犬のようにハァハァと口を開けて呼吸している猫は、見たことがないという人は多いのではないでしょうか。猫は、正常な状態であれば鼻呼吸をしており、口呼吸は滅多に行いません。
猫の口呼吸には、いくつかの原因が考えられます。本記事では、猫が口呼吸をする原因と、口呼吸が見られた際の対処法について解説します。飼い猫が口呼吸をしていて、原因を知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【ペット保険比較のピクシー】では人気ペット保険おすすめランキングもご紹介しております。
まだペット保険に加入していない方、これから加入する方、保険の乗り換えを検討中の方は参考にされてください。
猫が口を開けて呼吸していたら危険!
猫は人間とは違い、ほとんどの呼吸を鼻で行っています。そのため、口を開けての呼吸が長時間続く場合は、何かしらの原因があり、鼻で息ができなくなっている可能性があります。
口で呼吸をしている際には、いつもより呼吸が速く、息が荒い様子が見られるでしょう。口呼吸が長時間続くと、呼吸困難に陥り、命の危険があります。頻繫に口呼吸をする様子が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
ペット保険比較のピクシーにはペット保険についての記事も多数ございますので、安心して保険をお選びいただけます。
保険選びで迷われている方は、保険料や補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」も参考にされてください。
猫の呼吸のしくみ
通常、猫が口呼吸ではなく鼻呼吸を行う理由の一つは、猫の視力が悪く、嗅覚で周りの様子を確認するためだといわれています。鼻呼吸をすると、食べ物のにおいや外敵の気配などを感じることが可能です。
また口呼吸は、猫が普段行わない呼吸方法のため、呼吸が浅くなり取り入れられる酸素の量が少なくなります。口呼吸が長く続くと呼吸困難に陥り、最悪死に至ります。口呼吸になる原因を突き止め、早急に対処することが重要です。
正常な呼吸と異常な呼吸の見分け方
猫の正常な呼吸数は、1分間に約20~40回といわれています。一般的な呼吸数より多く呼吸している状態を多呼吸と呼び、1分間に60回以上呼吸をしている場合は、注意が必要です。
また呼吸数以外にも、異常な呼吸を見分けるポイントがあります。猫の通常の呼吸は鼻呼吸ですが、鼻の穴が大きく広がるほど深く呼吸をしているときは、息苦しさを感じているサインです。さらに、肩を上下に動かすような激しい呼吸も、猫に異変が起きている可能性があるため、早めに病院を受診する必要があります。
猫の呼吸の測り方とは?
猫の呼吸を測る際には、猫が安静にしている状態のときに、胸の上下運動の回数を1分間カウントします。カウントは胸が上下したら1回というように行います。
猫が眠っているときの呼吸数は、通常よりやや少なく約15~25回です。そのため、眠っているときにカウントする際には、呼吸数の違いに注意してください。
また1分間カウントするのが難しい場合は、10秒間でカウントして6倍すると、1分間の呼吸数を測定できます。
猫の口呼吸の原因となる病気
猫が口呼吸を頻繁にしている際には、呼吸困難になっている恐れがあります。ここでは、呼吸困難を引き起こす原因となる病気を5つ紹介します。それぞれの病気の特徴を知り、猫が苦しそうに口呼吸をしていたら、早急に獣医師に相談しましょう。
呼吸器の異常
呼吸器の異常は、猫の口呼吸の原因として、もっとも多いとされています。呼吸器の病気には以下のような種類が挙げられます。
・猫カゼ
・猫喘息
・気管支炎
・鼻腔内のポリープや腫瘍
・鼻腔内の異物
猫カゼは、鼻水やクシャミが出るため、鼻が詰まり、口呼吸をすることがあります。猫喘息と気管支炎は、気管支が狭くなり、息苦しくなるという似たような症状が特徴です。また鼻腔内に腫瘍ができたり、異物が詰まったりすると、鼻呼吸ができず、口呼吸を行うようになります。どの病気も早期の治療が大切です。
心臓の病気
猫が口呼吸をする原因として、呼吸系の次に心臓の病気が考えられます。心臓の病気で特に多く見られるのは「肥大型心筋症」です。肥大型心筋症は、心筋が分厚くなることで血流が悪くなり、呼吸困難を引き起こします。
肥大型心筋症は、遺伝性の病気といわれており、メインクーンやラグドールなど大型種に多い病気です。生後3ヵ月の子猫が発症した例もあり、年齢は関係なく発症します。重篤な状態になると、死に至るケースもあるので、早めに処置してもらうことが重要です。
血栓塞栓症
心臓の疾患は、血流を逆流させるなどの影響を及ぼし、血栓を作る原因となります。血栓ができ、血液の流れが悪くなることを血栓塞栓症と呼びます。血流が悪くなるため、身体に麻痺が出て、最悪の場合、呼吸不全を引き起こし死亡する恐れがあります。
熱中症や暑さ
猫は熱中症になると、口呼吸を行うことがあります。猫はほとんど汗をかかないため、肉球で汗をかいたり、グルーミングをしたりして体温調節を行います。しかし、それだけでは熱を放出し切れず体温が高くなると、熱を外に排出するために本能的に行うのが口呼吸です。
熱中症になると、口呼吸以外にも以下のような症状が見られます。
・よだれ
・下痢
・嘔吐
・意識障害
よだれや下痢、嘔吐などは熱中症中度の症状ですが、熱中症が進行すると、意識障害が見られます。猫の熱中症は命に関わるため、室温には注意しましょう。
横隔膜ヘルニア
横隔膜ヘルニアとは、心臓や肺がある部分と、胃や肝臓などがある部分を隔てる横隔膜が、先天性または外傷によって穴が開き、臓器が心臓や肺の部分に飛び出している状態です。横隔膜ヘルニアになると呼吸が苦しくなり、口呼吸をすることがあります。
※補足情報※
動物病院は自由診療のため、医療費が高額になる可能性があります。ペット保険に加入していなければ、全額を自己負担で支払わなければなりません。
病気やケガをしてしまうとペット保険に加入できなくなる可能性があるため、もしペット保険加入を検討している場合は、健康なうちに加入しておくことをおすすめします。
「どのペット保険を選んでいいかわからない」という方は、以下の記事で“獣医師のおすすめしたいペット保険”をご紹介していますので、ぜひご参考にしてください。
病気以外で考えられる口呼吸の原因
猫は、病気以外でも口呼吸を行う場合があります。病気以外で口呼吸をする原因を知っておくと、飼い主が適切に対処することが可能です。ここでは、口呼吸をする原因を5つ紹介します。
ストレス
猫は強いストレスを感じると、口呼吸を行います。野生の本能が強く残っている猫は、感覚が鋭く、さまざまな環境の変化に敏感です。車移動や動物病院へ行くこと、家での掃除機や来客などもストレスに感じます。
猫がストレスを感じているときは、口呼吸以外にもさまざまな症状が現れます。ストレスを感じると猫に起こる症状は以下の通りです。
・耳を伏せる
・瞳孔が開く
・嘔吐
・食欲の低下
猫がストレスに感じる原因を把握し、なるべくストレスがかからないように対処しましょう。
外傷などの痛み
外傷などが原因で、強い痛みを感じているときは、呼吸が早くなり、口呼吸を行うことがあります。長時間口呼吸をしている場合、強い衝撃で呼吸器系にまで影響を及ぼしている恐れもあります。呼吸器系に異常があると命に関わるため、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。
貧血
玉ねぎ中毒や、臓器損傷によって貧血を引き起こすと、体内に酸素が行き渡らなくなり、呼吸が速くなります。呼吸が速く荒くなると息苦しさを感じ、口呼吸をする猫もいます。口呼吸をしているほかに、口の中の色がいつもより薄いなどの症状が見られた場合は、貧血を疑いましょう。
鼻づまり
猫は基本的に鼻呼吸を行っているため、鼻づまりになると呼吸が苦しくなり、口呼吸を行います。鼻息が荒く、呼吸をするたびにいびきのような音が聞こえる場合、鼻腔狭窄を疑いましょう。鼻腔狭窄は、先天性または猫カゼなどの病気で鼻腔が炎症を起こしたり、鼻腔を圧迫する腫瘍が原因になったりすることもあります。
運動後
子猫は、激しい運動後に口呼吸をして息を整えることがあります。子猫は限界が来るまで激しく動き回り、夢中で遊ぶため、息切れを起こし口呼吸を行います。また子猫は心臓や呼吸器系の発達が未熟なので、短時間の運動でも息が切れ、口呼吸を行うと考えられています。
口を開けているだけの場合は?
猫が口を開けているのは、呼吸が苦しいという理由だけではありません。一点を見つめながら口を半開きにしているときは、「フレーメン反応」の場合があります。フレーメン反応とは、他の動物や人間のにおいに反応し、においをよく嗅ごうとしているときに見られる現象です。
何かのにおいを嗅いで、短時間だけ口を開けているときは、フレーメン反応が起きている可能性があります。身体に害のあることではないため、フレーメン反応が収まるまで、そっと見守るようにしましょう。
猫の口呼吸に気づいた際の対処法
猫が口呼吸をしていたら、まずは様子をよく観察することが大切です。短時間で鼻呼吸に戻るようであれば自宅で経過観察を行います。数分経っても口呼吸が続いたり、頻繁に口呼吸を繰り返したりする場合は、動物病院を受診しましょう。
呼吸が苦しそうな猫を動物病院に連れて行く際には、胸や喉を圧迫しないように抱きかかえ、広さのあるキャリーケースを使用すると、猫への負担を減らせます。また病院に向かうストレスで呼吸が荒くなる可能性があるため、まずは電話で状況を説明し、獣医師に相談すると良いでしょう。
原因ごとに正しい対処をしよう
口呼吸を行う原因が病気の場合は治療が必要ですが、それ以外の原因があれば、飼い主が対処する必要があります。口呼吸の原因は、猫によってさまざまなので、原因ごとの正しい対処法を知ることが重要です。
口呼吸がストレスによって引き起こされる場合、ストレスになっているものをできるだけ取り除き、環境の改善を図りましょう。また室温が高く、熱中症が疑われる場合は、室温の見直しや猫の水分量の調節を行います。口呼吸の原因が分からない場合は、一度、獣医師への相談をおすすめします。
まとめ
本記事では、猫が口呼吸を行う原因と口呼吸が見られた際の対処法について紹介しました。
・猫の通常の呼吸は鼻呼吸であり、口呼吸には何かしらの原因がある
・口呼吸は、心臓病や呼吸器疾患などの病気が原因の可能性がある
・病気以外にもストレスや痛みなどで口呼吸をする猫もいる
・口呼吸を頻繁に行い、長時間続いている場合は獣医師に相談する
呼吸困難になっている猫は、早期治療が大切です。口呼吸が続いている場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
【ペット保険比較のピクシー】では、ペットと飼い主さまのためになるお役に立ち情報を日々発信しております。
また保険選びで迷われている方は、保険料や補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」もご覧ください。
- イヌ
- ネコ
- 血統種
- ミックス
-
- 0歳
- 1歳
- 2歳
- 3歳
- 4歳
- 5歳
- 6歳
- 7歳
- 8歳
- 9歳
- 10歳
- 11歳
- 12歳
- 13歳
- 14歳
- 15歳
- 16歳
-
- トイ・プードル
- 秋田
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ゴールデン・レトリーバー
- シー・ズー
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- ジャック・ラッセル・テリア
- チワワ
- パグ
- パピヨン
- ビーグル
- フレンチ・ブルドッグ
- ボーダー・コリー
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ヨークシャー・テリア
- ラブラドール・レトリーバー
- その他犬種
- 6kg 未満
- 6kg以上 8kg未満
- 8kg以上 10kg未満
- 10kg以上 12kg未満
- 12kg以上 16kg未満
- 16kg以上 18kg未満
- 18kg以上 20kg未満
- 20kg以上 25kg未満
- 25kg以上 30kg未満
- 30kg以上 32kg未満
- 32kg以上 40kg未満
- 40kg以上 45kg未満
- 45kg以上