愛犬が外耳炎かも？おもな症状や原因と治療法・予防方法を解説

犬の外耳炎の症状とは？初期から重症化した場合まで解説

外耳炎とは、耳のうち「外耳」に起こる炎症を指します。外耳とは、耳の入り口から鼓膜までの部分です。

急激に症状がひどくなる「急性外耳炎」と、少しずつ悪くなり慢性化する「慢性外耳炎」の2つのケースがあります。

 

炎症によって痛みやかゆみが起こることで、以下のような症状があらわれます。

犬が外耳炎を発症するケースは少なくありません。放置すると重症化するおそれがあるため、症状が見られたらすみやかに動物病院を受診しましょう。

犬が外耳炎になるおもな原因

犬が外耳炎を発症する原因にはさまざまなものがあり、複数の要因がからみあっているケースもよく見られます。ここでは、おもな原因を2つ紹介しましょう。

 

細菌や異物

外耳炎の発症原因として多いのが、細菌やカビなどが愛犬の耳のなかに入り込んで繁殖するケースです。雑菌以外にも、ダニやノミといった寄生虫が耳に侵入して発症することもあります。

 

犬の耳に寄生する代表的なダニはミミヒゼンダニです。非常に小さなダニで、肉眼で確認することは難しいでしょう。ミミヒゼンダニに寄生されると、黒い耳垢が多量に発生するようになります。

 

アレルギーやアトピーがある犬は外部刺激に弱くなっているため、細菌や真菌の繁殖を抑えられず、外耳炎が起こりやすい傾向にあります。治っても再発を繰り返すケースも少なくありません。

 

また、散歩中に植物の実や種などの異物が入り、刺激によって炎症が起こることもあります。

 

お世話する環境

外耳炎は、愛犬をお世話する環境が原因で発症したり、悪化したりすることもあります。

 

よくあるのが、耳掃除しようとして綿棒を奥まで入れて傷つけてしまうケースです。耳掃除の際は、見える範囲のみをお湯や耳洗浄液を染み込ませたコットンやガーゼなどでそっと拭き取るだけにしましょう。お湯や耳洗浄液が耳のなかに入らないように十分に注意してください。

 

身体を洗った際に耳のなかにお湯が入り、外耳炎を招くケースもあります。

 

また、高温多湿でじめじめした環境で飼っている場合、直接的な原因にはならないものの、耳の奥にいる常在菌が繁殖しやすくなり外耳炎を悪化させることがあります。垂れ耳の犬や耳道が狭い犬、耳毛が多い犬は、耳のなかが蒸れやすいため、とくに注意しましょう。

犬の外耳炎は点耳薬や内服薬で治療

愛犬に外耳炎を疑う症状がみられたときは、放置せずに動物病院を受診することが大切です。

 

耳鏡検査や耳垢検査、レントゲン検査などを実施し、外耳炎と判断されたときはおもに以下のような治療を実施します。

炎症がひどい場合は痛みを招くため耳洗浄はせず、さきに炎症を抑えるために薬で治療し、様子を見ながら少しずつきれいにする場合もあります。

 

また、上記の治療のほか、耳ダニがあるときは駆虫薬で駆除する、異物が入り込んだ場合は取り除くなど、状況に応じた処置が必要です。炎症の状態によっては外科手術をおこなうこともあります。

 

症状が軽ければ、次第に軽快するでしょう。症状が重い場合は、長引くことがあります。

愛犬の外耳炎を予防する自宅でのケア

外耳炎を予防するためには、愛犬の耳の状態をきれいに保つことが不可欠です。スキンシップを兼ねて、定期的に愛犬の耳の汚れを拭いて清潔を保ちましょう。

 

ただし、綿棒などでの掃除はしないでください。かえって外耳炎の原因をつくることになりかねません。耳垢がたまっていたときは、動物病院で耳掃除をお願いしましょう。

 

また、日ごろから愛犬の耳のなかをよく観察することも大切です。耳をめくってチェックし、「臭う」「腫れている」など普段と違う様子が見られたら、受診してください。

 

耳道が狭い犬種や耳毛が多い犬種、垂れ耳の犬種は耳垢がうまく排泄しにくいため、定期的に耳の検診を受けるのがおすすめです。

 

シャンプー後やトリミング後は耳に水が残っていないかも十分にチェックしましょう。

まとめ｜犬の外耳炎は早期に発見して治療することが大切

外耳炎は耳の入り口から鼓膜までの間で起きる炎症であり、犬では比較的よく見られる疾患です。細菌やカビなどの繁殖、異物の混入、耳ダニ、不適切な耳のお手入れなどさまざまな原因で発症します。

 

耳をしきりにかく、頭を振る、耳のなかが臭うといった症状が見られる場合は外耳炎の可能性があるので、動物病院を受診しましょう。

 

外耳炎は一度治まっても再発するケースも珍しくありません。とくに、耳道が短い短頭種の犬種や耳毛が長い犬種、垂れ耳の犬種は起こりやすい傾向にあるため、十分に注意してください。

 

日ごろから耳の周りを拭いたり、臭いがしないかチェックしたりすることも大切です。綿棒での耳掃除は、かえって傷をつけて外耳炎を起こす原因になるため、避けましょう。

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