猫の嫌いな匂いとは

人間より何倍も優れた嗅覚を持つ猫にも、嫌いな匂いがあることをご存じでしょうか。柑橘系やアロマオイルなど、人にとっては良い匂いでも、猫にとっては苦手な匂いである場合があります。

猫が家で快適に過ごせるように、少しでも嫌いな匂いは排除してあげたいですよね。また、嫌いな匂いを活かした市販のしつけスプレーは、猫のしつけに役立つ場合もあります。

この記事では、猫の嫌いな匂いだけでなく、猫の好きな匂いについてもご紹介します。

 

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目次

猫は優れた嗅覚を持つ生き物

優れた嗅覚を持つ猫

猫の嗅覚の能力はかなり高く、人間の数万〜数十万倍といわれています。

 

嗅細胞の数は人間が約500万個であるのに比べて、猫は約1000万個と多く、いかに猫が優れた嗅覚を持つ生き物であるかわかるでしょう。視力があまり良くない猫にとって、縄張りや食べ物の腐敗度を確認するうえで、嗅覚は大事な情報源なのです。

 

また、猫の鼻は呼吸する以外に、温度やフェロモンを感知する役割や挨拶などのコミュニケーションツールとしての役割も担っています。

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猫の嫌いな匂い一覧

猫は嗅覚が敏感であるために、強い匂いや刺激的な匂いを苦手とする傾向があります。
嫌いな匂いは、嗅ぐたびに猫がストレスを抱えてしまう可能性があるため注意しましょう。

まずは、猫が特に嫌いな匂いについて解説します。

 

柑橘系の匂い

柑橘類の匂い

みかんやレモン、オレンジやゆずなど柑橘系の匂いは、猫が不快に感じやすい傾向があります。


これは、柑橘系の匂いが、腐った肉が放つ腐敗臭を連想させるからだと考えられています。


また、みかんの皮にはリモネンと呼ばれる成分が含まれており、場合によっては運動失調や震えなどの症状を引き起こしかねません。

 

 

アロマやハーブの匂い

アロマやハーブの匂い

猫はアロマやハーブの匂いも嫌います。


猫は、グルクロン酸抱合という化学成分を分解する機能がありません。そのため、精油の成分をうまく体外に排出できず、中毒を起こしてしまう恐れがあります。


特に、アロマキャンドルやアロマオイルは成分が凝縮されており、匂いも強いため、危険性が高いとされています。


また、ラベンダーなどのハーブも中毒症状を引き起こす場合があるため、猫が触れる機会がないよう注意しましょう。

 

 

香水や芳香剤の匂い

香水の匂い

人工的に長く香るように作られた香水や芳香剤は、多くの猫が苦手としています。

猫にとって危険な成分が含まれているものも多く、多量に吸収した場合は体調を崩しかねません。

  • 元気や食欲の低下
  • よだれ
  • 嘔吐
  • 皮膚炎

こうした症状がみられる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

また、敏感な猫の場合はボディソープやシャンプー、リンスも嫌がるため、できるだけ匂いの弱いものを選ぶことをおすすめします。

 

 

メンソールの匂い

メンソールの匂い

ミントやハッカなどメンソールの匂いは、多くの猫が拒否反応を示します。

これは、柑橘類の匂いと同じように、メンソールの刺激が腐敗臭に似ているからと考えられています。

 

 

コーヒーの匂い

コーヒーの匂い

人間にとっては好ましいコーヒーの匂いも、猫にとっては不快に感じる匂いです。

匂いだけでなく、猫がコーヒーを飲んだ場合はカフェイン中毒を起こしかねません。

くれぐれも誤飲に注意しましょう。

 

 

香辛料の匂い

香辛料の匂い

刺激臭が苦手な猫は、コショウやシナモン、カレー粉などの香辛料の匂いも嫌う傾向があります。


誤って食べてしまった場合は嘔吐や下痢、胃腸炎などを引き起こしかねません。


保管する場合は、猫の届くところに置いたり、キッチンに放置したりすることのないように注意しましょう。

 

 

にんにくやトウガラシの匂い

にんにくやトウガラシ

にんにくやトウガラシなど、刺激が強い匂いを猫は嫌います。

酸味と同じく、猫はこうした匂いを本能的に危険な匂いだと感じるのでしょう。

 

嘔吐や貧血、胃腸障害などを引き起こす原因となる食材であるため、猫が誤って食べないように気を付けてください。

 

 

食用酢や木酢液の匂い

食用酢の匂い

鼻がツンとするような食用酢や木酢液の匂いも、猫が嫌いな匂いです。

酸っぱい匂いは腐敗臭に似ており、猫が本能的に毒だと認知するためです。

 

なお、少量ならば舐めても問題はないため、匂い消しや忌避剤として活用すると良いでしょう。

 

 

線香やお香の匂い

線香の匂い

線香やお香のような強い匂いを嫌う猫も多いようです。


線香やお香による猫への影響は未だ明らかになっていない点が多いものの、猫に有害な植物が原料の場合は健康を害する可能性があります。


安全のために、できるだけ使用しないように心がけて生活することをおすすめします。

 

 

樟脳やナフタリンの匂い

樟脳の匂い

樟脳やナフタリンの独特な匂いも、猫にとって苦手な匂いの1つです。

 

樟脳やナフタリンは防虫剤や防腐剤、芳香剤として使われるケースが多く、猫が舐めたり誤飲したりすることも少なくありません。

体内に摂取した場合、重篤な肝機能障害を引き起こす恐れがあるため、管理に注意しましょう。

 

 

タバコの匂い

タバコの匂い

タバコの匂いが苦手な猫も少なくありません。


タバコの煙には有害物質が多いため、猫が喘息や肺炎などを患う恐れがあります。

また、喫煙者と暮らす猫は、そうでない猫と比べて悪性リンパ腫のリスク約2倍になるとの報告もあります。


猫を受動喫煙から守るために、タバコは室外で吸うようにしましょう。

 

 

男性の汗の匂い

男性の汗の匂い

男性の汗の匂いも、多くの猫は苦手としています。


「Nature Mathod」誌に発表された論文によると、男性の汗の匂いは、動物に強いストレスを誘発するというのです。


オスの匂いは縄張りの侵入や攻撃性などを連想させるため、動物は本能的にストレスを感じてしまうと考えられています。

猫の嫌いな匂いを活用するなら?

嫌いな匂いから猫を守ることも大切ですが、しつけなどに活用することもできます。

ここでは、猫の嫌いな匂いを活用する具体例を紹介します。

 

愛猫のしつけに

まず挙げられるのが、愛猫のしつけに使うというものです。

市販されている猫のしつけスプレーを使って、猫に近寄らせたくない場所やかじられたくないものに、あらかじめ嫌な匂いをつけておくことで、飼い主が困っている猫の行動を改善できる可能性があります。

このとき、部屋中に嫌な匂いを吹きかけてしまうと、猫のストレスに繋がりかねないため注意しましょう。スプレーの使用はあくまで最低限にとどめて、あくまでも愛猫の健康を優先してください。

 

野良猫を近づけない

猫の嫌な匂いは、自分の家の周りによその猫を近寄らせたくない場合にも活用できます。

具体的には、

  • 周辺に嫌な匂いを撒く
  • 市販の猫よけ剤を使う
  • ゼラニウムなどのハーブを植える

などの方法が効果的です。

なお、屋外で使用する場合は効果が薄れないようにこまめに撒いたり、使う匂いを適度に変えたりなど工夫すると良いでしょう。

猫が好きな匂いとは?

猫が好きな匂い

嫌いな匂いがある一方で、もちろん猫にも好きな匂いがあります。

猫と仲良く暮らすために、どのような匂いが好きなのか知っておきましょう。

 

マタタビの匂い

猫は、マタタビの匂いが大好きです。

これは、マタタビに含まれている物質が中枢神経を刺激して、猫に恍惚感を与えるためといわれています。

なお、マタタビの過剰摂取は神経の麻痺や呼吸困難などを引き起こしかねません。与えすぎには注意しましょう。

 

 

魚類やツナ缶の匂い

美味しそうな魚類やツナ缶の匂いにつられて、寄ってくる猫も多いでしょう。

 

猫は生の魚の匂いだけでなく、焼き魚の匂いも好むようです。

ただし、人間用の魚料理は猫に与えないようにしましょう。油分・塩分の過剰摂取から黄色脂肪症や腎臓疾患を引き起こす恐れがあります。

 

 

飼い主の匂い

猫にとって、飼い主の匂いは安心感を得られる匂いです。

 

ペットホテルや留守番のときに、飼い主の匂いのする毛布や服などを用意しておくと、猫がリラックスして過ごせるでしょう。

なお、いくら飼い主の匂いといっても、タバコや香水などの匂いは苦手と感じる猫も多いようです。

 

 

靴や靴下の匂い

靴や靴下の匂いに執着する猫もいます。

大好きな飼い主の匂いが強く残っているため、猫にとって魅力的なアイテムなのです。

 

また、猫が靴下を嗅いで反応する「フレーメン反応」は生理現象の1つで、体臭から飼い主かどうか確認しているといわれています。

まとめ「猫が嫌いな匂いを取り除いて快適な環境へ」

猫が嫌いな匂いは、以下の通りです。

  • 柑橘系
  • アロマやハーブ
  • 香水や芳香剤
  • メンソール
  • コーヒー
  • 香辛料
  • ニンニクやトウガラシ
  • 食用酢や木酢液
  • 線香やお香
  • 樟脳やナフタリン
  • タバコ
  • 男性の汗

人間にとっては心地よい匂いであっても、猫が不快に感じてしまうケースは少なくありません。

些細な匂いでも敏感に感じ取るため、愛猫がストレスを受けないように、嫌いな匂いはなるべく取り除いてあげましょう。

 

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