犬のくしゃみ
目次

犬のくしゃみの原因とは何か?

―犬のくしゃみの原因、理由について教えてください。

生理現象としてのくしゃみ

くしゃみは、鼻腔に入った異物を体の外に押し出して排除するための反射で、鼻腔に刺激がもたらされると生じます。くしゃみによって空気が勢いよく押し出され、粘膜に付着しているごみやウイルスなどの病原体を吹き飛ばします。そのため、病気でなくともホコリなどが鼻腔内に入り込むと反射が起こり、くしゃみをする可能性があります。多くの場合、一時的なくしゃみはこのような刺激によってもたらされる生理現象のため、特に問題はありません。

また、犬は「逆くしゃみ」というものをする場合があります。これは息を吸うようにフガフガと鼻をならすような音を立てる発作で、たいてい1〜2分程度続きます。多くは、犬が水を飲んだり、興奮したりすると起こります。逆くしゃみもおおよそ病的ではなく、喉の辺りをマッサージすると治ります。しかし、あまりにも止まらない場合や血色が悪い場合は、治療が必要です。

生理現象のほかに、犬のくしゃみが多くなった、頻発する場合、何らかの病気の可能性があります。

犬のくしゃみの原因として疑われる病気について

―犬のくしゃみが増えたり、止まらなくなったりしたら、どのような病気が考えられますか?

子犬のくしゃみ

ケンネルコフ

ケンネルコフは、子犬にしばしば見られる急性の呼吸器疾患で、犬伝染性気管気管支炎とも呼ばれます。伝染力が非常に強い感染症で、主な症状は咳ですが、くしゃみを伴う場合も多々あります。原因となる病原体は、犬パラインフルエンザウイルスや気管支敗血症菌、アデノウイルス2型、マイコプラズマなどのウイルスや細菌で、これらの病原体の単独、あるいは複合感染によって発症します。

犬の混合ワクチンは、パラインフルエンザウイルスやアデノウイルスの対策ができます。しかし、混合ワクチンを摂取していても、これら以外の病原体によって発症してしまう可能性があります。感染経路は、鼻水やくしゃみなどによる飛沫感染で、犬から犬に感染します。そのため、多頭飼育している場合には、特に注意が必要です。

成犬のくしゃみ

鼻炎

鼻炎によっても犬がくしゃみをする場合があります。鼻炎には、ウイルスや細菌、真菌などの感染によるもの、アレルギーによるもの、異物によるものなどがあります。鼻炎になると、くしゃみや鼻水などの症状を示します。慢性化の可能性もあるため注意が必要です。

老犬のくしゃみ

歯周病

歯周病が悪化すると、根尖周囲膿瘍(こんせんしゅういのうよう)という状態にまで悪化する場合があります。これは、歯の根っこの周りに膿(うみ)がたまっている状態です。歯周病の悪化により鼻腔内にまで穴が開通すると、周囲にたまった膿が鼻腔内に漏れ出て、鼻炎が起きる場合があります。初期の症状は、くしゃみや膿を伴う鼻水などですが、進行すると顎(あご)の骨が破壊され、鼻血を生じる場合もあります。

鼻腔内腫瘍

鼻腔の中にも腫瘍ができる場合があります。こうした腫瘍の多くは、悪性腫瘍です。タバコの煙を始めとする環境要因が、鼻腔内腫瘍の発生に関与していると報告されています。好発種(その病気を発症しやすい犬種)は、ミニチュア・ダックスフンドのような長頭種(マズルが長い犬種)です。初期の症状は、くしゃみや鼻水など慢性鼻炎のようで、進行すると鼻血やいびき、鼻詰まりなどを示すようになります。

犬のくしゃみで気になる症状と動物病院に連れて行くタイミング

犬のくしゃみで気になる症状

―動物病院を受診すべきタイミングについて教えてください。

犬に次のような症状が見られたら、早めに動物病院を受診してください。

  • くしゃみや逆くしゃみを連発する
  • 鼻水に伴って血液が大量に出てくる
  • 咳が止まらない
  • 元気がなく、ぐったりしている
  • 食欲がない
  • 熱っぽい

犬のくしゃみの家庭内での対処

―犬がくしゃみを頻発していたら、自宅でどのように対処すればいいのでしょうか?

犬のくしゃみが一時的で、落ち着いていれば、おおよそ特に問題ないので、そのまま様子を見ても大丈夫でしょう。また、息を吸い込むようなくしゃみは、逆くしゃみかもしれませんし、逆くしゃみもだいたい一過性なので、そのまま様子を見ても問題ないでしょう。

しかし、くしゃみや逆くしゃみが長く続き、鼻血や元気消失、食欲不振などの症状を伴っている場合は、早めに動物病院を受診してください。動物病院を受診する際には、これらの症状がいつから、どのくらい、どの程度生じているのか、心当たりはあるかなどをメモして持参するといいでしょう。獣医師との問診がスムーズに進むようになります。また、可能であればくしゃみをしている様子を動画で撮影しておくとなおいいでしょう。動画が診断の役に立つ場合があります。

犬のくしゃみでの診療内容とかかる治療費

犬のくしゃみ 診療費

犬のくしゃみの診療内容

ここでは、ケンネルコフを例に、犬のくしゃみの診療内容を説明します。

まずは触診や聴診、体温測定などの一般的な身体検査を行います。ケンネルコフは、確定診断が非常に難しい病気です。そのため、問診で以下のような内容を確認、考慮したうえで総合して、ケンネルコフを推測し、診断を下します。

  • 年齢
  • ワクチン接種歴の有無
  • 犬を入手した経路
  • くしゃみなどの症状のある犬との接触の有無

ケンネルコフと診断されると、基本的には通院での内服薬による治療が行われます。内服薬は、抗生物質や気管支拡張剤、咳止め薬などを用います。

症状の悪化があれば、血液検査やレントゲン検査を行う場合もあります。治療開始後、基本的には1週間以内に症状の改善が認められますが、犬の体調によっては1か月近く続きます。治療が遅れて肺炎を起こすと、酸素室での入院治療が必要になるおそれがあるため注意しましょう。

犬のくしゃみの治療費例

ここでは、ケンネルコフを例に、犬のくしゃみの診療費を紹介します。

  • 治療期間:2週間
  • 通院日数:3日
  • 入院日数:0日
  • 手術回数:0回
  • 治療費 :1万円

※上記の診察内容や期間、治療費は、小型犬を基にした一例であり、全国の平均や水準を示すものではありません。また、体格や病状、動物病院によって異なりますのでご了承ください。

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