猫のパテラ(膝蓋骨脱臼)を徹底解説!

犬はパテラ(膝蓋骨脱臼)にかかりやすいといわれていますが、猫はどうなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

実は、パテラは猫も発症する可能性のある疾患です。

 

この記事では、猫のパテラの症状や原因、治療、予防方法について紹介します。猫と暮らし始めた方や、猫を飼いたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

【この記事でわかること】

  • パテラ(膝蓋骨脱臼)とはどのような病気か
  • パテラのグレード分類
  • パテラの症状や原因、治療、予防方法

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目次

猫のパテラ(膝蓋骨脱臼)とは?

猫のパテラ(膝蓋骨脱臼)とは?

パテラ(膝蓋骨脱臼)とは、猫の膝関節に異常が発生している症状を指します。

 

膝蓋骨の役割は、膝関節を滑らかに動かすことです。その膝蓋骨が正常な位置から外れると、歩行や運動に支障が出ます。「内方脱臼」と「外方脱臼」があり、猫の発症率は低いですが、猫が発症した場合は内方脱臼が多く見られます。

 

脱臼と修復を繰り返すことで関節炎を引き起こしてしまい、強い痛みや不快感を伴うことがあります。つらい思いをさせないために、早期発見することが重要です。

 

パテラの進行度(グレード分類)

パテラの症状には4段階のグレードがあります。

グレード1 膝蓋骨が手で押すと外れるが、自動的に元の位置に戻る。症状は気づきづらく、軽度。
グレード2 膝蓋骨が手で押すと外れ、ほとんどが手で戻す必要がある。日常生活への支障は少ないが、時間が経過するとグレード3に移行する可能性がある。
グレード3 膝蓋骨が常に外れており、手で戻せるが不安定。跛行(はこう)が目立つ。
グレード4 膝蓋骨が完全に外れ、戻すことができない。骨の変形、歩行異常が顕著。

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猫のパテラの症状と見分け方

重症化を防ぐためには、飼い主さまが初期症状にいち早く気付くことが重要です。猫のパテラの症状と、その見分け方について解説します。

 

初期症状に注意!歩き方や動きの変化

初期症状には、後ろ足を引きずるように歩く片足を持ち上げたままケンケンするなどの動作があります。また、よく後ろ足を伸ばす仕草をすることや、骨の音が聞こえるのも特徴です。

 

関節部分を舐めたり触られるのを嫌がったりするようになる場合もあるので、注意して見てあげましょう。歩き方がおかしい、いつもと動きが違うと思ったら、すぐに獣医師に相談することをおすすめします。

 

症状が進行した場合の影響

長期間放置すると症状が進行し、強い痛みや運動能力の低下を招きます。活動量が減り、ほかの疾患(肥満など)につながる可能性もあるでしょう。

猫のパテラの原因とリスク要因

猫のパテラの原因とリスク要因

パテラの原因には先天性、後天性があります。それぞれについて具体的な内容と、パテラのリスク要因について見ていきましょう。

 

パテラの原因:先天性と後天性の違い

まずは、先天性と後天性それぞれの原因の違いについて説明します。

 

◆先天性の原因

パテラの原因には、遺伝的要因による膝蓋骨の構造的異常があります。

特定の猫種(例:スコティッシュフォールド)で発症リスクが高く、生まれつき膝関節の形成が不完全な場合が多いです。

 

◆後天性の原因

外傷(転倒や高所からの落下)によって膝蓋骨が外れます。

加齢や肥満が原因で関節への負担が増加し、筋力低下や運動不足で膝関節の支えが弱くなり発症する場合も多いです。

 

パテラのリスク要因

パテラを発症するリスクになる要因にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

まず、生活環境は大きな要因になりやすいといわれています。フローリングや滑る床は猫の足に負担をかけるため、滑り止めマットを敷いたり、高い段差や急な階段を避けるための環境整備をしたりなど、飼い主さまの配慮が重要です。

 

また、肥満や運動能力の低下もリスクになります。体重管理と筋力維持のために、猫じゃらしなどを使った適度な運動もさせてあげましょう。適正体重を保ち筋肉を鍛えることで、膝関節への負担を軽減できます。

猫のパテラの診察プロセスと治療プラン

動物病院での診察プロセスをご紹介します。

 

まず獣医師による触診や歩行検査で膝蓋骨の状態を確認し、脱臼の状態とグレードの診断をします。症状がひどい場合などは、必要に応じてレントゲン撮影を実施することもあります。

 

診断後に、治療プランの検討を行います。グレードに応じた治療法の選択肢は、保存療法または手術療法です。

猫のパテラの治療法

パテラの治療に関して、保存療法と手術療法はどのような治療になるのかそれぞれ説明します。

 

保存療法(内科的治療)の方法

症状が軽度の場合や何かしらの要因で手術が不可能な場合、保存療法を行います。症状を和らげることが目的の治療方法です。

 

痛みを緩和するための内服薬や運動制限、食事管理、生活環境の改善によって症状の緩和を目指します。日々のストレッチも必要になるので、獣医師に教えてもらいご家庭で行いましょう。

 

手術療法(外科的治療)の詳細

保存療法を実施しても症状が重度のままである場合や徐々に悪化している場合高グレードの場合は、手術療法が推奨されます。パテラの完治には、手術による治療が必要です。手術の内容は膝蓋骨の位置を固定するための整復術で、膝関節を正常な動きに戻します。

 

手術に関連する費用の目安は、片足あたり11~35万円程度です。診察から手術、退院後の通院費まであわせると治療費は高額になるので、突然発症した際に安心して治療を行えるよう早めのペット保険への加入をおすすめします。

猫のパテラを予防するには?

猫のパテラの予防方法

猫が痛い思いをすること、重症化して手術を受けることは避けたいですよね。パテラの予防方法をいくつかご紹介します。

 

日常生活で気をつけるポイント

パテラを予防するには、適切な環境づくりがとても大切です。

滑り止めになるフロアマットや猫用ステップの設置で足腰への負担を軽減してあげましょう。また、高い場所へジャンプする頻度を減らすような生活環境にすることも効果的です。

 

食事管理と健康維持

体重の増加は膝の負担になります。体重を増やしすぎないよう、バランスの取れたフード選びが重要です。

ただし、体重を重視するあまり筋力が落ちると逆効果になります。適度な運動をしながら、適切な体重を維持しましょう。

 

定期的な健康診断のすすめ

パテラは重症化すると手術が必要になる病気です。いち早く気づくことで、治療の幅が広がります。

しかし、初期段階は飼い主さまでは気づけないことも多いため、定期的に健康診断を受けるのがおすすめです。

症状が軽度なうちに獣医師の診察を受けることで、早期治療が可能になります。

パテラ治療にかかる費用とペット保険の重要性

パテラの手術や術後ケア、リハビリにかかる費用は、先ほどもご紹介したとおり11~35万円程度になります。

 

高額な治療費が必要になるためペット保険に入っておくことをおすすめしましたが、保険の種類も重要です。その保険で補償される範囲を事前に確認し、慎重に選択しましょう。

まとめ│猫のパテラを理解し、愛猫の健康を守ろう

パテラは犬だけでなく、猫にも発症し得る病気です。症状や原因を理解しておくことで、適切な治療や予防が可能になります。

 

発症しないことが一番ですが、発症した場合も早期発見で治療の難易度を下げられます。日ごろから飼い主さまが気にかけることが重要です。

 

症状が悪化して手術が必要になった場合、治療費は高額になります。万が一に備えて、早い段階でペット保険に入っておきましょう。加入条件や補償範囲、付帯サービスなども含めて判断して選んでください。

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この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部
ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。少額短期保険募集人、損害保険募集人、ファイナンシャルプランナー、愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、ペット防災指導員などの数多くの資格を保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴は10年以上です。知識や経験を活かして、さまざまなお役立ち情報をお届けします。

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