猫が玉ねぎを食べたら?

「玉ねぎを愛猫が食べてしまった」

「玉ねぎを口にしてしまうと、どんな症状がでるの?」

猫に玉ねぎを食べさせてはいけないことは知っていても、食べたらどんな症状がでるのか疑問に思う方もいますよね?

この記事では、猫が玉ねぎを口にしてしまったときに起こりうる、症状対処法などを解説します。

後半には、未然に誤飲を防ぐための対策も紹介しますので、猫を飼っている方は参考にしてください。

 

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目次

猫が玉ねぎを食べた!これって危険?

猫が玉ねぎを食べたら危険!

猫に玉ねぎを絶対に食べさせないでください。

玉ねぎは人間にとって、血液をサラサラにしたり、むくみが解消したりするなど嬉しい効果が期待できる野菜です。

しかし、猫が口にすると「中毒症状」を引き起こす危険性があり、過去には死亡例も報告されています。

体に影響を及ぼす原因は、玉ねぎに含まれる「有機チオ硫酸化合物」という成分です。

では「有機チオ硫酸化合物」は、どのような症状を引き起こしてしまうのか次の章で解説します。

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玉ねぎが引き起こす中毒症状とは

玉ねぎの成分である「有機チオ硫酸化合物」は、赤血球中のヘモグロビンを酸化させる作用があります。ヘモグロビンが酸化されることで、赤血球を破壊し「溶血性貧血」を引き起こします。

主な症状は、下記があげられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 脈が速くなる
  • 呼吸が速くなる
  • 元気がなくなる
  • 黄疸

また、玉ねぎ中毒の症状は貧血が特徴的で、可視粘膜(口の中や目の粘膜)が白く見えることや、血尿がでることもあります。

 

中毒症状が出るまでの時間

中毒症状がでるまでの時間は、個体差があります。

口にしてから30分〜60分で症状がでることもありますし、1日から数日かかることもあるでしょう。

猫が玉ねぎを食べると危ない量は?

では、どのくらいの量を食べると、中毒を引き起こしてしまうのでしょうか?

中毒を引き起こす量は、体重1kgあたり玉ねぎ5g以上といわれています。玉ねぎ5gは、中サイズの場合約1/4個です。

ただし、中毒を起こす量は個体差があるため、少量食べても症状がでてしまうこともあります。玉ねぎは量ではなく、食べたかどうかで危険を判断しましょう。

玉ねぎの皮や葉も食べてはいけない

「玉ねぎの実は、有害成分が含まれてることがわかったけど、皮や葉も危険なの?」と疑問に思う方もいますよね?

玉ねぎのには、有害成分は含まれていません。

ただし、皮をかじり中毒を引き起こした事例もあるため、食べさせないようにしてください。

また、玉ねぎには「葉玉ねぎ」という種類があります。葉玉ねぎは、根の部分が膨らむ前に収穫した種類のため、中毒を引き起こす可能性があるでしょう。

玉ねぎはこんな場合も良くない?

ここでは、玉ねぎを触った手を猫が舐めてしまった場合や、玉ねぎを調理するにおいも猫にとって危険なのか、などについて解説します。

それでは、詳しくみていきましょう。

 

猫が玉ねぎを舐めた場合

まずは、猫が玉ねぎを舐めてしまったときの危険性です。

前述でも解説しましたが、症状が出るかどうかは個体差があります。

猫によっては、舐めただけでも体調が悪くなることもあるため、少量でも玉ねぎを口にしてしまったら動物病院に相談しましょう。

 

人間の手についた玉ねぎ

料理をした後、玉ねぎを触った手を、猫が舐めてしまうこともあるかもしれません。

玉ねぎのにおいが手に残っているようなら、玉ねぎエキスも残っている可能性が高いといえます。料理後、猫に触れるときはよく手を洗ってください。

 

玉ねぎを調理するにおい

玉ねぎを料理する「におい」は中毒を起こすほどではありません。

しかし、玉ねぎを切ると猫も人と同じように目に染みます。

基本的に、猫は玉ねぎのにおいが嫌いといわれていますが、料理するときはキッチンに近づけない方が安全です。

生でも加熱しても玉ねぎはNG

加熱しても猫に玉ねぎはNG!

玉ねぎは、生でも加熱しても猫に食べさせてはいけません。

ここでは、生の玉ねぎや玉ねぎが含まれる食べ物、玉ねぎスープなどを猫が口にしてしまったときの危険性について解説します。

それでは、詳しくみていきましょう。

 

生の玉ねぎ

生の玉ねぎには、赤血球を破壊する「有機チオ硫酸化合物」の他に「硫化アリル」という成分が含まれています。

玉ねぎを切ると、硫化アリルがアリシンという成分に変化し、口にすると貧血や胃の不調を引き起こすため危険です。

 

玉ねぎが含まれる食べ物

基本的に、猫は玉ねぎのにおいが苦手です。

しかし、料理した玉ねぎには興味をしめす猫もいます。

例えば、ハンバーグや餃子など、玉ねぎが使用されている料理は注意してください。

猫にとって有害な成分である有機チオ硫酸化合物とアリシンは、加熱しても残ります。

 

玉ねぎのスープ

玉ねぎのスープや煮汁も猫に与えないでください。

スープは、玉ねぎエキスが含まれているため、有機チオ硫酸化合物が濃縮されており危険です。

 

サプリメント

人用のサプリメントなどの健康食品にも、玉ねぎが含まれていることがあります。

「人にとっては健康なので、誤飲しても大丈夫だろう」と思う方もいるかもしれませんが、体調が悪くなる可能性があります。

猫が玉ねぎを誤飲した際の応急処置

玉ねぎを食べないように気をつけていても、誤飲してしまう可能性はゼロではありません。ここでは、猫が誤飲してしまった際の応急処置について解説します。

まず、食べてしまった場合は、口の中に玉ねぎが残っているようなら取り出し、口を水でゆすぎましょう。

飲み込んでしまった場合は、無理に吐かせようとせず、すぐに動物病院で受診してください。獣医師に、食べた時間や量、その後の様子をメモして伝えましょう。

また、下痢や嘔吐があった場合は、ビニール袋に入れ動物病院に持って行くようにしてください。

動物病院での治療方法

動物病院での治療方法は、食べて数時間以内なら、投薬などの催吐処置や胃の洗浄をおこないます。

また、毒素を吸着する活性炭投与や下剤などを使って、有害成分を除去することもあるでしょう。

 

中毒症状がある場合は、抗酸化剤やステロイド剤を使用し、赤血球の破壊を止める処置をします。それでも、重度の貧血が改善されない場合は、輸血が必要になるでしょう。

猫の玉ねぎ中毒は自然治癒する?

玉ねぎ中毒は、自然治癒するのか疑問に思う方もいますよね?

しかし、玉ねぎ中毒は自然治癒しません。

万が一、口にしてしまったら、すぐに治療に取り掛かることで命を救えるでしょう。

すでに、症状が出ている場合は更に悪化する可能性もあります。

たとえ少量の誤飲でも、命に関わる重篤な状態になる可能性もあるため、動物病院に相談しましょう。

猫の誤飲を防ぐための対策法

猫の誤飲を防ぐには、どのように気をつければ良いのでしょうか?

ここでは、誤飲を防ぐ対策法を4つ紹介します。

愛猫を守るために、ぜひ参考にしてください。

 

人の食べ物を食べさせない

まずは、人の食べ物を食べさせないことです。

普段から、人の食べ物を与えないことで未然に回避できます。

栄養はキャットフードから摂れば十分です。

 

猫が開けられない場所にしまう

次は、保管場所を工夫することです。

玉ねぎを、猫が触れられない場所に保管することで、誤飲を防げます。

猫は、身体能力が高いため、おすすめは野菜庫や冷蔵庫での保管です。

 

調理中や食事中は猫を近づけない

調理中や食事中に猫を近づけないことで誤飲が防げます。

調理中は、キッチンに入れないようにしてください。

食事中は、猫が人間の食事に興味をしめすようでしたら、ケージに入れるなど工夫しましょう。

 

落としてしまったらすぐに拾う

調理中、玉ねぎが床に落ちてしまったら一度手を止め、すぐに拾いましょう。

猫は玉ねぎそのもののにおいには、興味を持ちませんが、味つけした香りに興味をしめし近づいてくる可能性があります。

なぜ猫は人の食べ物を欲しがるの?

なぜ、猫は人の食べ物を欲しがるのでしょうか?

人の食べ物を欲しがる理由として考えられるのは、下記の内容があげられます。

  • 好奇心が湧いて食べようとしてしまう。
  • 好きなにおいがして食欲がそそられる。
  • 人の食べ物の味を覚えて、美味しいものだと認識している。

日頃から人の食べ物を与える癖をつけないようにすることで、誤食を防げるでしょう。

玉ねぎ以外に猫が食べてはいけないものは?

猫が食べてはいけないものは?

最後に、玉ねぎ以外に猫に与えてはいけないものを紹介します。

下記の表は、食べさせてはいけないものです。

猫が食べてはいけないもの
ネギ類
アボカド
ぶどう/レーズン
チョコレート
アルコール
カフェイン飲料
イカ/エビ/カニ/タコ
青魚
キシリトール
  • ネギ類:玉ねぎと同様の症状
  • アボカド:食欲低下、嘔吐、下痢、呼吸困難
  • ぶどう・レーズン:急性腎不全
  • チョコレート:チョコレート中毒
  • アルコール:アルコール中毒
  • カフェイン飲料:中枢神経に影響をもたらす
  • イカ・タコなど:食欲低下、歩行困難、痙攣
  • 青魚:下腹部が膨らむ「黄色脂肪症」
  • キシリトール:嘔吐、痙攣などの中毒症状

まとめ

この記事についておさらいをしましょう。

  • 猫が玉ねぎを食べたら「溶血性貧血」を引き起こす。
  • 中毒症状がでる時間は、個体差がある。
  • 玉ねぎの皮や葉も与えない。
  • 加熱しても生でもNG。
  • 自然治癒はしないため、すぐに動物病院で受診する。
  • 誤飲を防ぐために、普段から人の食べ物を与えない。
  • 調理中や食事中は猫を近づけない。

猫が玉ねぎを口にしてしまうのは、とても危険です。

少しの量でも死にいたることもありますので、気をつけましょう。

 

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獣医師平松先生
この記事の監修者 平松 育子
獣医師・ペットライター。山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月、有限会社ふくふく動物病院・取締役、院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かしペットに関する情報をお届けします。

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