人間と同じように、猫にも生理はあるのでしょうか?また、猫の発情期はどのような仕組みで始まるのでしょうか?猫の生理や発情期について、気になる飼い主さまは多いかもしれません。
- 猫には生理がある?それともない?
- 陰部から出血しているときはどうすればいい?
- 猫の発情期はいつか、期間はどれくらいか
- メス猫・オス猫の発情期の行動
- 鳴き声やおしっこなどの問題行動を止める方法
本記事では、陰部周りからの出血の原因や、疑われる病気についても解説します。メス猫・オス猫の発情期はいつあるのかについても詳しくご説明するので、ぜひ最後までご覧ください。
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猫には生理がある?ない?
猫には人間のような定期的な生理はありません。生理とは、卵子が受精しなかった場合に、子宮内膜がはがれ落ちて、血液とともに定期的に体外へ排出されることです。人間や霊長類の一部、コウモリや一部のネズミにのみ生理があります。哺乳類のなかで生理があるのは珍しいことなのです。
猫には生理はありませんが、発情期はあります。猫の発情期については、記事の後半で解説するのでご覧ください。
もしも、猫が陰部から出血している場合は、生理ではなく、病気の疑いがあります。陰部周辺に血液が付いているときは、子宮や泌尿器系に異常がある可能性が高く、早めに動物病院の受診が必要です。
なぜ猫には生理がないの?
猫は、交尾時の刺激によって排卵する「交尾排卵動物」のため、生理がありません。猫は、人間のように定期的な排卵を行わないので、生理出血もないのが特徴です。交尾排卵動物は、交尾の刺激で多くの卵子を排卵でき、効率よく多くの子どもを産めます。
野生の猫は、もともと、オス猫もメス猫もそれぞれ単独で行動していました。メス猫の発情期のタイミングで、効率よく子孫を残せるように、このような妊娠方法をとっているとされてます。
メス猫に出血がある場合は病気の可能性?
猫の陰部周りに出血があったら、病気の可能性があるため注意が必要です。ここでは、陰部周りから出血がみられる11つの原因を紹介します。
生殖器の病気
◆子宮内膜炎
子宮内膜炎とは、子宮内部全体を覆っている子宮内膜に炎症が起こった状態です。下腹部の痛みをはじめ、微熱、陰部からのおりものや不正出血がみられます。子宮内膜炎の治療は、今後繁殖の計画がない猫の場合、卵巣や子宮の摘出手術が行われます。繁殖予定の猫には、抗生物質などの投薬治療を行います。
◆子宮蓄膿症
子宮蓄膿症とは、子宮に膿がたまる病気で、子宮が細菌感染によって炎症を起こす子宮内膜炎が進行した状態です。発熱、嘔吐、多飲多尿、お腹が膨れる、陰部から膿が出るといった症状がみられます。治療には、ホルモン剤の投与などもありますが、基本的に卵巣・子宮摘出手術を行います。
◆子宮腫瘍
猫の子宮腫瘍は珍しく、犬より症例は少ないといわれています。子宮にできる腫瘍は、子宮腺がんなど悪性腫瘍の割合が高く、ほかの臓器に転移する可能性があります。陰部からおりものや膿、出血がみられたり、嘔吐、便秘、食欲不振、お腹が膨れたりといった症状が出ます。
◆卵巣腫瘍
卵巣腫瘍とは、卵子を作り育てる卵巣に腫瘍ができる病気です。卵巣腫瘍は、片側のみにできる場合も両側にできる場合もあります。お腹が膨れる、嘔吐、持続的な発情や脱毛などの症状があらわれます。治療には卵巣の摘出手術が行われ、ほかの臓器への転移がみられるとき、化学療法を行う場合があります。
泌尿器の病気
◆尿石症
尿石症とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道などの尿路系に結石ができる病気です。尿石症の猫には、血尿がみられることがあります。ほかにも、トイレの回数が増えたり、トイレ以外の場所で排尿したり、血尿が出たり、尿が少なかったり、排尿時に痛がったりといった症状が出る場合があります。
◆膀胱炎
猫の膀胱炎は、犬が発症する細菌性の膀胱炎とは違い、原因不明の特発性膀胱炎が多いとされています。膀胱炎は初期症状に気づかず治療をしないと、命にかかわる病気です。血尿、尿が濁る、トイレの回数が増える、尿が少ない、尿が出ないなどの症状がある場合、注意が必要です。
その他
◆腎臓の病気
腎臓に腫瘍や結石ができたり、細菌感染によって炎症が起きたりしていると、血尿が出る可能性があります。血尿をしているが、尿自体はほとんど出ておらず、嘔吐の症状もみられるときは、急性腎不全を発症していることもあります。
◆誤飲・誤食
玉ねぎや長ねぎなどを猫が食べると、中毒症状を引き起こす可能性があります。ねぎ類に含まれる中毒成分は、溶血性貧血を起こします。溶血性貧血は、中毒成分により赤血球が破壊され、血色素が尿に混ざり、尿が赤色になるのが特徴です。ほかにも嘔吐、下痢、口呼吸などの症状がみられることもあります。
◆事故による損傷
交通事故や室内での落下事故など、内臓に損傷を受けるような事故をすると血尿が出る場合があります。目立ったケガがなく、見た目に何も問題がなくても、体内にダメージを負っている可能性があります。猫が大きな事故にあった際には、外傷がなくても病院で検査を受けることが大切です。
◆交尾の傷
未去勢のオス猫と同居していたり、屋外でオス猫と接触したりする猫は、交尾によって陰部が傷つき、出血することがあります。外でオス猫と交尾した場合は、感染症の危険があります。メス猫の妊娠・出産を望まないのであれば、早めの避妊手術が必要です。
◆流産や死産
出産前に流産や死産となった場合、陰部からの出血がみられることがあります。妊娠から30日経過してからの流産であれば、血液と一緒に不明瞭な排せつ物が出てくることもあります。屋外に出ているメス猫は、飼い主さまが知らない間に妊娠していることもあるため、注意しましょう。
猫のトイレの砂に血が付いていたら?
猫のトイレの砂に血が付いている場合、まずは上記のような病気を疑いましょう。ほかにも食事内容に変化がないか、ストレスになっていることはないかなど確認が必要です。陰部からの出血ではなく、血便の可能性もあります。血便は、病気やストレス、寄生虫や異物誤飲などさまざまな原因が考えられます。
血が付着したトイレの砂は、捨てずにとっておきましょう。病院を受診する場合は、血が付いたトイレの砂を持参して、獣医師にみてもらうことをおすすめします。なお、尿検査はトイレの砂に吸収された尿ではできません。可能であれば液体状の尿を持参しましょう。
動物病院に連れて行くタイミングは?
陰部周りの出血がみられたのが一度だけであれば様子見でも良いでしょう。出血が続いたり、出血量が多かったりする場合は、病気が進行している可能性があり要注意です。
また、以下のような症状がみられる場合は、すぐに動物病院に連れて行くことをおすすめします。
- 元気がない
- 食欲不振
- 下痢、嘔吐
- 尿が出ない
- 排尿時に鳴く
- 呼吸困難
- 触ると嫌がる
呼吸がおかしい場合や、元気がない場合は、命にかかわる重篤な状態です。さらに尿が出ない、排尿時に鳴くなどの症状は、進行すると腎不全の原因となります。早めに獣医師に相談すると良いでしょう。
猫の出血を予防する対策
猫の陰部からの出血を予防するためには、避妊手術をすることが最も重要です。避妊手術を行うと子宮の病気を予防でき、発情がなく、オス猫と交尾をする心配がなくなります。
泌尿器系の病気の予防には、栄養バランスの整った食事を与え、適度な運動を毎日させるなど健康的な生活ができるように飼い主さまが気をつける必要があります。また、内臓の損傷に関わる事故やトラブルにあわないようにするには、猫を屋外に出さないことが大切です。
猫に生理はないが発情期はある!
猫は、周期的な排卵を行わず、生理はありませんが、定期的に発情するサイクルがあります。発情期がくると、卵胞ホルモンが分泌されることで卵胞が育ち、交尾可能な状態になります。ここからは、猫の発情期について解説します。
猫は季節繁殖動物
猫は季節によって発情する「季節繁殖動物」です。猫は性成熟を迎えたあと、1年に約2回発情期があります。一般的なタイミングは、2~4月の春頃と6~8月の夏頃とされています。発情期はメス猫のみにあり、オス猫は、メス猫に誘発されて発情します。
日照時間に影響される
猫の発情時期には、日照時間が大きく影響を与えます。猫は、日照時間が14時間を超えると発情期が始まる「長日繁殖動物」です。日照時間に影響される原因は、暖かい季節の方が食べ物があり、安全に子育てできるからだと考えられています。
太陽光だけでなく、LEDライトなどの人工照明でも誘発されるため、屋内飼育の猫は、外にいる猫よりも発情期が長い傾向にあります。
猫の発情期は生後どれくらいから?
個体差がありますが、メス猫は、生後6~10カ月ほどで性成熟を迎え、最初の発情が始まります。オス猫の場合、生後6カ月ごろに精巣が発達し、生後9~12カ月になると性成熟を迎え、本格的に繁殖が可能です。
猫の発情期がわかるサインは?
発情期を迎えた猫は、いつもと違う行動をすることが多くあります。ここでは、発情期の特徴的な行動をメスとオスにわけて紹介します。
メス猫の発情期の行動
発情期のメス猫は、オス猫に見つけてもらうために、においや声でアピールします。発情期には「発情前期」、「発情期」、「発情後期」、「発情休止期」の4つのサイクルがあり、発情前期と発情期に以下のような行動がみられます。
- 大きな声で鳴く
- おしりを高く上げる
- 床に背中をこすりつける
- スプレー状におしっこをする
- トイレ以外の場所でおしっこをする
オス猫の発情期の行動
オス猫は、メス猫が発する発情期特有の鳴き声やフェロモンによって、発情を誘発されるのが特徴です。オス猫の発情は、メス猫に影響されるため、避妊をしていないメス猫が常にそばにいる場合は、1年中発情が可能です。
- 大きな声で鳴く
- メス猫のいる方へ行こうとする
- スプレー状におしっこをする
- 攻撃的になる
避妊・去勢手術で問題行動に対処
猫は、発情期になると、大きな声で鳴いたり、スプレー状の尿をしたりと、飼い主さまにとっては問題となる行動が増えてしまいます。発情期の行動は本能によるものなので、止めることは難しいでしょう。発情期の行動を止めるために最も良い解決方法は、避妊・去勢手術をすることです。
避妊・去勢手術のメリットとは
避妊・去勢手術を行うと、望まない妊娠や出産を防ぐことができます。また、メス猫の場合、乳腺腫瘍や交尾による感染症、卵巣・子宮の病気を予防できるというメリットがあります。一方、オス猫の場合は、精巣腫瘍や感染症などの病気を防げます。発情期特有の鳴き声などの問題行動がなくなり、猫も飼い主さまもストレスを軽減できるでしょう。
ただし、避妊・去勢手術をすると、太りやすくなるというデメリットがあります。避妊・去勢をした猫専用のフードを用意したり、ご飯の量を見直したりと対策が必要です。
備考・犬には生理があるの?
猫には生理がないことをお伝えしましたが、それでは犬はどうなのでしょうか?
犬には猫と違って「ヒート」と呼ばれる生理があります。人間の生理とは異なり、発情期が始まるころに出血がみられます。また、周期や症状も人間とは異なります。
犬のヒートは、生後6~16カ月ごろに始まります。6カ月に一度の頻度でヒートになり、約7~10日続くのが特徴です。犬のヒートの主な症状は、陰部からの出血、陰部の膨らみ、乳房の張り・膨らみなどです。ヒート中のメス犬は、ホルモンの影響でオス犬をひきつけてしまうため、ドッグランや散歩などはなるべく控えることをおすすめします。
まとめ
今回は、猫に生理があるのかどうか、陰部周りから出血がある場合の原因や疑われる病気などについて解説しました。
- 猫に人間と同じ様な生理はなく、発情期がある
- 陰部周りからの出血は病気やケガの可能性あり
- 発情期は年に2回、日照時間の長い春や夏にある
- 発情期の問題行動には避妊・去勢手術が効果的
猫が陰部周りから出血しているときは、病気にかかっている可能性があります。出血が続く場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
※動物病院は自由診療のため、医療費が高額になる可能性があります。
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