ペット保険は掛け持ちするべき?

大切なペットの万が一のときに備えて複数のペット保険に加入する、いわゆる「掛け持ち」を検討する飼い主さまが増えています。

掛け持ちには「補償が手厚くなる」「治療費を全額補償が可能」といったメリットがある一方で、「保険料の負担が増える」「手続きの手間が増えて面倒」といったデメリットもあるため、慎重に検討してみると良いでしょう。

 

この記事では、おすすめの掛け持ちの組み合わせのほかに、以下の内容も解説しますので参考にしてみてください。

【この記事でわかること】

  • 掛け持ちできるペット保険一覧!
  • ペット保険の掛け持ちは必要?
  • ペット保険の掛け持ちで損する人は?
  • ペット保険の掛け持ちは告知がいるの?

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まだペット保険に加入していない方、これから加入する方、保険の乗り換えを検討中の方は参考にされてください。

目次

ペット保険は掛け持ちできる!一覧と条件を解説!

ペット保険は掛け持ちで複数加入することができます。ただし、保険会社によっては掛け持ち不可のところがあるほか、掛け持ちの条件が設定されているところもあるため、事前によく確認しておくことが大切です。

 

各保険会社の契約条件について、下記の一覧表にまとめましたのでご参照ください。

ペット保険会社/補償プラン 掛け持ち可否
ペットメディカルサポート「PS保険 70%補償プラン」
アイペット損保「うちの子(70%プラン)」
SBIいきいき少短のペット保険「プラン70 スタンダード」 ×
FPC「ペットほけんフィット70%補償プラン」
アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ70%プラン」
楽天ペット保険「スーパーペット保険 通院つき70%プラン」
日本ペット少短「いぬとねこの保険 ネクスト70%プラン」
チューリッヒ少短「犬のがん保険 脱臼ありプラン」
エイチ・エス損保のペット保険「70%補償(免責金額なし)」

 

掛け持ち不可のペット保険会社も実はある

ほとんどのペット保険で掛け持ちが可能ですが、掛け持ちができないペット保険も一部あります。

掛け持ちで複数のペット保険を契約する際には、保険会社への告知が必要です。忘れずに告知を行いましょう。

ペット保険比較のピクシーにはペット保険についての記事も多数ございますので、安心して保険をお選びいただけます。
保険選びで迷われている方は、保険料補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」も参考にされてください。

そもそもペット保険の「掛け持ち」って?

ペット保険の「掛け持ち」とは、1匹のペットに対し2社以上のペット保険に加入することを指しており「複数加入」「重複契約」と呼ばれることもあります。

 

ペット保険に複数加入する一番のメリットは、ケガや病気に対する補償が手厚くなることです。

ただし、手続きの手間が増える、保険料の負担が大きくなるといったデメリットもあるため、ペット保険の掛け持ちを考えている飼い主さまは慎重に検討すると良いでしょう。

ペット保険を掛け持ちするメリットとうれしいポイント

ペット保険を掛け持ちするメリット

ペット保険の掛け持ちによって得られるメリットや、飼い主さまにとってうれしいポイントについて解説します。

 

治療費100%補償も可能に!自己負担額を抑えられる

複数のペット保険を組み合わせれば、ペットの治療費を全額補償してもらうことも可能です。

たとえば、A社では50%の補償を受け、残りの50%をB社に補償してもらうといった使い方ができます。

治療費の自己負担額を大きく抑えられるため、飼い主さまにとってメリットが大きいポイントだといえるでしょう。

 

通院・入院・手術のうち、足りない補償を補える

ペット保険には通院・入院・手術を補償するフルカバー型プランのほかに、入院や手術の補償に特化したプランもあります。それぞれ補償内容の異なるペット保険に加入しておくと、足りない補償をカバーできるため、万が一のときのためにしっかりと備えておくことができるでしょう。

 

使える付帯サービスが増える

2社以上のペット保険に加入していると、それぞれの特約や付帯サービスを活用できるメリットがあります。ペット保険の特約や付帯サービスの一例は次のとおりです。

  • ペット賠償責任特約
  • 獣医師相談サービス
  • 健康診断サービス
  • 優待サービス
  • 迷子捜索サービス

ペット保険を掛け持ちするデメリットと注意点

ペット保険の掛け持ちを検討する際に、気をつけていただきたいポイントやデメリットについて解説します。

 

保険料はどうしても負担になる

ペット保険を1社契約する場合と比較して、2社以上契約する場合では支払う保険料が増えます。毎月もしくは毎年の負担額が大きくなってしまうため、支払った保険料に見合った補償を受けたいと考えている飼い主さまは慎重に検討したほうが良いかもしれません。

 

実際の治療費を超える分は請求できない

ペット保険を2社契約していても、請求できる金額は実際にかかった治療費のみであり、それを超える分は請求できません。

2社合わせた補償割合が100%を超えていても、治療費の100%までしか補償されないため注意しましょう。

 

保険金請求はペット保険ごとに行う必要がある

保険金請求の際には、契約しているペット保険ごとに手続きを行う必要があります。保険金請求を受けてからそれぞれの保険会社間で確認を行うため、保険金の支払いまで時間がかかるケースもあるようです。

【FP解説】ペット保険掛け持ちのおすすめの組み合わせは?

ペット保険掛け持ちのおすすめの組み合わせ

ここでは、以下の4種類に分類したペット保険のなかから、おすすめの掛け持ちの組み合わせTOP3をご紹介します。

  • 【フルカバー型】通院・入院・手術を補償
  • 【手術・入院特化型】手術・入院を補償
  • 【手術特化型】手術のみを補償
  • 【通院特化型】通院のみを補償

 

【1位】フルカバー型と入院・手術特化型の掛け持ち

フルカバー型と入院・手術特化型のペット保険を組み合わせることにより、1日の通院で済むものから手術を伴う入院治療まで幅広く手厚い補償を受けられます。一般的に、フルカバー型に比べ、入院・手術特化型のペット保険は補償内容が限られている代わりに保険料がお手ごろであることが特徴です。

入院・手術の治療に手厚く備えながら保険料はなるべく抑えたいという飼い主さまは、この組み合わせを検討してみると良いでしょう。

 

【2位】フルカバー型と手術特化型の掛け持ち

フルカバー型と手術特化型のペット保険を組み合わせると、手術を重点的にカバーしながら幅広い補償を受けられます。

ペットの手術では数十万円の費用がかかることも少なくないため、万が一の手術を手厚くしておくと安心です。

1位の組み合わせよりも補償内容が絞られるため、負担する保険料を抑えつつ、突然の高額な手術に備えられるでしょう。

 

【3位】フルカバー型とフルカバー型の掛け持ち

フルカバー型のペット保険を2社組み合わせることによって、幅広い補償を受けながら最大で100%の保険金を受け取れます。補償割合はほとんどが50%や70%に設定されているため、1社で補償しきれなかった分をもう1社で補償してもらうイメージです。それぞれの補償内容は重複している部分が多いため、付帯サービスや特約にも目を向け検討するのもおすすめです。

FPアドバイス~ペット保険の掛け持ちで気を付けることは?~

ペット保険の掛け持ちをする際は、どの部分を重点的にカバーしたいかなど、掛け持ちの目的を明確にしておきましょう。「なんとなく複数入っておくと安心だから」といった理由でやみくもに複数契約しても、契約内容を把握しきれずにただ保険料を払って満足するだけになってしまう可能性があります。

ペット保険の掛け持ちはバレる!保険会社にかならず告知を!

ペット保険を掛け持ちする際には、加入前にかならず両方の保険会社への告知が必要です。特に、最初に加入したペット保険会社への告知は忘れやすいため、注意しましょう。

加入時には審査があるほか、保険金請求の際には動物病院に直接確認を取ることもあります。告知を忘れて保険金請求を行った場合、告知義務違反となり保険金の支払いが行われない可能性があるため、忘れずに告知を行いましょう。

 

掛け持ちする際の順番に注意

ペット保険の掛け持ちを考えている場合には、加入する順番にも注意が必要です。保険会社によっては2社目としての加入ができないところがあるため、最初にどちらに加入するべきか事前によく確認したうえで手続きを進めましょう。

すでに加入しているペット保険がある場合には、2社目として新規加入できるかどうか事前に確認しておくことが大切です。もし1社目の補償内容や対応に不満がある場合には、乗り換えを検討しても良いかもしれません。

関連記事:ペット保険乗り換えるならどこがいい?タイミングや見直しポイントは?

【口コミ】ペット保険の複数加入は必要?ペットの治療費は高い?

動物病院の診療費用は全額自己負担のため、高額な治療費の支払いが発生するケースも多くあります。

ここでは、ペットの治療費に関する口コミや高額治療費の例をご紹介します。

 

犬の高額治療費例

犬の治療費の例として、アニコム損保の請求データをご紹介します。

以下の表は、犬が骨折してしまい、手術と入院を行った際の治療費の内訳です。検査費用と合わせると、30万円近い医療費がかかっています。

 

■犬が骨折し、手術と入院をした場合

診療内容 金額
初診料 1,620円
入院料(7日間) 68,040円
点滴 21,060円
血液検査 12,960円
レントゲン検査 11,880円
注射料 8,640円
麻酔 14,040円
手術 129,600円
合計 267,840円

犬の骨折は、骨折した部位や程度にもよりますが、完治に数か月かかることもあります。

退院後も定期的な通院や検査を行い、思ったより医療費がかかってしまったというケースも珍しくありません。

 

【口コミ】犬の治療費は高額?

犬の治療費に関する口コミ①

~抗がん剤治療をしています~愛犬は組織急性肉腫で寛解の可能性はほぼありませんが、手術はできないもののQOLを保つための抗がん剤治療をしています。この子は闘病2ヶ月目ですがすでに30万ほど実費ではかかっています。(40代女性/神奈川県/7歳・フラットコーテッド・レトリーバー)

犬の治療費に関する口コミ②

~手術に10万円以上かかった~ミニチュア・シュナウザーを2匹飼育しているのですが、2匹とも仔犬の頃から軽い皮膚病や小さな怪我が多く、5歳を超えた辺りから大きな病気も見つかりました。去年先住犬の方が口腔内黒色メラノーマ疑いと診断され、それに伴う検査や腫瘍の切除手術などで総額15万円程かかりました。(20代女性/神奈川県/6歳・7歳・ミニチュア・シュナウザー)

※調査機関:株式会社クラウドワークス/調査方法:インターネットによるアンケート調査
※口コミはご利用当時の内容に基づくもので、個人の主観的な感想です。
※口コミは回答内容に反しない範囲で、誤字・脱字・表現などを整えて掲載しております。

 

猫の高額治療費例

次に、FPCの請求データから、猫の治療費例をご紹介します。

消化管内の異物により、手術後、3日間の入院となりました。手術前後には検査や経過観察で通院をしています。

 

■猫が消化管内異物により手術をした場合

診療内容 金額
通院(2回) 18,500円
手術(1回) 63,000円
入院(3日間) 41,000円
合計 112,500円

(品種:ミックス・年齢:11歳)
参照:FPC「猫の保険の選び方」

消化管内の異物は、誤飲したおもちゃのひもやビニールだったということもあります。猫の生活範囲に誤飲しやすいものは置かないよう気を付けましょう。

 

【口コミ】猫の治療費は高額?

猫の治療費に関する口コミ①

~かなりの出費になった~飼い猫が尿路結石になってしまい、約2泊3日入院したときに点滴代も含めて7万円ほどの請求額でした。ペット保険が適用されましたが、かなりの金額だったなと思います。(30代女性/群馬県/9歳・7歳・猫(雑種))

猫の治療費に関する口コミ②

~検査費用が高額に~特発性てんかんに罹患した猫を飼っていました。2週間に一回状態をチェックし薬の量を調節する必要があり、一回の診察とお薬代で2万円ほどかかりました。また、発作の原因を調べるためMRI検査などもしたため、その際には20万円近くかかりました。このときに保険を使えたのは本当に助かりました。(20代女性/東京都/7歳・猫(雑種))

※調査機関:株式会社クラウドワークス/調査方法:インターネットによるアンケート調査
※口コミはご利用当時の内容に基づくもので、個人の主観的な感想です。
※口コミは回答内容に反しない範囲で、誤字・脱字・表現などを整えて掲載しております。

まとめ│ペット保険の掛け持ちを検討してみては?

今回は、ペット保険の掛け持ちが気になっている飼い主さま向けに、掛け持ちのポイントを解説しました。

ペット保険を掛け持ちする際のおすすめの組み合わせをおさらいしてみましょう。

【1位】フルカバー型と入院・手術特化型の掛け持ち

【2位】フルカバー型と手術特化型の掛け持ち

【3位】フルカバー型とフルカバー型の掛け持ち

大切なペットを守るため、万が一のときに備えてペット保険の掛け持ちを検討してみてください。

 

ペット保険の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

【ペット保険比較のピクシー】では、ペットと飼い主さまのためになるお役立ち情報を日々発信しております。
また保険選びで迷われている方は、保険料補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」もご覧ください。

 

株式会社FPC:PX-KY240924-039(25.04)、アイペット損害保険株式会社:募2407-105(26.05)

松村恵里
この記事の執筆者 松村 恵里
獣医師・Webライター・ファイナンシャルプランナー。麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、NOSAI北海道で7年間勤務。在学中は介在動物学研究室にてアニマルセラピーを専門に研究。犬、猫、ハムスター、馬の飼育管理経験あり。現在は家族と猫2匹とで暮らしている。獣医師や多様なペット飼育の経験から、ペットに関する情報をわかりやすく発信します。

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