猫の下痢が続くと、何か病気なのではないかと心配になるかもしれません。この記事では、猫の下痢の原因や、疑われる病気、対処法や動物病院での診療内容などについて、獣医師の平松育子先生監修のもと解説します。
猫の下痢の原因とは何か?
―猫が下痢になる原因、理由について教えてください。
下痢は猫に比較的よく見られる症状のひとつで、その原因は心配のいらないものから深刻なものまで、さまざまです。
ストレスによる下痢
猫も人間と同じように、ストレスを感じると下痢をする場合があります。猫はとても繊細な性格のもち主で、環境の変化や騒音、慣れない来客などによってストレスを感じる場合が多いようです。
異物誤飲による下痢
異物誤飲とは、本来食べてはいけないものを食べてしまうことを言います。食べてしまったものによって症状は異なりますが、猫が玉ねぎやチョコレート、人間用の処方薬などを食べてしまうと中毒を引き起こし、下痢や嘔吐などの症状がみられる場合があります。
食事による下痢
食べすぎによる消化不良や急激なフードの変更、腐ったものを食べた場合などにも猫に下痢が見られることがあります。また、食べ物ではありませんが、毛づくろいで大量の毛を飲み込んだ場合にも下痢をしてしまうことがあります。
このほか感染症や内臓疾患、アレルギーといった病気を原因とするものが考えられます。
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猫の下痢で疑われる病気について
―猫が下痢になったら、どのような病気が考えられますか?
猫の下痢を引き起こす原因としては、 感染症や食物アレルギー、内臓疾患など、さまざまな病気が考えられます。
感染による下痢
感染による下痢には、ウイルス性や細菌性、寄生虫性のものがあります。
ウイルス性の下痢
ウイルス性の下痢の原因には、猫コロナウイルスやパルボウイルスなどが挙げられ、コロナウイルスによる感染症は「猫伝染性腹膜炎」、パルボウイルスによる感染症は「猫汎白血球減少症」と呼ばれています。猫汎白血球減少症は子猫に多く見られ、場合によっては命にかかわる可能性もあります。
細菌性の下痢
細菌性の下痢はカンピロバクター菌によるものが多いのですが、健康な成猫では無症状である場合がほとんどです。元々免疫力が低い子猫や、体調不良で免疫力が低くなったときなどに発症しやすく、下痢以外にも嘔吐が見られる場合もあります。
寄生虫性の下痢
寄生虫性の下痢の原因には、猫回虫やコクシジウムなどが挙げられます。保護猫や屋外飼育をしている猫に多く見られ、場合によっては便や吐しゃ物に虫が見られる場合もあります。
食物アレルギーによる下痢
猫も特定の食べ物に対してアレルギーを起こす場合があります。食物アレルギーを引き起こすと、皮膚のかゆみや下痢、嘔吐などの症状がみられます。
内臓疾患による下痢
胃腸炎や肝炎、膵炎などの内臓疾患が原因で下痢をする場合があります。嘔吐や発熱、元気がないなど、下痢以外に全身症状も見れる場合には、内臓疾患の病気が原因である可能性があります。
猫の下痢で気になる症状と動物病院に連れて行くタイミング
―動物病院を受診すべきタイミングについて教えてください。
猫に次のような症状が見られたら、すぐに動物病院に行きましょう。
- 一日に何度も下痢をしている
- ぐったりしている
- 元気や食欲がない
- 嘔吐(おうと)も見られる
- 便に多量の血が混じっている
また、次のような症状が見られる場合も、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
- 数日以上、下痢が続いている
- 下痢が続いて徐々に痩せてきた
- 便や吐しゃ物に虫が見られる
猫の下痢の家庭内での対処
―猫が下痢になったら、自宅でどのように対処すればいいのでしょうか?
ストレスが原因の場合
猫のストレスの原因を極力取り除くことが大切です。ストレスの原因を取り除くことが難しい場合は、猫が静かに過ごせるスペースを確保したり、コミュニケーションの時間を増やしたりして、なるべく猫が安心して過ごせるような環境作りを心がけましょう。
食事が原因の場合
食事量に問題があるときには食事量の見直しをしましょう。フードの変更をした場合は、一度元のフードに戻します。下痢が治ったら元のフードに新しいフードを少しずつ混ぜ、徐々に新しいフードの量を増やしていきましょう。食物アレルギーや食物不耐性の場合も下痢が治りにくい傾向があります。
そのほかの原因の場合
基本的には動物病院への受診が必要になりますが、すぐに受診できない場合は、フードを少しふやかしたり、フードの量を少し減らしたりして、お腹への負担を減らしてあげましょう。また、自己判断で人間用の下痢止め剤を与えるのは大変危険ですので、絶対にやめてください。
動物病院を受診する際は、なるべく新鮮な便をペットシーツなどにくるんで持参するようにしましょう。さらに、症状が出始めた日や下痢の回数、下痢以外の症状の有無、食事内容などを問診で聞かれる場合が多いため、あらかじめメモをしておくと、正確な情報を伝えられるでしょう。
また、すべての下痢を予防できるわけではありませんが、混合ワクチンの接種や室内飼育の徹底、猫を迎え入れた際の健康診断、1年に1回の定期健診などを行うことで、下痢をある程度予防できますよ。
猫の下痢の診療内容とかかる治療費
猫の下痢の診療内容
猫が下痢をしている場合、問診や触診によって原因を絞っていきます。その結果、検査が必要と判断されれば、糞便検査や血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行います。治療内容は原因によってさまざまですが、下痢止め剤や消化管運動促進剤、抗菌薬などの投薬や点滴治療、食事療法などを行い、手術が必要になる場合もあります。
猫の下痢の治療費例
ここでは、猫の下痢の治療費を原因として考えられる「細菌性感染」を例に紹介します。
- 治療期間:1週間
- 通院日数:2日
- 治療費 :11,000円
初診時には糞便検査を行います。糞便検査の結果細菌性の下痢だと判断されれば、皮下点滴や抗菌薬の投与、療法食の処方が行われます。2~3日後に再診を行い、問診や糞便検査などによって治療の効果が確認できれば、5日分ほど内服薬が追加で処方され、治療は終了となります。治療費は初診時に8,000円ほど、再診時に3,000円ほどかかります。
※上記の診察内容や期間、治療費は、一般的な成猫を基にした一例であり、全国の平均や水準を示すものではありません。また、体格や病状、動物病院によって異なりますのでご了承ください。
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