ケガや病気を治すために処方された薬を飲んでもらえないと、焦ってしまいますよね?
おやつに混ぜても薬だけ吐き出したり、薬を警戒してフード自体を食べなかったりする犬も多いことでしょう。
そこでこの記事では、以下のことについて解説します。
- 上手に薬を飲ませる極意
- 薬の形状別飲ませ方のコツ
- 薬を飲ませるときの注意点
なかなか薬を飲んでくれない愛犬に悩んでいる飼い主さまは、ぜひ最後までご覧ください。
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犬に上手に薬を飲ませる3つの極意
犬に上手に薬を飲ませる極意は、以下の3つです。
- 投薬補助おやつを使うこと
- 短時間で終わらせること
- 飼い主さま自身がリラックスすること
投薬補助おやつを使えば薬を隠せますし、薬の匂いも抑えられるので飲んでもらえやすくなります。
また、犬が「薬=嫌なこと」と覚えないように、なるべく短時間で済ませましょう。協力者がいる場合は、2人がかりで行うとよりスムーズです。
さらに、飼い主さまの緊張やイライラは犬に伝わります。リラックスした状態で薬を飲ませるようにしてください。
【犬の薬】錠剤・カプセルの飲ませ方やコツ
獣医師から処方される薬で最も多いのが錠剤ですが、上手に吐き出してしまう犬に困っている飼い主さまも多いことでしょう。
この章では、錠剤・カプセルの飲ませ方やコツを解説します。
手で口の奥に入れる
フードやおやつを使っても薬を飲んでもらえないときは、薬を犬の口に直接入れます。基本的な手順は、以下のとおりです。
- 両手で上下の顎を押さえ、上顎を優しく持ち上げるようにして口を開かせる
- 錠剤を喉の奥に入れ、口を閉じる
- 顔を上に向けたまま、喉元を撫でて飲みこませる
きちんと薬を飲ませられなければ、あとから吐き出されてしまいます。飲ませた後は口の中や口周りの毛、床などをチェックし、確実に薬を飲んだか、かならず確認してください。
スポイトで水を飲ませる
犬がなかなか薬を飲みこまない場合は、スポイトを使うのがおすすめです。私たちと同じように薬と一緒に水を入れることで、飲みこみやすくなります。
薬を準備するついでにスポイトに水を入れておき、薬を口の中に入れた後、スポイトの水を入れます。すぐに口を閉じてしまう犬は、口の横からスポイトを差し込んで水を入れても問題ありません。
とくにカプセルは喉や粘膜に張りつかないよう、スポイトで水を飲ませましょう。
フードやご飯に混ぜる
フードに薬を混ぜるときのコツは、「薬が見えないようにすること」と「少量のフードと混ぜること」です。
ただし、いつもの食事に薬を混ぜると、フード自体を食べなくなる場合もあるので注意してください。
◆犬に薬を飲ませるときにおすすめの食材!
犬に薬を飲ませるときの食材を選ぶポイントは、以下の3つです。
- 愛犬の好物
- 匂いが強い
- 薬を包める
具体的には、カボチャやサツマイモなどの蒸した野菜や犬用のパン、チーズがおすすめです。薬が包まれていることに気づかれないように、一口で飲みこめるサイズにしましょう。
警戒心が強い犬の場合は、薬を包んでいないものを先に与えてから、薬入りのものを与えるのがコツです。上手に薬が飲みこめたら、ご褒美として再度薬を包んでいないものを与えると良いでしょう。
投薬補助おやつやゼリーを使う
野菜やチーズなどを食べさせるのが不安という方は、犬用の投薬補助おやつや服薬ゼリーがおすすめです。おやつやゼリーというだけあっておいしいので、喜んで薬を飲んでもらえます。
また、さまざまな味や匂いの投薬補助おやつや服薬ゼリーがあります。愛犬の好みに合わせて選びましょう。
動物病院で販売されていることもあるので、病院で1度試しに食べさせてみると良いかもしれません。
【質問】錠剤は砕いて与えてもいいの?
薬は、目的や作用する時間などにあわせて、最も効果が発揮できる形状で作られています。そのため錠剤を砕く、カプセルの中身を出すなど、薬の形状を変えてはいけません。
なかには問題ない場合もありますが、飼い主さまの判断で勝手に錠剤を砕くのはやめてください。薬を飲ませるのに苦労しているために処方された薬の形状を変えたい場合は、必ず獣医師に相談しましょう。
【犬の薬】液剤・シロップ剤の飲ませ方やコツ
液剤やシロップ剤はおやつで包むのが難しいため、シリンジを使って飲ませます。
シリンジを見ただけで警戒してしまう場合は、犬と同じ方向を向くようにして座り、腕や脇で犬の体を包むように支えると飲ませやすいです。
シリンジを使った飲ませ方
シリンジを使って、薬を犬の口に直接入れます。基本的な手順は、以下のとおりです。
- 利き手とは逆の手で顎を優しく支える
- シリンジを口の横(犬歯の後ろ側)から指しこむ
- 顔を少し上に向けた状態で、ゆっくり薬を飲ませる
このとき1度にたくさん薬を注入してしまうと、口からあふれたり誤嚥(ごえん)を起こしたりしてしまうので、焦らず少しずつ飲ませるのがコツです。愛犬の喉を見て、きちんと飲めているか確認しながら飲ませてください。
【犬の薬】粉末薬の飲ませ方やコツ
粉末薬は錠剤と同じようにフードに混ぜて与える方法もありますが、確実にすべての薬を飲めたのか確認するのが困難です。
そのためここでは、フードに混ぜる以外の方法を紹介します。
オブラートに包む
粉末薬をオブラートに包んで、錠剤を飲ませるときと同じ要領で与えます。風味つきのオブラートが多く、そのままでも飲みこんでくれるかもしれませんが、錠剤のところで紹介した食材でオブラートを包むのも良いでしょう。
上手に飲ませるコツは、1度水にくぐらせて小さく丸めることです。そうすることで、喉越しが良くなり飲み込みやすくなります。
水で溶かして与える
粉末薬を水で溶いて、シリンジやスポイトを使って飲ませます。水の量が多いと全部飲ませるのが大変になるので、最低限の水に溶かしてください。
飲ませるときは、前ではなく口の横からシリンジを差しこむのがコツです。愛犬の飲みこむスピードに合わせて、少しずつ飲ませましょう。
また、粉末薬を少量の水で溶きペースト状にして口内に塗りつける方法もあります。水以外にも、普段から口にしている野菜のスープや犬用ミルクを使っても問題ありません。
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嫌がる犬に薬を飲ませるにはどうしたらいい?
薬の形状や飲ませ方を変えたり、投薬グッズを使ったりすることで、薬を飲んでくれるようになることもあります。しかし、あらゆる方法を試しても薬を飲まない場合は、動物病院での注射という選択肢もあります。
ただし注射は、投薬に比べると副作用のリスクがあるので注意が必要です。さらに、すべての薬が注射で代用できるとは限りません。
薬を飲ませられなくて困ったら、できるだけ早く獣医師に相談しましょう。
犬が薬を飲まない!嫌がる原因は?
犬が薬を飲まない原因として考えられるのは、次の5つです。
- 味や匂いが苦手
- 薬の量が多い
- 満腹
- おやつに魅力を感じない
- 飼い主さまの様子がいつもと違い不安
これらの原因にきちんと対処できれば、薬を飲んでもらえる可能性が高まります。
とくに5つ目は、すぐにでも改善できます。「絶対に飲ませなければ」と緊張したり、上手に飲ませられなくてイライラしたりせず、普段どおりを心がけましょう。
犬に薬を飲ませる際の注意点
薬を飲ませるうえで愛犬の健康を守り、愛犬も飼い主さまもストレスをためないためには、気をつけてほしいポイントが5つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①自己判断でやめない
犬が嫌がるからといって、自己判断で投薬をやめてはいけません。処方されている薬を飲ませないということは、愛犬の健康を損なうことにつながります。
薬を吐き出してどうしても飲まない場合や暴れて飲ませられない場合は、獣医師に相談しましょう。
また、飲めなかったからといって、次のタイミングで倍の量を与えることもNGです。処方された通りに飲ませてください。
②誤嚥しないよう注意
薬を誤嚥させないように注意しましょう。とくに飲みこむ力が弱くなった老犬の場合は、誤嚥のリスクが高いため注意が必要です。
誤嚥すると咳が繰り返し出る、呼吸が荒いといった症状がみられ、誤嚥性肺炎になることもあります。誤嚥性肺炎は命にかかわるケースもあるので、万が一投薬後にこのような症状がみられた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
③力ずくで無理に与えない
愛犬がなかなか薬を飲んでくれなくても、無理に与えてはいけません。無理に薬を飲ませようとすると、さらに薬への苦手意識が高まってしまいます。
無理に与えて薬を飲ませられたとしても、次回以降の投薬が難しくなります。
また、上手くいかなくても絶対に叱らないでください。なかなか飲まないとイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、冷静に解決策を探しましょう。
④飲めたらご褒美をあげる
上手に薬を飲めたら、ご褒美をあげるのを忘れないでください。ご褒美は、おもちゃでもおやつでも構いません。
ポイントは、普段より少し良いものを与えることです。そうすれば、薬を飲むと良いことがあると覚えてもらえます。
最終的には、薬の準備をするだけで喜んで寄ってくるぐらいになると、愛犬も飼い主さまもストレスなく投薬できるでしょう。
⑤薬の飲ませ方は獣医師に確認
基本的には、獣医師から教えられたとおりに薬を飲ませてください。なぜなら犬の健康状態や持病によっては、食べてはいけない投薬補助おやつや服薬ゼリーがあるからです。
また、食べ物との組み合わせで薬の効果が下がってしまう可能性もあります。
愛犬の健康や命に直接かかわる薬を飲ませる方法については、かならず獣医師に確認してください。
犬の薬に関するQ&A!
ここまで犬の薬の飲ませ方や注意点について解説してきましたが、現在愛犬に投薬している飼い主さまは、より具体的な疑問が浮かんだのではないでしょうか?
そこでここでは、犬の薬に関するよくある質問を2つ紹介します。
犬の薬は何時間あければ次を与えられる?
基本的に処方される薬は、与える時間が指定されているのではなく、1日の回数が指定されています。そのため、24時間を1日に与える回数で割った時間が1つの目安となります。
たとえば1日1回の場合は24時間おき、1日2回の場合は12時間おきとなるように意識して投薬すると良いでしょう。分刻みで厳密にする必要はありませんが、目安の時間を大きくずれることがないように注意してください。
犬に薬を飲ませる投薬グッズおすすめ5選!
投薬グッズを使えば、より安全によりストレスフリーに薬を飲んでもらうことが期待できます。
ここで紹介するものを参考にして、愛犬に合ったグッズを探してみてください。
①Bartram ピルガン投薬器
ピルガン投薬器は、錠剤・カプセル、液剤を与えるときに使います。口の小さな小型犬や、投薬中に飼い主さまの手を噛む犬におすすめです。
先端がシリコンになっているので、愛犬の口内を傷つける心配はありません。
ただ、取り外しできるシリコン部分を誤飲してしまったというレビューもあるので注意が必要です。
②MediBall メディボール 犬用 ささみ味 投薬補助 おやつ
メディボールは、錠剤・カプセル、粉末薬を与えるときに使える投薬補助おやつです。食事に混ぜても薬だけを上手に吐き出してしまう犬やおやつが好きな犬におすすめです。
柔らかいので薬を包みやすく、薬と密着することで薬だけを吐き出しにくくなっています。
6種類の味があるので、飽きさせないよう、定期的に味を変えると良いかもしれません。
商品:https://www.jpc-co.jp/mediball/
③MediJam メディジャム 犬用うま
メディジャムは、錠剤・カプセル、粉末薬を与えるときに使える投薬補助おやつです。グレインフリーかつ1つのタンパク源のみを使用しているので、食物アレルギーの犬にも使いやすくなっています。
ペースト状のため水分量が多く飲みこみやすいので、老犬にもおすすめです。
商品:https://vetslabo.com/lineup/medijam/
④トーラス おクスリ上手
おクスリ上手は、錠剤・カプセル、粉末薬を与えるときに使うオブラートです。袋タイプのため薬を包みやすくなっています。
1枚全部を使わなくて良い場合は、切ってサイズを調整しましょう。
ウェットフードに混ぜると、オブラートが溶けてしまうので注意してください。
商品:http://www.taurus-net.co.jp/lineup/supplement/medicine-j.html
⑤錠剤を砕く ピルクラッシャー
ピルクラッシャーは、錠剤を粉状にする器具です。とはいえ薬によっては、きれいな粉状にならない場合もあります。
錠剤のままだと上手に薬を飲めない犬におすすめです。
与える量が変わらないよう、できるだけ砕いた薬が器具に残らないように注意してください。
商品:https://www.petgoods-shop.jp/fs/petgoods/4995723300048
まとめ
この記事では、犬の薬の飲ませ方について解説しました。
最後に、この記事のポイントをまとめると以下の通りです。
- 「薬=嫌なこと」にしない
- 薬の形状ごとに飲ませ方を変える
- 処方された用法・用量を守る
この記事を読まれている飼い主さまは、すでにいろいろ試したけれどうまく投薬できなくて困っている方もいるかもしれません。この記事を参考にしつつ、どうしても難しい場合や困ったこと疑問に思ったことがあれば、すぐに獣医師に相談しましょう。
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