比較的大柄な猫種であるラグドールにはどのようなフードが合っているのでしょうか?
この記事ではラグドールに合ったフード選びや、フードを与える回数や量、カロリーを年齢別に解説します。正しいフードの与え方を理解して、ラグドールの健康維持に努めましょう。
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ラグドールに最適な栄養バランス
高タンパク質の食事で成長を促してラグドールの健康を維持する
猫の主なエネルギー源はタンパク質で、人間の約2倍必要です。大柄なラグドールは成長に4年ほどを要し、多くのエネルギーが必要です。そこで、ラグドールにはタンパク質をたっぷり摂れる食事を与えてください。
猫が1日に必要とするタンパク質の量は、体重1kg当たり7gです。ラグドールの平均体重は4~7kgですから、1日28~49gのタンパク質が必要です。
猫は低タンパク質に弱く、食事から十分なタンパク質を摂れないと、体の機能を正常に保つことができなくなります。ラグドールに与えるキャットフードを選ぶ際は、栄養成分表示を確認してタンパク質の割合が40%以上のものを選びましょう。
アミノ酸のバランスに配慮する
食事から摂取したタンパク質は体内でアミノ酸に分解されます。アミノ酸の中でも猫に欠かせないのが11種類の「必須アミノ酸」です。これらのアミノ酸は、体内で生合成できないため、食事から摂る必要があります。特に、タウリンは心臓機能と視力の維持に欠かせないアミノ酸です。
ラグドールは「肥大型心筋症」の発症リスクが高いとされていて、心臓の健康に配慮が必要です。ラグドールにはタウリンを強化したキャットフードを与えましょう。
ただし、タンパク質を構成するアミノ酸の種類と量は食品によって大きく異なります。特定の食品ばかり与えているとアミノ酸のバランスが偏ってしまいます。そこで、肉、魚、卵、乳製品など豊富な動物性食品を使用したフードを選び、アミノ酸のバランスに配慮しましょう。
低脂肪の食事でラグドールの肥満を防ぐ
ラグドールは成長すると9kgを超える個体も珍しくありません。体重が増えると膝や腰に負担がかかり、「関節炎」や「椎間板ヘルニア」の原因になります。
脂肪はタンパク質に次いで重要なエネルギー源ですが、過剰に摂取すると運動などで使われなかった分が体脂肪として蓄積されてしまいます。
ラグドールはおとなしい性格であり、あまり自分から運動しようとしないので、低脂肪の食事を与えて肥満を防ぎましょう。
不飽和脂肪酸を摂らせラグドールの皮膚と被毛の健康を維持する
一方で、脂肪は皮膚と被毛の健康、免疫機能の維持に欠かせない脂肪酸の供給源でもあります。脂肪酸の中でも健康維持に重要な働きをするのが「不飽和脂肪酸」です。
その中でも動物性脂肪に多く含まれるアラキドン酸と植物油に多く含まれるリノール酸は、ラグドールを始め猫の体内で生合成できない「必須脂肪酸」であり、食事から補う必要があります。
また、DHA・EPAなどの「オメガ3系不飽和脂肪酸」には、皮膚のバリア機能を維持して乾燥を防いだり、しなやかな被毛を保つ働きがあります。DHA・EPAはサバやイワシなどの青魚に多く含まれています。
ほかにもγ-リノレン酸といった「オメガ6系不飽和脂肪酸」には、細胞膜の柔軟性を保つ働きがあり、ラグドールの皮膚の健康維持に有効です。γ-リノレン酸は体内でリノール酸から作られます。
カルシウムとリンのバランスに配慮してラグドールの骨の健康を保つ
大柄なラグドールは重い胴体を支える四肢に負担がかかりやすく、骨の健康に気を配る必要があります。骨の健康維持にはカルシウムが欠かせませんが、ここで重要なのはリンとのバランスです。
リンは体に必要なミネラルですが、摂り過ぎるとカルシウムの吸収を阻害して骨を弱くしてしまいます。骨の健康維持にはリンの1.2~1.5倍のカルシウムを摂る必要があります。
ところが、キャットフードの主原料である精肉と米には、カルシウムの10倍以上のリンが含まれています。さらに青魚、レバー、卵黄など動物性食品の多くはカルシウムよりもリンが多く含まれているのです。
これは普段与えているキャットフードだけではカルシウムが不足することを意味しています。そこで、チーズ、牛乳、小魚類などでカルシウムを補い、骨の健康を保ちましょう。
ただし、猫は牛乳に含まれている乳糖をうまく分解できませんので、乳糖を含まない市販の猫ミルクを与えてください。
食物繊維を摂らせてラグドールの毛玉の排出を促す
長毛種のラグドールは抜け毛の量が多く、毛づくろいの際に飲み込んでお腹に溜まることがあります。そこで、積極的に摂らせたいのが食物繊維です。
野菜や穀物に含まれる食物繊維は消化されずに大腸に運ばれることで、便のカサを増して腸を刺激し、毛玉の排出を促してくれます。
そのため、ラグドールには食物繊維を強化したフードを与えましょう。フードだけでは足りない場合は食品から補う必要がありますが、多くの猫は野菜を食べたがらず、ラグドールも例外ではありません。
また、生野菜は胃に負担がかかりますので、しっかりと火を通す必要があります。そこで、ほうれんそうや大葉を油で炒めたり、揚げたりしたものを与えてみてください。
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ラグドールに与えるフードの量と回数
ラグドールの子猫にはたっぷりフードを食べさせて成長を促す
ラグドールの子猫は成長に多くのカロリーが必要です。子猫が1日に必要とするカロリーは以下のとおりです。
1日に必要なエネルギー(kcal/kg)
8週齢 260
14週齢 200
20週齢 150
40週齢 100
52週齢 80
ラグドールは一般的な猫よりも成長に時間がかかり、完全に成猫の体に成長するまでに4年ほどを要します。また、体質的に太りやすく肥満に注意が必要なラグドールですが、子猫のうちはたっぷりフードを食べさせて成長を促しましょう。
生後6か月までの子猫は成猫の約2~3倍のカロリーが必要です。子猫は胃が小さいので、1日3~5回はフードを与えてください。そして、いつでも好きなときに食べられるように、フードを入れた器を常時出しておくといいでしょう。
成猫のラグドールにはカロリーと運動量に見合った量のフードを与える
成猫のラグドールは子猫ほどカロリーを消費しないので、肥満に注意が必要です。肥満になると心臓疾患のリスクを高めてしまうので、フードを与えすぎないようにしてください。
とは言え、肥満が心配だからと急にフードの量を減らすと、猫は食欲を満たすことができずにストレスに感じてしまいます。肥満気味のラグドールには、フードの量は変わらずに脂肪分とカロリーを抑えたダイエット用フードを与えましょう。
フードの量はカロリーを基に計算してください。成猫が1日に必要とするカロリーは以下のとおりです。
1日に必要なエネルギー(kcal/kg)
不活発な猫 70
標準的な猫 80
活発的な猫 85
妊娠中の猫 100
授乳中の猫 250
ラグドールの平均体重は4~7kgですから、1日に必要なカロリーは標準的な猫で320~560kcalになります。成猫のラグドールには、このカロリーに相当する量のフードを1日2~3回に分けて与えてください。
年老いたラグドールには運動量を見てフードの量と回数を調整する
猫は一般的に10歳になると老猫の仲間入りです。個体差はありますが、老猫になると体力と足腰の衰えによって、少しずつ運動量が低下して寝ている時間が長くなります。また、老猫は若いころよりも代謝が低下するので、成猫と同じフードを与えているとすぐに太ってしまいます。
愛猫のラグドールの老いを感じるようになったら、低脂肪・低カロリーの高齢猫向けフードを与えてください。
老猫が1日に必要とするカロリーは成猫と同じです。運動量を見てフードの量と回数を調整してください。
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