おしりを見せる後姿のコーギー

愛犬のおしりから血が出ているのを見つけると、飼い主としては非常に心配になるものです。この記事では、犬のおしりから血が出る原因や、血の色・状態でわかる緊急性のサイン、病院受診の目安について詳しく解説します。

【記事のまとめ】

犬のおしりからの出血は、血の色や便の状態によって緊急性が異なり、病気のサインである可能性があります。 鮮血は肛門や大腸の異常、黒いタール状便は胃や小腸からの出血が疑われるため、出血の色や量、元気・食欲の有無を確認し、異常が続く場合や全身症状を伴う場合は速やかに動物病院を受診しましょう。

目次

犬のおしりから血が!考えられる8つの原因や病気とは?

犬のおしりから血が出る場合、肛門そのもののトラブルから、大腸や小腸、胃といった消化管内部の病気まで、さまざまな原因が考えられます。ここでは、犬のおしりからの出血で考えられる代表的な病気について解説します。

 

肛門嚢炎・ 肛門腺炎

犬の肛門の左右には、「肛門嚢」という分泌物を溜める袋があります。この肛門嚢に細菌が感染して炎症を起こすのが肛門嚢炎です。症状としては、犬がおしりを気にして舐めたり、床にこすりつけたりする行動がみられます。炎症がひどくなると肛門嚢が破裂し、皮膚が破れて膿や血が出てくることもあります。

 

切れ痔(肛門裂傷)

犬の切れ痔(肛門裂傷)は、硬い便を無理に出そうといきんだ際や、勢いよく下痢便が排出された際に、肛門の皮膚が切れて出血している状態です。排便時に痛がったり、便の表面に鮮やかな赤い血が付着したりするのが特徴です。多くの場合は自然に治りますが、便秘や下痢が続く場合は、その根本的な原因を治療する必要があります。

 

大腸炎

大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こる病気で、血便の一般的な原因の一つです。ストレス、食事の急な変更、アレルギー、異物の誤飲など、原因は多岐にわたります。主な症状は、ゼリー状の粘液が混ざった軟便や下痢、血便、しぶり腹などです。何度もトイレに行く、排便時に苦しそうに鳴くといった様子がみられます。

 

直腸ポリープ・腫瘍

直腸にポリープや腫瘍ができると、便が通過する際に表面がこすれて出血し、血便がみられることがあります。良性のポリープであることも多いですが、悪性腫瘍(がん)の可能性も否定できません。

初期は無症状のことが多いですが、進行すると便に血が付着したり、しぶり腹の症状がみられたりします。特に高齢の犬に多くみられる病気です。

 

ウイルスや寄生虫による感染症

犬パルボウイルスやジステンパーなどのウイルス感染症や、回虫、コクシジウムといった寄生虫の感染によって、腸の粘膜が傷つき血便が出ることがあります。

特に、免疫力の低い子犬がパルボウイルスに感染すると、激しい嘔吐や下痢、血便を引き起こし、命に関わる危険な状態に陥るため注意が必要です。ワクチン接種や定期的な駆虫薬の投与で予防することが重要です。

注意!血便や下痢、嘔吐がみられる犬パルボウイルス感染の症状とは▼
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胃や小腸など消化管の病気

胃や小腸といった、肛門から遠い場所で出血が起こる病気もあります。原因としては、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、誤飲した異物による消化管の損傷、急性出血性下痢症候群、腫瘍などが挙げられます。この場合、血液が消化液の影響を受けて黒く変色し、ドロっとしたタール状の便として排出されるのが特徴です。

 

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアは、去勢手術をしていないオスの高齢犬に多くみられる病気です。おしり周りの筋肉が弱くなることで、その隙間から直腸や膀胱などの臓器が皮膚の下に飛び出してしまいます。これにより、おしりの横が大きく膨らみ、排便が困難になります。強く力むことで直腸の粘膜が傷つき、出血することがあります。

 

子宮蓄膿症

避妊手術をしていないメス犬に特有の病気で、子宮内に細菌が感染し、膿が溜まってしまいます。外陰部から膿や血液が混じったおりものが出てくることで、おしりから出血しているように見えることがあります。元気や食欲の低下、多飲多尿、腹部の膨満などの症状もみられ、発見が遅れると命に関わる緊急性の高い病気です。

犬のおしりの周りに血が?子宮蓄膿症とはどんな病気か詳しく解説▼
関連記事:犬の子宮蓄膿症の手術費用は高額?入院期間や生存率はどれくらい?

 

犬の血便についてさらに詳しく知りたい場合は、原因と対処法、動物病院を受診するタイミングの目安などについて「犬の血便の原因と対処法、受診すべき症状と治療費は?」で解説しています。

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犬のおしりの出血│ヒート(生理)による出血との見分け方

避妊手術をしていないメス犬の場合、おしりからの出血はヒート(発情出血)の可能性も考えられます。ヒートは病気ではなく、繁殖が可能になる性周期の一部で、通常は半年に1回程度の周期で起こります。

 

ヒートによる出血は、外陰部から起こるもので、陰部が腫れたり、頻繁に舐めたりする行動が伴います。出血は1〜2週間ほど続きますが、犬の元気や食欲は通常どおりであることがほとんどです。ただし、悪臭を伴う膿のようなものが出ている、ぐったりしているといった場合は、子宮蓄膿症などの病気の可能性があるため、すぐに動物病院を受診してください。

【症状チェック】すぐに動物病院へ行くべき7つの危険なサイン

トイレに座り込んで動かない犬

犬のおしりからの出血で、以下のような症状がみられる場合は、命に関わる危険な状態の可能性があります。様子を見るのではなく、時間外であってもすぐに動物病院へ連絡し、指示を仰いでください。

 

黒いタール状の便が出ている

黒くてドロッとしたタール状の便は、胃や小腸など上部消化管からの出血が考えられます。血液が胃酸や消化酵素によって酸化されることで黒く変色し、特有の鉄臭い、生臭いにおいがするのが特徴です。胃潰瘍や消化管内の腫瘍、異物の誤飲などが原因として考えられ、緊急性が高いサインです。

犬のタール便についてさらに詳しく知りたい方は、「犬のうんちが黒いのは病気?「タール便」の原因と危険なサインの見分け方」もぜひご覧ください。

 

血が大量、出血が止まらない

出血の量が明らかに多い場合は、体内で深刻な問題が起きている可能性があります。排便と関係なく、犬のおしりから血液がポタポタと垂れてくる場合は、肛門周辺のケガや、肛門嚢が破裂した場合、あるいは直腸や肛門にできた腫瘍からの出血が考えられます。

大量の血液が失われると、犬は貧血やショック状態に陥り、命の危険があります。便全体が赤く染まっている、おしりから鮮血が垂れ続けているといった場合は、ためらわずに救急で動物病院へ向かってください。

 

おしりや周辺が腫れている

おしり自体やその周りが赤く腫れている場合、肛門嚢の破裂や会陰ヘルニア、腫瘍などが考えられます。特に肛門嚢が破裂すると、皮膚に穴が開き、そこから膿や血液が出てきます。強い痛みを伴うことが多く、細菌感染がさらに広がるのを防ぐためにも、早めに動物病院で適切な処置を受ける必要があります。

 

子犬や高齢犬で出血がみられる

体力や免疫力が十分でない子犬や、加齢により抵抗力が落ちている老犬(高齢犬)の場合、出血が見られたら特に注意が必要です。

成犬であれば乗り越えられる病気でも、子犬や高齢犬では重症化しやすく、命に関わる事態に発展するリスクが高まります。症状が軽くみえても自己判断で様子を見ず、早めに獣医師の診察を受けましょう。

 

嘔吐や下痢などほかの症状もある

出血とともに嘔吐や激しい下痢を繰り返している場合脱水症状電解質異常を引き起こし、急激に状態が悪化するおそれがあります。特に、イチゴジャムのような血便やトマトジュース状の下痢がみられる「急性出血性下痢症候群(AHDS)」や、感染症などが疑われます。

関連記事:犬の下痢の原因と対処法、受診すべき症状と治療費は?

 

元気がない、食欲がない

出血に加えて、ぐったりしていて元気がない、食欲がまったくない、ぐったりして動かないといった全身症状がみられる場合は、病気が重度に進行しているサインです。特に、呼びかけへの反応が鈍い場合は非常に危険な状態であり、一刻も早い処置が必要です。

 

強い痛みのある様子がみられる

体を丸めて震えている、お腹を触られるのを極端に嫌がる、キャンと鳴き声をあげるといった様子は、強い痛みがあることを示しています。腹膜炎や腸閉塞、膵炎など、激しい腹痛を伴う病気の可能性があります。

犬は痛みを隠そうとする習性があるため、明らかに痛がっている様子がみられる場合は、相当な苦痛を感じていると考えられます。犬の腸閉塞の症状や手術費用については「犬の腸閉塞の症状や手術費用は?異物誤飲を放置すると危険?」で詳しく紹介しています。

 

動物病院の受診前に!自宅でできる準備や対処法

愛犬のおしりから血が出ているのを発見したら、まずは落ち着いて犬の全身状態を確認しましょう。動物病院の受診前に以下の項目をチェックし、メモしておくとスムーズです。

【動物病院の受診前チェックリスト】

  • いつから出血しているか
  • 便に混じる血の色や量、状態
  • 便の硬さ、量や頻度、回数
  • 元気や食欲はあるか
  • 嘔吐など、ほかの症状はないか
  • 何か誤飲した可能性はないか

可能であれば、血液が付着した犬の便そのものを持参するか、スマートフォンで写真を撮っておくと、診断の大きな助けになります。便を持参する場合は、乾燥しないようにラップなどで包みましょう。

犬のおしりからの出血に関するよくある質問!

犬のおしりから出血がみられると、飼い主は多くの疑問や不安を抱えるものです。ここではよくある質問や疑問への回答をまとめます。

 

犬のおしりから少量の血が出たが元気なら大丈夫?

基本的には動物病院を受診をしてください。元気で食欲もあり、ごく少量の鮮血が1回だけ便に付着した程度であれば、翌日まで様子を見ることも可能です。しかし、出血が続く、量が増える、ほかの症状が出る場合はすぐに受診してください。

 

犬の血便は何日続いたら動物病院に行くべき?

犬の血便は、1回だけで元気や食欲に問題がない場合は、一時的な大腸炎や食事の影響で起こるケースもあります。しかし、血便が1日~2日以上続く場合や、繰り返しみられる場合は動物病院を受診しましょう。

 

犬のうんちに血が混じり生臭いにおいがする原因は?

犬のうんちに血が混じり、生臭いにおいがする場合は、腸内で炎症や出血が起きている可能性があります。特に下痢や嘔吐、元気・食欲の低下を伴う場合は、 寄生虫感染や犬パルボウイルスなどのウイルスの感染症、重度の大腸炎なども考えられます。

 

犬のうんちにゼリー状の粘液や血が混じる原因は?

便にゼリー状の粘液(粘膜)が混じり、そこに血が筋のように付着している場合、大腸の粘膜が炎症を起こしている「大腸炎」が疑われます。

大腸炎になると、腸の粘膜が剥がれ落ちて粘液便となり、炎症によって傷ついた血管から出血することで血が混じります。軟便や下痢を伴うことが多く、ストレスや食事内容の変更などが原因となることもあります。

 

ストレスが原因で犬のおしりから血が出る?

犬はストレスが原因で血便が出ることもあります。ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、腸の動きが過剰になることで下痢や大腸炎を発症する場合があります。その結果、腸の粘膜が傷つき、粘液に血が混じったような便が出ることがあります。

 

フードを変えて血便が出た場合はどうすればいい?

まずは一度、元のフードに戻して様子を見てください。急なフードの変更で消化器が対応できず、下痢や血便を引き起こすことがあります。元のフードに戻して症状が改善する場合は、フードの切り替え方が急すぎたか、新しいフードが体質に合わない可能性があります。フードを切り替える際は、1週間以上かけて少量ずつ混ぜるようにしましょう。

まとめ│犬のおしりからの出血は病気の可能性を疑うこと

犬のおしりからの出血は、さまざまな原因によって引き起こされます。飼い主がまず行うべきことは、慌てずに愛犬の様子と出血の状態をよく観察することです。たとえ出血が少量で犬が元気に見えても、その背景に病気が隠れている可能性もあります。

少しでも不安を感じたら、自己判断で様子を見続けるのではなく、動物病院を受診して獣医師に相談することが、愛犬の健康を守るために最も重要です。

 

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ペット保険比較のピクシー編集部
この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部

損害保険募集人
少額短期保険募集人
ファイナンシャルプランナー

ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。金融に関する資格はもちろん、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員などのペットに関する資格も保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴が10年以上のメンバーもいます。大切なペットとの毎日が安心できるものになるよう、資格やこれまでの経験に加え、丁寧な調査や取材を重ねながら正しい情報を発信していきます。

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