猫が吐いてしまったとき、原因がわからなければ不安になる飼い主さまも多いのではないでしょうか。
猫が嘔吐するのは、病気やストレスなどさまざまな要因が考えられます。
この記事では、猫が吐く原因や疑われる病気、対処法や治療費などについて獣医師の平松育子先生監修のもと解説します。
猫が吐く原因とは何か?
―猫が嘔吐する原因、理由について教えてください。
猫が吐いている場合は必ずしも病気が原因とは限らず、生理現象として吐いていることがあります。
食べすぎ・早食い
キャットフードを勢いよく大量に食べると、胃がびっくりしてしまい、食後すぐに未消化の食べ物を吐き戻すことがあります。
空腹
お腹が空きすぎても吐くことがあります。食間に透明や黄色の液体、白い泡だけを吐いている場合には、単にお腹が空いているだけかもしれません。
毛玉
グルーミングによって飲み込んでしまった毛玉は消化されず、通常であれば便と一緒に排泄されます。しかし、胃の中に毛が溜まって毛玉ができると、毛玉を取り除くためにそれを吐き出します。
ストレス
猫は環境の変化や家族構成の変化、来客や工事の音などに対してストレスを感じることが多く、ストレスによって嘔吐や食欲の低下、粗相などが見られることがあります。
―どのくらいの頻度であれば、食べ物を吐き出したり、毛玉を吐いたりしても問題ないのでしょうか。
元気や食欲があり、週に1回程度、食べ物を吐き出しているような場合には、大きな問題はないでしょう。
吐いているものが毛玉の場合も、週に1回程度であれば大きな問題がないことがほとんどです。しかし、短毛種より長毛種の方が吐く頻度が高く、短毛種であっても、換毛期には吐く頻度が増える傾向にあります。多少吐く頻度が多くても、吐いた後に元気や食欲があれば、一旦様子を見ていただいても大きな問題はないでしょう。
上記以外にも、病気によって猫が吐く場合があります。
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猫の嘔吐で疑われる病気について
―猫が吐いたら、どのような病気が考えられますか?
消化器系の疾患
嘔吐は胃炎や胃潰瘍、消化管の腫瘍など消化器系の病気によくみられる症状の一つです。病気によっても若干異なりますが、嘔吐以外にも、下痢や腹痛、食欲の低下などの症状も見られることがあります。
また、重度の潰瘍や腫瘍などで出血が起こると嘔吐物に血が混じって、赤色や茶色、場合によっては黒っぽく見えることがあります。
感染症
回虫やコクシジウムといった寄生虫に感染すると、胃腸炎が起こり、嘔吐が見られることがあります。健康な成猫であれば無症状であることがほとんどですが、免疫力が低い子猫が発症しやすく、嘔吐以外にも下痢や脱水などの症状が見られます。
食物アレルギー
特定の食材に対してアレルギーを引き起こすことがあります。嘔吐や下痢といった消化器症状だけでなく、皮膚の炎症やかゆみなどが起こることもあります。
中毒
猫はたまねぎやチョコレート、ブドウ、ユリなどを食べると、中毒を引き起こし嘔吐することがあります。食べた物や量などによって症状は異なりますが、繰り返し吐いたり下痢をしたりすることが多く、中毒を引き起こすような植物を食べてしまった場合には、嘔吐物が緑色をしていることもあります。
異物誤飲
異物誤飲によって腸閉塞を引き起こすと、食べ物や水の通り道が塞がれるため吐いてしまいます。
また、猫は紐状のものを誤飲すると、腸重積(ちょうじゅうせき)を引き起こすことが多く、1日に何回も嘔吐を繰り返す、腹痛、食欲不振などの重い症状が見られます。
紐状の異物に関してですが、お尻の穴から紐状のものが出てくる場合があります。これは絶対に引っ張らないようにしてください。紐状のものが消化管に絡んでいることがあり、引っ張ってしまうと消化管が切れて命にかかわる事態になってしまいます。発見した時には触らないようにして、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
熱中症
猫は比較的暑さに強いものの、高温多湿な環境下では熱中症になることがあります。暑い日に嘔吐をしていて元気がなくぐったりしている、口を開けて呼吸をしている、体を触ると熱いなどの症状が見られる場合は、熱中症が疑われます。
尿毒症(にょうどくしょう)
尿毒症は、本来体の外に出すべき老廃物が排泄できなくなり、体内に溜まることで起こります。尿閉塞や慢性腎臓病が原因で起こることが多く、嘔吐以外にも元気や食欲の低下、下痢などの症状も見られます。
猫が吐いたときに気になる症状と動物病院に連れて行くタイミング
―動物病院を受診すべきタイミングについて教えてください。
猫に次のような症状が見られたら、すぐに対処をしなければ命にかかわることもあるため、できるだけ早く動物病院に行きましょう。
- 激しく吐く
- 1日に何回も吐く
- 元気や食欲がない、ぐったりしている
- 嘔吐物に血が混じっている
- 吐くしぐさをするのに何も吐かない
- 吐く回数は少ないが、何日も嘔吐を繰り返す
猫が吐いたときの家庭内での対処
―猫が嘔吐したら、自宅でどのように対処すればいいのでしょうか?
嘔吐をすると脱水が心配になりますが、猫の場合、吐いているときに水を飲むと、それが逆に刺激となって、さらに吐くことがあります。そのため、半日~1日くらいは絶食・絶水をするようにしましょう。その後、元気や食欲に問題がないようであれば、そのまま様子を見ていただいて大丈夫です。
1日に何回も吐くといった、先ほど紹介したような動物病院を受診すべき症状が見られる場合も絶食・絶水をし、可能であれば吐いたものを写真に撮ったり、ペットシーツにくるんで動物病院に持参したりすると診察がスムーズにいくことがあります。異物誤飲の場合は、食べたものの欠片や、食べ物であればパッケージも一緒に持参するとより良いでしょう。
猫の嘔吐の診療内容とかかる治療費
猫の嘔吐の診療内容
以下では、誤食誤飲を伴わない一般的な急性胃炎を例に、猫の嘔吐の診療内容を説明しています。
まずは検査を行い、原因が特定できる場合にはその原因に対する治療を行います。一般的には対症療法を行うことが多く、制吐剤や消化管運動機能改善剤などを注射するか、内服薬が処方されたり、療法食が処方されたりします。また、脱水を起こしている場合には、輸液(ゆえき)も行います。
ただし、異物誤飲の場合は開腹手術をして異物を取り除かなければいけないケースがあり、入院費用や手術費用で数十万円かかることもあります。
猫の嘔吐の治療費例
ここでは、急性胃炎を例に、猫の嘔吐の診療内容を説明しています。
- 治療期間:5日
- 通院日数:2日
- 入院日数:0日
- 手術回数:0回
- 治療費 : 2万円
一般的な急性胃炎の場合は、診察料と各種検査費用、薬代、療法食代で合計2万円ほどかかります。
また、輸液を行う場合には、皮下点滴であれば1回あたり1,500円ほど、静脈点滴であれば入院費用や点滴代など一日あたり7,500円ほど追加でかかります。
※上記の診察内容や期間、治療費は、一般的な成猫を基にした一例であり、全国の平均や水準を示すものではありません。また、体格や病状、動物病院によって異なりますのでご了承ください。
- イヌ
- ネコ
- 血統種
- ミックス
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- 0歳
- 1歳
- 2歳
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- 秋田
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
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- パピヨン
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- ボーダー・コリー
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- ミニチュア・シュナウザー
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- ミニチュア・ピンシャー
- ヨークシャー・テリア
- ラブラドール・レトリーバー
- その他犬種
- 6kg 未満
- 6kg以上 8kg未満
- 8kg以上 10kg未満
- 10kg以上 12kg未満
- 12kg以上 16kg未満
- 16kg以上 18kg未満
- 18kg以上 20kg未満
- 20kg以上 25kg未満
- 25kg以上 30kg未満
- 30kg以上 32kg未満
- 32kg以上 40kg未満
- 40kg以上 45kg未満
- 45kg以上