「犬が熱心に足をなめているけど、これって大丈夫?」と思ったら、犬が足をなめる原因について考えてみましょう。
犬が足をなめる行為はセルフグルーミング(毛づくろい)の一種で正常な行動ですが、なかにはストレスや病気が原因となっていることもあります。
この記事では、犬が足をなめる理由や注意すべき症状について解説します。早めに動物病院を受診したほうが良いケースもあるため、よく観察して原因を探してみてください。
- 犬が足をなめるのはただの暇つぶし!?
- 関節やホルモンの異常でも足をなめるって本当?
- やめさせるにはエリザベスカラー一択?
- 獣医師からのアドバイスと体験談
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犬が自分の手足をなめる理由とは?
犬が自分の手足をなめる行為は、心配しなくて良い問題のないケースも多くあります。
しかし、以下のような理由で手足をなめることもあるため、気になった場合には注意して観察するようにしましょう。
- ストレス
- 皮膚や肉球の異常(乾燥、痛み、かゆみなど)
- ホルモン異常
- アレルギー
- 感染症(細菌、真菌、寄生虫など)
- 足のしびれや違和感
- 爪の異常
犬が手足をなめていても問題ないケースや病気などの異常があるケースについて、順番に解説していきます。
犬が足をなめたり噛んだりするのはなぜ?
犬が足をなめたり噛んだりする理由は、セルフグルーミングをして気持ちを落ち着かせることや、ただの暇つぶしであることも多いといわれています。
その一方で、ストレス、かゆみ、しびれといった深刻な理由が隠れていることもあるため、足に傷や異常がないかを確認しながら、ストレスを感じている様子がないかについてもよく観察してみてください。
犬が自分の体をなめるのはなぜ?
犬が自分の体をなめる行為はグルーミングの一種であり、犬の習性として自然な行動です。犬にとっては前足の先が一番なめやすいためよく足をなめているというイメージがあるかもしれません。ほかにも食事のあとに口のまわりをなめたり、太ももやおなかといった足以外の体をなめることもあります。
ただし、同じ場所をしつこくなめ続けたり、飼い主さまが声をかけてもやめなかったりする場合など、犬の様子に変化がみられたら注意が必要です。
犬が足をなめるのはストレス?よくある原因は?
犬はストレスを感じると自分の足をなめることがあります。ストレスになりうる原因の例は次のとおりです。
- 長時間のお留守番
- 生活環境の変化
- コミュニケーション不足
- 新しいペットの存在
ペット保険比較のピクシーで行ったアンケートによると、ペットのストレスがたまる原因の第1位は「飼い主さまの長時間不在」でした。また、ストレスを感じると、食欲不振や元気がなくなるなど、普段とは違うさまざまな様子があらわれるようです。
関連記事:犬猫のストレス解消のコツは?台風などの天候変化もストレスになる?『ペット保険比較のピクシー』
子犬が足をしつこくなめていても大丈夫?
子犬が自分の足をなめる理由は、上述した理由のほかにも情報収集や興味によるものが大きい可能性があります。しかし、しつこくなめ続けていたり噛んでいたりしたら、ストレスを感じている可能性もあるためよく観察するようにしましょう。
また、子犬の肉球は柔らかくデリケートで、アスファルトとの摩擦によって炎症を起こしてしまっているケースもあります。お散歩から帰ってきたら手足を清潔にし、必要に応じて肉球用の保湿クリームなどを使用すると良いかもしれません。
補足・犬が飼い主の足をなめる理由とは?
犬が飼い主さまの足をなめる理由は、次のようなことが考えられます。
- においが強いため気になる
- かまってほしい
- 遊んでほしい
犬は嗅覚が優れているため、飼い主さまのにおいが強く感じられる素足が気になってなめている可能性があります。
また、飼い主さまの足をなめるとかまってもらえた、遊んでもらったといった経験があると、「飼い主さまの足をなめる=遊んでもらえる」と覚えているケースもあるかもしれません。
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犬が自分の足をなめていても心配ない理由
この章では、犬が自分の足をなめていても心配しなくて良いケースについて解説していきます。
暇つぶし
犬は暇つぶし目的で自分の手足をなめることがあります。
ひとりで過ごしているときに退屈そうに手足や体をペロペロとなめていて、飼い主さまが声をかけるとやめるようであれば心配しなくても良いでしょう。
グルーミング
犬にとってセルフグルーミング(毛づくろい)は習性のひとつです。
体についている汚れをきれいにすることや、リラックスする目的で手足や体をなめることがあります。食後や寝る前などのタイミングでみられることが多く、心配する必要はありません。
犬が自分の足をなめすぎて赤い!?すぐに動物病院へ行くべき症状は?
犬が自分の足をなめていて次のような症状がみられる場合には、早めに動物病院を受診しましょう。
- 赤くなっている
- 腫れている
- 脱毛がある
- かゆそうに噛んだりこすりつけたりしている
- 歩き方に違和感がある
犬は本能的に不調や痛みを隠そうとする生き物です。スキンシップやブラッシングのタイミングで皮膚や体のチェックをすると、より早く異常を発見できるかもしれません。
私が飼っているミニチュア・ダックスフンドは子犬のころ、お散歩の際に勢いよく引っ張って歩く癖がありました。お散歩や外でたくさん遊んで帰ってきたときに、よく肉球をペロペロとしつこくなめていて赤く腫れており、動物病院で相談した経験があります。このケースではアスファルトとの強い摩擦が原因で肉球が炎症を起こしていましたが、足をしつこくなめているときにはほかにも原因があるかもしれません。原因がよくわからない場合には、足をなめる様子をスマホで動画撮影しておいて獣医師に見てもらうと良いでしょう。
犬が自分の手足をなめるのはこんなケガや病気かも
犬がしつこく自分の手足をなめている場合には、ケガや病気が隠れている可能性があるため注意しましょう。考えられる8つの原因について解説します。
アレルギー
犬はアレルギー症状のひとつである強いかゆみが原因で、自分の足や体をなめることがあります。アレルギーの代表的な原因物質(アレルゲン)は次のとおりです。
- ハウスダスト
- 花粉
- カビ
- 外部寄生虫(ダニ、ノミ、シラミなど)
アレルギー性疾患のひとつに「アトピー性皮膚炎」があり、主に目や口の周り、耳、四肢などに強いかゆみや脱毛などの症状がみられます。
ダニやノミ
ダニやノミなどの外部寄生虫が体に付着すると、皮膚が赤くなったり強いかゆみを引き起こしたりすることがあります。
足をなめるだけでなく、体をこすりつける様子や足で体を頻繁にかく様子がみられたら、ダニやノミが寄生していないかを確認してください。毛の生えぎわで動き回る小さい虫や黒いフケのようなノミの糞を見つけたら、動物病院を受診してダニやノミを駆除する薬を処方してもらいましょう。
乾燥肌
人と同じように、犬も乾燥肌になりやすいといわれています。皮膚が乾燥するとかゆみを伴うことが多いため、足をなめたり体をかいたりしている場合には皮膚と被毛の状態を観察してみましょう。かゆみ以外にみられる症状は次のとおりです。
- フケが出る
- 被毛がパサつく
- 毛並みが悪くなる
- 肉球のひび割れ
胃腸の不調
胃腸の調子が悪く消化機能が低下している場合には、吐き気をごまかすために前足をなめているかもしれません。
足をなめる以外に以下の様子がみられることがあります。
- いつもよりよだれの量が多い
- 食欲があまりない
- 元気がない
- 軟便、下痢、便秘
関節の異常や病気
犬は関節や骨に痛み・違和感がある場合にも、足をなめることがあります。考えられる原因や病気は次のとおりです。
- 関節炎
- 関節リウマチ
- 骨折
同じ場所をしつこくなめ続けていたり触るのを嫌がったりする場合には、早めに動物病院を受診しましょう。
ホルモンの異常や病気
ホルモンバランスの異常が原因で、皮膚にかゆみや痛み、脱毛といった症状があらわれることがあります。
犬が足や体をなめ続けている場合には、次のような病気が隠れているかもしれません。
- クッシング症候群
- 甲状腺機能低下症
ケガ・傷
犬はケガが原因で足をなめることがあるため、同じ場所をなめ続けている場合には腫れや傷がないかをよく確認してください。
- 打撲(だぼく)
- 捻挫(ねんざ)
- 肉球のケガ(切り傷、トゲ、やけどなど)
打撲や捻挫のように見た目ではわかりづらいケースもあるため、歩き方に違和感がある場合には動物病院でみてもらうと良いでしょう。
分離不安症
分離不安症とは、飼い主さまと離れて過ごすことがストレスになり問題行動を起こしてしまう病気です。
足や体をなめたり噛んだりするほか、留守中の破壊行動やおもらしなども問題行動に含まれます。「分離不安症かも?」と思ったら、愛犬との関係性を見直しながら不在時でも安心して過ごせるような工夫やしつけをすると良いでしょう。
※補足情報※
動物医療は自由診療のため、ペット保険に加入していなければ医療費は全額自己負担となります。
高額治療に備えて、ペットが若齢のうちにペット保険に入っておくと万が一のときに安心です。
犬が自分の足をなめるメリット・デメリットとは?
この章では、犬が自分の足をなめるメリットとデメリットについて解説します。
メリット:肉球を清潔にできる
犬が自分の足をなめる大きなメリットは、肉球をなめてケアし清潔に保てることです。お散歩後のお手入れで取りきれなかった汚れもなめ取ってくれるため、皮膚炎や趾間炎(しかんえん)の予防にもなるでしょう。
デメリット:ストレスや病状の悪化をまねく
デメリットとしては、犬が足をなめ続けているのをそのままにしておくと、ストレスや病状の悪化をまねくおそれがあることが挙げられます。なかには心の病気になってしまい、自分の体を噛んで傷つける問題行動に発展するケースもあるため、注意が必要です。
犬が足をなめるのをやめさせる方法はある?方法・対策を紹介!
犬がグルーミングによって足をなめている場合は、正常な行動なため無理にやめさせる必要はありません。
しかし、足をなめるのが癖になってしまっている場合には、しつけたり犬の気をそらしたりすることが効果的です。
また、アレルギーなどの場合には原因を取り除く必要があるため、まずは原因の特定から始めると良いでしょう。
この章では足をなめるのをやめさせる方法について解説します。
エリザベスカラーや靴下をつける
皮膚炎や傷・ケガなどが原因で足を保護する必要がある場合には、エリザベスカラーの着用や靴下をはかせることが効果的です。
どちらも無理に装着するとかえって犬にストレスを与えてしまうため、嫌がる子には包帯を巻いて保護すると良いでしょう。
犬とコミュニケーションをとる
長時間のお留守番やコミュニケーション不足によるストレスが原因の場合には、犬と積極的にコミュニケーションをとるように心がけましょう。
犬が走り回れる遊びを選ぶと、ストレスや運動不足の解消にもつながります。また、ひとりで留守番する時間が長い場合には、留守番中に遊べるおもちゃを与えることも効果的です。
アレルゲンを排除する
アレルギーが原因で足をなめてしまう場合には、原因物質(アレルゲン)の除去が効果的です。
食品アレルギーであれば獣医師の指示に従って除去食を使用すると良いでしょう。
また、ハウスダストや花粉、ノミ、ダニなどが原因のアレルギーではこまめなお部屋の掃除を心がけ、アレルゲンをなるべく外から持ち込まない工夫をすると効果的です。
犬の足の保湿をする
皮膚の乾燥が原因で足をなめてしまう場合には、保湿が効果的です。皮膚の乾燥対策には、加湿器を使用してお部屋の湿度を50~60%に保つことや保湿剤などの使用が効果的です。かゆみや肉球のひび割れを起こすこともあるため、犬用の保湿剤や入浴剤、肉球クリームなどを使用して保湿を心がけましょう。
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まとめ│心配な症状は獣医師に相談しよう
この記事では、犬が足をなめる理由について解説しました。大切なポイントは次のとおりです。
- セルフグルーミングは犬の正常な行動のひとつ
- 原因はストレス・アレルギー・ケガなどさまざま
- 放っておくと心の病気になる可能性もあり
- 声をかけてもやめない場合は要注意
犬の様子をよく観察しながら、安心して過ごせる環境づくりを心がけましょう。
※動物病院は自由診療のため、医療費が高額になる可能性があります。
ペット保険に加入していなければ、全額を自己負担で支払わなければなりません。
万が一の備えとしてペット保険に加入しておくと安心です。
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