の腫瘍です。鼻腔内腫瘍の初期症状は、鼻水やくしゃみ、目やになどで一般的な鼻炎とよく似ています。

 

鼻腔内腫瘍の病状が進行するとみられる症状は、顔の腫れや開口呼吸、呼吸困難などです。

 

犬の鼻腔内腫瘍はほとんどが悪性といわれており、気付いたときにはすでに病状が進んでいることも少なくありません。

病院に行くべき鼻水は?

病院に行くべき鼻水は?

生理的なものが多い犬の鼻水ですが、なかには動物病院への受診が望ましい場合もあります。

  • くしゃみや咳を併発しているとき
  • 鼻づまりによる食欲低下がみられるとき

受診が望ましいとされる理由をそれぞれみていきます。

 

くしゃみや咳を併発しているとき

犬が色のついた鼻水とともにくしゃみや咳をしている場合は、ケンネルコフを発症している可能性があります。放置すると肺炎を引き起こして重篤な状態になることもあります。とくに免疫力の低い子犬や高齢犬は注意が必要です。

 

鼻づまりによる食欲低下がみられるとき

人間と同様に、犬も多量の鼻水による鼻づまりによって食べ物のにおいを感じにくくなることがあります。その結果、食欲があまりわかずに食欲が落ちてしまうのです。鼻づまりによる食欲低下は、子犬や老犬はとくに体力低下にも繋がるため、早めに動物病院へ連れていくことがたいせつです。

犬の鼻水が出たときの治療方法

鼻水が出たときの治療として、いくつかの方法があります。

  • 点鼻薬
  • 内服薬(抗生剤・抗真菌薬・抗アレルギー薬など)
  • ネブライザー治療

異物が原因の場合は、内視鏡などによる異物除去、歯周病の場合は抜歯など、鼻水の原因によって治療法は異なります。まずは鼻水が出ている原因をしっかりと特定し、早期に治療開始できるようにすることがたいせつです。

犬の鼻水の拭き取り方・注意点

犬が鼻水を出している場合は、ティッシュやコットンなどで優しく拭き取ります。とくに膿性の鼻水は固まりやすく、詰まりやすいためこまめに拭き取りましょう。

 

注意点として、鼻水が固まっているときは無理に拭き取ることは厳禁です。まずは、あたためたタオルを鼻に当てて鼻水をふやかしましょう。鼻水がふやけてやわらかくなった段階で優しく拭き取っていきます。

犬の鼻水が出るのを防ぐには

鼻水が出ないようにするためには、以下のポイントを確認することがたいせつです。

  • 生活環境を整える
  • 鼻のまわりを清潔に保つ
  • 混合ワクチンを定期的に接種

それぞれ詳しく解説していきます。

 

生活環境を整える

犬の鼻水は、普段過ごす室内の環境を整えることで改善する場合があります。ハウスダストによるアレルギーが原因の場合は、こまめな掃除で症状を緩和できるかもしれません。

 

また、香りの強い芳香剤を控えることも症状緩和に有効な場合がありますので、できる範囲で環境を見直していきましょう。

 

鼻のまわりを清潔にする

鼻を清潔に保つことはもちろん、毎日の歯磨きや歯垢・歯石除去によって歯周病からくる鼻水を予防できます。

 

成犬になってからお手入れしようとすると嫌がることも多いため、できれば子犬時期から鼻や口など、デリケートな部分を触れられることに慣れさせておくと良いでしょう。

 

混合ワクチンを定期的に接種する

ケンネルコフや犬ジステンパーウイルス感染症は、定期的なワクチン接種によって予防可能です。犬の混合ワクチンには6種、8種などいくつかの種類があるため、どの種類の混合ワクチンが望ましいか、かかりつけの獣医師に相談しておくといいでしょう。

まとめ

ここまで、犬の鼻水について解説してきました。

  • 犬の鼻水の原因:ウイルス、細菌感染、アレルギー、異物混入、寒暖差など
  • 病院に行くべき鼻水:くしゃみや咳を併発、食欲低下があるなど
  • 犬の鼻水の治療法:点鼻薬や内服薬、ネブライザー治療などが一般的

鼻水は、犬の身体の状態を示す1つの手がかりです。愛犬の様子がいつもと少しでも違うと感じたら、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。

 

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