犬の便秘

犬の便秘で困ったり悩んでいたりする飼い主さまは少なくないでしょう。犬がうんちをしない日があると心配になりますよね。

そこで本記事では、犬の便秘が何日からなのか、目安や症状、原因や解消法などについて詳しく解説します。愛玩動物飼養管理士のアドバイスや、犬が便秘のときにやってはいけないNG対応もあわせて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

【この記事でわかること】

  • なぜ犬は便秘になってしまうの?    
  • 犬の便秘は何日まで様子見して大丈夫?
  • 犬が便秘になったらすぐ病院に連れていくべき?
  • 便秘になりやすい犬っている?
  • 犬の便秘を解消するコツは?
  • 犬の便秘にいい食べ物はどんなもの?

【ペット保険比較のピクシー】では人気ペット保険おすすめランキングもご紹介しております。
まだペット保険に加入していない方、これから加入する方、保険の乗り換えを検討中の方は参考になさってください。

目次

犬が便秘は何日から?判断基準や受診の目安は?

犬の便秘、動物病院に連れていくタイミング

犬の便秘は何日くらいだったら、様子見をして大丈夫なのでしょうか?ここでは、具体的な日にちをご説明します。また、便秘かどうかの判断基準や、病院に連れていくべきタイミングの目安についても解説するので、悩んでいる方もご安心ください。

 

犬の便秘│1日なら様子見で2日以上は注意!

犬の便秘は、うんちが出ないのが1日だけなら様子を見ても大丈夫な場合が多いでしょう。ただし、健康な犬でも一時的に排便がない日があることは珍しくないため、まずは冷静に観察することが大切です。

しかし、それ以降も、2〜3日のあいだ犬がうんちをしない場合は便秘が疑われます。以下を参考にしてください。

  • 1日犬が排便しない:まずは様子見で大丈夫
  • 2日犬が排便しない:便秘の可能性が高いため注意
  • 3日犬が排便しない:獣医師への相談が必要
愛玩動物飼養管理士のアドバイス

犬がうんちをしないことに気づいたら、まずは、水分摂取量や運動量を増やして排便をうながしてみましょう。犬のお腹をやさしくマッサージするのもおすすめです。

 

犬が便秘かどうかの判断基準は?

犬が便秘かどうかを判断するには、まずは排便の回数をチェックすることが重要です。一般的には、犬のうんちは成犬の場合だと1日1~2回が一般的です。一方で、子犬の場合は消化が早いため1日3〜5回ほど排便することも珍しくありません。

 

ただし、「犬のうんちが1回しか出なかった=便秘」とは限りません。うんちの回数だけでなく、便の状態や排便時の様子も重要なポイントです。たとえば以下のような症状がみられる場合、便秘が疑われます。

  • うんちの量が極端に少ない
  • 硬くてコロコロした便が出る
  • いきんでいるのに出ない
  • 排便時に苦しそうに鳴く
愛玩動物飼養管理士のアドバイス

普段と比べて、犬のうんちが小さくコロコロしていたり、いきんでもなかなか出てこなかったりするのは、便秘の症状かもしれません。犬のうんちの回数が減ったり、形や色、硬さが変わったりした場合は、便秘のサインとして見逃さないことが大切です。

 

犬の便秘の症状│動物病院に行く目安は?

愛犬が便秘になり、以下のような体調の変化や異常な行動などがみられる場合は、動物病院への受診をおすすめします。

  • 食欲が落ちている、またはまったく食べない
  • 1回、または何度も吐いてしまう
  • ぐったりしていて元気がない
  • じっと動かず散歩にも行きたがらない
  • 排便時に苦しそうな表情や鳴き声がある

これらの症状がある場合、単なる便秘ではなく、腸閉塞や内臓疾患など重大な病気が隠れている可能性もあります。便秘の原因は、フードの変更、水分不足、運動不足、ストレス、加齢、持病などさまざまです。

うんちの回数や愛犬の状態において「いつもと違う」と感じたら、できるだけ早めに獣医師に相談しましょう。

ペット保険比較のピクシーにはペット保険についての記事も多数ございますので、安心して保険をお選びいただけます。
保険選びで迷われている方は、保険料補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」も参考にしてください。

犬が便秘のとき今すぐ自宅でできる6つの解消法!

愛犬がなかなかうんちをしないとき、「すぐに動物病院に行くべき?」「自宅でできることはないの?」と悩む飼い主さまは多いでしょう。ここでは、犬の便秘が軽度のときに、自宅ですぐに試せる6つの「犬の便秘解消法を紹介します。試しやすいものから番号順に解説するので、無理のない範囲で実践してみてくださいね。

 

1.まずは水分量を増やす

犬の便秘で最も多い原因のひとつが水分不足です。水分が不足すると便が硬くなり、腸の中でスムーズに移動できなくなってしまいます。愛犬の水分摂取量を増やすためには、次のような工夫がおすすめです。

  • ドライフードをぬるま湯でふやかす
  • ウェットフードに切り替える
  • 鶏の茹で汁や犬用スープをフードにかける
  • 新鮮な水をこまめに取り替える
  • 水の器を増やして複数の場所に設置する

「水を飲んでくれない」というときは、食事からも水分をとらせる工夫が大切です。

関連記事:犬はなぜ脱水症状になる?見分け方や対処法、予防する方法とは?

 

2.運動をさせ腸を活性化させる

運動不足も犬の便秘を引き起こす原因のひとつです。特に室内飼いで活動量が少ない犬や、加齢によって運動量が減ったシニア犬は注意が必要です。

  • いつもより10〜15分程度長めの散歩をする
  • 室内でボール遊びなど軽い運動を取り入れる
  • 階段の上り下りや知育トイを使った遊びも有効

運動によって腸の「ぜん動運動(排便を促す動き)」が刺激され、自然な便意につながります。

 

3.犬のお腹をマッサージする

やさしいお腹のマッサージは、犬の腸を刺激して排便を促すのに効果的です。愛犬がリラックスしているときに、時計回りにお腹をなでるように行いましょう。強く押さず、嫌がる場合はすぐに中止してください。犬の便秘解消マッサージについては、後の章で詳しく解説します。

 

4.食物繊維の多い食べ物を与える

腸内環境を整え、便通を良くするためには、水溶性の食物繊維を含む食材を取り入れるのが効果的です。犬に与えても安全なおすすめ食材は以下のとおりです。

  • さつまいも(蒸す・茹でる)
  • かぼちゃ(種と皮を除いて加熱)
  • 寒天(少量ならOK)
  • ひじき(味付けなしで柔らかく煮る)

いずれも少量をトッピングとして与えるだけで十分です。初めて与える食材は少しずつ様子を見ながらにしましょう。

 

5.無糖のヨーグルトを少量だけ与える

ヨーグルトに含まれる「乳酸菌」は腸内環境を整える働きがあり、便秘の改善に役立つことがあります。犬に与える際は、無糖で香料や添加物の少ないプレーンタイプを選びましょう。体重5kgの犬であれば、小さじ1〜2杯が目安です。ただし、乳糖不耐症の犬は下痢を起こす可能性があるため、最初はごく少量から与えるようにしてください。

 

6.動物用のビオフェルミンを与える

犬用の整腸剤として市販されている「動物用ビオフェルミン」も、軽い便秘に有効な選択肢です。犬の整腸剤を選ぶポイントは、犬の腸内に合った乳酸菌が配合されていること。また、腸内バランスを整えて自然な排便をサポートしてくれるものを選びましょう。成犬用・子犬用などの対象が分かれているものもおすすめです。犬に与える際には、かならずパッケージの用法・容量を守りましょう。

犬の便秘解消マッサージ|効果的なタイミングと方法は?

便秘解消マッサージを受ける犬

犬の便秘マッサージは、軽度の便秘に対して、腸の動きをサポートする手段のひとつです。特に、水分不足や運動不足による便秘には効果が期待できます。ただし、誤ったやり方はかえって逆効果になることもあるため、ポイントをおさえて行いましょう。

 

犬の便秘マッサージのコツ

犬の便秘解消マッサージを行うときは、リラックスしている状態で行うのが効果的です。タイミングとしては、食後すぐは避け、食後1〜2時間後や散歩のあとなど落ち着いている時間がよいでしょう。

犬の便秘解消を目的としたマッサージは、1日1〜2回までにして、やりすぎに注意しましょう。朝と夜で時間が取れるときに無理なく行うことをおすすめします。

マッサージは強く押さず、やさしくなでるような力加減で、円を描くように手を動かすのがコツです。便秘解消の効果は1回で劇的に出るわけではありませんが、続けてみても効果が感じられない場合は、獣医師に相談するのが安心です。

 

犬の便秘に効くマッサージの手順

犬のマッサージをするときは、以下の手順を参考にして、犬の様子をみながらゆっくり進めましょう。

  1. 犬をあおむけまたは横向きの体勢にする
  2. 犬のお腹をやさしく触って温度や張りを確認
  3. おへそ周辺を時計回りで円を描くようにマッサージ
  4. 便意を促すために腰から肛門へ軽くなで下ろす

犬がマッサージを嫌がる、逃げる、うなるなどの反応があるときや、もともとお腹を触られるのが苦手な子には、無理に行わないようにしましょう。お腹が張っていたり、痛がったりする様子がある場合はすぐに中止し、動物病院を受診してください。

犬のうんちが出ない原因とは?

犬がうんちをしない原因

犬がうんちをしない原因はさまざまですが、その多くは腸の動きの低下や食生活、環境の変化によるものです。ここでは、なぜ犬が便秘になってしまうのか、その主な原因についてわかりやすく解説します。

 

体質に合わないフードによる消化不良 

犬の便秘の原因の一つに、体質に合わないフードによる消化不良があります。特に、犬にとって、消化しにくい植物性タンパク質(小麦やとうもろこし)を多く含むフードや人工添加物を多用されているフードは、腸に負担をかけて便秘を引き起こすことがあります。

また、あえて食物繊維の量が多く調節されている体重管理用のフードでも、便秘になる犬もいるため気になる場合は獣医師に相談しましょう。

 

水分不足による便の乾燥

犬の水分摂取量が少ないと、うんちが硬くなる傾向もあります。

水をあまり飲まなくなる冬や、もともと水分摂取量が少ない犬は特に注意が必要です。愛犬があまり水を飲んでいないと感じる場合は、ウェットフードを利用して食事から水分を補給させるのも便秘対策の1つといえます。

 

運動不足による腸の動きの低下 

運動不足によって犬が便秘になることがあります。

運動不足によって腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすくなるのです。また、屋外でうんちをする犬の場合、天候などで散歩のリズムや回数が変わると、それが影響して便秘になってしまうケースもあります。

 

ストレスや環境変化による腸内環境の乱れ

犬の便秘はストレスが原因で起きることもあります。

引っ越しなど、大きな環境の変化は犬にとって大きなストレスとなり、腸内環境や自律神経のバランスを乱す原因になります。こうしたストレスが長期間続くと、腸の動きが鈍くなり、便秘を引き起こすことが少なくありません。

 

癌(がん)やヘルニアなどの病気による痛み

便秘がなかなか改善されない場合は、癌(がん)ヘルニアなどの病気が隠れている可能性もあります。

うんちをするときに痛がる、足腰が弱っていて踏ん張りたくても力が入りにくいなどという理由もまた、便秘の原因の1つです。

シニア犬・老犬が便秘になりやすい原因とは? 

犬の便秘の要因として「加齢」も考えられます。加齢とともに犬の体はさまざまな機能が低下し、特に消化器官の動きや水分代謝が衰えるためです。こうした理由から、老犬は便秘になりやすいといわれています。ここでは、老犬特有の便秘の原因について詳しく解説し、適切なケア方法を考えていきましょう。

 

老犬の便秘原因①│消化管(腸など)の機能低下 

犬が高齢になると老化により身体機能が少しずつ衰え、消化管の動きは鈍くなっていきます。そのため、うんちが腸内に長く留まり便秘になりやすくなるのです。

 

老犬の便秘原因②│飲水量・運動量の低下

老犬になると、身体の痛みや動かしづらさを感じ、運動量が減少することは少なくありません。身体を動かさなくなれば喉の渇きも感じにくく、結果として運動量・飲水量の低下による便秘が起きやすくなります。

 

老犬の便秘原因③│病気によるもの  

腎機能の低下や糖尿病などによって脱水症状が引き起こされると、うんちの水分量が減って便秘になりやすくなります。犬に多飲多尿の症状がみられたり、おしっこの色が薄いもしくは透明だったりする場合は獣医師に相談しましょう。

便秘になりやすい犬種は?

便秘自体はどの犬種でもなり得ますが、便秘を引き起こしやすい病気(椎間板ヘルニア、前立腺肥大、会陰ヘルニアなど)の好発犬種は特に注意が必要です。

  • ミニチュア・ダックスフンド
  • トイ・プードル
  • ポメラニアン
  • コーギー
  • マルチーズ など

前立腺肥大や会陰ヘルニアは、特に中高齢で未去勢のオスがなりやすいとされています。

愛犬がいきんでも、なかなかうんちが出てこなかったり、痛がる様子がみられたりしたら動物病院を受診しましょう。

関連記事:【犬のヘルニア】手術費用は保険適用?椎間板ヘルニアの治る確率は?

【注意】犬の便秘でやってはいけないNG解消法

愛犬の便秘を解消してあげたいと思ってしたことが、実は逆効果になる場合があります。

  • 自己判断で便秘薬を与える
  • 綿棒で肛門を刺激する
  • 誤った部位・方法でのマッサージ など

それぞれ詳しくみていきます。

 

自己判断で便秘薬を与える

自己判断で市販の便秘薬を犬に与えるのはやめましょう。もちろん人間用の便秘薬やサプリもあげてはいけません。

犬の便秘の原因が何らかの病気だった場合、便秘薬によって病状が悪化する可能性もあります。便秘薬を投与する際は獣医師に相談し、用法用量をしっかりと守りましょう。

 

綿棒で肛門を刺激する 

綿棒での肛門刺激は、犬の肛門や腸を傷つけてしまう可能性があるため避けたほうが無難です。

さらに、綿棒での刺激がないとうんちが出せなくなってしまうおそれもあるため、自己判断で綿棒を用いるのはやめましょう。

 

誤った部位・方法でのマッサージ 

犬の便秘解消のためのマッサージを、誤った部位や方法で行うと逆効果になってしまいます。また、便秘の原因が病気だった場合は病状を悪化させるおそれもあるため、獣医師に相談して正しい方法を知ることが大切です。

【FAQ】犬の便秘に関するよくある質問3点!

犬の便秘は、回数や症状の判断が難しく、不安に感じるもの。ここでは、犬の便秘に関してよく寄せられる質問にわかりやすくお答えします。

 

Q1. 犬が便秘でお腹がパンパンだけど危険な状態?

A1.犬のお腹が張ってパンパンな状態は、危険サインの可能性があるため、すぐに動物病院を受診してください。便秘にみえても、以下のような重篤な病気が隠れていることがあります。

  • 腸閉塞
  • 胃捻転(とくに大型犬に多い)
  • 腫瘍や内臓の異常

ぐったりしている、吐こうとしている、お腹を触ると痛がる、苦しそうな様子がある場合は特に注意が必要です。

 

Q2. 犬の便秘にいい食べ物ってどんなもの?

A2.犬の便秘には、食物繊維や水分を多く含む野菜や果物がおすすめです。加熱して与えることで、消化しやすくなります。代表的な食材は以下のとおりです。

  • さつまいも(蒸す・茹でる)
  • かぼちゃ(皮と種を除いて加熱)
  • にんじん(やわらかく茹でる)
  • 寒天(無糖・プレーン)
  • ひじき(味付けなしでやわらかく)
  • 無糖ヨーグルト(少量)
  • バナナ(完熟・少量)
  • オートミール(ふやかして与える)
  • りんご(皮と種を除き、すりおろすか加熱)
  • 犬用スープ(塩分・調味料なしで水分補給に)

犬に初めて与える食材は、少量から様子をみて慎重にあげてください。

 

Q3.犬の便秘を予防するには何をしたらいい?

A3.犬の便秘予防は、水分補給・適度な運動・食事管理の3つが基本です。特にシニア犬や運動量の少ない犬は、毎日の散歩と水分摂取を意識しましょう。さらに、便の状態を毎日確認し、少しの異変にも早めに対応することが予防につながります。

まとめ│犬も便秘は1日は様子見で2日以降は要注意!

ここまで、犬の便秘の原因や判断基準、便秘の解消法について詳しく解説してきました。
長時間うんちをしない状態は犬にとって大きな負担となり、放置すると体調悪化や病気のリスクも高まります。
「犬の便秘は何日まで大丈夫?」と迷う場面でも、日ごろから排便リズムやうんちの状態を観察しておくことが大切です。

 

原因を正しく見極めることで、便秘だけでなく腸や消化器系の病気の早期発見につながることもあります。「犬がうんちをしない」「うんちが固い・コロコロしている」などの異変を感じたら、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。

【ペット保険比較のピクシー】では、ペットと飼い主さまのためになるお役立ち情報を日々発信しております。
また保険選びで迷われている方は、保険料補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」もご覧ください。

この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部
ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。少額短期保険募集人、損害保険募集人、ファイナンシャルプランナー、愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、ペット防災指導員などの数多くの資格を保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴は10年以上です。知識や経験を活かして、さまざまなお役立ち情報をお届けします。

この情報をシェアする

【ペット保険比較】10秒でカンタン比較