猫が懐かないのはなぜか
無意識のうちに猫が嫌うことをしている
「猫を飼い始めたけど思うように懐いてくれない」「近づくと逃げられる」という悩みをよく聞きます。なぜ飼い主なのに懐いてくれないのでしょうか?
当たり前の話ですが、猫に懐かれるには猫に好かれる必要があります。猫はどこまでも自分ファーストな生き物で、とにかく嫌いなことをしない人を好みます。
逆に言えば猫が懐かないのは、嫌われることしているということになります。もちろん猫に好かれたいのに、猫が嫌うことを進んで行う人はいないでしょう。ということは、無意識のうちに猫が嫌うことをしているということなのです。
猫が何を嫌うのか理解しよう
猫が懐かない原因は自分が無意識のうちに取っている行動にあります。無理やり抱きしめる、抱き上げる、しつこく触る、突然大きな声を出す、大きな物音を立てる、大げさな身振りをする、追いかけまわす……、こうしたことを猫は嫌います。
猫は自由に動くことができなかったり、恐怖や不安を感じたりすると落ち着きがなくなるのです。猫に懐かれないという方は、自分の行動や猫との接し方を見直しましょう。
もし猫が嫌うことを普段からしているとしたら、猫はあなたに対して警戒心を抱いています。まずは、猫が何を嫌うのかを理解して、嫌うことをしないように心がけましょう。
猫は男性よりも女性の高い声を好む
「猫が懐かないのは性別が関係しているのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、猫の性別と人の性別、どの組み合わせが相性がいいのかはっきりとはわかっていません。
一方で、男性の場合は、普段から声が大きかったり、動作が大げさだだったりすると猫に嫌われる可能性があります。さらに、猫は女性の高い声を好むので女性に懐きやすいと言われています。これは猫の耳に理由があり、高音域の聞き取りが得意なためとされています。
猫種によって懐かないということはない
「自分に懐いてくれないのは猫種に理由があるのでは?」と考える方もいるでしょう。確かに、中には臆病で警戒心が強かったり、神経質な性格の猫種も存在します。
このような猫種は、人懐っこくて甘えるのが大好きな性格の猫種よりも飼い主さんに懐くのに時間がかかります。ですが、どの猫種もイエネコには違いなく、猫種によって懐かないということはありません。
イエネコの祖先は、おとなしくて扱いやすいことから人に飼われるようになったリビアヤマネコです。現代のイエネコは、すべてこのリビアヤマネコの血を受け継いでいるので、人に懐かない猫種は存在しません。
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猫に好かれるポイント
猫に懐いてもらうには、まず猫に好かれるポイントを抑えましょう。何やら難しそうですが、要は猫に嫌われることとは反対の行動を取ればいいのです。
ゆったり動く
猫は動きがゆったりした人を好みます。臆病な性格の猫であっても、相手の動きがゆっくりであれば、「攻撃されないな」と安心します。猫が大好きな人は、つい大げさなリアクションを取りがちですが、ゆったりした動きで猫を落ち着かせましょう。
猫に近づくときも同じです。心を許していない相手が急に近寄ってきたら怖がって逃げてしまいます。こちらが近づいていることを意識させないように、ゆっくり猫との距離を詰めていきましょう。
やさしくゆっくり話しかける
猫は穏やかな口調や澄んだ高い声を好みます。「猫なで声」という言葉がありますが、やさしくゆっくり話しかける人を猫は好みます。
男性は無意識のうちに大きな声を出していることがありますから、穏やかに話しかけるように努めましょう。また、用もないのに何度も名前を呼ぶのは控えてください。
猫と同じ目線で接する
猫にとって人間は自分の何倍も大きな相手ですから、つい身構えてしまいます。猫の目線は人間よりもずっと低い位置にあるので、上から見下ろすような体勢で接すると怖がられることがあります。
そこで、猫に話しかけたり触るときは、中腰になったり座って猫と目線を合わせましょう。同じ目線で接するように心がけることで、猫は安心してあなたを見ることができます。
リラックスしているときに触りしつこくしない
猫は自分のペースを乱されるのを嫌います。毛づくろい中や食事中は、猫にとって触られたくないタイミングなので触りたくても我慢してください。猫が触られても嫌に感じないのはリラックスしているときです。
お腹を出してくつろいでいるときや寝ているときなど、タイミングを計りましょう。上手にスキンシップを行えば猫との距離を縮めることができ、好かれることにつながります。
また、体をなでているときに、しっぽを左右にブンブン振ったり、耳を後ろに倒すようになったら、「もうこれ以上いいよ」のサインです。しつこくして嫌がられる前に止めることが大切です。
猫を懐かせる方法
猫に好かれるポイントを抑えたら、次は猫の心を掴んで懐かせましょう。
飼い主さんの匂いに慣れさせる
猫は視力よりも嗅覚が優れているので、相手を匂いで認識します。猫が人の匂いをかぐのは相手を知りたいからです。邪魔しないように気が済むまで匂いを嗅がせてあげましょう。
飼い主さんの匂いに慣れた猫は体をスリスリしてきます。これには飼い主さんに自分の匂いをつけるマーキングの意味があります。それは、「あなたに心を許したよ」という友好のサインで、懐いてくれるまであと一歩です。
一緒に遊んで仲良くなる
猫が逃げずに近くにいるようになったり、しっぽをピンと立てて近寄ってきたときは、OKサインです。次は一緒に遊んで仲良くなりましょう。OKサインが出ないときは、強引にせずに辛抱強く待ちましょう。
猫と一緒に遊ぶときは、猫じゃらしといったおもちゃを使いますが、紐やビニール袋でも構いません。最初から派手な遊びをしようとすると驚いて逃げられてしまうので、反応を見ながら、おもちゃをゆっくり動かしましょう。
次第に遊びに夢中になるとジャンプしたり走り回ったりするので、動きを大きくしていくといいでしょう。遊びの息が合えば少しずつ猫と仲良くなることができ、懐くことにつながります。
スキンシップで懐かせる
一緒に遊べるくらい仲良くなったら、最後はスキンシップでさらに猫との距離を縮めましょう。猫は顔と首周り、背中をやさしくなでられるのを好む傾向があります。逆に、急所であるお腹はほとんどの猫が嫌がるので避けてください。
あなたに対して警戒心をもっていなければ、なでられたときにうっとりした顔になったりゴロゴロのどを鳴らしたり、お腹を見せたりします。
とは言え、いくら心を許している飼い主さんでも触られたくないときもあります。猫が甘えたいときはたっぷり甘えさせ、自由にしたいときは自由させましょう。猫の気持ちを察することが懐かせる近道です。
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