犬の花粉症はアレルギー疾患のひとつであり、春〜夏だけでなく秋にも注意が必要です。
くしゃみなどの一般的によくみられる症状が多いため、うっかり見過ごさないように注意しましょう。
この記事では、犬の花粉症の特徴や今日からできる花粉対策についても紹介しますので、最後までチェックしてみてください。
- 犬もくしゃみや咳をしたら花粉症?
- 犬の花粉症はどんな症状が多い?
- 犬が花粉症になりやすい時期は?
- 花粉症になりやすい犬はいる?
- 【獣医師解説】犬が花粉症でも散歩はできる?
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犬も花粉症になるの?人間と違う点は?
犬も人間と同じように花粉症になることがあります。ただし、症状が少し異なるため花粉症だとは気づきにくいかもしれません。
人間の花粉症は鼻水やくしゃみ、鼻詰まりといった鼻の症状、目のかゆみ、充血などが多くみられます。
対して犬の花粉症は、皮膚のかゆみや赤み、発疹、フケなどの皮膚の症状がメインです。
もし愛犬が体を頻繁に掻いたり舐めたりしているときには、早めに動物病院を受診しましょう。
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犬が花粉症になる時期やアレルゲン
一般的に花粉症のピークは春〜夏のイメージが強いかもしれませんが、実は秋にも花粉症の原因となるアレルゲンがあります。
季節ごとのおもなアレルゲンは以下のとおりです。
春(2~5月ごろ) | スギ、ヒノキ、シラカバ |
夏(5~10月ごろ) | イネ科(ホソムギ、ギョウギシバなど) |
秋(8~11月ごろ) | キク科(ブタクサ、ヨモギなど) |
花粉症の原因として有名なスギ花粉は春先に多く飛散している一方で、秋にはブタクサやヨモギなどのキク科植物の花粉がアレルゲンとなるケースがあります。
犬の花粉症のよくある症状は?
ここでは、犬の花粉症でよくみられる症状について解説していきます。
くしゃみ・咳
くしゃみや咳は犬の花粉症でみられる症状のひとつですが、花粉を吸い込んだときに異物を排除するための一時的な反応として出ることが多いようです。
人間のように長期間続くことは少なく、まったくみられないケースもあります。
くしゃみや咳が続く場合にはほかの疾患が隠れているかもしれないため、心配な場合には動物病院で相談してみましょう。
目やに・充血
犬の花粉症では、目やにや目の充血などの結膜炎症状がみられることはほとんどありません。目そのものの症状よりも、目の周りの皮膚をかゆがったり赤くなったりするケースが多いようです。
常に目に涙が溜まってうるうるしていたり、目をしょぼしょぼさせていたりするときには、ほかの目の病気を疑ってみても良いかもしれません。
鼻水・鼻づまり
花粉症といえば鼻炎の症状が思い浮かぶ方が多いかもしれませんが、犬の花粉症では鼻水や鼻づまりなどの症状がみられることはまれです。ただしくしゃみや咳と同様に、花粉を吸い込んだときの一時的な反応としてみられることがあります。
皮膚のかゆみ・炎症
犬の花粉症の主な症状は、皮膚のかゆみや炎症などの皮膚炎症状です。
- 体を頻繁に掻いている
- 体をしつこく舐める
- 皮膚に発疹がある
- 皮膚や被毛がベタついている
- 目の周りや耳をかゆがっている
- 脱毛がみられる
これらの症状が続くときには、花粉症の可能性も疑いましょう。
花粉症になりやすい犬種や特徴とは?
花粉症を発症しやすいおもな犬種は以下のとおりです。
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- 柴犬
- シー・ズー
- フレンチ・ブルドッグ
- パグ
- ダルメシアン
- ゴールデン・レトリーバー
花粉症の程度には個体差があり、上記以外の犬種でも花粉症になることがあります。花粉の時期に症状が見られる際には動物病院を受診しましょう。
犬の花粉症の検査とは?治療には薬が有効?
動物病院で行われる犬の花粉症の検査と治療の方法について解説します。
犬の花粉症の検査方法
犬が花粉症かどうかを調べるときには、採血によるアレルギー検査を行います。血液検査だけでわかることがほとんどなので、犬に大きな負担がかかることはありません。
花粉症の症状はほかの感染症やアレルギー疾患にもよく似ているため、症状だけで花粉症の確定診断をすることは困難といえます。検査によって原因を特定し、最適な治療を行うことが大切です。
犬の花粉症の治療方法
花粉症の治療では、主に内服薬や塗り薬を処方して花粉症の症状を抑えるための対症療法が行われます。花粉症の症状が出る時期がわかっている場合には、前もって予防的に薬を飲ませ始めるケースもあるようです。
また、アレルギー体質を根本的に治療していく方法として「減感作療法」があり、欧米では主流となっています。減感作療法は実施できる動物病院が限られているため、気になる方は獣医師にご相談ください。
【獣医師アドバイス】犬の花粉症は食べ物にも注意?
花粉症をもっている場合には、一見花粉と関係がなさそうな食べ物であっても交差反応(アレルギー反応)が起こるリスクがあります。
交差反応とは、異なるアレルゲンでも同じ形状の部分があるとそこに抗体が結合して反応してしまう現象です。交差反応が起こる食べ物を摂取した際には、唇が腫れたり口腔内にアレルギー症状が出たりすることがあります。
特に気をつけたい食べ物は以下のとおりです。
- りんご
- 桃
- さくらんぼ
- スイカ
- メロン
- にんじん
上記は一例なので、詳しくはかかりつけの動物病院に確認してみてください。
犬の花粉症を軽減したい!今日からできる対策を紹介!
「どうにかして愛犬の花粉症を軽減してあげたい!」
「散歩に行きたがっているけど、外の花粉が気になる…」
そんなときに今日から始められる花粉症対策をご紹介します。
散歩に行く時間やルートを工夫する
犬の花粉症対策で一番有効な方法は、花粉との接触をなるべく避けることです。
以下のような日には花粉が飛散しやすいため、散歩のタイミングをずらしてあげると良いでしょう。
- 気温が高い日
- 湿度が低い日
- 風が強い日
- 雨の翌日に晴れた日
気象条件にも左右されますが、特に昼前後や夕方6時前後には花粉が多く飛散しやすい傾向があるようです。
また、草むらを避けて歩くことも花粉症の対策になるので、散歩ルートも工夫してあげましょう。
【獣医師アドバイス】犬が花粉症でも散歩はしてもいい?
花粉の多い時期、愛犬が花粉症だからといってお散歩に行かないわけにも…とお悩みの飼い主さまも多いのではないでしょうか。
犬にとってお散歩は、運動欲求を満たしストレスを発散する大切な時間です。そのため、なるべく花粉と接触しない工夫をしながらお散歩に行くか、花粉が多そうな日には室内で体を使って遊べるようにしてあげるのがおすすめです。
また、室内に花粉を持ち込まない工夫も大切ですが、さらに空気清浄機を設置しておくとより快適な空間を保ちやすいでしょう。
服を着せることも検討する
お散歩の際に愛犬に服を着せることで、直接被毛に花粉がつきにくくなります。特に静電気防止加工がされている服を選ぶと、より花粉が付着しにくいので花粉症対策に有効です。
また、お散歩後には外で服を脱がせてから家に入ると花粉を持ち込まずに済みます。
帰ったら体の花粉を落として持ち込まない
お散歩後にはできるだけ屋外で濡れタオルなどを使って愛犬の足や体を拭き、付着している花粉を落としましょう。帰宅後のシャンプーやブラッシングなどのスキンケアも有効です。
花粉症の症状が出やすい顔周りも忘れずに拭いてあげるようにしてください。
また、家に入る前に飼い主さまの服に付着している花粉を払い落としておくことも大切です。花粉をなるべく室内に持ち込まないように、細心の注意を払いましょう。
こまめに被毛ケアを行う
こまめな被毛ケアも花粉症対策に有効です。ブラッシングの際にグルーミングスプレーを使ったり、静電気を防止する効果のあるシャンプーや保湿剤を使ったりするのも良いでしょう。
ただし、シャンプーの頻度が多すぎるとかえって皮膚や被毛の状態が悪くなってしまうこともあります。花粉症の症状に応じて、適切な被毛ケアを選ぶようにしてください。
お部屋をきれいに保つ
花粉が室内に入り込むと、30~40分ほど空中を浮遊して床に落ちるといわれています。床面には多くの花粉が溜まっているため、床で生活している愛犬のためにも適切な方法でこまめに掃除を行いましょう。
いきなり掃除機をかけたり窓を開けて空気の流れを作ったりすると、床に溜まっていた花粉を巻き上げてしまい逆効果になります。花粉を除去するには、ウェットタイプのフローリングワイパーを使って掃除をするのもおすすめです。
まとめ│犬も花粉症になる!気になったら動物病院へ!
今回は犬の花粉症について解説しました。重要なポイントは以下のとおりです。
- 主な症状は皮膚の症状(かゆみ、赤み、発疹など)
- 春〜夏だけでなく秋も要注意
- 交差反応が起こるほかの食べ物にも注意
- 一番の対策は花粉との接触を避けること
気になる症状がある場合には、早めに動物病院を受診して相談しておくと安心でしょう。
この記事でご紹介した対策を実践しながら、ぜひ愛犬と一緒に快適に過ごしてください。
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