えづいている猫

愛猫が「オエッ」と苦しそうにえづいているのに、何も吐かない様子は心配になるものです。

そのえづきの原因はなぜなのか、変な音の理由がわからず不安を感じるかもしれません。

この記事では、猫がえづく主な原因や、動物病院を受診する目安、受診前に確認・準備しておきたいことなどについて解説します。

【記事のまとめ】

猫がえづくのに吐かない場合、毛玉や早食いなどの一時的な原因だけでなく、猫喘息や胃腸炎、食道炎、異物誤飲、腎臓病などの病気が原因の可能性もあります。えづきが続く、呼吸が苦しそう、元気や食欲がない場合は注意が必要です。猫がえづく原因や受診の目安、対処法を知り、早めに異変へ対処しましょう。

目次

猫がえづくのに吐かない6つの原因

猫がえづくのに何も吐かないとき、その背景には生理現象から病気にいたるまで、さまざまな原因が考えられます。

では、それぞれの原因について具体的に解説します。

 

毛玉をうまく吐き出せない

猫がえづく生理的な原因として、もっとも多いのが毛玉です。

猫は体を清潔に保つためにグルーミングを行いますが、そのときに飲み込んだ毛が胃の中で絡まり、毛玉を形成します。

通常、この毛玉は吐き出すか便と一緒に排泄されますが、うまく吐き出せないときに「オエッ」というえづきがみられます。

とくに換毛期や、長毛種の猫でよくみられる原因です。

また、飲み込んだ毛が胃や腸にたまり、うまく排出できなくなると、毛球症を引き起こすことがあります。毛球症になると、えづきを繰り返すほか、食欲不振や嘔吐、便秘などの症状がみられる場合があります。

何度もえづいているのに毛玉を吐き出せない場合や、食欲・排便に異常がある場合は、毛球症の可能性も考え、動物病院を受診しましょう。

 

ストレスや精神的な負担

猫は環境の変化に敏感な動物であり、ストレスが原因でえづくことがあります。

引っ越し、新しいペットや家族の増加、家具の配置換え、騒音などが精神的な負担となり、自律神経の乱れから吐き気につながるのです。

特定の状況下でえづきがみられる場合は、ストレスの原因となっているものがないか生活環境を見直す必要があります。

 

猫風邪や喘息など呼吸器系の病気

呼吸器系の病気が原因でえづきが誘発されることもあります。

猫風邪にかかると、鼻水や咳などの症状がみられ、喉の違和感から吐きそうになるしぐさをします。

また、猫喘息はアレルギー反応などによって気道が炎症をおこす病気で、激しい咳がえづきのようにみえたり、咳き込んだあとにえづいたりすることがあります。

 

胃腸炎や食道炎など消化器系の病気・異物誤飲

胃腸炎や食道炎といった消化器系の病気は、吐き気や嘔吐の直接的な原因になります。

胃や食道の粘膜に炎症がおきると、吐き気を感じるものの胃の中に吐き出す内容物がないため、えづきだけがみられることがあります。

また、おもちゃの破片や紐などの異物を誤飲した場合、それを排出しようとして何度も激しくえづく危険な状態も考えられます。

 

歯周病や口内炎など口の中のトラブル

歯周病や口内炎など、口の中に痛みや違和感がある場合もえづきの原因になります。

口内の痛みからよだれの量が増え、それを飲み込む際に吐き気をもよおすことがあるためです。

また、食事がうまく食べられずにえづきにつながるケースもみられます。

口臭が強くなった、よだれを頻繁に垂らす、口元を気にするなどの症状が併発していないか確認が必要です。

 

そのほかの病気・症状

えづきは、内臓疾患のサインや中毒症状としてあらわれることがあります。

とくに高齢の猫に多い腎臓病が進行すると、体内に老廃物が溜まる尿毒症を引きおこし、その症状の一つとして吐き気やえづきがみられることがあります。

また、甲状腺機能亢進症という病気でも、新陳代謝が活発になりすぎることで消化器系に影響を与え、嘔吐やえづきがみられる場合があります。

さらに、洗剤やユリなどの植物、人間用の薬など、猫にとって有害な物質を摂取した際にも、中毒症状としてえづきや嘔吐、多少のよだれ、けいれんなどがみられることがあります。

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猫のえづきと咳を見分けるポイントは音?

猫が吐きそうにするしぐさは、「えづき(空嘔吐)」と「咳」の可能性がありますが、音や姿勢で区別できます。

えづきは、お腹を大きく波打たせながら首を前に伸ばし、「オエッ、カッ」という湿った音を出すのが特徴で、嘔吐物が何も出ない状態を指します。

一方、咳は頭を低く下げて「ケホッケホッ」と短く乾いた音を連発する動きです。

猫の咳は人や犬と異なり、吐く動作と似ているため見分けがつきにくいですが、注意深く観察することで違いがわかります。

すぐに病院へ行くべき危険な症状とは?

ベッドに寝転ぶ猫

猫のえづきが以下のような症状を伴う場合は、緊急性が高いと考えられます。

様子を見ずに、すぐに動物病院を受診してください。

  • えづきが1日に何度も続く、または数日間続いている
  • ぐったりして元気がない
  • 食欲がまったくない
  • 呼吸が速い、苦しそうにしている
  • 大量のよだれを垂らしている
  • お腹を触られるのを嫌がる、痛そうにしている
  • 異物を飲み込んだ可能性がある

これらのサインは、重篤な病気や緊急の処置が必要な異物誤飲などを示している可能性があります。

実際に動物病院へ行く前に、準備しておくと診察がスムーズになるポイントをお伝えします。

動物病院を受診する前に準備しておくこと

動物病院を受診する際には、事前に情報を整理しておくことで、獣医師がより正確な診断を下す助けになります。

突然のことで慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いて準備をすることで、猫の状態を的確に伝えられます。

具体的に何を準備すればよいか、みていきましょう。

 

的確に症状を伝えるための5つの項目

診察をスムーズに進めるために、獣医師に伝えるべき情報をまとめておきましょう。

以下の5つの項目をメモしておくと、具体的な症状を説明できます。

  1. えづきがいつから始まったか
  2. えづきの頻度(1日に何回くらいか)やタイミング(食後、夜間など)
  3. えづき以外の症状(元気や食欲の有無、おしっこやうんちの状態など)
  4. 吐いたものがある場合は、その内容物、色、量
  5. 最近、フードを変えたり、環境に変化があったりしたか

 

猫がえづく様子を動画撮影する

可能であれば、スマートフォンなどでえづいているときの様子を動画で撮影しておきましょう。

実際の映像を見せることで、獣医師はえづきなのか咳なのか、症状の深刻度はどの程度なのかを客観的に判断しやすくなります。

診察時には症状が治まっていることも多いため、動画は非常に有力な情報源となります。

 

診察時に持っていくと役立つものリスト

診察をよりスムーズにするため、以下のものを持参すると役立ちます。

  • 撮影した動画データ
  • 吐瀉物(もしあれば、ラップやビニール袋に入れて乾燥しないようにしたもの)
  • 誤飲した可能性があるものと同じ製品やその破片
  • 普段与えているフードやおやつの現物、またはパッケージ
  • ワクチン証明書やお薬手帳など、これまでの治療歴がわかるもの

これらの情報が、原因の特定や治療方針の決定に役立ちます。

病院での対応と並行して、家庭でできる予防策についても知っておきましょう。

猫のえづきへの対処法や予防策は?

猫草を食べようとする猫

病気が原因ではない生理的なえづきは、日々のケアである程度予防することが可能です。

これらの対策は、誤飲の防止や消化器系の健康維持にもつながります。

具体的な方法を一つずつみていきます。

 

こまめにブラッシングを行う

毛玉が原因のえづきを防ぐもっとも効果的な方法は、こまめなブラッシングです。

グルーミングの際に猫が飲み込んでしまう毛の量を減らすことで、胃の中で大きな毛玉が作られるのを防ぎます。

とくに毛が抜けやすい換毛期や長毛種の猫の場合は、毎日ブラッシングを行うのが理想的です。

猫が嫌がらないよう、リラックスしているときに優しくとかしてあげましょう。

 

早食い防止用の食器を使う

一度にたくさんのフードをかき込むように食べる「早食い」が原因でえづく猫もいます。

この場合、早食いを防止するための食器が有効です。

食器の底に凹凸などの仕掛けがあり、猫がゆっくりとしか食べられないように設計されています。

時間をかけて食べることで、消化器官への負担が軽減され、食後の吐き戻しやえづきの予防につながります。

 

猫草や毛玉ケア用のフードを与えてみる

猫草(燕麦など)には、胃を刺激して毛玉を吐き出しやすくする効果があるといわれています。

また、毛玉ケアを目的としたキャットフードも市販されています。

これらのフードは食物繊維が豊富に含まれており、飲み込んだ毛が便と一緒にスムーズに排泄されるのを助けます。

フードを切り替える際は、少量ずつ混ぜながら猫のお腹の調子をみて、徐々に慣らしていきましょう。

 

誤飲を防ぐために環境を整える

とくに好奇心旺盛な猫は、おもちゃの小さな部品、輪ゴム、ビニール片、電気コードなどを口にしてしまう危険があります。

猫が飲み込んでしまいそうなものは、猫の手の届かない場所に保管しましょう。

ゴミ箱を蓋つきのものにするなど、室内の環境を整えて誤飲事故を未然に防ぐことが重要です。

 

ストレスを軽減できるよう配慮する

ストレスが原因でえづく猫のために、安心して暮らせる環境を整えることも大切です。

猫がひとりで静かに過ごせる隠れ家や、部屋を見渡せる高い場所を用意してあげましょう。

また、トイレを常に清潔に保ち、適度な運動や遊びの時間を設けることで、ストレスの発散を促します。

引っ越しなど大きな環境の変化があった際は、とくに注意深く様子をみてあげてください。

猫のえづきに関するよくある質問

ここでは、猫のえづきに関して飼い主さんからよく寄せられる質問とその回答を紹介します。

猫の具体的な状況と照らし合わせながら、参考にしてください。

Q.

猫が毛玉を吐くのは普通のことですか?

A.

適度な毛玉吐きは生理現象ですが、頻繁すぎる場合は注意が必要です。
猫がグルーミングで飲み込んだ毛を吐き出すのは自然な行為です。
しかし、週に何度も吐いたり、吐き出せずに苦しそうにえづき続けたりする原因は、毛玉ケアが不足しているか、消化器の不調も考えられます。

Q.

猫が匂いを嗅いだだけでえずくのはなぜ?

A.

猫がフードや特定のものの匂いを嗅いだ瞬間にえずく場合、まず考えられるのは期待感による生理反応です。大好きなごはんの匂いに刺激され、早く食べたいという気持ちから唾液が急激に分泌されることで、喉が刺激されてえずいてしまうことがあります。
一方で、胃腸炎や食道炎、口内炎などの病気が隠れている可能性も否定できません。これらの疾患があると、匂いなどの刺激に対して消化器が過敏に反応し、吐き気をもよおしやすくなります。

Q.

夜中や朝方など、特定の時間帯にだけえずく原因は?

A.

空腹やストレスが原因である可能性が考えられます。
空腹時間が長くなると胃酸過多になり、吐き気を催してえづくことがあります。
また、飼い主が寝ている静かな時間帯に不安を感じるなど、ストレスが原因の場合も。
食事の回数を増やすなどの対策で改善することもあります。

Q.

猫がえずくのに食欲があるのは大丈夫?

A.

一概に大丈夫とは言えません。
ほかの症状がないか観察が必要です。
食欲がある場合、早食いや毛玉など一時的な原因でえづいている可能性が高いです。
しかし、食欲があってもえづきが続く、体重が減るなどの場合は、甲状腺機能亢進症などの病気も考えられます。

まとめ|猫がえずいていても落ち着いた対処が大事

猫がえづく原因は、毛玉のような生理的なものから、ストレス、さらにはさまざまな病気の可能性まで多岐にわたります。

まずは、そのしぐさがえづきなのか咳なのかを冷静に観察し、元気や食欲などほかの症状がないかを確認することが重要です。

家庭でのブラッシングや食事の工夫で予防できることもありますが、危険なサインがみられた場合は、ためらわずに動物病院を受診しましょう。

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ペット保険比較のピクシー編集部
この記事の監修者 ペット保険比較のピクシー編集部

損害保険募集人
少額短期保険募集人
ファイナンシャルプランナー

ペット保険の専門家であるメンバーがコラムを監修しています。金融に関する資格はもちろん、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員などのペットに関する資格も保有。犬や猫などの動物が大好きで、飼育歴が10年以上のメンバーもいます。大切なペットとの毎日が安心できるものになるよう、資格やこれまでの経験に加え、丁寧な調査や取材を重ねながら正しい情報を発信していきます。

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