フレンチ・ブルドッグの病気や寿命

フレンチ・ブルドッグを初めて迎え入れるなら、お世話のポイントは事前に把握しておきたいですよね。とくに犬の飼育初心者なら、どんな病気にかかるのか、想像しにくい人もいるのではないでしょうか。

 

今回は、フレンチ・ブルドックと健康的な生活を送るための飼育ポイントと、かかりやすい病気について紹介します。

【この記事でわかること】

  • フレンチ・ブルドッグの特徴と平均寿命
  • フレンチ・ブルドッグに多い病気
  • フレンチ・ブルドッグのお世話ポイントと健康管理

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目次

フレンチ・ブルドッグの特徴

フレンチ・ブルドッグの特徴

フレンチ・ブルドッグの平均寿命は11.1歳と、全犬種の平均寿命よりもやや短い傾向にあります。そのため、飼い主さまの健康管理が重要です。健康を守るために、まずは体の様子や性格を理解しましょう。

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容姿

フレンチ・ブルドッグは体高が30cm前後に対して体重が8〜14kgと、ガッチリとした体格です。ほかの小型犬と比べて力強いところが特徴です。顔はマズルが短くシワが多いところが個性的で、愛くるしい表情に惹かれる人も多いでしょう。

 

性格

フレンチ・ブルドッグは人懐っこく、遊ぶのが大好きです。寂しがり屋な部分もあるため、留守番が苦手な子もいます。やんちゃな一面もあり興奮しやすいため、日ごろから落ち着かせるトレーニングを行いましょう。

 

被毛

犬の被毛の生え方は、シングルコートとダブルコートの2種類あり、一部ヘアレスの犬種もいます。フレンチ・ブルドッグの被毛は、やわらかくてつややかなダブルコートです。

 

ダブルコートは、アンダーコートとオーバーコートの両方が生えています。アンダーコートが寒さから守ってくれるため、寒い時期でも体温調整することが可能です。換毛期があるため、春や秋はとくに抜け毛が多くなります。

 

毛色は、

  • クリーム
  • 金色がかったフォーン
  • 白黒
  • 褐色と黒の混色のブリンドル
  • フォーン&ホワイト

などです。

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フレンチ・ブルドッグの飼育ポイント

フレンチ・ブルドッグの特徴をもとに、飼育するうえでのポイントを紹介します。

 

抜け毛が多い

フレンチ・ブルドッグはダブルコートのため、抜け毛の多い犬種です。とくに換毛期の抜け毛には、驚く飼い主さまもいます。室内で暮らす子がほとんどである現代では、一年中快適な場所で過ごしているため、換毛期に限らず抜け毛が多いことも珍しくありません。

 

短毛のため定期的にカットする必要はありませんが、毎日のブラッシングは必要です。抜け毛は取り除かないと皮膚病の原因にもなります。換毛期だけサロンでお手入れしてもらうのも良いでしょう。

 

外出先で抜け毛が気になる場合は、犬用の洋服を着せるのもおすすめです。ただし、暑くないかなど、様子はこまめにチェックしましょう。

 

肥満に注意

肥満はさまざまな病気を引き起こす要因になります。体格の良いフレンチ・ブルドッグですが、太りすぎないように体重を管理しましょう。

 

フレンチ・ブルドッグの、子犬から成犬までの理想的な体重推移は以下のとおりです。

  • 生後3〜4か月:3〜4kg前後
  • 生後5〜6か月:5〜6kg前後
  • 生後7〜8か月:7〜8kg前後
  • 1歳以降:10kg前後

病気予防のためにも、のちに解説する体型管理方法を参考にしましょう。

 

皮膚トラブルに注意

ブラッシングは毎日行いましょう。フレンチ・ブルドッグは皮膚が弱くシワが多いため、皮膚トラブルを起こしやすい犬種です。

 

抜け毛を除去する目的もありますが、皮膚についた汚れも取り除くためでもあります。また、適度に刺激を与えられるため、血行促進効果も期待できるでしょう。

 

フレンチ・ブルドッグは鼻周りにシワがあります。お手入れを怠ると皮膚病になることもあるため、清潔に保ちましょう。シワの部分を伸ばしながら、ぬれたタオルでやさしく拭き取ります。乾燥している場合は、ベビーローションで拭いても構いません。

 

暑さ対策は万全に

フレンチ・ブルドッグのような短頭種は、体温調整が苦手なため、室温管理は徹底しましょう。夏の室内温度は25〜26度が適温です。室内でも熱中症の危険があるため、留守番中の室温にも気を配りましょう。

 

ちなみに、冬は20〜23度くらいが快適に過ごせます。乾燥に弱いため、冬は加湿器などを利用して、湿度は40〜60%に保ちましょう。朝晩が冷え込むため、あたたかいマットを用意すると寒い時期も快適に過ごせます。

 

落ち着かせるトレーニングを行う

興奮しやすい性格から、どんなときでも飼い主さまの指示で落ち着けるように、子犬のころからトレーニングしておきましょう。無駄吠えしたり歯磨きを嫌がったりしないように、日ごろから触れられることに慣らすのも大切です。

 

歯磨きを習慣化させる

歯磨きは子犬のころから習慣化させておきましょう。1歳以上の犬の約80%以上が歯周病になるともいわれています。

 

犬にとっての歯周病は、心疾患や内臓疾患の原因にもなるため、軽視してはいけません。歯をきれいに保つことは、病気から守ることに加えて、寿命を伸ばすことにもつながります。

フレンチ・ブルドッグがかかりやすい病気は?

フレンチ・ブルドッグがかかりやすい病気

フレンチ・ブルドッグに多い病気を紹介します。

 

皮膚の疾患

フレンチ・ブルドッグはアトピー性皮膚炎や毛包虫症、膿皮症などの皮膚疾患になりやすい犬種です。

 

アトピー性皮膚炎は、アレルゲンに免疫が過剰に反応して起こる皮膚の炎症です。湿疹や赤みなどが現れ、皮膚が分厚くなったり色素沈着したりします。治療には、ステロイドの塗り薬を使うのが一般的です。

 

毛包虫症は、毛包や皮脂腺に毛包虫が寄生して急激に増殖することで、炎症や脱毛が起こる病気です。毛包虫は肉眼でわからないほど小さいため、見つけることはできません。

 

膿皮症は、細菌感染によってかゆみ・脱毛・湿疹を引き起こす病気です。最初は赤みから始まり、徐々に黒くなって脱毛します。元々皮膚にいる細菌が、過剰に増えることによって発症する病気です。

 

皮膚疾患は、日ごろから丁寧にケアすることで防げる場合もあります。

 

チェリーアイ

チェリーアイは、目頭にある第三眼瞼が飛び出る病気です。下まぶたの内側にあるもので、眼球の保護や涙を分泌する役割があります。第三眼瞼の付け根がゆるむことでチェリーアイになります。

 

目視でも確認できますが、

  • 目を気にする
  • 痛がる
  • 涙がいつもより多い

などの様子も見られるでしょう。子犬に発症しやすいとされています。先天的な要因が多いため予防は難しいですが、健康チェックで早期発見できれば、初期でしっかり治療できます。

 

白内障

白内障は、水晶体が濁り瞳が白くなった状態です。個体差はありますが、徐々に見えにくくなる視覚異常が現れます。進行が遅いと犬自身が順応するため、飼い主さまが気づかないこともあるようです。

 

白内障は遺伝的な要因が多いですが、歳を重ねると糖尿病や外傷などから発症することもあります。ぶつかるなど目の周りを負傷する経験があった場合は、異常がないか診てもらうと良いでしょう。

 

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群とは、鼻の奥・喉・気管など、肺に通じる管に異常が起こる病気です。鼻や喉が鳴る、呼吸しにくい、咳などの症状がみられます。治療せずに放置しておくと悪化し、高齢の場合は突然死につながることもある病気です。

 

発症すると、いつものスキンシップでもすぐに疲れた様子がある、どこか苦しそうだなと感じられることが多くなります。

 

フレンチ・ブルドッグのような短頭種は、ほかの犬種より気道が狭い傾向にあるため、起こりやすくなります。先天的な要因で起こる病気で完治は難しいですが、治療によって症状を緩和させたり進行を遅らせたりすることが可能です。

 

治療以外にも気道を圧迫しないように減量したり、呼吸が荒い状態にならないように室温を調整したりするなど、生活習慣を見直すことで症状を和らげられます。

 

脳腫瘍

脳腫瘍は、脳に発生する腫瘍の総称です。グルグルと同じ方向に回りつづける旋回運動や、平衡な姿勢が保てない運動失調などの神経症状がありますが、最も多いのは発作です。

 

明確な原因はわかっていませんが、高齢での発症が多い傾向にあります。早期治療が重要ですので、症状がみられる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

 

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは老化や外傷、遺伝的なことが要因で起こる、脊髄を圧迫する病気です。脊髄が圧迫されると痛みや麻痺などが伴います。

  • 歩くのを嫌がる
  • いつものように飛び乗らない
  • 背中をさわると嫌がる

このような様子がみられたら、椎間板ヘルニアの可能性があるでしょう。

 

椎間板ヘルニアは、脊髄に負担をかけないことが予防につながります。肥満にならないように体重を管理し、普段から無理な姿勢をさせないようにしましょう。

 

滑りやすいところを歩くことも負担になるため、フローリングにはカーペットを敷くなどの対策をします。

 

水頭症

水頭症は、脳脊髄液が過剰にたまって脳を圧迫する病気です。脳が損傷したり脳機能に障害が生じたりします。

 

先天性と後天性どちらの要因もありますが、先天性によるものが多いです。後天性による要因では、頭を打ったことによる脳の損傷や脳腫瘍、脳内出血など脳のトラブルによって起こります。

脳機能に影響するため、

  • いつも眠そう
  • ふらつく
  • 興奮状態になる

などの症状が現れます。

 

水頭症に明確な予防策はありませんが、早期発見が重要な病気です。日ごろから健康観察しておくと、初期段階で気づけることもあります。

 

熱中症

人間と同じように、犬も熱中症にならないように注意しなくてはいけません。犬の平熱は38〜39度くらいですが、40度を超えると危険になり、42度を超えると命にかかわります。

  • 呼吸が荒い
  • 舌や口の中が赤い
  • 水を飲まない
  • ぐったりしている
  • よだれが多い

など、熱中症が疑われる症状がある場合は、すみやかな処置が必要です。

 

夏の散歩は涼しい時間帯を選びましょう。犬は人間よりも地面に近く暑さを感じやすいため、飼い主さまが感じてる以上に暑いのです。

 

また、冬の室内だからといって安心できません。室内を温めすぎると、フレンチ・ブルドッグは体内に熱をためやすいため、熱中症にかかることもあります。

フレンチ・ブルドッグの発作は様子を見て大丈夫?

フレンチ・ブルドッグのけいれんはさまざまな原因が考えられるため、様子を見てかまわない場合もあれば、救急で診てもらうべき場合もあります。

 

様子を見て良いケース

発作が起こってもすぐに回復して、その後いつもと変わらないようであれば、しばらく家で様子をみましょう。犬は寒さや一時的な興奮によって、けいれんのような震えを起こすことがあります。

 

数分程度の発作で、その後に異常がみられないようなら、焦る必要はありません。ただし、いつ・どれくらいなど、前後の状況を含めて状態を記録しておくほうが良いでしょう。

 

発作以外にも症状がある場合は受診が必要です。食欲がない、普段とは違う様子が見られるなどの場合は、病気によって症状が現れている可能性があります。

 

ただし、発作の間隔はさまざまで、間隔があいているようなら緊急性は低いでしょう。発作前後の詳細を記録してから受診します。動画をとっておくと獣医師に状態が伝わりやすいでしょう。

 

救急で見てもらうべきケース

1回あたりの発作が5分以上続く、短時間で何度も繰り返す場合は危険です。頻回繰り返す発作は脳にダメージを与えるため、早急に対処する必要があります。

 

夜間であれば夜間外来を受診する必要があるため、普段から夜間外来を受け付けているところをチェックしておきましょう。

フレンチ・ブルドッグが健康的に過ごすためには

フレンチ・ブルドッグが健康的な毎日を過ごすためには、飼い主さまの管理が欠かせません。健康管理方法を紹介します。

 

体型・体重管理

肥満にならないよう、日ごろから体型・体重管理をしましょう。体重は測ると正確にわかりますが、測らせてくれない場合は、体型チェックで肥満傾向にないかを確認します。体重が平均的でも、脂肪のつき方が問題ないかもわかるため、体型チェックは重要です。

 

体型のチェックポイントはウエストと助骨です。理想とする体型は、腰にくびれがあり腹部がつり上がっています。助骨は軽く触れられるくらいだと、適度に脂肪もあって健康的です。

 

毎日の食事と運動で、理想の体型を維持できるよう心がけましょう。

 

健康診断

病気の症状は目視できないことも多いため、早期発見のために健康診断は必要です。6か月ごろから成犬までは年1回高齢期は半年に1回受診しましょう。

 

健康診断では、血液検査や尿・便検査、レントゲン検査などが行われます。普段から不安に思っていることや健康について心配なところがあるなら、健康診断を機会に相談しましょう。

 

ワクチン接種

感染症から守るために、ワクチン接種を受けましょう。犬のワクチン接種には狂犬病ワクチンと混合ワクチンがあります。

 

狂犬病ワクチンは接種が義務付けられているため、毎年接種しなければいけません。一方の混合ワクチンは任意ですが、感染予防のためには必要です。

混合ワクチンには、6種・8種・10種がありますが、その子の活動範囲によって獣医師が提案してくれるでしょう。外での活動が多い子は、8種や10種が推奨されます。

 

ドッグランやペットサロンを利用する場合、ワクチン接種していないと利用できないことがあります。

フレンチ・ブルドッグの病気にペット保険で備える

フレンチ・ブルドッグのペット保険

フレンチ・ブルドッグが万が一病気になっても、費用を気にせず治療を受けられるように、ペット保険を備えておきましょう。

 

アイペット損保のデータから、椎間板ヘルニアで手術した場合の治療費例を紹介します。

診察項目 金額
診察 1,500円
入院(5泊6日) 20,400円
検査 39,700円
MRI 89,000円
全身麻酔 15,000円
手術 127,300円
点滴 12,200円
処置 7,100円
注射 23,000円
お薬 2,450円
合計 337,650円

(品種:ミニチュア・ダックスフンド)
参照:アイペット損保「ミニチュア・ダックスフンドにペット保険は必要?」
※上記の診療内容・治療費等は参考であり、実際のお支払い例や一般的な平均・水準を示すものではありません。
※治療費は動物病院によって異なります。

 

別途通院が必要になるケースもあります。ペット保険に加入していれば、自己負担を軽減できるため、安心して治療に専念できるでしょう。

まとめ|フレンチ・ブルドッグの健康を守ろう

思わず笑顔になる表情と人懐っこさが魅力のフレンチ・ブルドッグの健康を守るためには、体重管理と健康診断・ワクチン接種が大切です。

スキンシップやお手入れと一緒に健康状態をチェックして、小さな変化も見逃さないようにしましょう。

 

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この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部
ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。少額短期保険募集人、損害保険募集人、ファイナンシャルプランナー、愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、ペット防災指導員などの数多くの資格を保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴は10年以上です。知識や経験を活かして、さまざまなお役立ち情報をお届けします。

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