ペット保険はいらない?

「ペット保険って“いらない”のでは?」「本当に必要なの?」こうした不安や疑問を抱く人は少なくありません。特に近年は、保険料の高騰や補償内容への不満から「ペット保険をやめた」という声も増えています。

結論を先に述べると、ペット保険を解約した理由の多くは「保険料が高い」「ほとんど使わなかった」という金銭面の不満が中心です。しかしながら、ペット保険の加入や解約の判断を、“保険料と今の健康状態だけ”で決めるのはリスクがあります。

本記事では「ペット保険をやめた理由や失敗談」に関するアンケート結果に基づき、専門家の視点から「ペット保険が不要な人」「逆に必要な人」の違いを整理して解説します。加入や解約を迷っている方はぜひ参考にしてください。

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まだペット保険に加入していない方、これから加入する方、保険の乗り換えを検討中の方は参考にされてください。

目次

ペット保険をやめた4つの理由!保険料がもったいない?

保険がいる人といらない人

『ペット保険比較のピクシー』では、実際にペット保険をやめた経験がある飼い主さまを対象にアンケート調査を行いました。「ペット保険はいらない」と判断した理由を尋ねたところ、保険料の高さ・補償範囲の狭さ・健康状態・自己負担で対応できると判断したなど、さまざまな声が集まりました。

特に目立ったのは、

  • 「思ったより保険料が高かった」
  • 「保険を利用する機会がなかった」

という金銭面への不満です。

 

以下に、実際に寄せられた回答をそのまま紹介します。
リアルな声から、ペット保険をやめた理由の傾向が見えてきます。

※表は横スクロールをしてご覧いただけます。

ペット保険をやめた理由アンケート結果 回答者
保険料の負担が大きい 保険料の金額が高かったため。 千葉県60代男性
保険料がおもったより高かったため。 東京都40代女性
保険料の費用面が気になったため。 神奈川県50代女性
保険を利用しなかった ペットが病気にかからず不必要だと思ったから。 岩手県50代女性
今のところペットが健康だから。 千葉県40代女性
特に病気をしない健康的な犬だったので使わなかった。 大阪府30代女性
補償内容への不満 保険料が高いのと、補償内容が限られていたから。 京都府50代女性
保険適用されない医療費が多いので。 愛知県40代女性
よく発症する病気が補償対象外だったから。 岡山県40代女性
その他 実費で支払うから必要ないと思った。 京都府50代男性
自分で溜めているから要らない。 佐賀県40代女性
入院の必要がなくなったため。 兵庫県40代男性
安いペット保険に乗り換えた。 東京都40代女性
保険会社が倒産してしまった。 埼玉県50代男性

(調査機関:Webアンケート調査Freeasy/調査方法:インターネットによるアンケート調査)

この表から、ペット保険をやめた理由は大きく4つに分類できます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

やめた理由①保険料の負担が大きくなったため

ペット保険をやめた理由として最も多いのが「保険料の負担が大きくなった」という声です。

ペット保険の保険料は、一般的にペットの年齢が上がるほど上昇する仕組みになっており、シニア期には月々の負担が大きくなりすぎてしまうケースもあります。「高齢になった途端に保険料が支払えなくなった」という後悔も珍しくありません。

ペット保険ごとに、高齢期の値上がり幅は大きく異なるため、加入前にシミュレーションを確認しておくことが重要です。終身継続できる保険料かどうかを見極めることで、途中でやめざるを得なくなるリスクを防げます。

 

やめた理由②ペットが健康で保険を使わなかったため

ペット保険をやめた理由として、「ペットが健康で保険を使う機会がなかった」という声もみられます。特に若い時期はケガや病気も少なく、「保険料が無駄」「ペット保険はいらないのでは?」と感じる人も少なくありません。

しかし、どれだけ健康なペットでも、予期せぬ事故や急な病気は突然起こり得るのが現実です。「元気だから大丈夫」という理由でペット保険をやめるのは、リスクを過小評価してしまう可能性があります。予測できない事態に備えることこそが保険の役割であることは留意しておきましょう。

猫を飼い始めてから、小さい頃は病気がちで年に数回は病院に通っていたのですが、だんだん体も丈夫になってきて病院に行く事も無くなってきたので、一旦解約しました。補償範囲に不満があったとかではなかったので、シニアになり病院に行く事が増えてきたらまた加入しようと思っています。(30代女性/福岡県/マンチカン3歳)

(調査機関:株式会社クラウドワークス/調査方法:インターネットによるアンケート調査)

 

やめた理由③補償範囲が期待より狭かったため

ペット保険をやめた理由として多いのが、「思っていたより補償範囲が狭かった」という不満です。

ペット保険は万能ではなく、すべての治療費が補償されるわけではありません。一般的に、加入前や待機期間中に発症した病気、ワクチン接種や健康診断など予防目的の医療費は補償対象外です。

さらに、補償対象外となる疾患や治療内容は保険会社によって異なります。たとえば、犬種によって発症しやすい病気が「特定疾病」として補償外に設定されているケースもあり、加入してから「結局使えなかった」という後悔につながることがあります。

こうしたトラブルを防ぐためには、契約前に補償範囲や補償対象外の疾患、免責金額などをしっかりと確認することが重要です。自分のペットのなりやすい病気と照らし合わせて選ぶことで、加入後のミスマッチを避けられます。

知人からペット保険を勧められ加入しました。その後僧帽弁閉鎖不全症を患いましたが通院は対象外の補償プランだったため、加入している意味がないと思いやめました。(50代女性/青森県/ミニチュア・ダックスフンド15歳)

 

やめた理由④:条件の良い別のペット保険へ乗り換えたため

ペット保険をやめただけでなく、「より条件の良いペット保険へ乗り換えた」という声もあります。乗り換えを検討する背景には、以下のような不満や改善ニーズが見られました。

  • 前に加入していたペット保険の保険料が高かった
  • 保険料に対して補償内容が物足りなかった
  • 他社に今より使いやすいペット保険があった
  • ペット保険の新商品で魅力的なプランが登場した
  • 加入中の保険会社で補償条件や保険料の改定があった

特に、高齢になるにつれ保険料が上がるタイミングで、インターネット販売に特化した“割安なペット保険”へ乗り換える動きが多くみられます。近年は補償内容や保険料のバリエーションが増え、「いまの保険のままでいいのか?」と比較検討する飼い主さまも増加しています。

関連記事:ペット保険乗り換えるならどこがいい?タイミングや見直しポイントは?

ペット保険比較のピクシーにはペット保険についての記事も多数ございますので、安心して保険をお選びいただけます。
保険選びで迷われている方は、保険料補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」も参考にしてください。

ペット保険で失敗・後悔した5つのパターンとは?

ペット保険をやめた理由に続き、この章では、ペット保険で失敗・後悔することが多い5つのパターンを解説します。ペット保険への加入を迷っている方は、保険が必要か・不要かだけでなく、どんなペット保険なら入っても後悔しないか、という点も検討しておきましょう。

 

①年齢制限で加入できないパターン

ほとんどのペット保険には、新規で加入するのに年齢制限があります。上限は7~12歳と設定されている会社が多く、年齢制限にかかってしまう場合はペット保険に加入できません。

年齢制限は保険会社によって異なりますが、高齢になるほど加入できるペット保険が少なくなるため注意が必要です。

 

②治療費全額が補償されると勘違いしたパターン

ペット保険では、治療費全額が補償されるわけではありません。補償割合50%のプランでは治療費の50%が、補償割合70%プランでは治療費の30%が飼い主さまの自己負担となります。

さらに、1日(1回)あたりの支払限度額が設定されている場合もあります。通院・入院・手術に関わる医療費が1日(1回)あたりの支払限度額を超えた治療費は、自己負担となるので注意が必要です。

 

③シニア期に保険料が高額になったパターン

ペット保険を選ぶときは、加入時の保険料だけでなく、高齢時の保険料もかならずチェックしてください。理由は、若いときと比べて高齢時の保険料が2倍以上になるペット保険も存在するためです。

高額な治療費の備えるために利用するペット保険ですが、そもそも保険料が予算オーバーしてしまう場合は、継続が難しくなってしまうでしょう。そのため、将来的に保険料が払えるかどうか、生涯でかかる保険料も含めて検討しましょう。

 

④待機期間・免責金額の確認不足だったパターン

待機期間」とは保険開始日から保険金支払いが開始されるまでの期間です。もし待機期間中に病気を発症しても保険金は支払われません。

免責金額」とは保険金が支払われない金額のことで、免責金額以下の治療費は飼い主さまの自己負担となります。

事前に待機期間の有無や長さや、免責金額の有無やいくらなのかを調べておくことをおすすめします。

 

⑤病気や保険の利用回数により更新不可のパターン

ペット保険では、次のような理由で更新を拒否されることがあります。

  • 慢性疾患を患った場合
  • 保険金の限度額を使い切った場合
  • 告知義務違反があった場合

「治療中の病気に対しては保険金を支払わない」という条件付きで契約を更新できるケースもありますが、保険金の支払いがないのでは飼い主さまの負担が大きくなります。

更新拒否のリスクを減らすためにも、契約の更新時に条件を付けないペット保険を選んでおけば安心です。

加入前に気をつけたい「入ってはいけないペット保険」については、以下の記事で詳しく紹介しています。

ペット保険をやめたらどうなる?高額治療費の備え

ペット保険と高額治療の備え

ペット保険をやめた理由や、実際に起きた失敗・後悔のパターンを見てきましたが、解約すると具体的にどんなリスクがあるのでしょうか。

ペット保険を解約すると、ケガや病気の治療費はすべて自己負担になります。「ペット保険は必要ないからやめたい」と考えている人も、解約後に直面するリスクを正しく理解しておくことが重要です。特にシニア期に入った犬や猫は病気の発症リスクが高まり、治療費が急増する可能性があります。

 

ペット保険をやめたあとにかかる治療費

ペット保険を解約すると、万が一の際にかかるケガや病気の治療費はすべて自己負担になります。犬と猫の月間の治療費を年齢別にまとめると以下のとおりです。

【動物病院にかける月間の治療費用】

  犬の月間治療費の平均 猫の月間治療費の平均
0~6歳 7,136円 6,779円
7~12歳 7,800円 6,467円
13歳以上 9,801円 7,991円

※参照:公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」

さらに、突発的なケガや病気では高額な治療費が発生するケースも少なくありません。

【動物病院にかける月間の医療費用】

ケガ・病気 治療費の金額目安
骨折 約10~50万円程度
誤飲 約10~30万円程度
がん(癌) 約10万~70万円以上になることも
慢性腎臓病 約5~20万円程度
肥大性心筋症 約45~60万円程度
クッシング症候群 約15〜60万円程度
椎間板ヘルニア 約10~50万円程度

愛犬や愛猫がいつケガや病気をするかは予測不可能なため、数万円から数十万円規模の出費が突然発生するリスクに備えておく必要があるでしょう。

 

ペット保険に入らず治療費を備えるための方法

ペット保険に加入しない場合でも、突然の高額治療費に備える方法はあり、たとえば以下の4つが挙げられます。

  1. ペット貯金を積み立てておく
  2. 分割払いできる動物病院を調べておく
  3. 緊急時の資金調達手段を確保する
  4. 予防医療でリスクを減らす

まず、毎月一定額を積み立てる「ペット貯金」は、掛け捨てをせずに資金を準備できる方法です。次に、動物病院のなかでは分割払いに対応しているところもあるため、事前に調べておけば、急な高額治療でも負担を分散できます。

また、クレジットカードや緊急用の資金枠を確保しておくことで、予期せぬ出費にも対応可能です。さらに、定期健診やワクチンなどの予防医療を徹底することで、病気やケガのリスクを減らし、結果的に高額治療を避けられる可能性があります。

大切なのは、計画的に資金を準備し、緊急時に慌てない体制を整えることです。

【結論】ペット保険が必要な人・不要な人の特徴まとめ

ペット保険を調べる飼い主を見つめる犬

「ペット保険には加入すべき?」「それとも不要?」と迷う飼い主さまは少なくありません。ペット保険をやめた人の理由を分析すると、結論から言えば、ペット保険の必要性 ペットの健康状態・飼育環境・飼い主さまの経済状況によって大きく変わります。

ここでは、ペット保険が「必要なケース」と「不要なケース」を、専門的な視点から分かりやすく整理します。

 

ペット保険が必要な人の特徴

ペット保険は、予期せぬケガや病気に備えたい人に特に有効です。以下のようなケースに当てはまる方は、加入を検討する価値があります。

  • ケガや病気のリスクが高い犬種・猫種を飼っている
  • 高額な治療費を一度に支払うことに不安がある
  • ペット治療費のための十分な貯蓄がない
  • シニア期に発生しやすい手術・入院費用が心配

こうした状況では、ペット保険に加入することで、突然の高額医療費に対する経済的リスクを軽減できます。さらに、保険があることで「費用面の不安から治療をためらう」ことがなくなり、早期通院・早期治療につながる点も大きなメリットです。

 

ペット保険が不要な人の特徴

一方で、以下のような条件に当てはまる場合は、必ずしもペット保険が必要とは限りません。

  • 高額治療費にすぐ対応できる十分な貯蓄がある
  • 自己負担でも問題なく治療費を準備できる

このような場合は、ペット保険に加入するよりも自己負担で治療費をまかなう方が合理的だと考えることもできるでしょう。

失敗も後悔もしたくない!ペット保険の正しい選び方

ペット保険の選び方ポイント

ペット保険は、加入後に「思ったより補償が少ない」「更新できなかった」といった後悔につながるケースもあります。大切なのは、契約前に正しい選び方を理解しておくことです。ここでは、専門的な視点から保険選びの重要ポイントとチェックリストを整理しました。

 

ペット保険選びで重視したいポイント

ペット保険加入後の失敗や後悔を避けるためには、以下のポイントをしっかりと確認して保険を選びましょう。

 

◆保険料の変動や生涯保険料を調べる

一般的に、ペット保険は年齢が上がるにつれて保険料も上昇します。特に、10歳を超えたシニア期では、保険料が倍以上になる場合もあります。加入時だけでなく、将来的な保険料も調べて、生涯でかかる保険料も想定しておきましょう。

 

◆免責金額や待機期間の有無をチェック

ペット保険の免責金額待機期間の両方を確認しましょう。免責金額は、保険金請求時に飼い主が自己負担する金額で、少額の通院費は保険金が払われない場合があります。

一方、待機期間は契約後すぐには補償されない期間で、この間に発生した病気やケガは補償対象外となります。これらの条件を理解して選ぶことで、加入後のトラブルを防ぐことができます。

 

◆更新条件が厳しいかどうか確認

ペットが病気やケガを経験した後でも、更新可能かどうかを確認しましょう。健康状態や保険の利用状況によって、更新不可になってしまった場合、シニア期に補償が途切れるリスクがあります。わからない場合は、実際に加入した飼い主の口コミを確認したり、保険会社の窓口で質問することをおすすめします。

 

実際に加入する前のチェックリスト

ペット保険に申し込む前に、以下の内容も確認してください。

  • ペットの年齢と健康状態を確認
  • 将来の治療費をシミュレーション
  • 複数の保険会社のプランを比較
  • 約款や重要事項説明書で契約内容を把握

ペット保険は「加入して失敗した」「やめて後悔した」と感じる人も少なくありません。

しかし、保険料の変動・免責条件・更新可否・契約内容の理解といったポイントを事前にチェックすれば、加入後のトラブルを大幅に減らすことができます。最終的には、ペットの健康状態と飼い主のライフプランに合った保険を選ぶことが、安心につながります。

ペット保険でよくあるトラブルについては、以下の記事でも紹介しています。

まとめ│ペット保険がいらないか必要かは飼い主さまの状況次第!

本記事では、「ペット保険をやめた理由」のアンケート結果をまとめ、ペット保険の必要性や正しい選び方も解説しました。

ペット保険の必要性は、ペットの状況や飼い主さまの貯蓄などによってそれぞれです。万が一の事態に不安があるという方は、これを機にペット保険加入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

以下の記事ではペット保険の選び方について詳しく解説しています。ペット保険選びで迷っている方はあわせてご覧ください。

※動物病院は自由診療のため、医療費が高額になる可能性があります。
ペット保険に加入していなければ、全額を自己負担で支払わなければなりません。
万が一の備えとしてペット保険に加入しておくと安心です。
また保険選びで迷われている方は、ペット保険の保険料や条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」もご覧ください。

木内比奈子
この記事の監修者 木内 比奈子
ファイナンシャルプランナー。少額短期保険募集人、損害保険募集人。大学卒業後、保険代理店勤務を経て、ペット保険の重要さを感じ資格を取得。北海道犬と14年間、ヨークシャー・テリアと5年間暮らした経験を活かして、おもにペットやペット保険に関する記事を執筆、監修。ペットとの楽しい暮らしをサポートするため、正しく役に立つ情報を発信していきます。

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