犬が足を引きずっている、歩き方がおかしい、散歩に行きたがらないなど普段とは違う様子がみられたら、何か病気やケガなどを疑いましょう。確認した限りケガなどが見当たらないときは、神経や脳に病気が隠れている可能性もあります。
本記事では、犬が足を引きずる原因について解説します。足の病気になりやすい犬種や足を健康に保つための方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【ペット保険比較のピクシー】では人気ペット保険おすすめランキングもご紹介しております。
まだペット保険に加入していない方、これから加入する方、保険の乗り換えを検討中の方は参考にされてください。
犬が足を引きずるのはなぜ?
犬が足を引きずっている状態は「跛行」(はこう)と呼ばれます。普段歩き方に問題のない犬が足を引きずっている場合、さまざまな原因が考えられます。よく観察をして異変がみられるようであれば、動物病院を受診しましょう。
外傷
骨折や捻挫、ケガをすると足を引きずることがあります。交通事故や室内での落下事故によって外傷を負う可能性もあるので注意が必要です。外傷は目視で確認できる場合も多く、爪先や肉球の間までチェックすることが大切です。
病気
遺伝性疾患によって骨の形成不全になり、歩く度に痛みがあるため、足を引きずることがあります。また、腫瘍や脊髄損傷など神経系の異常があると運動障害になり、足を引きずるという症状があらわれます。
加齢
犬は、高齢になると筋肉や関節の機能が低下し、うまく歩けなくなる可能性があります。筋力が衰えるため、足を引きずるだけでなく、震えやふらつきがみられます。とくに後ろ足に症状が出やすく、飼い主さまのサポートが必要です。
環境
気温の変化によって歩き方に異変が出ることがあります。暑すぎる環境では、地面が熱く、肉球を傷つけてしまう恐れがあります。寒すぎると肉球が乾燥し、ひび割れを起こします。また、犬が生活している床が滑りやすかったり歩きにくかったりすると、足を引きずる原因となります。
仮病
犬は、「構ってほしい」「注目されたい」というときに、仮病を使うことがあります。以前足をケガしたときに、飼い主さまに心配してもらい、いつもより構ってもらった経験がある犬が行います。仮病かどうか見極めるのは難しいため、自己判断せずに動物病院で検査を受けましょう。
ペット保険比較のピクシーにはペット保険についての記事も多数ございますので、安心して保険をお選びいただけます。
保険選びで迷われている方は、保険料や補償割合などの条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」も参考にされてください。
犬が足を引きずるときに考えられる病気
犬が足を引きずる行為は、大きな病気が隠れている恐れがあります。ここでは、足を引きずる症状がみられる疾患を紹介します。
外傷
骨折・捻挫
骨折や捻挫は、患部が腫れて熱を持つ症状が特徴的です。患部を触ると嫌がったり悲鳴をあげたりするので、飼い主さまが異常を発見できる場合もあるでしょう。痛みが強い場合、まったく動かなくなることもあります。
肉球や爪のケガ
肉球や爪のケガがあると、足を地面から上げて歩く様子がみられます。肉球の火傷や爪の割れには注意しましょう。日頃から、犬の足にトゲや異物が刺さっていないか、巻き爪になっていないかなど定期的にチェックすることが大切です。
指間皮膚炎(指間炎)
指間皮膚炎は、指や肉球の間に炎症が起きて、赤く腫れて痛みが出る病気です。足や指に痛みがあるため、足を引きずるように歩行する様子がみられます。
足の病気
股関節形成不全
股関節形成不全とは、骨の変形によって股関節がうまくかみ合わず炎症が起こる病気です。遺伝的な要因が考えられ、座り方や歩き方に異変がみられます。小型犬よりも大型犬に多い病気とされています。
前十字靭帯疾患
前十字靭帯疾患とは、膝関節にある前十字靭帯が切れたり伸びたりして膝関節が不安定になる病気です。病気が進行すると、関節軟骨が削れていき、変形性関節症を引き起こしたり、膝関節の半月板の損傷を起こしたりする恐れがあります。
関節炎
関節炎は、関節軟骨に炎症が起こる病気で、歩いたり走ったりすると痛みが生じます。主に加齢が原因となりますが、先天的または遺伝的な疾患を持っていると、若い犬でも発症することがあります。
関節リウマチ
関節リウマチとは、本来、体を守る役割がある免疫機能に異変が生じて引き起こされる病気です。関節が腫れて、痛みを伴うのが特徴です。
汎骨炎
汎骨炎(はんこつえん)とは、中型犬または大型犬の比較的若い犬にみられる痛みを伴う疾患です。汎骨炎になる原因は分かっておらず、年齢を重ねるとほとんど症状が出なくなります。
発育期の小型犬は特に注意!
次に、発育期の小型犬を飼育している場合に、気をつけたい足の病気を3つ紹介します。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう病気です。別名「パテラ」と呼ばれます。小型犬は先天的に疾患を抱えている犬が多く、ほかにも転倒や事故などが原因で脱臼することもあります。
レッグ・ペルテス病
レッグ・ペルテス病とは、大腿骨の骨頭部分が壊死する病気です。痛みがあるため、足を地面に付けなくなり、跛行がみられる場合があります。はっきりとした原因は分かっていませんが、何らかの理由で血流不足になり、栄養が行き届かなくなるため、大腿骨頭の壊死が起こります。
成長板早期閉鎖
成長版早期閉鎖は、外傷などにより成長板が損傷し、前足の骨が正常に成長しなくなる病気です。一方の足のみ成長が止まるため、足の骨の長さに差が生まれ、歩行に異常がみられます。
その他の疾患
脳炎・脳疾患
壊死性髄膜脳炎や壊死性白質脳炎などになった場合、歩行障害があらわれます。ほかにも脳腫瘍や水頭症になるとうまく歩けなくなることがあります。跛行だけでなく、ふらつきがみられるときは、脳の疾患が疑われます。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨にある椎間板が変形し、脊髄を圧迫する病気です。病気が進行すると麻痺がみられることがあります。加齢や肥満、過度の運動から引き起こされます。また、コーギーやダックスフンドなどは、遺伝的にヘルニアになりやすい犬種とされています。
変形性脊椎症
変形性脊椎症とは、脊椎がトゲのような突起状に変形し、痛みが生じる病気です。2歳以下での発症はほぼなく、老化が主な原因となります。
重症筋無力症
重症筋無力症とは、先天的な要因や免疫異常などによって、全身のさまざまな筋肉に力が入らなくなる病気です。足に力を入れることも難しく、歩行に異常が出たり、歩けなくなったりする可能性があります。
多発性筋炎
多発性筋炎とは、遺伝的な要因で皮膚と筋肉に炎症が起きる原因不明の病気です。足に症状があらわれた場合、足を引きずったり、歩行困難になったりすることもあります。
骨肉腫
骨肉腫とは、骨に生じる悪性の腫瘍です。犬は足に発症しやすく、腫れや痛みなどがあり、歩行に異常があらわれます。
歩き方別!考えられる原因は?
ここからは、犬の歩き方の異常から考えられる病気や原因を4つ紹介します。
足を引きずる
足を引きずって歩いている様子がみられる場合、関節リウマチ、股関節形成不全、骨肉腫、椎間板ヘルニアなどの可能性があります。足に直接痛みや炎症が起きていることが多く、病気を特定するには、動物病院の受診が必要です。
足をかばって歩く
足をかばって歩いている場合、外傷、靭帯損傷、関節炎、椎間板ヘルニアなどが考えられます。歩くときに頭が上下に動いていれば前足、頭が常に下がっていれば後ろ足に異変を感じている可能性が高くなります。
片足をあげたままにする
足を地面につかずに、あげたまま歩いている場合、外傷や肉球のケガ、靭帯損傷などの可能性があります。足をあげているときは、足裏に違和感を感じていることが多く、肉球の間や爪などに異常がないかよく確認しましょう。
まっすぐ歩けずふらつく
まっすぐ歩けず、ふらついている場合は、脳炎や脳疾患、神経系の疾患、熱中症などが考えられます。犬のふらつきは、命にかかわる重篤な疾患の可能性が高く、重症化する前の早期発見と早期治療が大切です。
後ろ足に異変が出やすい犬種とは?
足の病気になりやすい犬種を飼育するときは、注意が必要です。ここでは病気別に異変が出やすい犬種を紹介します。
【骨折をしやすい犬種】
チワワ
ポメラニアン
トイ・プードル
イタリアン・グレーハウンド
マルチーズ
ミニチュア・ピンシャー
骨折は小型犬に多く、高所からの飛び降りなどの事故によって起こります。
【股関節形成不全になりやすい犬種】
ゴールデン・レトリーバー
ラブラドール・レトリーバー
ドーベルマン
ロットワイラー
ジャーマン・シェパード・ドッグ
ビーグル
股関節形成は、大型犬がなりやすい疾患です。遺伝的な要因が大きいといわれています。
【膝蓋骨脱臼になりやすい犬種】
チワワ
トイ・プードル
パピヨン
ヨークシャー・テリア
ポメラニアン
膝蓋骨脱臼は、小型犬に多い遺伝性の病気です。外傷や栄養不足などによって発症する場合もあります。
【椎間板ヘルニアになりやすい犬種】
ダックスフンド
トイ・プードル
ペキニーズ
フレンチ・ブルドッグ
パグ
ウェルシュ・コーギー
椎間板ヘルニアは、短足・胴長の犬に起こりやすい病気です。遺伝的な要因が大きく、老化によって症状があらわれる場合があります。
病院に連れて行くタイミングは?
肉球のケガや爪割れなどの軽い症状で出血がなく、歩行に異常がない場合は、病院に行かずに家で様子を見ていても問題ありません。しかし、愛犬に以下のような症状があれば早めに動物病院へ連れて行くことが重要です。
・足を引きずっている
・足を浮かせて歩いている
・まっすぐ歩けない
・歩くときにふらついている
・足が震えている
・痛みで動けない
・散歩をいやがる
・段差を登ったり降りたりできない
・立ち上がるときに時間がかかる
・意識が朦朧としている
まっすぐ歩けない場合や、ふらつきがみられる場合、神経に異常がある可能性が高く、病院での治療が必要です。また、痛みで動けない、意識が朦朧としているときは、命に関わる危険な状態なので、早急に動物病院を受診しましょう。病院には、犬が歩いている様子を動画に撮って持っていくことをおすすめします。
犬の足を健康に保つ跛行の予防法
犬の足を健康に保つために、飼い主さまができる跛行の予防法を4つ紹介します。愛犬の健康管理にぜひ役立ててください。
適切な運動量
犬は、適度に体を動かさないと、筋力が低下したり関節が強ばったりします。筋力が落ちるとケガをしやすくなるため、しっかりと運動させることが大切です。犬の体型や年齢、体調に合わせて、毎日散歩を行いましょう。
正しい食事管理
犬の足を健康に保つには、食事の内容も意識しましょう。骨の成長や修復にはタンパク質が必要です。カルシウムとリンは、骨の主要な成分になるため、バランス良く摂取することが重要です。肥満にならないように体重管理を行い、適正な食事量を与えましょう。
部屋の環境作り
フローリングなどの滑りやすい床は、犬の足や股関節に負担をかけます。そのため、滑らないようにマットやカーペットなどを敷くことをおすすめします。また、床に物が多いと、踏んだりつまずいたりして危険なため、片付けておきましょう。
足や爪の定期的なケア
爪が割れたり、巻き爪になったりすると、肉球を傷つける原因となります。伸びすぎる前にこまめに爪切りを行いましょう。また、肉球の間の毛をカットしたり、肉球の保湿ケアをしたりなど、足先のケアも行うことが大切です。
まとめ
本記事では、犬が足を引きずる原因や足の病気になりやすい犬種、足を健康に保つ方法について紹介しました。
・足を引きずる原因は、ケガ以外にもさまざまな原因がある
・飼い主さまに構って欲しくて足が痛い演技をしている可能性もある
・目視できるケガでない限り、病院の受診がおすすめ
・遺伝的に足の病気になりやすい犬種がいる
足の健康を保つためには、飼い主さまが愛犬の足への負担を、どれだけ軽くできるかが大切です。毎日の運動や食事に気をつけて、足のケアを怠らないようにしましょう。
※動物病院は自由診療のため、医療費が高額になる可能性があります。
ペット保険に加入していなければ、全額を自己負担で支払わなければなりません。
万が一の備えとしてペット保険に加入しておくと安心です。
また保険選びで迷われている方は、ペット保険の保険料や条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」もご覧ください。
- イヌ
- ネコ
- 血統種
- ミックス
-
- 0歳
- 1歳
- 2歳
- 3歳
- 4歳
- 5歳
- 6歳
- 7歳
- 8歳
- 9歳
- 10歳
- 11歳
- 12歳
- 13歳
- 14歳
- 15歳
- 16歳
-
- トイ・プードル
- 秋田
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ゴールデン・レトリーバー
- シー・ズー
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- ジャック・ラッセル・テリア
- チワワ
- パグ
- パピヨン
- ビーグル
- フレンチ・ブルドッグ
- ボーダー・コリー
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ヨークシャー・テリア
- ラブラドール・レトリーバー
- その他犬種
- 6kg 未満
- 6kg以上 8kg未満
- 8kg以上 10kg未満
- 10kg以上 12kg未満
- 12kg以上 16kg未満
- 16kg以上 18kg未満
- 18kg以上 20kg未満
- 20kg以上 25kg未満
- 25kg以上 30kg未満
- 30kg以上 32kg未満
- 32kg以上 40kg未満
- 40kg以上 45kg未満
- 45kg以上