猫のよだれが急に増えると、心配になる飼い主さまも多いのではないでしょうか?猫が大量によだれを出している場合は、何か病気が影響している可能性があります。
この記事では、猫のよだれの原因や疑われる病気、家庭内での対処法や動物病院での診療内容などについて、獣医師の平松育子先生監修のもと解説します。
猫のよだれの原因とは何か?
―猫がよだれを垂らす原因、理由について教えてください。
猫は異常がなければ、よだれを大量に垂らすことはありません。もし、猫がよだれを大量に垂らしていれば、その原因は病気である可能性が高いと言えます。また、健康な猫のよだれはさらさらですが、ドロドロしていれば異常が疑われます。
しかし、病気でなくとも下記のような理由から、猫がよだれを垂らす場合があります。
心理的理由によるもの
生活環境が急に大きく変化したり、動物病院に連れて行かれたりなどして強いストレスを感じると、極度の緊張からよだれが垂れる場合があります。これはストレスの要因を取り除く、もとの環境に戻せば改善が期待できます。
刺激物を口に入ってしまった
辛いものや酸っぱいものなど刺激の強い人間の食べ物を誤って口に入れてしまうと、よだれが大量に分泌されます。そのほか、おいしくない薬を飲ませようとしたときにも、よだれが出る場合があります。
中毒
中毒症状としてよだれを大量に垂らす場合があります。中毒の原因として多いのは、観葉植物や玉ねぎ、チョコレート、殺虫剤、除草剤などです。万が一、中毒物質の誤食が疑われる場合には、速やかに動物病院へ連れて行きましょう。
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猫のよだれで疑われる病気について
―猫がよだれをいつもと違ってダラダラと垂らすようになったら、どのような病気が考えられますか?
口内の病気
よだれの原因となる口腔内の病気としては、下記のようなものが挙げられます。
歯肉口内炎
歯肉口内炎は猫のよだれの原因として最も多く見られる病気の1つです。よだれのほか、口臭、歯肉や舌などの口腔粘膜の赤み、口腔内の痛みとそれに伴う食欲不振や体重減少などが多く見られます。猫風邪の原因病原体の1つであるカリシウイルスが要因として報告されています。
歯周病
歯周病による歯の痛みからよだれを垂らす場合があります。歯周病は大きく歯肉炎と歯周病に分けられます。
歯肉炎になると、口臭や、歯肉が赤くなり少しの刺激でも歯茎から出血が起こります。原因は歯石の沈着が考えられ、歯肉炎の段階なら歯石を除去することで治癒が期待できます。しかし、無治療でおくと、歯周炎に発展してしまいます。
歯周炎は、炎症が歯周にまで及んだ状態で、歯根膜や歯槽骨の破壊が起こります。進行すると、歯のぐらつき、歯槽骨の吸収、歯の根元が見える、歯茎に穴が開く、歯茎から膿が出るなどの症状が見られます。放置すると、抜歯が必要になったり、顎の骨が溶けたり、折れたりするおそれがあります。
口腔内の腫瘍
猫の口腔は腫瘍が発生しやすい部位のひとつで、メラノーマや扁平上皮癌、繊維肉腫が多く見られます。腫瘍ができると痛みや異物感などからよだれが多く分泌されます。
てんかん
てんかんによる発作によってよだれが出る場合があります。猫に多いてんかんに食行動自動症があり、この発作が起こるとよだれを垂らす、顔面のけいれん、咀嚼動作、舌なめずりをするなどの症状が見られます。
腎不全
猫は、腎不全になると尿毒症により気持ちが悪くなったり、口腔粘膜がただれたりして、よだれが多くなります。また、口臭がきつくなるのも特徴のひとつです。
熱中症
猫も夏の暑い日に長時間外にいたり、ずっとコタツの中にもぐっていたりすると熱中症になる場合があります。熱中症になると開口呼吸や、よだれを垂らすなどの症状が見られます。
猫のよだれで気になる症状と動物病院に連れて行くタイミング
―動物病院を受診すべきタイミングについて教えてください。
猫に次のような症状が見られたら、早めに動物病院に行きましょう。
- よだれが多い
- 口をぺちゃぺちゃしている
- 口を気にする
- 食欲がない
- 元気がない
- 脱水がひどい
- 口の中の粘膜が赤い
- 歯茎から出血している
- 口の中にできものがある
猫のよだれの家庭内での対処
―猫がよだれをずっと垂らすようになったら、自宅でどのように対処すればいいのでしょうか?
可能であれば口の中をのぞいてみましょう。異物が口の中に入ったせいかもしれません。取れそうなら取り除いてあげましょう。
ストレスによるものと予想される場合には、その要因を取り除き、リラックスできるようになでてあげましょう。
特に異物がなく、ほかに心当たりがない場合には病気が疑われるため、早めに動物病院を受診してください。
猫のよだれの診療内容とかかる治療費
猫のよだれの診療内容
まずは問診と一般的な身体検査、口の中の確認を行います。
中毒が疑われる場合
摂取してから長時間たっていない場合は吐かせるための処置や胃洗浄、解毒剤などによる治療を行います。症状が重篤な場合は入院での管理になります。
歯肉口内炎が疑われる場合
口腔内の粘膜や舌が赤くなっている場合には歯肉口内炎を疑って治療をします。歯肉口内炎は治りにくいので、抜歯が選択されることもあります。全臼歯抜歯(犬歯より後ろの歯を全て抜く)と内服薬による治療を行い、数か月間様子を見ます。それで改善すれば治療はおしまいですが、改善が見られない場合は全顎抜歯(全ての歯を抜く)を行います。
歯周病の場合
歯周病の治療は、全身麻酔下で歯石除去や、化膿している歯を抜歯します。
口腔内の腫瘍の場合
外科手術による腫瘍の切除や内服薬による治療などを行います。転移を起こし治療しても改善が見込めないときは、対処療法により苦痛を和らげるためだけの治療を行なう場合もあります。
てんかんの場合
発作の頻度によって対応が変わります。6か月に2回以上の発作がある場合は、基本的な治療として抗てんかん薬を毎日飲ませ、発作を予防します。
腎不全の場合
点滴による水分補給が治療の中心です。定期的に血液検査や尿検査を行い、その結果に合わせて内服薬を追加していく場合もあります。ただし、失われた腎臓の機能は回復しないため、その後一生涯の治療が必要です。
熱中症の場合
点滴による脱水症状の改善や体の冷却、酸素室での管理が必要になる場合があります。また、入院管理が必要で、後遺症が残るおそれもあります。
猫のよだれの治療費例
ここでは、植物による中毒症状を例に、猫のよだれの治療費を紹介します。
- 治療期間:3日間
- 通院日数:0日
- 入院日数:3日
- 手術回数:0回
- 治療費 :5万円
※上記の診察内容や期間、治療費は、小型猫を基にした一例であり、全国の平均や水準を示すものではありません。また、体格や病状、動物病院によって異なりますのでご了承ください。
- イヌ
- ネコ
- 血統種
- ミックス
-
- 0歳
- 1歳
- 2歳
- 3歳
- 4歳
- 5歳
- 6歳
- 7歳
- 8歳
- 9歳
- 10歳
- 11歳
- 12歳
- 13歳
- 14歳
- 15歳
- 16歳
-
- トイ・プードル
- 秋田
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ゴールデン・レトリーバー
- シー・ズー
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- ジャック・ラッセル・テリア
- チワワ
- パグ
- パピヨン
- ビーグル
- フレンチ・ブルドッグ
- ボーダー・コリー
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ヨークシャー・テリア
- ラブラドール・レトリーバー
- その他犬種
- 6kg 未満
- 6kg以上 8kg未満
- 8kg以上 10kg未満
- 10kg以上 12kg未満
- 12kg以上 16kg未満
- 16kg以上 18kg未満
- 18kg以上 20kg未満
- 20kg以上 25kg未満
- 25kg以上 30kg未満
- 30kg以上 32kg未満
- 32kg以上 40kg未満
- 40kg以上 45kg未満
- 45kg以上