ミニチュア・シュナウザーの寿命や病気

ミニチュア・シュナウザーを迎え入れるなら、どんな心構えが必要なのかな。犬を飼育するのが初めてなら、かかりやすい病気についても想像つきにくいのではないのでしょうか。

 

今回は、ミニチュア・シュナウザーに多い病気と、健康を守るための飼育ポイントを紹介します。

【この記事でわかること】

  • ミニチュア・シュナウザーの特徴や平均寿命
  • ミニチュア・シュナウザーに必要な社会化トレーニングとお手入れ方法
  • ミニチュア・シュナウザーがかかりやすい病気

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目次

ミニチュア・シュナウザーの特徴

ミニチュア・シュナウザーの特徴

ドイツ生まれで上品な佇まいが魅力の、ミニチュア・シュナウザーの特徴をみてみましょう。

 

容姿(体重・体型)

ミニチュア・シュナウザーというと、「口ひげ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ミニチュア・シュナウザーは、口ひげに加えて眉毛も長く伸びているところが特徴です。

 

体高は30〜35cmで体重は4〜8kgと、体格はややがっしりとしています。肥満になりやすい傾向があるため、体重管理はしっかりと行いましょう。

 

性格

見た目はおっとりしていそうですが、明るくて好奇心旺盛な性格です。性別による性格の違いもあるようで、オスよりもメスの方が穏やかな傾向にあります。

 

また、学習能力が高くしつけがしやすいため、初心者におすすめの犬種です。ただし、知らない人には攻撃的になるなど警戒心が強いところもあるため、吠えグセをつけないように子犬期にしっかりとトレーニングしましょう。

 

毛色(黒・白・シルバーのミックス)

ミニチュア・シュナウザーの毛色の標準色は、一般社団法人ジャパンケネルクラブによると、

  • ブラックのアンダーコートで漆黒
  • ソルト・アンド・ペッパー
  • ブラック・アンド・シルバー
  • ホワイトのアンダーコートで純白

の4色です。

 

4色の中でも、ソルト・アンド・ペッパーがよく見られます。おじさんのような貫禄のある毛色が特徴的で、時代を問わず人気のある犬種です。

 

落ち着きのあるような見た目のため、多頭飼いしやすいのではと考えられがちですが、性格の傾向から初心者には難しいところがあります。警戒心の強めな犬種のため、多頭飼いする場合は、相性を確認してから慎重に進めましょう。

 

ちなみに、ミニチュア・シュナウザーの被毛はダブルコートです。ダブルコートは、オーバーコートとアンダーコートの2層で構成されているため保温性があり、シングルコートと比べると寒さに強い傾向にあります。

 

平均寿命

ミニチュア・シュナウザーの平均寿命は13.6歳です。犬全体の平均寿命14.2歳と比べるとやや短いですが、おおむね標準的な寿命となります。ミニチュア・シュナウザーは遺伝性疾患が少なく臓器も丈夫なため、長く一緒に暮らしやすい犬種です。

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ミニチュア・シュナウザーの飼育ポイント

ミニチュア・シュナウザーの飼育ポイント

ミニチュア・シュナウザーの体質や性格などの特徴から、取り組むべき飼育ポイントを紹介します。

 

社会化トレーニングが必要

ミニチュア・シュナウザーはどんなことにも興味を示す積極的な性格であるため、ときには攻撃的で感情に任せて行動することもあります。飼い主さま以外の人やほかの犬に危害を加えずふれあえるように、社会化トレーニングを行いましょう。

 

トレーニングといっても特別なことではなく、散歩を利用してさまざまな環境に慣らしていきます。まずは、人やほかの犬と落ち着いてすれ違う練習から始めましょう。

 

トレーニングは室内でも行えます。音のなるおもちゃで遊ぶ、環境音に反応しないように慣れさせるなど、生活音に対して敏感にならないように導きましょう。

 

また、子犬期に来客を招いて人とふれあわせることで、自分のテリトリー内に家族以外が入ってきても落ち着いて飼い主の指示に従えるようになります。

 

毎日の運動を欠かさない

ミニチュア・シュナウザーは活発な犬種のため、毎日の散歩や適度な運動が必要です。1日30分を目安に散歩させましょう。また、思いっきり走り回れるドッグランを利用するのもおすすめです。ほかの犬とも交流できるため、社会性も身につきます。

 

抜け毛は少ないがお手入れは必要

通常、ダブルコートなら換毛期がありますが、ミニチュア・シュナウザーには換毛期がありません。

 

換毛とは毛が生え変わることで、1か月ほど生え変わる期間があるのが一般的です。春と秋の2回あり、季節ごとの気温や湿度に対応します。換毛期は抜け毛が多く、お手入れを念入りに行う必要があります。

 

換毛期がなければ、ほかの犬種よりお手入れは楽だと感じるでしょう。ただし、抜け毛がまったくないわけではないため、週1・2回程度のブラッシングは必要です。また、シャンプーは月に1、2回程度行いましょう。

 

一方で、トリミングが欠かせない犬種です。お手入れしないと伸びつづけるため、1〜2か月に1度は長さを整えます。季節に応じたカットスタイルで、快適に過ごさせてあげましょう。

ミニチュア・シュナウザーがかかりやすい病気は?

ミニチュア・シュナウザーがかかりやすい病気

ミニチュア・シュナウザーに多い病気を確認しましょう。

 

遺伝性疾患

まずは、遺伝性疾患の病気を紹介します。遺伝性疾患の予防は困難ですが、早期発見により、進行を遅らせるなどの処置は可能です。

 

◆先天性筋緊張症

先天性筋緊張症とは、筋肉が硬直した状態になる病気です。骨格筋の電位依存性塩素イオンチャネル遺伝子の異常によって、筋肉が収縮すると戻るのに時間がかかるようになります。

 

筋肉が固まるため、歩き方に異常がみられます。転びやすくなったり、立っていることが難しくなったりするなどの症状も現れるでしょう。また、頸部に筋肉が収縮したままだと、呼吸音が大きくなったり嚥下障害が現れたりもします。

 

生後6〜12か月で症状は安定することが多いといわれています。

 

◆進行性網膜萎縮症(PRA)

進行性網膜萎縮症は、網膜が薄くなり、最終的には失明する病気です。初期の症状はわかりにくいため、急に目が見えなくなったと感じることもあります。実際は、症状には段階があり、徐々に進行していく病気です。

 

まずは夜間に見えにくくなります。夜の散歩を嫌がるようになったり、暗がりで動くものに反応しなくなったりする様子がみられるでしょう。初期段階では、明るい昼間に症状は確認できません。

 

進行することで、明るい時間帯でも見えにくいのではと感じるような症状が現れるため、ここで飼い主さまが気づくことが多くあります。進行性網膜萎縮症は、発症すると視力が戻ることはありません。

 

◆高脂血症

高脂血症とは、血液中のコレステロールと中性脂肪の濃度が両方、もしくは一方が増加する病気です。

 

食事後10時間以内であれば、一時的な症状として捉えて問題なく、病的なものではありません。しかし、12時間以上開いているにもかかわらず数値が高い場合は、病的であることが考えられます。

 

高脂血症の原因のひとつは遺伝的なものです。また、ほかの病気の合併症として発症することもあります。糖尿病や肝疾患、肥満などに続いて起こりやすい病気です。症状がないことも多いですが、下痢や嘔吐、食欲不振などがみられることもあります。

 

高脂血症そのものは、すぐに命にかかわるわけではありません。しかし、放置しておくと眼科疾患や末梢神経の麻痺などを誘発するおそれもあるため、注意が必要です。

 

遺伝性疾患のひとつではありますが、肥満にならないよう気をつけることで、発症しにくくなります。食事内容を見直したり運動を取り入れたりして対策しましょう。

 

◆白内障

白内障は水晶体が濁る状態をいいます。発症すると戻ることはなく、進行すると視覚に影響が出る病気です。濁り具合によって大きく4つのステージに分けられ、視覚への影響度合いが異なります。

 

初期の段階では濁りは水晶体のふちにある程度で、飼い主さまが気づかないことも多いでしょう。濁りが進むにつれて視界がぼやけるようになり、視力低下もみられるようになります。

 

白内障の原因は遺伝的なものと加齢によるものが大半です。しかし、外傷や糖尿病によって併発することもあります。

 

そのほかの病気

次に、遺伝性疾患以外のミニチュア・シュナウザーに多い病気を紹介します。

 

◆尿石症

尿石症とは、尿に含まれるミネラルが結晶化して、腎臓や膀胱、尿道などで結石化する病気です。

  • おしっこの回数が増える
  • 血尿が出る
  • トイレを失敗する

などの症状が現れます。

尿がアルカリ性や酸性に傾くことで結晶化が起こるのですが、体質に原因があります。そのため、治療しても再度結晶ができることもおおいにあります。

 

一度診断されたなら、体質改善によって結晶を作らないように心がけましょう。獣医師診断のもと、療法食を与えるのも方法のひとつです。

 

療法食とは、栄養成分の量や比率が特別に調整されたフードのことです。一般のフードとは異なり、病気に対してサポートできます。

 

ただし、療法食は飼い主さまの独断で与えてはいけません。獣医師が必要と判断した場合に、正しい扱い方の元で与えましょう。必要のない子に与えると、健康被害を起こす可能性があります。

 

◆シュナウザー面皰症候群

シュナウザー面皰症候群(めんぽうしょうこうぐん)は、毛穴に皮脂が詰まって炎症が起こる皮膚の病気です。首から腰にかけてや背中に、ニキビのようなものができます。痛みやかゆみなどの症状はありません。

 

しかし、できものが気になって舐めたりかいたりすることで二次感染を起こし、かゆみが現れます。完治できない病気ではありますが、ケアによって症状を和らげることは可能です。

 

毛穴汚れをしっかり落とせるシャンプーで洗うなど、獣医師にケア方法を確認して実施しましょう。

 

◆膿皮症

膿皮症とは、皮膚の細菌感染によってかゆみや湿疹などが起こる病気です。部分的に脱毛したり水疱ができたりもします。

 

原因となるブドウ球菌は常在菌のひとつであるため、皮膚にいるのは異常ではありません。しかし、細菌感染によって過剰に増えることで、膿皮症を発症します。

 

細菌感染はホルモンの異常やアレルギー疾患を持っている子に起こりやすく、バリア機能が未熟な子犬にも多いです。

 

ブドウ球菌は湿度を好むため、シャンプーや水遊びの後はしっかり乾かしましょう。また、タンパク質を主原料とするフードも予防に良いとされています。

 

◆脂肪腫

犬の腫瘍には良性と悪性がありますが、脂肪腫は良性の腫瘍です。皮下にしこりが現れる病気で、高齢や肥満の子にできやすいといわれています。

 

全身どこにでもできますが、とくにできやすい箇所は胸の辺りや腹部です。小さい初期の段階では痛みがなく、大きくなると痛みが出ることもあります。

 

脂肪腫ができる原因は明確ではありませんが、肥満や運動不足、遺伝的な要因が考えられるでしょう。明確な予防策はありませんが、早期発見が求められる病気です。

ミニチュア・シュナウザーが健康的に過ごすためには

ミニチュア・シュナウザーの健康を守るためには、以下のポイントを押さえましょう。

 

食事管理と水分補給

ミニチュア・シュナウザーは太りやすい体質のため、食事内容はしっかり管理しましょう。理想の体型を維持するために、散歩や遊びを通して運動も上手に取り入れましょう。

 

また、尿結石をできにくくするためには、積極的な水分補給も重要です。あまり水を飲まない子の場合は、ウェットフードを利用すると良いでしょう。

 

皮膚状態のチェック

ミニチュア・シュナウザーは皮膚が弱い犬種のため、ブラッシングのときに皮膚の状態もチェックしましょう。チェックポイントは以下のとおりです。

  • 傷や湿疹、イボなどがないか
  • かゆがったり赤くなっていたりするところはないか
  • 脱毛がないか
  • フケが出ていないか
  • 抜け毛が残っていないか

加えて、被毛のハリツヤでも皮膚の状態が確認できます。

 

動物病院での健康診断・ワクチン接種

病気を早期発見するためには健康診断、感染を予防するためにはワクチン接種を受けましょう。

 

健康診断では、血液検査や尿・便検査、レントゲン検査などが実施されます。症状のない病気であっても、健康診断によって発覚することで、すぐに治療にとりかかれるのです。

たとえ、病気に直結する症状がなくても、生活習慣病のリスクや気をつけるべきポイントがあれば、獣医師からアドバイスを受けられます。また、獣医師に定期的に診てもらっていることで、飼い主さまも安心できるでしょう。

 

ワクチン接種は2種類あります。ひとつめの狂犬病ワクチンは接種義務があるため、年1回かならず受けなければいけません。もうひとつに混合ワクチンがありますが、こちらは任意接種です。しかし、できるだけ毎年受けて感染症を予防しましょう。

ミニチュア・シュナウザーの病気にペット保険で備える

ミニチュア・シュナウザーのペット保険

ミニチュア・シュナウザーが病気になっても、安心して治療を受けられるように、ペット保険を備えましょう。

 

ペット&ファミリー損保のデータから、白内障で手術した場合の治療費例を紹介します。

診療科目 金額
再診料 1,440円
入院費 14,000円
麻酔料 70,000円
白内障手術 318,783円
検査料 3,600円
注射・点滴 7,600円
処置料 20,000円
内服薬 8,715円
外用薬 4,070円
消費税 44,821円
治療費総額 493,029円

(品種:ミニチュア・シュナウザー 年齢:8歳、内容:手術と2日間の入院治療)
参照:ペット&ファミリー損保「保険金お支払い事例」
※上記の診療内容・治療費等は参考であり、実際のお支払い例や一般的な平均・水準を示すものではありません。
※治療費は動物病院によって異なります。

 

入院や手術を伴うと治療費が大幅に上がるため、備えておくと安心です。

まとめ|ミニチュア・シュナウザーと健康的に暮らそう

賢く忠誠心の高いミニチュア・シュナウザーに健康で長生きしてもらうには、毎日の運動や食事・水分補給管理、皮膚状態の定期チェックが大切です。

 

また、健康チェックのために健康診断も積極的に受診しましょう。

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この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部
ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。少額短期保険募集人、損害保険募集人、ファイナンシャルプランナー、愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、ペット防災指導員などの数多くの資格を保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴は10年以上です。知識や経験を活かして、さまざまなお役立ち情報をお届けします。

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