猫が後をついてくるのには理由がある
猫が自分の後をついてくる、こんな経験はありませんか? 犬なら飼い主さんを慕って後をついてくるのは何となくわかると思います。しかし、猫は気まぐれでマイペースな生き物です。犬のような上下関係の概念はありません。
それでも人の後をついてくるのには、ちゃんとした理由があります。その理由を知ると猫の気持ちを読み解くことができ、猫との距離をさらに縮めることができます。
ちなみに、猫が人の後をついていくのは縄張りの中だけです。縄張り意識が強い猫は、いくら人の後をついていきたくても、縄張りの外まで追いかけることはありません。
猫が後をついてくるのはこんな場面
それでは猫が後をついてくる場面ごとに、理由と猫の気持ちを解説します。
これから出かけようというとき
身支度を整えて、「さあ、これから出かけよう」というときに、愛猫が自分の後をついてくることがあります。その理由は飼い主さんの服装などから、普段との違いを察知しているからです。
猫は環境の変化にとても敏感です。いつもはラフな格好で過ごすのに、よそ行きの服装に着替えれば、猫はその変化に気付きます。女性なら出かける前にお化粧をしますから、さらに変化が顕著です。
猫は何か変わったことがあると落ち着かなくなる生き物です。これから出かけようという飼い主さんの後をついてくるのは、見送りに来たのではなく不安でひとりではいられないからです。
そこで、愛猫が不安にならないように、身支度は猫がいない場所で行い、出かける前に体をなでたり抱き上げたりしてスキンシップを行いましょう。スキンシップを行うことで、愛猫の不安や恐怖をやわらげることができます。また、飼い主さんが慌しくすると猫は余計に不安を感じて落ち着かなくなります。出かける前は何かとバタバタしがちですが、愛猫のためにも余裕を持って準備しましょう。
なでたり抱っこしたりしたとき
愛猫へのスキンシップはコミュニケーションの手段として欠かせません。ところが、たっぷり体をなでたり抱っこしたりしたにもかかわらず、後をついてくることがあります。
これは飼い主さんに自分の匂いを付けたいからです。その際に、猫が体をスリスリしてくることがありますが、スリスリには自分の匂いをつけるマーキングの意味があります。
つまり、スキンシップで愛情を感じた猫は、後を追いかけて自分の匂いをつけることで飼い主さんを独占しようとしているのです。もちろん飼い主さんに甘える気持ちもあります。しっぽをピンと立てて後をついてくるときは、甘えたいというサインです。
スキンシップが終わったのに愛猫が後をついてくるときは、立ち止まって好きなようにさせましょう。スリスリをしたい猫には好きなだけ匂いを付けさせ、しっぽを立てて甘えてくる猫にはやさしく頭をなでてあげましょう。
朝起きてすぐ
朝起きると愛猫が後をついてくることがありますが、理由は至って単純です。少しでも早くご飯が欲しいからです。猫はどこまでもマイペースな生き物で、人の都合など考えません。
また、猫は早朝に活発に動く生き物ですから、朝はとてもお腹が空いています。ですから、飼い主さんが起きるのを今か今かと待ち構えているのです。
飼い主さんが起きたら1秒でも早くご飯をもらいたくて後をついてくるというわけです。飼い主さんが顔を洗おうがトイレに入ろうがお構いなし、ご飯をもらうまで後を追いかけ回します。
朝起きると愛猫が後をついてくるときは、できるだけ早く猫の朝ごはんを用意してください。朝は猫が自分よりも先にご飯を食べるものだと思いましょう。
飼い主さんがご飯の出すと猫は自然に落ち着きます。逆にほかのことを優先してじらしたり、フードを出すのに手間取ったりすると、猫はなかなかご飯をもらえないので落ち着かず、飼い主さんの後を追いかけることになります。
「どうして、おとなしく待てないの?」なんて猫に言っても通じませんから、起きたら速やかにご飯を出せるように、前の晩に準備するといいでしょう。
出したフードを食べ終わったとき
出したフードを食べ終わったのに愛猫が後を追いかけてくることがありますが、こちらも理由は単純です。飼い主さんが出したご飯を食べたけど、物足りないからもっと欲しいということです。
肉食動物である猫は、かつて狩りをして糧を得ていました。そんな生活ではいつ食事にありつけるかわかりません。ですから、食べられるときに食べておこうという本能が働くのです。
猫に腹八分目という考えはありません。お腹いっぱいに食べたいのに、フードの量が少ないと食べ足りないと感じて、「もっと欲しい」とおねだりするために飼い主さんの後をついてくるのです。
出したフードを食べ終わったのに愛猫が後をついてくるときは、少しだけフードを足してあげましょう。まだ食べたいのに食べられないと、猫はストレスに感じてしまいますから、我慢させずにもう少し食べさせてください。
とは言え、フードを与えすぎると肥満につながります。もし、愛猫の食べる量が多いと感じたときは、フードの量を減らすのではなく、水分の多いウェットフードをトッピングしてカサを増したり、ドライフードを低カロリーなダイエット用のフードに切り替えましょう。
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歩き方から猫の気持ちを読み解く
猫が後をついてくるときは歩く姿勢に注目しましょう。猫は歩き方に気持ちが表れますから、調子がいいのか悪いのかをおおまかに判断することができます。
顔としっぽが上を向いているときは機嫌が良い
猫が顔を上に向けてしっぽを立てて、リズミカルなステップで歩いているときは機嫌がいいことの表れです。飼い主さんに甘えたくて後をついてくるときは、大抵この歩き方です。調子の良さの表れでもありますから、この歩き方をしているなら安心です。
トボトボ歩くときは調子が悪い
顔としっぽを下に向けてトボトボとゆっくり歩いているときは、ストレスがたまっていたり、不調であったりするきです。元気のなさが歩き方にも表れています。
この歩き方で後をついてくるのは、ひとりになると不安だから寄り添ってほしいときです。どんなに忙しくても立ち止まって体を触り、異変がないか確認しましょう。もし、足を引きずっているようなら病気の可能性があります。
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