ペルシャの特徴や寿命、病気

「ペルシャを飼ううえで気をつけたい病気や治療法、予防方法は?」
「ペルシャと快適に暮らすための秘訣は?」

このように、ペルシャを飼育するにあたって、いろいろと気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、ペルシャの歴史や特徴、かかりやすい病気、飼い方のポイントについて紹介します。ペルシャと暮らし始めた方や、これから飼いたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

【この記事でわかること】

  • ペルシャの性格や寿命
  • ペルシャがかかりやすい病気
  • 病気の症状やできる予防
  • ペルシャと快適に暮らすためのポイント

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目次

ペルシャの基本情報

ペルシャの基本情報

まずは、ペルシャがどのような猫なのか、基本的な情報をご紹介します。

 

ペルシャの特徴とは?

ペルシャはその優雅で高貴な雰囲気のある姿初心者でも飼いやすい穏やかな性格で、世界中で愛されています。

 

丸く短いマズルと平らな顔立ちの、いわゆる「鼻ぺちゃ」とも呼ばれる独特の見た目が魅力です。長毛種でふわふわした毛並みで、さまざまな毛色パターン(バイカラー、タビー、ソリッド、チンチラなど)があります。

 

性格はのんびりと穏やかで、人懐っこく、飼い主さまに甘えることも多いです。活動的というよりは静かに過ごすことを好み、一人でいる時間も好きで静かに過ごすことができるため、お留守番もストレスなくできるでしょう。

 

ペルシャの平均寿命と健康を守るポイント

ペルシャの平均寿命は12~15年で、長生きする子は15〜20年ほど生きるといわれています。遺伝や環境で差が出ることもあるので、環境を整えることができる部分はしっかり行ってあげましょう。

 

健康を守るためには、バランスの良い食事を与えることが大切です。必要な栄養素を含み、消化に良いフードを選ぶことをおすすめします。また、適切な運動で肥満を防ぐために、おもちゃやキャットタワーを活用してみてください。そのうえで定期的に健康診断を受け、病気の早期発見を心がけましょう。

 

ペルシャの歴史と起源

ペルシャの正確な起源は現在も明確になっていませんが、紀元前の遺跡に記録があることから、最も古い猫の一種とされています。17世紀ごろにペルシャ(現代のイラン)からイタリアに渡ったという説や、トルコからヨーロッパに持ち込まれたという説があります。

 

1871年にイギリスで開催された世界初のキャットショーにも出場すると、イギリスやフランスの貴族のペットとして人気が高まり、19世紀までにはイギリスからアメリカに渡ったそうです。

 

20世紀に入ると、ペルシャの特徴である短いマズルや長毛は、人為的な繁殖によって進化しました。そして現在も、世界中で「高貴な猫」としてペットショップやブリーダーでの需要が高い猫種です。

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ペルシャがかかりやすい病気

ペルシャの病気

ペルシャはどのような病気にかかりやすいのでしょうか。主にかかりやすいとされている病気を解説します。

 

多発性嚢胞腎(PKD)

多発性嚢胞腎(PKD)は、ペルシャに多く見られる腎臓に発生する遺伝的な病気です。腎臓に嚢胞(のうほう)ができ、腎機能が低下します。

症状 腎臓の腫れ、飲水量や尿量の増加、食欲不振、嘔吐、貧血、元気がなくなるなどの症状があらわれます。
原因 遺伝性疾患で、親から子に遺伝します。特に純血種で発症率が高いです。
治療法 根本的な治療法はなく、進行を遅らせる治療(食事療法や投薬、点滴治療)が中心になります。
予防策 遺伝子検査を行い、多発性嚢胞腎の遺伝子をもたない親猫を繁殖に使わないことが重要です。

 

肥大型心筋症

心筋症は、猫の心臓病で最も多い、心臓の筋肉に異常が出る病気です。そのなかでも肥大型心筋症を発症する確率が高く、心臓の筋肉が厚くなってしまいます。

症状 呼吸が荒くなったり、食欲がなくなったり、痩せたりします。病状が進むと、肺や胸に水がたまる、血栓ができる、腎臓機能が低下するなどという症状が見られます。
原因 心臓の筋肉の異常(肥大化)により、血液循環が正常に行われなくなることが原因です。とくにペルシャでは、遺伝的要因が強いとされています。
治療法 症状を緩和する投薬治療(利尿薬や血管拡張薬、強心薬、血栓予防薬など)を行います。
予防策 無症状の時期が長く突然発症するケースが多い病気です。定期的な健康診断や日々の観察で早期発見に努めましょう。

 

流涙症

流涙症(りゅうるいしょう)は、ペルシャのような短頭種に多く発症する病気です。

症状 目の周りが常にぬれている状態になります。涙が過剰に流れるため、毛や皮膚が変色します。
原因 涙管が短頭種の骨格によって狭くなるために涙が排出されず、あふれ出てしまいます。
治療法 目の周りを清潔に保つケアが基本です。また、眼科疾患の治療を行ったり、鼻涙管を洗浄して涙の流れを良くしたりします。
予防策 涙がたまる部分をこまめに拭き取ってあげてください。発症した場合は定期的に獣医師に相談し、症状を悪化させないように注意しましょう。

 

眼瞼内反症

眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)は遺伝的に発症しやすい病気で、まぶたが内側に巻き込み、目を傷つける疾患です。

症状 まぶたが内側に入り込み、角膜を傷つけることで目の炎症や痛みが起きます。眼をしょぼつかせたり、涙が増えたり、目やにが多くなったりするケースもあります。
原因 遺伝的要因が主な原因です。短いマズルによる骨格の影響も考えられます。
治療法 重症の場合は外科手術(眼瞼形成術)を行います。
予防策 定期的な健康診断を受け、早期に異常を発見することが重要です。軽度な症状の段階で治療を開始することで、悪化を防げます。

 

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群は、マズルの短い短頭種に多く見られる病気です。重症になると呼吸困難を引き起こすこともあります。

症状 異常な呼吸音、呼吸困難、いびき、運動後の失神などの症状があらわれます。
原因 鼻や気管が短く空気の通り道が狭いため、空気を吸いづらくなることで生じます(短頭種特有の問題)。
治療法 外科治療によって、改善や緩和、進行を遅らせることはできますが、基本的に完治することは難しいとされています。また、症状が進行すると、手術によって緩和できる症状の範囲が狭まってしまう可能性があります。そのため、なるべく早い段階で手術を行ったほうが良いでしょう。
予防策 先天的な構造の問題のため予防は難しいですが、暑い環境に長時間いることを避けたり、過度な運動は控えたり、呼吸に負担がかからないようにしたりという配慮で重症化を防げます。また、肥満にならないよう、日ごろから食事管理に注意しましょう。

 

皮膚病(皮膚糸状菌症など)

ペルシャは長毛種ゆえに、皮膚病になりやすい傾向があります。毛が長く皮膚が見えにくいため、気づかないうちに症状がでていたという場合もあるので注意が必要です。

症状 皮膚病の種類によって、かゆみや脱毛、赤み、フケ、皮膚が厚くなるなどの症状が出ます。
原因 長毛が絡んで、皮膚が湿った不衛生な環境を作ることで菌が繁殖します。環境が不潔だと、ノミやダニの寄生が発生しやすいので注意です。
治療法 細菌や真菌が原因の場合は抗真菌薬や抗生剤を使用し、寄生虫が原因の場合は寄生虫の駆除をするなど、皮膚病の原因によって治療が行われます。また、専用のシャンプーで患部を洗浄することで細菌や真菌を減らすことも可能です。進行度に応じて、投薬や外科的治療も行われます。
予防策 定期的なブラッシングやこまめなシャンプー、清潔な環境を整えることが予防になります。気づきにくい症状のため、日々観察して早期発見を心がけましょう。

ペルシャの健康管理のポイント

ペルシャの健康管理のポイント

ペルシャの健康を維持するためには、日々のケアと飼い主さまの観察が欠かせません。ペルシャの健康管理に役立つ具体的なポイントを紹介します。

 

日常のケアで病気を予防する方法

ペルシャの被毛や目元は、以下のような日常的なケアをすることで健康な状態を保てます。

 

◆ブラッシングやグルーミング

長毛が絡むと毛玉や皮膚病の原因になるので、ブラシを使用し、1日1回ブラッシングをすることを心がけましょう。毛玉が多い場合は、プロによるトリミングも検討することをおすすめします。

 

◆目やにや涙やけのケア

ペルシャ特有の短いマズルが原因で、涙がたまりやすいです。コットンなどを使って、常に目元を清潔にしましょう。

 

適切な食事で健康を保つ

健康を維持するには、栄養バランスの取れた食事が重要です。

 

◆ペルシャに適したフード選び

長毛種の毛並みを保つためには、高タンパク・低脂肪のフードが適しています。

 

◆おすすめのフード成分

オメガ3脂肪酸や動物性高タンパク質、食物繊維、ビタミンなどが豊富に含まれるフードが理想です。

 

ペルシャと快適に暮らすための工夫をする

ペルシャが健康で快適に暮らせるようにするため、室内環境を整えましょう。清潔なトイレ環境を維持することや、滑り止めマットを敷く、キャットタワーを設置するなど、環境を整えるための工夫が大切です。

 

定期的な健康診断

病気を早期発見するためには、定期的な健康診断が不可欠です。

 

今回ペルシャがかかりやすい病気として紹介した多発性嚢胞腎、肥大型心筋症、皮膚病などは、健康診断で早期発見できる病気です。

 

特にペルシャは遺伝的にリスクが高いので、1年に1回は動物病院でしっかり検査してもらいましょう。

ペット保険の必要性と選び方

ペルシャは遺伝的に病気のリスクが高く、治療費が高額になるケースが多い猫種です。ペット保険に加入することで、治療費の負担を軽減できるため、加入を検討することをおすすめします。

 

ペット保険を選ぶ際には、補償内容や保険料、補償対象となる病気を比較するのが重要です。保険加入前に、対象となる病気や適用条件を確認しておきましょう。

まとめ│ペルシャの健康管理で大切なこと

ペルシャは、遺伝的な要因でかかりやすい病気が多い猫種です。健康を管理するためには、病気の種類を理解しておくことや、日々ケアをすること、環境を整えることが大切です。症状や原因を理解しておくことで、適切な治療や予防が可能になります。

 

万が一治療が必要になった場合に備えて、早い段階でペット保険に入っておくことをおすすめします。加入条件や補償範囲、付帯サービスなども含めて判断して選びましょう。

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この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部
ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。少額短期保険募集人、損害保険募集人、ファイナンシャルプランナー、愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、ペット防災指導員などの数多くの資格を保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴は10年以上です。知識や経験を活かして、さまざまなお役立ち情報をお届けします。

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