猫が血便をしている場合、何か病気にかかっている可能性があります。血便の色や状態、回数などによっては早めに動物病院へ連れて行く必要があるでしょう。
この記事では、血便から疑われる病気、動物病院に連れて行くタイミングや診療内容、治療費などについて、獣医師の平松育子先生監修のもと解説します。ぜひ最後までご覧ください。
猫の血便の原因と対処法、受診すべき症状と治療費は?
―猫の血便の原因、理由について教えてください。
鮮血混じりの赤い便
猫が鮮血混じりの赤い便をする場合、出血元のほとんどは大腸からです。この原因は、長く続く下痢やストレス、異物誤飲、大腸性疾患などが考えられます。
黒色のタール便
食道や胃、十二指腸などの上部消化管から出血が起こり、その血液が消化され黒くなるとタール便として排泄されます。上部消化管からの出血の原因としては、ストレスや異物誤飲、食道や胃腸の疾患などが挙えられます。
これら以外に病気を原因として猫が血便を出す場合があります。
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猫が血便をした際、疑われる病気について
―猫の血便の原因となる病気として、どのようなものが考えられますか?
感染症による血便
猫腸コロナウイルス感染症
猫腸コロナウイルスは、十二指腸や空腸、回腸の細胞に感染すると、下痢などの症状を引き起こす場合があります。特に子猫では重篤な腸炎症状を示しやすく、下痢が続くと血便を引き起こすおそれもあります。
サルモネラ症
サルモネラ症にかかると発熱、脱水、下痢などが見られ、下痢が続くと血便の原因となる場合があります。サルモネラ症に感染した動物は糞便中にサルモネラ菌を排出するため、ほかの動物や人への感染源となる可能性もあります。
カンピロバクター症
カンピロバクター症にかかると、成猫では無症状の場合が多いのですが、子猫では特に食欲不振や発熱、血様の下痢などを引き起こす可能性があります。原因となるカンピロバクター属菌の感染源は、すでに感染している動物や鳥類の糞、生の鶏肉、生レバーなどが考えられます。
クロストリジウム症
クロストリジウム症にかかると大腸性の下痢の原因となります。原因菌のクロストリジウム・パーフリンゲンスは健康な猫の腸内にもいる細菌ですが、免疫力が低下すると異常に増えて本症を引き起こす場合があります。
寄生虫感染
猫回虫症やコクシジウム症などの寄生虫感染によって引き起こされる病気でも、下痢や血便の原因となる場合があります。寄生虫症は子猫によく見られるため、定期的な検便が必要です。
腫瘍による血便
消化管に腫瘍ができて腫瘍からの出血があると、血便の原因となる場合があります。基本的には上部消化管にできた腫瘍では黒色のタール便、大腸にできた腫瘍では赤い鮮血便がみられます。
胃腸炎による血便
猫に胃腸炎が起こり、出血があると、血便が見られる場合があります。炎症を起こしている部位によって、黒色のタール便や赤色の鮮血便などが見られます。
上記のような細菌感染症やウイルス感染症、寄生虫感染症による胃腸炎のほかにも、ストレスによるもの、薬物によるものなどがあります。
免疫反応の異常による血便
食物アレルギー
食物アレルギーによる消化管の炎症で出血が起きると、血便の原因となる場合があります。食物アレルギーの場合は、原因となる食べ物を与えないことが一番の対策です。
猫の血便で気になる症状と動物病院に連れて行くタイミング
―動物病院を受診すべきタイミングについて教えてください。
猫に次のような症状が見られたら、早めに動物病院を受診してください。
- 長く続く下痢
- 長く続く血便
- 頻繁に嘔吐(おうと)する
- 元気がない
- 食欲がない
- 貧血がある
- 脱水している
―猫を動物病院に連れて行く際の注意点があれば教えてください。
猫を動物病院へ連れて行く際には、新鮮な便を持参するといいでしょう。糞便検査をすると、寄生虫の感染や腸内細菌のバランスの変化などがわかる場合があります。持参する便はなるべく受診当日に排泄したものがいいでしょう。それが難しければ、後日便だけ持参してください。直腸で体温測定をした際に少量でも便が取れれば、顕微鏡で便の状態の確認が可能です。
また、診察では触診やレントゲン撮影などで獣医師が直接猫に触る場合もあります。あまりにも暴れてしまうと診察の妨げになるため、病院が苦手な子の場合は、洗濯ネットに入れて、連れて行くといいでしょう。
猫が血便をした場合の家庭内での対処
―猫が血便をしたら、自宅でどのように対処すればいいのでしょうか?
様子を見てもいい場合
赤い鮮血便で、それが1から2日程度続くくらいならほとんど問題ありません。その場合は、自宅で様子を見ても大丈夫でしょう。
可能であれば、猫の歯ぐきの色や脱水の有無を確認しておくといいでしょう。
猫の歯ぐきの色を確認する
歯ぐきの色がいつもより白っぽい場合は、腸からの出血によって貧血を起こしている可能性が高いため、動物病院での治療が必要です。
猫の脱水の確認の仕方
猫の皮膚をつまんで指を離した後に、皮膚がもとに戻るのに3秒以上かかると脱水を起こしています。脱水している場合も動物病院での治療が必要ですが、すぐに病院に連れて行けない場合には水を少量頻回で飲ませてあげてください。
猫の血便の診療内容とかかる治療費
猫の血便の診療内容
まずは一般的な身体検査と糞便検査を行います。脱水が見られる場合には点滴により水分を補給します。貧血や脱水があまりにもひどい場合には、血液検査や入院での管理を勧められる場合もあります。
糞便検査で寄生虫やその卵が確認されると駆虫を行います。駆虫薬の種類は寄生虫によって異なり、注射するものや経口投与するもの、皮膚に塗るスポットタイプのものなどがあります。また、細菌のバランスが崩れている場合には、1週間程度、抗菌薬を内服する必要があります。
腫瘍が疑われる場合には、詳しい検査のために入院する場合もあります。
アレルギーによる胃腸炎が疑われる場合には、アレルギー検査や除去食試験、療法食などが必要になるでしょう。
猫の血便の治療費例
ここでは、猫の血便の診療費として、胃腸炎を例に紹介します。
- 治療期間:1週間
- 通院日数:2日
- 入院日数:0日
- 手術回数:0回
- 治療費 :5,000円
- イヌ
- ネコ
- 血統種
- ミックス
-
- 0歳
- 1歳
- 2歳
- 3歳
- 4歳
- 5歳
- 6歳
- 7歳
- 8歳
- 9歳
- 10歳
- 11歳
- 12歳
- 13歳
- 14歳
- 15歳
- 16歳
-
- トイ・プードル
- 秋田
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ゴールデン・レトリーバー
- シー・ズー
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- ジャック・ラッセル・テリア
- チワワ
- パグ
- パピヨン
- ビーグル
- フレンチ・ブルドッグ
- ボーダー・コリー
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ヨークシャー・テリア
- ラブラドール・レトリーバー
- その他犬種
- 6kg 未満
- 6kg以上 8kg未満
- 8kg以上 10kg未満
- 10kg以上 12kg未満
- 12kg以上 16kg未満
- 16kg以上 18kg未満
- 18kg以上 20kg未満
- 20kg以上 25kg未満
- 25kg以上 30kg未満
- 30kg以上 32kg未満
- 32kg以上 40kg未満
- 40kg以上 45kg未満
- 45kg以上