犬の膀胱結石の手術費用

「尿が出にくく、何度もトイレに行く」

「尿に血が混じっている」

愛犬にこうした様子がみられる場合、膀胱結石かもしれません。

 

膀胱結石は、何らかの原因によって膀胱内に結石ができてしまう状態のことで、血尿や頻尿などの異変がみられます。

 

この記事では、犬の膀胱結石の症状や原因、かかりやすい犬種について解説します。

手術費用の目安やペット保険についてもあわせて紹介しているため、愛犬の健康を守るためにもぜひ最後までご覧ください。

 

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目次

犬の膀胱結石について

犬の膀胱結石とは?

犬の膀胱結石とは、尿路のうち膀胱に結石が形成される病気です。

 

結石の大きさは数㎜のものから数㎝のものまであり、気づかないうちに症状がかなり進行していた、ということも少なくありません。特定のミネラルの過剰摂取や水分不足、体質などさまざまな原因が引き金になると考えられ、膀胱にあった結石が尿道にはまり込んでしまうと命に関わるおそれもあります。

 

排尿時の様子に異変を感じたら、早いうちに動物病院で検査しておきましょう。

犬の膀胱結石の種類とは?結石を溶かすことは可能?

犬の膀胱結石には、さまざまな種類があります。

  • ストルバイト結石
  • シュウ酸カルシウム結石
  • リン酸カルシウム結石
  • シスチン結石
  • アンモニア尿酸塩結石
  • シリカ結石

なかでも、ストルバイト結石とシュウ酸カルシリウム結石が代表的で、犬にできる結石の8割以上を占めています。

 

ストルバイト結石

ストルバイト結石は尿がアルカリ性に傾いた場合にできやすい結石で、発症リスクはメスの方が高い傾向にあります。

細菌感染によるものが多く、膀胱炎を併発することも少なくありません。食事療法によって溶解が期待できるため、療法食と必要に応じて抗生物質が必要となります。

 

シュウ酸カルシウム結石

シュウ酸カルシウム結石は、尿が酸性に強く傾くことでできやすい結石です。

1度できてしまうと療法食で溶かすのは難しく、結石のサイズによっては外科的手術による摘出が必要になります。

オスに多くみられる結石で、特に去勢手術済みの犬にできやすいといわれています。

犬の膀胱結石の原因

膀胱結石ができる原因はまだ明確になっていません。

しかし、主なリスク要因としては、以下のことが大きく関わっていると考えられています。

  • 膀胱炎などの尿路感染
  • 遺伝的素因
  • 飲水量の低下
  • 食事の偏り
  • 運動不足

特に犬の肥満は膀胱結石をはじめ、糖尿病や心臓病、関節疾患などさまざまな病気の原因につながります。また、夏から秋・冬にかけての季節の変わり目は、飲水量が減って水分不足に陥りやすいため注意しましょう。

膀胱結石になりやすい犬種や年齢

膀胱結石の好発犬種

膀胱結石は、一般的に5歳〜8歳の犬が起きやすい傾向があります。

また、6歳未満はストルバイト結石、7歳以降はシュウ酸カルシウム結石ができやすく、以下の犬種に多いようです。

ストルバイト結石の場合

  • ミニチュア・シュナウザー
  • シー・ズー
  • ビション・フリーゼ
  • トイ・プードル
  • コッカー・スパニエル
  • ラサ・アプソ

シュウ酸カルシウム結石の場合

  • シー・ズー
  • ビション・フリーゼ
  • トイ・プードル
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ヨークシャー・テリア
  • ラサ・アプソ

異変を見逃さないよう、好発犬種では定期的に検査を受けるようにしましょう。

犬の膀胱結石の症状

以下のような様子がみられる場合、犬に膀胱結石ができている可能性があります。

  • 尿がキラキラする
  • 尿が臭い
  • 尿が濁っている
  • 血尿
  • 排尿障害
  • 頻尿

膀胱結石によって炎症を起こしている場合、下腹部を触ると嫌がることもあります。特にシニア犬は免疫力が低下するため、症状の悪化に注意が必要です。

 

普段から愛犬の尿の色や匂い、回数などを観察しておき、上記の症状がみられる場合は速やかに動物病院を受診してください。

膀胱結石が尿道閉塞を引き起こす?

膀胱結石によって、尿道閉塞を引き起こす場合もあります。

 

尿道閉塞とは、尿道に結石などが詰まり、排尿できなくなった状態です。

排尿が困難になるとさまざまな老廃物が体内に溜まり、腎機能の低下や尿毒症などに進行するおそれがあります。早急に治療を行わなければ、死に至る可能性も少なくありません。

 

尿道閉塞を起こしている場合、以下のような症状が主にみられます。

  • 排尿しようと何度も力む
  • 尿が出ない
  • 外陰部を気にする

加えて、食欲の低下や嘔吐などもみられる場合は緊急性が高いため注意が必要です。

犬の膀胱結石の検査や診断方法

犬の膀胱結石の検査・診断

膀胱結石が疑われる場合、動物病院では主に以下のような検査が行われます。

  • 尿検査
  • レントゲン検査
  • 超音波検査/エコー検査

上記以外にも、必要に応じて触診や血液検査を行うこともあります。

 

尿検査

膀胱結石が疑われる場合にまず行われるのが、尿検査です。

尿検査では、尿の酸性度(pH)から細菌感染の有無などを判断するだけでなく、尿を顕微鏡で調べることで結石の有無や種類を想定します。

 

レントゲン検査

レントゲン検査では、結石の大きさや尿道に詰まっていないかなどを確認します。

なお、細かい結石や種類によってはレントゲンに映らないことも少なくありません。そのため、超音波検査と合わせて、膀胱内部の状態を把握した上で判断することが大切になります。

 

超音波検査/エコー検査

超音波検査は、膀胱内の状態を確認するために重要です。場合によっては、レントゲン検査で発見できない結石を発見することもあります。

また、腫瘍の有無や膀胱粘膜の腫れなどが起きている可能性も考えられるため、これらを確認するためにも必要な検査です。

犬の膀胱結石の治療法とは?

犬の膀胱結石は、結石の種類やサイズによって治療方針が異なるものの、主な治療方法としては以下の4つが挙げられます。

  • 開腹手術
  • 腹腔鏡による手術
  • カテーテル・膀胱鏡
  • 食事療法

 

開腹手術

結石が大きい場合や溶解困難な場合は、開腹手術による治療が一般的です。

たとえば、シュウ酸カルシウム結石は食事療法では解けないため、結石が確認された時点で外科的摘出が検討されます。

手術は全身麻酔で行うため、シニア犬や持病などを抱えている犬の場合は獣医師と相談する必要があるでしょう。

 

腹腔鏡による手術

腹腔鏡による手術とは、膀胱内を腹腔鏡(内視鏡)で確認しながら結石を摘出する方法です。

小さな傷口で結石の摘出ができるため、体への負担が少なく、結石の取り残しを防げるというメリットがあります。なお、特殊な機器を用いることから手術費用が高くなる傾向があります。

 

カテーテル・膀胱鏡

尿道から膀胱鏡を入れて、結石を取り除く方法もあります。

膀胱鏡による摘出は体への負担が少ないものの、尿道に膀胱鏡が入ることが前提です。そのため、小型犬のオスには使用できないことがあります。

また、尿道に結石が詰まっているときは、カテーテルで膀胱内に戻して尿の通り道を確保します。

 

食事療法

ストルバイト結石の場合、食事療法によって尿の酸性度を整えることで結石を溶かし、体外に排出します。

 

ただし、溶けるまで時間を要するため、重度の症状がみられる、結石が大きくて尿道閉塞を引き起こす危険性が高いなどの場合は、膀胱切開による結石の摘出が必要になります。

犬の膀胱結石の手術費用や入院期間は?

では、膀胱結石を外科的に摘出する場合、かかる費用や期間はどれくらいなのでしょうか。

ここからは、犬に膀胱結石が見つかったときの手術費用や入院期間について解説します。

 

犬の膀胱結石の手術費用は?

犬の膀胱結石の手術費用は、結石のある場所や大きさ、動物病院などによって異なります。

 

とはいえ、膀胱結石や尿結石の手術費用の相場は15〜20万円ほどが目安となります。内視鏡のように高度な機器を使用した場合には、費用がさらに高額になる可能性もあるでしょう。

 

ペットの手術は高額な費用がかかることがあり、基本的に飼い主が治療費を全額負担しなければなりません。

こうした急な治療費に対して不安を覚える方は、ペット保険への加入を検討しておくことをおすすめします。

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犬の膀胱結石の手術時間は?

犬の膀胱結石摘出手術にかかる時間は、手術の内容や結石の量などによって異なります。

 

一般的な目安としては、開腹手術の場合で約20分腹腔鏡を使った場合は1時間ほどかかると考えておくと良いでしょう。

なお、手術の前後には準備や麻酔からの覚醒などの時間も必要となります。

 

犬の膀胱結石の入院期間は?

犬の膀胱結石の入院期間は、手術の内容や症状によって異なります。

 

たとえば、開腹手術や腹腔鏡の手術をした場合は通常1泊の入院が必要です。また、術後もしばらく排尿の管理が必要になる場合には、数日間の入院治療が必要になることもあります。

犬の膀胱結石に関するQ&A!

犬の膀胱結石Q&A

犬の膀胱結石は、どの犬種でも発症する可能性がある病気です。

続いて、犬の膀胱結石に関する3つの疑問についてみていきましょう。

 

Q. 犬の膀胱結石を放置しても自然治癒する?

A. 膀胱結石は、基本的に自然に治癒することはありません。

 

長期間放置するほど、かえって膀胱の粘膜を傷つけて出血や痛みなどを引き起こすおそれがあります。膀胱炎を併発している場合、膀胱炎の悪化だけでなく、腎臓にまで炎症が波及してしまう危険性もあります。

 

膀胱結石が疑われる場合は、早めに受診して早期に治療を始めることを心がけましょう。

 

Q. 犬が膀胱結石で死亡することはある?

A. 膀胱結石ができた場合、初期はそれほど大きな症状はありません。

 

しかし、進行して尿道などに詰まった場合、尿が排出できなくなり、膀胱破裂急性腎不全を起こして死に至るおそれがあります。

 

そのため、うまく排尿できない様子がみられる段階ですぐに獣医師に相談することが大切です。特にオスは尿道が細く、膀胱結石が詰まりやすい傾向があるため、年齢が若くても注意してください。

 

Q. 犬の膀胱結石は再発する可能性がある?

A. 膀胱結石は、とても再発しやすい病気です。

 

そのため、1度でも膀胱結石ができた犬は、食べるものや生活環境を見直して再発を防ぐ必要があります。

 

特にシュウ酸カルシウム結石はかなり再発率が高く、ストルバイト結石のように食事療法によって解かすことができないため、普段から栄養バランスの良い食事を与えるよう心がけましょう。

 

Q. 膀胱結石の犬が食べてはいけないものは?

A. 膀胱結石の犬は、食生活を整えてあげる必要があります。

 

たとえばストルバイト結石の場合、尿を弱酸性化するにはマグネシウムやリン、タンパク質の制限が効果的です。

そのため、

  • 肉類
  • 魚介類
  • 大豆製品
  • 乳製品

などの与え方に注意しましょう。

 

一方、シュウ酸カルシウム結石の犬は尿中のシュウ酸を減らす必要があります。

  • ほうれん草
  • さつまいも
  • レタス
  • ブロッコリー
  • ナス
  • ナッツ類

などの食品は与えないようにしてください。

 

Q. 膀胱結石の犬におやつを与えても良い?

A. 膀胱結石の犬におやつを与えるときは、膀胱結石に配慮した、体に負担の少ないおやつを選ぶ必要があります。

 

特に、ジャーキーやささみなどのおやつは、結石の原因になりやすいため避けてください。かかりつけの獣医師に確認しながら、愛犬の状態に合ったものを与えるようにしましょう。

犬の膀胱結石の予防法

犬の膀胱結石の予防には、

  • 食事管理
  • サプリメントの利用
  • 飲水量を増やす

などの対策がおすすめです。

 

肥満の犬は膀胱結石ができやすいため、普段から食事量の調整や適度な運動で、適正体重を維持させるよう心がけましょう。尿トラブルの手助けとして、サプリメントを利用するのもおすすめです。

 

また、膀胱結石の予防には、しっかりと水分を摂取して尿の量を増やすことも欠かせません。水飲み場を増やす、ドライフードに水を加える、愛犬好みの水の温度にしておくなどして飲水量を確保するようにしましょう。

犬の膀胱結石はペット保険で補償される?

ペット保険で膀胱結石は補償対象?

犬の膀胱結石や尿石症は、多くのペット保険で補償対象です。

膀胱結石は、その大きさや種類によって手術や入院が必要となることも少なくありません。症状や治療期間によっては高額になる可能性もあります。

また、再発率も高いため、何度も膀胱結石ができると年間診療費もかなりの金額になるでしょう。

こうした治療費の備えとして、ペット保険に加入するのもおすすめです。

なお、補償内容は各会社によって異なるため、加入を検討する場合は気になったペット保険の補償内容や補償割合について資料請求してみましょう。

 

ファイナンシャルプランナーのアドバイス

~ペット保険に加入するタイミングはいつが良い?~ペット保険は、健康なうちに加入すると良いでしょう。病気を発症してからだと、ペット保険への加入時にある審査で落ちてしまう可能性が高くなります。膀胱結石を含む尿石症の好発年齢は2歳〜10歳といわれ、年をとるほど犬も病気のリスクが高くなります。加入前に尿石症を患った場合は補償の対象外になる場合もあるため、診療費に不安を感じるなら2歳より前に加入しておくことをおすすめします。

まとめ│犬の膀胱結石は多くのペット保険で補償対象!

膀胱結石についてまとめると、以下のとおりです。

  • 犬はストルバイトかシュウ酸カルシウム結石が多い
  • 主な原因は細菌感染や水分不足、肥満などさまざま
  • 種類によっては食事療法で溶かせる
  • 結石で尿路閉塞を起こすと命に関わる

尿道閉塞や腎機能の低下などを起こすおそれがあるため、愛犬に異変がみられる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。予防には、生活環境だけでなく、定期的な健康診断も大切です。

 

※動物病院は自由診療のため、医療費が高額になる可能性があります。
ペット保険に加入していなければ、全額を自己負担で支払わなければなりません。
万が一の備えとしてペット保険に加入しておくと安心です。
また保険選びで迷われている方は、ペット保険の保険料や条件を一括比較できる「人気ペット保険おすすめランキング」もご覧ください。

木内比奈子
この記事の監修者 木内 比奈子
ファイナンシャルプランナー。少額短期保険募集人、損害保険募集人。大学卒業後、保険代理店勤務を経て、ペット保険の重要さを感じ資格を取得。北海道犬と14年間、ヨークシャー・テリアと5年間暮らした経験を活かして、おもにペットやペット保険に関する記事を執筆、監修。ペットとの楽しい暮らしをサポートするため、正しく役に立つ情報を発信していきます。

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