猫の種類 アメリカンカール

アメリカンカールの体格は中くらいですが、体重はやや軽量で太りやすい猫種とされています。一般的な猫は1歳でほぼ成長が止まりますが、アメリカンカールは1歳を過ぎても緩やかなスピードで成長が続くため、その分多くの栄養が必要です。

この記事では、そんなアメリカンカールに必要な栄養や、体質に合ったフードの選び方、フードを与える量や回数について解説しています。どうぞ最後までご覧ください。

 

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目次

アメリカンカールに適した栄養バランス

高タンパク質の食事で成長を促す

猫の主なエネルギー源はタンパク質であり、人間の約2倍必要です。アメリカンカールは成長がゆっくりである猫種のため、成猫になるまでに2~3年を要します。

アメリカンカールには、短毛種と長毛種がいますが、長毛種の場合はシルキーでやわらかな質感の被毛が完成するまでに、さらに1~2年を要します。そこで、アメリカンカールには子猫のうちから高タンパク質の食事を与えて成長を促しましょう。

食事から取ったタンパク質は、猫の体内でアミノ酸に分解されてから吸収されます。アミノ酸の多くはエネルギー源として利用されますが、一部は再びタンパク質に作り変えられて皮膚や筋肉を作る材料になります。

猫が1日に必要とするタンパク質の量は体重1kg当たり7gです。成猫のアメリカンカールの平均体重は2.5~5.5kgですから、1日17.5~38.5gのタンパク質が必要ということになります。

肉食動物である猫は、植物性タンパク質よりも動物性タンパク質のほうが吸収されやすいので、良質な肉や魚を使用したフードを選びましょう。

低脂肪の食事で肥満を防ぐ

低脂肪の食事で肥満を防ぐ

アメリカンカールの体格は中くらいですが、体重はやや軽量で太りやすい猫種とされています。筋肉質で引き締まった体型が理想であり、ぜい肉がつくのは健康上良くありません。
アメリカンカールには低脂肪の食事を与えて、猫の肥満を防ぎましょう。しかし、筋肉質な体と美しい被毛を維持するには栄養をしっかり取る必要があります。

そこで、猫には低脂肪で栄養価の高い鶏肉や白身魚を使用したフードを選びましょう。キャットフードだけでは物足りないという猫には、ボイルした鶏ささみをおやつに与えましょう。

なお、猫にとって脂肪はタンパク質に次いで重要なエネルギー源であり、減らしすぎてはいけません。猫が1日に必要とする脂肪の量は体重1kg当たり2.2gです。成猫のアメリカンカールの平均体重は2.5~5.5kgですから、1日5.5~12.1gの脂肪が必要という計算になります。

 

不飽和脂肪酸で美しい被毛を維持する

猫が食事から摂取する脂肪は、グリセリンと三つの脂肪酸から構成されていて、酵素の働きでグリセリンから切り離されることで脂肪酸を体内で利用できるようになります。

脂肪酸の中でも植物油や魚類に多く含まれている「不飽和脂肪酸」には、猫の皮膚や被毛の健康を保つ働きがあります。このうち「α-リノレン酸」と「リノール酸」には皮膚のバリア機能を保って、被毛の乾燥を防ぐ働きが期待できます。

また、「DHA」「EPA」「γ-リノレン酸」には抗炎症作用があり、猫の皮膚の炎症を抑える働きが期待できます。なお、リノール酸は猫が体内で生合成できない「必須脂肪酸」であり、必ず食事から摂取する必要があります。アメリカンカールには不飽和脂肪酸を強化したフードを与えましょう。

 

ビタミンB群を積極的に取らせて代謝を高める

猫が食事から取ったタンパク質や脂質は、体内燃焼システムに取り込まれることで、体を動かすのに必要なエネルギーに変わります。ところが、代謝が低下していると、タンパク質や脂質が効率良く燃焼されず、使われなかった分が体脂肪として蓄積されてしまいます。

そこで、積極的に猫に取らせたいのが、タンパク質や脂質の燃焼を促して代謝を高めてくれるビタミンB群です。アメリカンカールにはビタミンB群を強化したフードを与えましょう。食品から取らせる場合は、豚肉、卵黄、チーズなどがおすすめです。

 

食物繊維を取らせて毛玉の排出を促す

長毛種のアメリカンカールは、抜け毛が多く出る猫です。毛繕いの際に飲み込む抜け毛の量が多いと、お腹に毛玉が溜まる「毛玉症」を引き起こします。

そこで、猫に取らせたいのが野菜や穀物に多く含まれる食物繊維です。肉食動物である猫は野菜を食べたがらず繊維質が不足しやすいので、アメリカンカールには食物繊維を強化したフードを与えましょう。食物繊維には便のカサを増し、腸内にたまった不要物を吸着することで、腸を刺激して便通を促す働きがあります。猫に食物繊維をたくさん取らせることで、毛玉の排出を促すことができます。

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アメリカンカールに与えるフードの量と回数

アメリカンカールの子猫には好きなだけ食べさせる

アメリカンカールの子猫

太りやすいアメリカンカールでも、子猫のうちは成長に膨大なエネルギーが必要です。高タンパク質・高カロリーのフードを好きなだけ食べさせて成長を促しましょう。子猫のうちは活発に動き回りますから、フードを食べすぎても太る心配は要りません。

子猫が1日に必要とするカロリーは以下のとおりです。

アメリカンカールの子猫が1日に必要なエネルギー(kcal/kg)

8週齢 260
14週齢 200
20週齢 150
40週齢 100
52週齢  80

生後2か月の子猫が1日に必要とするカロリーは体重1kg当たり260kcal、成猫の約3倍です。生後半年になると成長がゆっくりになりますが、それでも成猫よりも多くのカロリーが必要です。なお、子猫は胃が小さいので一度に取らせようとせず、1日分を3~5回に分けて与えてください。

 

成猫はフードの与えすぎに注意

一般的な猫は1歳でほぼ成長が止まりますが、アメリカンカールは1歳を過ぎても緩やかなスピードで成長が続き、2~3歳で成猫になります。3歳までは栄養が不足しないように多めにフードを与えましょう。

一方で、成猫のアメリカンカールはおとなしく、あまり自分から運動をしたがらないので、フードを食べすぎるとすぐに太ってしまいます。成猫のアメリカンカールはフードの与えすぎに注意しましょう。

猫が1日に必要とするカロリーは体重と運動量で異なります。フードの量はカロリーをもとに計算してください。

成猫が1日に必要とするカロリーは以下のとおりです。

アメリカンカールの成猫が1日に必要なエネルギー(kcal/kg)

不活発な猫  70
標準的な猫  80
活発的な猫  85
妊娠中の猫 100
授乳中の猫 250

成猫のアメリカンカールの平均体重は2.5~5.5kgですから、1日に必要なカロリーは標準的な猫で200~440kcalという計算になります。成猫はこのカロリーに相当する量のフードを1日2~3回に分けて与えてください。

 

老猫には体重と運動量に見合った量のフードを与える

老猫には体重と運動量に見合った量のフード

猫は10歳から老齢期に入り、足腰の衰えによって運動が億劫になり、じっとしている時間が長くなります。アメリカンカールの平均寿命は12~15年とされていますから、ほかの純血種の猫と比べれば老化のスピードは遅いと言えます。

しかし、アメリカンカールであっても老化自体を避けることはできませんので、若いころと同じ食事を取っていると肥満になってしまったり、心臓や腎臓に負担をかけてしまったりします。

アメリカンカールは10歳を過ぎたら低脂肪・低カロリーの高齢猫向けフードに切り替えましょう。老猫が1日に必要とするカロリーは成猫と同じです。

一般的に、猫は年齢を重ねると少しずつ筋肉が落ちて、体重と運動量が減少していきますが、老化には個体差があります。体重と運動量を見てフードの量と回数を調整してください。

 

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