布団にくるまった元気のない犬

愛犬が咳をしたり、鼻水や熱が出たりすると「風邪かも?」と不安になりますよね。この記事では、犬の風邪症状の原因や対処法、治療費の目安までわかりやすく解説します。

【記事のまとめ】

犬の咳や鼻水、発熱は単なる風邪ではなく、ケンネルコフや肺炎、心臓病など重大な病気が隠れていることがあります。軽度であれば治療費は約5,000〜15,000円程度が目安ですが、肺炎や気管虚脱などで検査・入院が必要になると数万円以上かかるケースもあります。特に、呼吸困難や食欲不振を伴う場合は早急な受診が必要です。

目次

そもそも犬に「風邪」という病気はない

実は、医学的に「犬の風邪」という特定の病名はありません。人間が風邪をひくのと同じように、犬もウイルスや細菌に感染することで、くしゃみ、鼻水、咳、発熱といった呼吸器系の症状を示すことがあります。

一般的に、これらの症状の総称として「犬の風邪」と呼ばれているのです。犬が風邪を引くのは、体力の低下や免疫力の低下が関係していることが多く、軽い症状で済むこともあれば、重篤な病気の前兆である場合もあります。

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犬の風邪サイン│気づきやすい初期症状7つ

愛犬の体調不良にいち早く気づくためには、普段の様子をよく観察し、初期症状を見逃さないことが大切です。これらのサインが一つでもみられたら、注意深く愛犬の様子を見守りましょう。

  1. 喉に何かが詰まったような咳
  2. 透明または色のついた鼻水
  3. くしゃみを頻繁に繰り返す
  4. 元気がなく、体が普段より熱い
  5. いつものドッグフードを食べない
  6. 目やにが増えて目がしょぼしょぼする
  7. 下痢をしたり吐いたりすることも

 

1. 喉に何かが詰まったような咳

犬が「カハッ」「ケッケッ」と、何かを吐き出すような乾いた咳をすることがあります。これは喉や気管に炎症が起きているサインで、特に「ケンネルコフ」という感染症でよくみられる特徴的な症状です。まるで、喉に何かが詰まったかのようにみえるため、飼い主を心配させますが、多くは呼吸器の炎症が原因です。

 

2. 透明または色のついた鼻水

鼻水の状態は、病気の進行度を判断する手がかりになります。初期段階では、水のようにサラサラとした透明な鼻水が出ることが多いです。しかし、症状が進行して細菌による二次感染が起こると、鼻水は粘り気のある黄色緑色に変化します。色のついた鼻水が出ている場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

 

3. くしゃみを頻繁に繰り返す

ホコリやにおいなどの刺激で、単発のくしゃみが出ることは生理現象ですが、連続してくしゃみをしたり、頻繁に繰り返したりする場合は注意が必要です。ウイルスや細菌、アレルギー物質などが鼻の粘膜を刺激している可能性があります。鼻水や咳など、ほかの症状と合わせてみられることも少なくありません。

 

4. 元気がなく、体が普段より熱い

人間と同じように、犬もウイルスや細菌と戦うために発熱することがあります。犬の平熱は38度台が一般的で、人間よりも少し高めです。耳や足の付け根、お腹などを触って普段より熱く感じたり、ぐったりして動きたがらなかったりする場合は、体温を測ってみましょう。食欲不振や元気の消失を伴うことが多いです。

 

5.いつものドッグフードを食べない

食欲の低下は、犬の体調不良を示す最も分かりやすいサインの一つです。発熱による倦怠感や、喉の痛みで飲み込むのがつらい、あるいはにおいが分かりにくくなっていることなどが原因で、普段は大好きなドッグフードも残すようになります。全く食事を受け付けない状態が続く場合は、早めに動物病院で相談しましょう。

 

6. 目やにが増えて目がしょぼしょぼする

風邪のような症状と同時に、結膜炎などを併発して目に症状が出ることがあります。涙の量が増えたり、目やにが普段より多くなったりするのが特徴です。目やにの色も、白っぽいものから黄色や緑色の膿のようなものまでさまざまです。目を気にして前足でこすったり、しょぼしょぼさせたりする仕草がみられることもあります。

 

7. 下痢をしたり吐いたりすることも

呼吸器系の症状だけでなく、下痢嘔吐といった消化器系の症状を伴うこともあります。これは、感染が全身に影響を及ぼしているサインです。特に子犬や老犬では、下痢や嘔吐が続くと脱水症状に陥りやすく、急激に体力が奪われてしまうため、注意深く観察する必要があります。

子犬や老犬は注意!動物病院をすぐに受診すべきサイン

ベッドの上でぐったりする犬

成犬であれば体力で乗り切れるような症状でも、免疫力が未熟な子犬や、体力が低下している老犬、持病を持つ犬にとっては、命に関わる事態に発展する可能性もあります。

【すぐに動物病院を受診すべき症状】

  • 呼吸が苦しそう、速い
  • ぐったりして動かない
  • 食欲や飲水意欲が全くない
  • 黄色や緑色の鼻水、目やにが出ている
  • 咳や下痢、嘔吐が止まらない
  • 症状が時間とともに悪化している

上記のようなサインがみられた場合は、様子を見ずにすぐに動物病院を受診してください。

関連記事:犬の息が荒い!これって何かの病気?原因や対処法を徹底解説!

犬の風邪のような症状を引き起こす代表的な病気

犬に咳や鼻水といった風邪のような症状がある場合、それは単なる体調不良ではなく、体に潜む重大な病気のサインかもしれません。一見すると風邪に似ていても、実際には命に関わる病態が進行しているケースもあります。

ここでは、風邪に似た症状を引き起こす代表的な病気や疾患を紹介します。

 

ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)

「犬の風邪」の代表格ともいえる病気がケンネルコフです。複数のウイルスや細菌が関与する複合感染症で、特に犬パラインフルエンザウイルスや犬アデノウイルス2型などが原因となります。

乾いた咳が主な症状で、感染力が非常に強いのが特徴です。ペットホテルやドッグランなど、多くの犬が集まる場所で感染が広がりやすい傾向があります。

関連記事:子犬のケンネルコフはいつまで咳が続く?死亡例はある?

 

肺炎

ケンネルコフなどの呼吸器感染症が悪化し、炎症が肺にまで及ぶ肺炎を引き起こします。

咳や発熱に加えて、呼吸が速く、苦しそうになるのが特徴です。重症化すると命を落とす危険性もあるため、早期の治療が不可欠です。特に子犬や老犬は重症化しやすいため、注意が必要です。

 

気管虚脱

気管虚脱とは、空気の通り道である“気管”がつぶれてしまい、呼吸がしづらくなる病気です。特に小型犬やシニア犬に多くみられます。チワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアなどの小型犬や短頭種に多くみられます。

興奮した時や運動後に「ガーガー」というアヒルの鳴き声に似た特徴的な咳が出ます。咳は温度や湿度の変化、運動や興奮などで悪化しやすい傾向があります。進行すると呼吸困難を引き起こす可能性があり、注意が必要です。

 

心臓病

特に高齢の小型犬において、咳は心臓病のサインである可能性も考慮しなくてはなりません。「僧帽弁閉鎖不全症」などの心臓病が進行すると、心臓が拡大して気管を圧迫したり、肺に水が溜まる「肺水腫」を引き起こしたりして咳が出ます。運動を嫌がる、疲れやすい、安静時に咳き込むなどの症状がみられたら要注意です。

関連記事:犬の心臓病の僧帽弁閉鎖不全症とは?ステージ別症状や治療、予防法を解説

 

犬フィラリア症

蚊によって媒介されるフィラリアという寄生虫が、犬の心臓や肺の血管に寄生することで発症します。初期は無症状ですが、進行すると血液の流れが悪くなり、咳や呼吸困難、腹水などの症状があらわれます。

咳は乾いたような音が特徴で、運動後に悪化しやすい傾向があります。月1回のフィラリア予防薬で確実に防げる病気です。

 

鼻腔内腫瘍や鼻炎

くしゃみや鼻水が長く続く場合、鼻の中に腫瘍ができている可能性や、慢性的な鼻炎も考えられます。特に高齢犬で、片方の鼻からだけ色のついた鼻水や鼻血が出る場合は、鼻腔内腫瘍を疑う必要があります。アレルギー性鼻炎や細菌性鼻炎なども、くしゃみや鼻水の原因となります。

 

アレルギー

ハウスダスト、花粉、カビ、食べ物など、特定のアレルゲンに反応して、くしゃみや鼻水、咳といった症状が出ることがあります。皮膚のかゆみや目の充血などを伴うことも多いのが特徴です。特定の季節や場所で症状が悪化する場合は、アレルギーの可能性が考えられます。

【犬の風邪の治し方】動物病院での主な治療法

動物病院で聴診器を当てられる犬

犬の風邪症状に対する治療は、原因となっている病気の正確な診断に基づいて行われます。ここでは、主な治療法について解説します。

 

投薬治療│咳や炎症を抑えるため

治療の基本は、症状を和らげるための対症療法です。細菌感染が疑われる場合は抗生物質、咳がひどい場合には咳止めや気管支拡張薬、炎症を抑えるために消炎剤などが処方されます。これらの薬は、犬の状態や原因となる疾患に合わせて獣医師が選択します。

 

点滴│脱水症状を改善するため

食欲不振や嘔吐・下痢によって水分が十分に摂れていない場合や、脱水症状がみられる場合には、点滴による水分・栄養補給が行われます。皮下点滴静脈点滴があり、全身状態を改善させ、回復を助ける効果が期待できます。重症の場合には入院して継続的に点滴治療を行うこともあります。

 

ネブライザー治療│呼吸を楽にするため

ネブライザーは、薬剤を霧状にして鼻や口から直接気管や肺に送り込む治療法です。気管支拡張薬や抗生剤、加湿した酸素などを吸入させることで、気道の炎症を和らげ、痰を出しやすくする効果があります。鼻づまりがひどい場合や、咳が苦しそうな場合に用いられ、呼吸を楽にさせることができます。

犬の風邪でかかる治療費用の目安

犬が風邪のような症状で動物病院を受診した場合、治療費は原因となる病気や症状の重さ、必要な検査・治療内容などによって大きく異なります。軽度のケンネルコフなどであれば、診察料や内服薬を含めて、1回あたり5,000〜15,000円程度で済むケースが一般的です。

 

一方で、肺炎や気管支炎など重症化している場合は、レントゲン検査や血液検査、点滴治療などが必要になることもあります。さらに、入院や継続的な治療が必要になると、数万円以上かかるケースも少なくありません。

愛犬を風邪症状から守るための予防策

ドッグランで遊ぶ複数の犬たち

愛犬を風邪のような症状から守るためには、病気の原因となるウイルスや細菌に接触する機会を減らし、犬自身の免疫力を高く保つことが重要です。日ごろの生活の中でできる予防策を実践し、愛犬が健康に過ごせる環境を整えましょう。

 

ワクチン接種で感染症を防ぐ

ケンネルコフの原因となる犬パラインフルエンザウイルスや犬アデノウイルス2型、また重篤な症状を引き起こす犬ジステンパーウイルスなどは、混合ワクチンの接種によって感染を予防したり、感染しても症状を軽く抑えたりすることが可能です。年に一度の予防接種を忘れずに行いましょう。

関連記事:犬のジステンパー感染症はどんな病気?ワクチン接種で予防できる?

 

飼育環境を清潔に保ちウイルスを遠ざける

犬が生活する空間を清潔に保つことは、感染症予防の基本です。こまめな掃除や換気を心がけ、犬用のベッドや毛布、おもちゃなども定期的に洗いましょう。

特にペットショップから迎えたばかりの子犬や、多頭飼育の環境では衛生管理が重要です。また、室内の温度や湿度を適切に管理し、犬が快適に過ごせる環境を整えることも免疫力の維持につながります。

 

ほかの犬との過度な接触を避ける

ドッグランやペットホテル、犬が多く集まるイベントなど、不特定多数の犬と接触する場所は、感染症が広がりやすい環境です。

愛犬の体調が優れない時や、ワクチンプログラムが完了していない子犬の時期は、こうした場所へのお出かけは控えるのが賢明です。ほかの犬との交流は、健康状態が確認できている相手と適度な範囲で行いましょう。

犬の風邪症状に関するよくある質問

愛犬の風邪のような症状について、飼い主が抱きやすい疑問点をまとめました。適切な対応を知り、万が一の時に備えておきましょう。

 

犬の風邪が自然に治ることはある?

軽症のケンネルコフなどは、体力や免疫力があれば自然に治ることもあります。しかし、症状が悪化して肺炎になったり、別の病気が隠れていたりする可能性も否定できません。

何日で治るという明確な期間はなく、自己判断は危険です。症状が続く場合は、早めに動物病院を受診してください。

 

犬の風邪症状はほかの犬や人間にうつる?

原因によります。ケンネルコフなどウイルスや細菌が原因の場合は、咳やくしゃみの飛沫を介してほかの犬にうつります。

一方、人間と犬とで感染する風邪のウイルスは種類が異なるため、基本的に犬の風邪が人間に、あるいは人間の風邪が犬にうつることはありません。

 

人間用の風邪薬は犬に与えてはいけない?

絶対に与えてはいけません。人間用の薬には、犬にとって中毒を引き起こす成分が含まれていることが多く、非常に危険です。肝臓や腎臓に深刻な障害を与え、命に関わることもあります。薬はかならず獣医師が処方したものを、指示された用法・用量を守って与えてください。

 

家庭での対処法やケア方法は?

まずは安静に過ごせる環境を整え、体力を消耗させないことが大切です。興奮やストレスは症状を悪化させることがあるため、静かで落ち着ける場所で休ませましょう。

また、空気が乾燥すると気道に負担がかかりやすくなるため、加湿器などを使って室内の湿度を50〜60%程度に保つのも効果的です。食欲が落ちている場合は、フードをぬるま湯でふやかすなど、食べやすく工夫してあげましょう。

ただし、家庭でのケアだけで改善しないケースも少なくありません。咳が続く、呼吸が苦しそう、元気や食欲がない場合は、早めに動物病院を受診してください。

まとめ│重症化する前に動物病院を受診すること

犬にみられる咳や鼻水といった「風邪」のような症状は、軽度の場合もありますが、さまざまな病気のサインである可能性も否めません。特に子犬や老犬は重症化しやすいため、注意が必要です。

愛犬の様子に異変を感じたら、自己判断で様子を見るのではなく、早期に動物病院を受診することが重要です。日ごろから、ワクチン接種や生活環境の整備などの予防策を心がけておきましょう。

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ペット保険比較のピクシー編集部
この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部

損害保険募集人
少額短期保険募集人
ファイナンシャルプランナー

ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。金融に関する資格はもちろん、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員などのペットに関する資格も保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴が10年以上のメンバーもいます。大切なペットとの毎日が安心できるものになるよう、資格やこれまでの経験に加え、丁寧な調査や取材を重ねながら正しい情報を発信していきます。

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