
ゴールデン・レトリーバーとの生活では、どんなことに気をつければいいのだろう。大型犬を初めて飼う方は、飼育方法やかかりやすい病気など、わからないことばかりですよね。
今回は、ゴールデン・レトリーバーがかかりやすい病気を年代別に紹介します。健康管理でのポイントも参考に、迎え入れる準備をしましょう。
- ゴールデン・レトリーバーの性格と平均寿命
- ゴールデン・レトリーバーの健康のために気をつけること
- ゴールデン・レトリーバーのかかりやすい病気とその費用
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ゴールデン・レトリーバーの特徴
まずは、ゴールデン・レトリーバーの特徴を紹介します。
性格
ゴールデン・レトリーバーは温厚でやさしい性格です。社交性や協調性に優れており、学習能力の高い犬種です。ふれあいやすい犬種ですが、中には神経質な子もいます。体が大きいわりに活動的なため、散歩で困らないためにもしつけはしっかり行いましょう。
平均寿命
平均寿命は10〜13歳程度と、ほかの犬種と比べても平均的です。大型犬は股関節や心臓に負担がかかりやすいとされていますが、極端に短いわけではありません。
しかし、癌を発症する確率が高い犬種でもあるため、長寿の犬種とはいえないでしょう。
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ゴールデン・レトリーバーの健康管理

ゴールデン・レトリーバーの健康管理においての4つのポイントを紹介します。
十分な運動
ゴールデン・レトリーバーは運動量の多い犬種です。散歩時間をしっかり確保して、十分運動できるようにしましょう。運動量が足りないと、ストレスや病気につながります。
子犬期の散歩は、1回30分未満でかまいません。散歩に慣れるまでは15分程度でも良いでしょう。子犬期に大切なのは、散歩量よりも外の世界に慣れることです。慣れてきてから徐々に時間を増やしましょう。
成犬期になれば、1回30分程度を朝夕2回に増やします。その子の体力によって足りないと感じるなら、定期的にドッグランで遊ばせてあげるのも良いでしょう。
老犬期は体調に応じて散歩量を調整します。ただし、体調を気にするあまりに散歩を控えてしまうのは避けましょう。散歩は運動のためだけでなく、気分転換やストレス発散にもなります。短時間でも外の風を感じさせてあげましょう。
ゴールデン・レトリーバーは体が大きいため、飼い主さまの力だけで静止するのが難しい場面もあります。拾い食いの癖がある場合は、かならずやめさせましょう。
体重管理
ゴールデン・レトリーバーの平均体重は生後まもなくで300〜500g程度、生後2か月で6.5〜7kg前後です。成犬では25〜34kg前後になります。肥満になりやすい犬種のため、飼い主さまの体重管理は重要です。
その都度体重を測るのは難しいため、体に触れたときに体型をチェックしましょう。理想的な体型は、助骨に軽く触れられて、ウエストにくびれがある状態です。体型を維持するためにはフードの量を守り、おやつをあげすぎないようにしましょう。
耳と皮膚の定期チェック
ゴールデン・レトリーバーは垂れ耳で汚れがたまりやすいため、定期的に耳をチェックしましょう。垂れ耳の犬種は外耳炎になりやすいため注意が必要です。
週に1回程度、耳の汚れ具合をチェックしましょう。月1〜2回は汚れを拭いて取り除きます。子犬のころから耳に触れられることに慣れておくと、耳掃除が楽です。
また、ゴールデン・レトリーバーは皮膚が弱いため、皮膚の定期チェックも行いましょう。スキンシップやブラッシングの際に確認します。月1回の定期的なシャンプーを心がけ、ぬれた後はしっかり乾かしましょう。
健康診断と予防接種
細かい体調の変化を見逃さない、見えない病気を発見するためにも、定期的に健康診断を受けましょう。子犬から成犬期であれば年1回、シニア期になったら年2回受けるのが理想です。
また、予防接種で感染から守ることも重要になります。まずは接種義務のある狂犬病ワクチンです。年に1回かならず受けましょう。また、任意で受ける混合ワクチンもあります。同じく年に1回接種するもので、生活スタイルによって種類を選びます。
ゴールデン・レトリーバーがかかりやすい病気

ゴールデン・レトリーバーがかかりやすい病気を年代別に紹介します。
子犬期(0〜1歳半)
子犬期にかかりやすい病気は以下の2つです。
◆感染症
産まれたばかりの子犬は、最初に飲む母乳によって母犬から免疫をもらい、守られています。しかし、生後2か月ごろから徐々に失われていき、さまざまな感染症にかかりやすくなります。
感染するウイルスの種類によって異なりますが、発熱や下痢、咳などの症状がみられます。多くの感染症はワクチン接種によって予防することが可能です。
◆アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、慢性的な炎症が起こる皮膚の病気です。かゆみが起こり、舐めたりかいたりすることで、脱毛なども起こります。遺伝的な要因であることが多く、ハウスダストや花粉、ダニなどにアレルギー反応を起こして発症する病気です。
皮膚疾患は子犬期にかかりやすいとされていますが、成犬期以降もかかりやすい疾患でもあります。
成犬期(1歳半〜5歳)
成犬期にかかりやすい病気は以下の3つです。
◆股関節形成不全
股関節形成不全とは、関節部分の骨が変形してかみあわないことで起こる病気です。ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーなどの大型犬によくみられます。歩くときに腰が左右に揺れる、階段やジャンプを嫌がるなどの症状がみられるのが特徴です。
遺伝的な要因が主ですが、肥満や激しい運動による関節への負荷によっても引き起こされます。
運動療法や理学療法などの内科療法と、手術の外科療法を行うのが一般的です。治療中は体重・運動制限も必要になります。
◆外耳炎
外耳炎は外耳に炎症が起こる病気です。耳にかゆみや赤みが起こったり、耳垢が異常に増えたりします。耳に空気が触れにくく細菌が増殖しやすい垂れ耳の犬種は注意が必要です。外耳炎は点耳薬などで治療します。
◆耳血腫
耳血腫は、耳たぶの内側に血液がたまって膨らむ病気です。耳のかゆみや臭いなど、比較的飼い主さまでも気づきやすい症状がみられます。発症する原因は、耳をかくことによる耳介への刺激です。耳にたまった血液を排液し、耳介にできた空洞を閉じる治療が行われます。
犬が耳をかくことはよくありますが、いつもより気にしている様子で頭を振る動作があれば、早めに動物病院で見てもらいましょう。
シニア期(5〜6歳ごろから)
シニア期にかかりやすい病気は以下の2つです。
◆腫瘍(癌)
良性の腫瘍なら、命にかかわることはありません。しかし、悪性の腫瘍は癌と呼ばれ、周囲に転移することにより命にかかわることもある病気です。犬の癌は人間の約2倍の発生率といわれています。
癌による症状は、しこりやイボが確認できる、鼻血や鳴き声の変化、腹囲膨満などです。運動不足やストレス、食生活などが主な原因のため、活動的なゴールデン・レトリーバーが癌にならないためにも、しっかり運動させてあげましょう。
癌の治療には、外科療法・放射線療法・化学療法・細胞免疫療法などが行われます。
◆胃捻転
胃捻転は、拡張した胃がねじれる病気です。お腹が膨れる、苦しそうに呼吸する、吐きそうなしぐさを繰り返すなどの症状が見られます。進行すると、胃が壊死したり腹膜炎が発生したりすることもある病気です。
根本的な原因がわからないケースが多いですが、一気喰いをする・ストレス・加齢などが関係しているといわれています。
ゴールデン・レトリーバーの病気治療にかかる費用

ゴールデン・レトリーバーがかかりやすい病気の治療費を紹介します。
病名 | 治療費(一例) |
股関節形成不全 | 検査:30,000円程度 全身麻酔:32,000円程度 手術:330,000円程度 点滴:9,000円程度 |
癌 | 手術:100,000〜200,000円程度/回 抗がん剤治療:50,000〜100,000円/1か月 放射線治療:500,000〜1,000,000円程度 免疫細胞療法:60,000円〜 |
胃捻転 | 通院:10,000円程度/回 |
別途、薬代や入院費、処置費用などが必要です。
ゴールデン・レトリーバーの病気にはペット保険で備えよう
ゴールデン・レトリーバーがかかりやすい病気の中には、高額な治療費がかかるものもあります。万が一の場合でも、できる限りの治療を受けさせてあげられるよう、ペット保険で備えておきましょう。
ペット保険は、
- 治療費の自己負担を減らせる
- 治療内容の選択肢が増える
- ケガ・病気以外の特約やサービスを受けられる
などのメリットがあります。
まとめ|ゴールデン・レトリーバーを病気から守ろう

温厚で活動的な大型犬、ゴールデン・レトリーバーの健康を守るためには、十分な運動と体重管理、健康診断・予防接種が重要です。日ごろからこまめに健康をチェックして、変化を見逃さないようにしましょう。
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