アレルギー性皮膚炎は、ペットにとって非常にありふれた病気の一つです。
発症には生まれもった体質などが関係するため、一度発症すると、生涯治療が必要となることもあります。
一生付き合う病気だからこそ、ペット保険で補償されるのか気になる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、アレルギー性皮膚炎とペット保険について、詳しく解説していきます。
- アレルギー性皮膚炎はペット保険で適用になる?
- アレルギー検査だけでも保険は使えるの?
- 犬や猫の皮膚炎にかかる治療費はどのくらい?
- どんなペット保険を探すのがおすすめ?
- 【獣医師アドバイス】治療する際の注意点は?
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まだペット保険に加入していない方、これから加入する方、保険の乗り換えを検討中の方は参考になさってください。
アレルギー性皮膚炎はペット保険で補償対象になる?
ペット保険に加入した後の発症であれば、アレルギー性皮膚炎は補償対象となることがほとんどです。
ただし、補償対象になる治療や費用は保険会社によって異なるため、加入前によく確認するようにしましょう。
一般的に、皮膚のかゆみや赤みなどが見られ、治療の一環として検査が必要な場合、アレルギー検査も補償されます。
しかし、無症状にもかかわらずアレルギー検査が行われた場合は、補償対象外となるのが一般的です。
犬や猫の皮膚炎とペット保険に関するよくある質問
ペット保険の加入には、さまざまな疑問がつきものです。この章では、皮膚炎とペット保険の関係にまつわる質問にお答えします。
ペット保険はアレルギー持ちでも加入できる?
犬や猫がアレルギーをもっていても、加入できるペット保険は存在します。
ただし、症状や病歴によっては、皮膚疾患等が補償対象外になるといった「条件つきの加入」となる点に注意しましょう。
また、たとえ現在は症状がなくても、加入時には告知が必要です。
アトピー性皮膚炎やマラセチア皮膚炎でもペット保険に入れる?
アトピー性皮膚炎やマラセチア皮膚炎でも、アレルギーと同様、ペット保険に加入することができます。
ただし、過去に皮膚炎を発症した場合、無症状であっても告知が必要であり、内容によっては条件つきの加入となるかもしれません。
ペット保険はアレルギー検査も補償対象?
かゆみなどの症状があり、治療の一環として必要な場合は、アレルギー検査も補償対象となることが多いでしょう。
ただし、症状がない健康体に検査を行うなど、予防や健診目的で行われた場合は、補償対象外です。
アレルギー性皮膚炎になりやすい犬や猫のペット保険の選び方
この章では、アレルギー性皮膚炎になりやすい愛犬・愛猫のためのペット保険選びについて解説します。
アレルギー性皮膚炎が補償対象か?
アレルギー性皮膚炎は、多くのペット保険で補償対象となりますが、念のため加入前に確認しておきましょう。
また、ペット保険に加入する際は、愛犬・愛猫がかかりやすい病気やケガが補償対象であるか確認することをおすすめします。
特に、小型犬で多い膝蓋骨脱臼(パテラ)などは、プランによっては補償対象外であるため、事前によく確認しましょう。
通院補償が充実しているか?
アレルギー性皮膚炎の治療は、通院治療が一般的です。
また、一度発症すると生涯治療が必要となることが多いため、通院補償が充実しているペット保険を検討すると良いでしょう。
アレルギー性皮膚炎以外のケガや病気のリスクも考えると、通院・入院・手術すべてを補償する「フルカバー型」のプランが最もおすすめです。
条件つきの更新になることはないか?
アレルギー性皮膚炎の発症には、生まれもった体質なども関与しているため、基本的に完治することはありません。治療が長期化したり、症状がぶり返したりすることも一般的です。
ペット保険によっては慢性疾患を発症すると、更新時に補償対象外としたり、更新自体を断ったりすることもあります。
そのため、更新時に「条件追加のないペット保険」を検討しても良いかもしれません。
ペット保険比較のピクシーにはペット保険についての記事も多数ございますので、安心して保険をお選びいただけます。
保険選びで迷われている方は、保険料や補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」も参考にされてください。
ペット保険で請求された皮膚炎の高額治療費例を紹介
この章では、実際に皮膚炎の治療で請求された治療費の一例をご紹介します。
■柴犬の皮膚炎による請求事例
診療項目 | 金額 |
初診料 | 1,500円 |
処置料 | 2,000円 |
アレルゲン検査料 | 12,000円 |
リンパ球反応試験 | 17,000円 |
再診料(8回) | 5,600円 |
皮下注射(6回) | 36,000円 |
内用薬(8回) | 21,730円 |
真菌培養 | 2,000円 |
消費税 | 7,826円 |
合計 | 105,656円 |
(品種:柴犬、年齢:3歳、通院回数:9回)
参照:アクサダイレクトのペット保険「犬の保険金請求事例」
犬や猫のアレルギー検査は、一度で数万円もの検査費用がかかることもあります。治療に使用される薬剤にも高額なものが多いため、治療費がかさみやすいでしょう。
アレルギー性皮膚炎は、基本的に完治することはありません。そのため複数回の通院が必要となることが多く、治療費が膨らむ原因となります。
犬や猫の治療費に不安のある飼い主さまは、ペット保険の加入を検討してみましょう。
犬や猫に多いアレルギー性皮膚炎とは?
アレルギー性皮膚炎とは、食べ物や環境中に存在するアレルゲンに対して、体の免疫が過剰に反応し、皮膚炎を起こした状態です。
アレルゲンには、フードに含まれるタンパク質や花粉、ハウスダストなどが含まれます。
花粉やハウスダストなど、環境中に存在するアレルゲンが原因となっているものは、アトピー性皮膚炎と呼ばれます。
犬や猫では、アレルギー性皮膚炎はごく一般的な病気の一つです。発症にはもともとの体質や、遺伝的な背景が関与していると考えられています。
犬や猫は皮膚炎にかかりやすい!注意したい病気は?
犬や猫は、アレルギー性皮膚炎以外にも、さまざまな皮膚トラブルが起こりやすい生き物です。この章では、ペットがかかりやすい皮膚炎について解説します。
アトピー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎の中でも、環境中のアレルゲンが原因で皮膚炎となったものを、アトピー性皮膚炎と呼びます。生後半年から3歳までの若い時期に発症することが多く、一度発症すると、基本的に生涯治療が必要です。
柴犬やシー・ズー、ゴールデン・レトリーバーなど、特定の犬種で発症しやすいことから、遺伝的な要因が関与していると考えられています。
マラセチア皮膚炎
マラセチアという酵母菌の一種が過剰に増殖し、皮膚炎を起こした状態です。マラセチアは皮膚の常在菌の一種で、通常は皮膚炎を起こすことはありません。
しかし、アレルギー性皮膚炎などの基礎疾患が存在すると、皮膚のバリア機能が弱くなり、マラセチアが過剰に増えやすくなるといわれています。
マラセチア皮膚炎は、猫ではほとんど見られませんが、犬ではあらゆる年齢で発症する可能性があります。
膿皮症
膿皮症(のうひしょう)とは、皮膚に細菌が感染し、皮膚炎を起こした状態です。なんらかの原因で皮膚の常在菌が過剰増殖すると、皮膚のかゆみや脱毛、赤みなどの症状を引き起こします。
マラセチア皮膚炎と同様に、膿皮症の発症には、アレルギー性皮膚炎などの基礎疾患が関与していると考えられています。膿皮症は、犬では一般的な皮膚トラブルの一つで、さまざまな年齢で発症しやすい疾患です。
【ペットアンケート】皮膚トラブルに悩むペットは多い!
『ペット保険比較のピクシー』が実施したアンケート調査によると、犬や猫の皮膚トラブルの原因は、アトピー性皮膚炎やアレルギーが多いという結果になりました。
アレルギーの中でも、穀物や肉、魚、花粉など、さまざまなアレルゲンが原因となっていることが伺えます。
参照:犬や猫は皮膚炎になりやすい?2月20日アレルギーの日にペットの皮膚トラブルを調査!『ペット保険比較のピクシー』
犬や猫のアレルギー性皮膚炎の原因になるアレルゲンは?
アレルギー性皮膚炎を起こすアレルゲンには、
- 肉や魚、穀物などの食べ物
- カビ
- 花粉
- ハウスダスト
など、さまざまなものがあります。
アレルギー性皮膚炎をもっている犬や猫は、これらのアレルゲンに触れることで、皮膚のかゆみや赤みなどの皮膚トラブルが発生します。
花粉など、季節性のあるアレルゲンに対してアレルギーをもっている場合、特定の季節にのみ症状があらわれることもあるでしょう。
また、夏場の高温・多湿や、逆に冬場の乾燥が皮膚炎を悪化させる一因となることもあります。
犬や猫のアレルギー性皮膚炎の症状やサインは?
アレルギー性皮膚炎の一般的な症状としては、皮膚のかゆみや赤みが挙げられます。
皮膚をかきむしることで被毛が抜けてしまったり、皮膚がただれてしまったりするのも、一般的な症状の一つです。
このような症状は、
- 顔周り
- 脇の下
- 後ろ足の付け根
- 肉球の間
などによく発生します。
また、外耳炎を起こしやすいことも、アレルギー性皮膚炎の特徴です。食物アレルギーの場合、下痢や嘔吐などの消化器症状が同時に見られることもあるでしょう。
多くの皮膚病では、皮膚のかゆみが一般的です。犬や猫はかゆみを訴えることができないので、飼い主さまが気付いてあげられるようにしましょう。
前足や後ろ足でしきりに耳をかいたり、耳や顔を床に擦り付けたりする様子が見られた場合は、耳や顔をかゆがっている可能性があります。また、足の付け根や肉球の間がかゆい場合は、同じ場所を何度も舐めたり噛んだりする様子が見られるでしょう。
皮膚のかゆみは、愛犬や愛猫にとって大きなストレスとなります。早めに気付いて対処してあげたいですね。
犬や猫のアレルギー性皮膚炎の検査方法は?
アレルギー性皮膚炎の診断は、基本的に除外診断※となります。
※除外診断とは、アレルギー性皮膚炎以外の可能性を除外するために複数の検査や診断を行う方法です。
ノミやダニなどの寄生虫の有無や、細菌感染などがないことを確認するために、皮膚の検査を行うことが多いでしょう。
皮膚の検査で異常が見つからなかった場合や、寄生虫や細菌感染に対する治療をしてもよくならない場合、アレルギー検査を実施することがあります。
食物アレルギーが疑われる場合、アレルゲンとなる材料を含んでいないフードを与え、症状の変化を観察して診断する「除去食試験」が行われることもあるでしょう。
~どんな検査をした?~愛犬のお腹や後ろ足の付け根などが赤くなっているのに気づき、動物病院で血液検査を行いアレルギーの有無を調べました。症状が安定するまでは、検査費用を含めて4万円程度かかりました。(東京都・20代女性)
※口コミは飼い主さまの感想や主観に基づくものです。回答内容に反しない範囲で、誤字・脱字・表現などを整えて掲載しております。
※調査機関:株式会社クラウドワークス/調査方法:インターネットによるアンケート調査
犬や猫のアレルギー性皮膚炎の治し方は?
治療には、アレルゲンを避けることが最も重要です。
食物アレルギーの場合、アレルゲンとなる食材を含まないフードを与えると良いでしょう。
花粉やハウスダストが原因であれば、こまめに掃除をし、空気清浄機を使用するのがおすすめです。また、定期的にシャンプーをして、アレルゲンを洗い流すのも効果的です。
これらの対処法で症状がおさまらない場合、抗アレルギー薬やステロイド剤などが使用されます。
注射薬が利用できる場合もあるので、内服が難しい場合は、かかりつけの動物病院に相談するといいかもしれません。
犬や猫がアレルギー性皮膚炎になったらシャンプーしてもいい?
アレルギー性皮膚炎の治療には、シャンプーは非常に効果的です。
被毛についたアレルゲンを洗い流し、皮膚を清潔に保つことで、症状を和らげることができます。
しかし、アレルギー性皮膚炎をもつ犬や猫の皮膚は、バリア機能が弱まっており、刺激や乾燥に弱い状態です。
誤った方法でシャンプーしてしまうと、逆に皮膚の状態を悪化させてしまうこともあります。
シャンプー剤は刺激の少ないものを選び、肌の乾燥を防ぐために、必要に応じて保湿剤を使用しましょう。
一言でアレルギー性皮膚炎といっても、皮膚の状態には個体差があります。肌にあわないシャンプー剤を使ってしまうと、症状がよくならないばかりか、かえって悪化させてしまうかもしれません。動物病院でおすすめのシャンプー剤を教えてもらうと安心でしょう。
皮膚病は、放っておくとどんどん悪化し、治療にも時間がかかるようになってしまいます。かゆみはストレスにもなるので、早めに対処してあげるのがおすすめです。
まとめ│アレルギー性皮膚炎は多くのペット保険で補償対象!
今回はアレルギー性皮膚炎とペット保険について解説しました。ここまでで重要な内容をまとめてみましょう。
- アレルギー性皮膚炎はペット保険で補償されることが多い
- アレルギー性皮膚炎では、通院費用がかさみやすい
- ペット保険に入るなら、病気を発症する前に!
アレルギー性皮膚炎は、一度発症すると完治することは基本的にありません。また、発症後にペット保険に加入すると、条件つきの加入となることもあります。
今回の記事を参考に、ペット保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか?
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また保険選びで迷われている方は、保険料や補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」もご覧ください。
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