ペット用ピンブラシを噛む子犬

子犬のブラッシングをいつから始めるべきか、その必要性や適切な頻度などを、知りたい方も多いのではないでしょうか。実は、じっとしているのがまだ難しい子犬は、ブラッシングを嫌がることが少なくありません。

この記事では、子犬のブラッシングの正しいやり方や、嫌がる場合の対処法のコツ、犬種ごとの頻度の目安まで、初心者が知りたい情報を網羅的に紹介し、子犬とのブラッシングタイムを快適にするためのポイントを説明します。

【この記事でわかること】

  • 子犬は生後何か月からブラッシングをすべき?
  • 子犬期のブラッシングにはメリットがあるの?
  • 子犬がブラシを嫌がるときはどうしたらいい?
  • 子犬のブラッシングに必要な道具は?
  • 子犬におすすめのブラシはある?

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目次

子犬のブラッシングは生後何か月から始めるのがベスト?

ヨークシャーテリアをブラッシングする女性

子犬のブラッシングを始める最適な時期は、新しい環境に慣れはじめる生後2〜3ヶ月ごろです。多くの子犬はこの時期に飼い主のもとへ迎え入れられるため、ちょうどよいタイミングといえます。

ただし、お迎えしてすぐは環境の変化によるストレスで敏感になっていることが多いため、最初の数日は無理に触らず、家や家族に慣れてリラックスした様子が見られてからスタートしましょう。

特に、さまざまな刺激を受け入れやすい「社会化期」(生後3週〜12週齢ごろ)にブラッシングを経験させることは重要です。この時期に優しく体を触られることに慣れておくと、成犬になってからもお手入れをスムーズに受け入れやすくなります。

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子犬のブラッシング頻度は?犬種別・毛質別の目安

ブラッシングの理想的な頻度は、犬種や被毛のタイプによって異なります。ここでは、長毛種と短毛種の場合にわけて、ブラッシングの頻度やコツを紹介します。

 

長毛種の子犬のブラッシング頻度

トイ・プードルやポメラニアン、シー・ズー、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、シェットランド・シープドッグなどの長毛種は、毛が長く絡まりやすいため、毎日ブラッシングを行うのが理想です。

換毛期のあるダブルコートの犬種は、この時期に特に念入りなケアをしなければなりません。日々のケアを怠ると、すぐに毛玉ができてしまい、皮膚トラブルの原因になります。

シングルコートでも、プードルのようなカールした毛質は、特にもつれやすいため注意が必要です。長毛種の場合は抜け毛も増えがちなので、こまめな部屋の掃除も大切です。

 

短毛種の子犬のブラッシング頻度

柴犬やチワワ、フレンチ・ブルドッグなどの短毛種は、長毛種ほど毛玉の心配はありませんが、抜け毛の除去や皮膚の健康維持のために定期的なブラッシングが必要です。目安としては、週に2~3回程度行うと良いでしょう。

短毛種でも、特に柴犬のようなダブルコートの犬種は換毛期に多くの毛が抜けるため、この時期はブラッシングの頻度を上げることをおすすめします。

なぜ子犬にブラッシングが必要?5つのメリット

ブラッシングされるコーギー

子犬にしっかりとブラッシングをするメリットは、単に毛並みを整えるだけではありません。子犬のころから慣れさせておくことで、成犬になってもスムーズなケアが可能になります。ここでは、子犬にブラッシングが必要な理由とメリットを解説します。

 

メリット1:抜け毛を取り除き皮膚を清潔に

ブラッシングの基本的な役割は、抜け毛や古い毛を取り除くことです。特に犬は、春と秋の換毛期に大量の毛が抜けるのですが、これらを放置すると毛が絡まり、皮膚の通気性が悪化します。

通気性が悪い状態が続くと、皮膚が蒸れて細菌が繁殖しやすくなり、皮膚炎などのトラブルを引き起こす原因になりかねません。定期的にブラッシングを行うことで、不要な毛やフケ、外部から付着したホコリなどを除去し、皮膚を清潔な状態に保てます。

 

メリット2:血行を促進して健康な被毛へ

ブラシで皮膚を優しくマッサージすることは、血行促進に効果的です。皮膚の血行が良くなると、毛根まで栄養が届きやすくなり、これから生えてくる毛が健康で丈夫になります。

その結果、毛ヅヤが良くなり、美しい被毛を維持することに繋がります。マッサージ効果によって犬がリラックスすることも期待でき、ブラッシングが気持ちの良いものだと認識させるきっかけにもなります。

 

メリット3:愛犬とのコミュニケーション

ブラッシングは、飼い主と愛犬が触れ合う大切なスキンシップの時間です。優しく声をかけながら体をなで、ブラッシングを行うことで、犬は飼い主からの愛情を感じて安心します。

このような定期的な触れ合いは、お互いの信頼関係をより深く、強固なものにします。

特に子犬の時期からこの習慣を始めることで、犬は体に触られることに慣れ、飼い主への信頼感を育んでいきます。ブラッシングの時間を、ただの“お手入れ”ではなく、愛犬との絆を深める特別な時間として大切にしましょう。

 

メリット4:皮膚の異常やケガを早期発見

ブラッシングは、子犬の全身の健康チェックにも最適です。被毛をやさしくとかしながら皮膚の状態を確認することで、フケや赤み、湿疹、しこり、脱毛など、普段は気づきにくい異常を早期に発見できます。

特に子犬のフケは皮膚トラブルのサインであることも多く、日々のブラッシングでこまめにチェックすることが大切です。また、ノミやダニなどの寄生虫や、散歩中についた小さな傷の確認にも役立ちます。

毎日のブラッシングを習慣にすることで、皮膚や被毛のわずかな変化にも気づきやすくなり、健康維持や病気の早期治療につなげられます。

 

メリット5:毛玉ができるのを防ぐ

特に長毛種の子犬にとって、毛玉の予防はブラッシングの非常に重要な目的です。抜け毛や汚れが絡み合ってできる毛玉を放置すると、皮膚が常に引っ張られた状態になり、犬に痛みを与えます。さらに、毛玉の下は通気性が悪くなるため、皮膚炎や雑菌の温床になることもあります。

一度できてしまった頑固な毛玉は、ブラッシングでほぐすのが困難な場合も多く、ひどいケースではカットせざるを得ません。日々のこまめなブラッシングで毛のもつれを防ぎ、毛玉ができるのを未然に防ぐことが不可欠です。

子犬が気持ちよいブラッシングの正しいやり方と手順

ブラッシングされるゴールデンレトリーバー

子犬にブラッシングを好きになってもらうためには、正しいやり方と手順で進めることが重要です。ここでは4つのステップに沿って、子犬が気持ちよく感じる正しいブラッシングの手順をご紹介します。

  1. まずは体全体を優しくなでてリラックス
  2. 毛並みに沿って優しくブラッシング
  3. 毛玉やもつれは丁寧にほぐす
  4. ご褒美をあげて良いイメージに

 

ステップ1:まずは体全体を優しくなでてリラックス

ブラッシングを始める前に、まずは飼い主の手で子犬の体全体を優しくなでてあげましょう。これは、犬の緊張をほぐし、リラックスさせるための重要なステップです。「これから体に触るよ」という合図にもなり、犬が心の準備をする助けとなります。

特に子犬は、まだ体に触れられることに慣れていない場合があります。元気いっぱいの子犬期ほど、じっとしない、じゃれようとする子も多いでしょう。

そんなときは、スキンシップを取りながら優しく声をかけてあげることで、安心感を与えられます。この準備段階を丁寧に行うことで、その後のブラッシングがスムーズに進みやすくなります。

 

ステップ2:毛並みに沿って優しくブラッシング

子犬がリラックスした状態になったら、いよいよブラッシングを開始します。

最初は、背中やお尻など、犬が比較的触られても嫌がりにくい部分から始めましょう。ブラシは力を入れずに軽く持ち、毛の流れに沿ってゆっくりと動かします。

毛の流れに逆らってとかすと、犬が痛みを感じたり不快に思ったりすることがあるため注意が必要です。

一部分が終わったら、少しずつ範囲を広げていきます。子犬のうちは集中力が続かないため、一度に全身を完璧に行おうとせず、短時間で終えることを心がけます。

 

ステップ3:毛玉やもつれは丁寧にほぐす

ブラッシング中にもつれ毛玉を見つけた場合、無理にブラシで引っ張ってはいけません。

子犬に痛い思いをさせてしまい、ブラッシング嫌いの原因になります。まずは指で優しくほぐせるか試してみましょう。

それでも難しい場合は、毛玉の根元をしっかりと指で押さえ、皮膚が引っ張られないようにしながら、コームの先端やスリッカーブラシの角を使って少しずつ、毛先の方から丁寧にとかしていきます。

どうしてもほぐれない頑固な毛玉は、無理をせず動物病院やトリミングサロンで専門家に相談するのが安全です。

 

ステップ4:ご褒美をあげて良いイメージに

ブラッシングが終わったら、必ず「よくできたね」「えらかったね」とたくさん子犬を褒めてあげることが重要です。そして、おやつなどの特別なご褒美を与えましょう。

この一連の流れを繰り返すことで、子犬は「ブラッシングを我慢すれば、良いことがある」と学習します。このポジティブな関連付けが、ブラッシングに対する良いイメージを形成し、今後のケアを楽にしてくれます。

最初はブラシを体に一回当てるだけでも良いので、少しでも協力的な姿勢を見せたら褒めて終わらせ、少しずつ時間を延ばしていくのが成功のコツです。

子犬がブラッシングを嫌がるときの原因と対処法|慣れさせるコツも紹介

子犬がブラッシングを嫌がる、ブラシを噛む、などの場合、その背景にはいくつかの原因が考えられます。ここでは、考えられる原因と対処法、そして慣れてもらうためのコツもご紹介します。

 

原因1:体に触られることに慣れていない

社会化期に人との触れ合いが少ない場合、体に触られること自体に慣れておらず、恐怖や不快感から子犬がブラッシングを嫌がることがあります。特に足先、しっぽ、顔周り、お腹などの敏感な部分は、触られるのを嫌う犬が多いでしょう。

この場合の対処法は、ブラッシングの前に、まず日ごろの飼い主とのスキンシップを増やすことから始めます。おやつをあげたり遊んだりしながら体をなで、背中やお尻など抵抗の少ない部分から触れる練習をします。犬がリラックスしている状態で、触る範囲を少しずつ広げていくことが大切です。

 

原因2:ブラシ自体を怖がっている

子犬にとって、ブラシは見慣れない硬い物体であり、恐怖の対象となることがあります。いきなりその物体で体をこすられれば、警戒して逃げたり威嚇したりするのは自然な反応です。

この場合、まずはブラシそのものに慣れさせる必要があります。犬の前にブラシを置き、匂いを嗅がせたり、興味を示したらおやつをあげたりして、「ブラシは怖くないもの」と教えます。

次に、ブラシの硬い面ではなく、持ち手や背の部分で体を優しくなでてあげましょう。ブラシへの警戒心が解けてから、実際にとかし始めるのがスムーズです。

 

原因3:過去に痛い思いをした経験がある

過去のブラッシングの仕方が原因で、毛玉を無理やり引っ張られたり、スリッカーブラシで皮膚を強くこすられて痛い思いをしたりした経験は、犬にとって強いトラウマとなります。

その結果、ブラシを見ただけで逃げ出すなど、ブラッシングに対して強い拒否反応を示すようになります。

この場合は、まず「ブラッシングは痛くない、気持ちいいものだ」というポジティブな経験で上書きする必要があります。皮膚への刺激が少ないラバーブラシなどに変え、ごく短い時間、絶対に嫌がらない範囲で優しく行い、終わったらたくさん褒めて特別なご褒美をあげましょう。

 

原因4:おもちゃだと思ってじゃれて噛む

子犬は好奇心旺盛で、動くブラシをおもちゃと勘違いして、じゃれたり噛んだりしてしまうことがあります。特に遊びたい盛りの子犬は、ブラッシング中でも噛む行動が出やすいです。

この場合は、無理に押さえつけず、まずはブラシに慣れさせることが大切。短時間だけ触れさせたり、おやつで注意を引きながら少しずつ触れる練習をします。徐々にブラシに慣れると、噛まずにおとなしくブラッシングを受けられるようになります。

 

【慣れさせるコツ】おやつを使いながら短時間で

ブラッシングを嫌がる子犬を慣れさせるには、おやつ効果的に使うのがおすすめです。犬が大好きなおやつを舐めている間に、さっとブラッシングを済ませる方法があります。特に、容器から直接舐められるペースト状のおやつは、長時間気を引くことができるため有効です。

また、ブラッシングの練習を始める際は、犬が比較的触られても抵抗を感じにくい部分からスタートするのが鉄則です。多くの犬は、自分の目から見えやすい背中お尻のあたりは触られやすい傾向があります。

まずはこれらの部分から優しくブラッシングを始め、犬がリラックスしていることを確認しながら進めます。もし嫌がる素振りを見せたら、無理強いせずにすぐにやめましょう。

足先や顔、お腹といったデリケートな部分は、犬がブラッシング自体に十分慣れて、信頼関係が築けてから挑戦するようにします。

子犬のブラッシングに必要な道具は?初心者におすすめのブラシ3選

子犬のブラッシングを始めるにあたり、適切な道具(ブラシ)を揃えることが重要です。ここでは、初心者の方や子犬におすすめのブラシをはじめとして、各ブラシの使い方のポイントをわかりやすく解説します。

 

ピンブラシ・ラバーブラシ【子犬におすすめ】

犬用のピンブラシとラバーブラシ

ピンブラシは、先端が丸く加工されたピンでできており、皮膚にやさしいのが特徴です。そのため、ブラッシングに慣れていない初心者や、皮膚がデリケートな子犬におすすめのブラシです。毛並みを整える日常のケアに向いています。

ラバーブラシは、ゴム製で柔らかく、マッサージ効果が高いブラシです。短毛種の抜け毛をやさしく取り除けるうえ、犬も気持ちよく感じやすいため、ブラッシングが苦手な子犬にもおすすめです。皮膚を傷つける心配が少ないのもポイントです。

 

スリッカーブラシ【長毛種やダブルコートにおすすめ】

スリッカーブラシ

スリッカーブラシは、くの字に曲がった細い金属ピンが密集したブラシです。毛のもつれや毛玉をほぐしたり、アンダーコートの不要な抜け毛をまとめて取り除くのに効果的です。

特に、毛量が多いダブルコートの犬、毛が密生している犬種に向いています。ただし、ピンの先端は尖っているため、強く押し付けると皮膚を傷つける可能性があります。

ブラッシングするときは、手首のスナップを使い、毛の表面をなでるように優しくとかすのがコツです。

 

コーム【毛玉ができやすい犬種におすすめ】

犬用コーム(くし)

コーム(くし)は、ブラッシングの仕上げに使う金属製のくしです。スリッカーブラシで全体をとかしたあとに使用すると、毛並みを整えたり、細かいもつれや毛玉を確認したりできます。

多くのコームは、粗い歯と細かい歯が一体になっています。まず粗い方で全体をとかし、次に細かい方で仕上げるとスムーズです。毛の根元から毛先まで引っかからず通れば、ブラッシング完了の目安になります。顔周りや足先など、デリケートな部分のケアにも役立ちます。

まとめ|子犬のブラッシングは“早めの練習”がカギ!

子犬のブラッシングは、抜け毛の除去や皮膚の健康維持、毛玉予防といった目的だけでなく、愛犬の健康チェックやコミュニケーションの手段としても非常に重要です。新しい物事を受け入れやすい子犬の時期からブラッシングの練習を始めることで、成犬になってもスムーズなケアが可能になります。

嫌がる場合は無理強いせず、おやつを使ったり短時間で終えたりしながら、少しずつ「ブラッシングは楽しいこと」と教えていくことが大切です。愛犬のペースに合わせて、根気よく練習を続けていきましょう。

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この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部
ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。少額短期保険募集人、損害保険募集人、ファイナンシャルプランナー、愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、ペット防災指導員などの数多くの資格を保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴は10年以上です。知識や経験を活かして、さまざまなお役立ち情報をお届けします。

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