サイレントニャーって何?
いま猫好きの間で密かに話題になっている「サイレントニャー」。
「いったい何のことだ?」と思われる方も多いでしょう。サイレントニャーとは、猫が口を開けて「ニャー」と鳴くしぐさを見せているのに、人間には、なぜか音が聞こえない、なのに鳴いているという不思議な現象です。これは決して鳴き真似ではありません。当の猫は真剣に鳴き声で訴えているつもりなのです。
サイレントニャーの意味
あいさつしている
サイレントニャーの意味のひとつは、あいさつです。猫は本来それぞれに縄張りをもち、犬のような明確な上下関係の概念がないので、あまりあいさつをする動物ではありません。それでも親子や兄弟、同居猫に対しては、良好な関係を築く目的で、あいさつが欠かせません。
サイレントニャーはあいさつであると同時に、「あなたと仲良くしたい」というメッセージが込められているのです。
コミュニケーションの手段
サイレントニャーは、コミュニケーションの手段でもあります。猫は気まぐれな性格で他者に媚びることはないと言われています。ですが、人間と暮らす間に少しずつ協調性が身につき、自分をアピールすることを覚えていきます。
なぜなら、猫は人間からご飯をもらうためには、「私はここにいるよ」「お行儀良くしてるから何かちょうだい」とアピールする必要があるからです。つまり猫は、サイレントニャーによって自分の存在をアピールし、飼い主さんとコミュニケーションを取ろうとしているのです。
甘えたい
サイレントニャーは子猫が母猫に甘えるときによく行うしぐさです。子猫があえて普段と違う鳴き方をするのは、母猫の気を引くためです。
信頼の証
飼い主さんに向かってサイレントニャーを行うのは、母猫のように慕っているからです。気兼ねなく甘えられる信頼の証と言えます。なぜなら、本当に心を許している相手にしかサイレントニャーを行わないからです。
猫は、気まぐれで何を考えているかがわからないというイメージをもたれがちですが、仕草や鳴き声からそのときの気持ちを読み取ることができます。信頼している飼い主さんに向かってサイレントニャーを行う愛猫の気持ちを察してあげましょう。
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サイレントニャーのメカニズム
猫はちゃんと発声している
口は動かしているのに、なぜか声は聞こえない不思議なサイレントニャーですが、そのメカニズムは単純です。実は人間には声が聞き取れないだけで、猫はちゃんと発声しているのです。鳴いているのに聞こえないとは何とも不思議です。
猫は高音域の聞き取りが得意
これは、猫が人間には聞き取れない高音域を使用しているためです。猫の耳はとっても高性能で、人間の8倍、犬の2倍もの聴覚を有しています。特に、高音域の聞き取りが得意で、人間は約20kHZまでの音域しか聞き取れませんが、猫は約60~65kHZまでの音域を聞き取ることができます。
人間には聞こえないだけ
サイレントニャーが鳴き真似に見えるのは、猫が人間には聞こえない高音域を使って「ニャーニャー」鳴いているからと考えられています。なぜ猫は、わざわざ普段使わないような高い声で鳴く必要があるのでしょうか?
その理由は猫にしかわかりませんが、鳴き声を外敵に聴かれることで、自分の居場所を知らせるのを防ぐためではないかと考えられています。高音域の鳴き声なら仲良しの猫や親しくしたい猫の耳にちゃんと届きますから、猫にとって不便はありません。
サイレントニャーはこんな猫が行う
サイレントニャーは、すべての猫が行うわけではありません。
甘えん坊な子猫
子猫は母猫に甘える目的でよくサイレントニャーを行います。成猫のように動き回ることのできない子猫にとって、サイレントニャーは母猫に甘える数少ない手段です。また、先述したとおり、子猫のサイレントニャーには母猫の気を引く目的があります。
猫は多産であり、多くは3~5匹同時に育てます。5匹もいると母猫はなかなかすべての猫に目が届きません。そのため、子猫はお乳をもらうためにサイレントニャーで母猫の気を引いているのです。
同じように子猫気分から抜け出せない甘えん坊な猫も、母猫に甘えるように飼い主さんに向かってサイレントニャーを行うことがあります。
メス猫
オスは普段から大きな鳴き声を出す傾向にありますが、メスは控えめで比較的声が小さいので、サイレントニャーを行うことがあります。
小柄な猫
スレンダーで体の小さな猫ほどサイレントニャーを行う傾向にあります。これは体が小さいために、堂々と周囲に聞こえる声で鳴くことができず、警戒心から無意識のうちに高音域で鳴いていることが考えられます。
サイレントニャーに対してどう接したら良いのか
穏やかに接する
サイレントニャーは決して声が枯れているわけでも、喉に異常があるわけでもありません。
猫にとっては普通に鳴いているつもりなので、「どうして声が出ないの?」と騒ぎ立てずに落ち着いて穏やかに接しましょう。飼い主さんが動揺すると、「何か怖いことがあるのでは?」と猫が不安になって落ち着かなくなります。
やさしく頭をなでてあげる
猫が飼い主さんの前でサイレントニャーを行うのは、自分の存在をアピールして甘えたいからです。飼い主さんを母猫のように慕っていることの表れでもあります。不安や恐怖を感じて、警戒心から高音域を使っているのかもしれません。
愛猫がサイレントニャーを行うときは、「大丈夫だよ、怖くないよ」とやさしく頭をなでて、そばに寄り添ってあげましょう。
抱き上げたり膝に乗せる
頭をなでて愛猫が落ち着いたら、次はスキンシップを行いましょう。やさしく抱き上げたり膝に乗せたりすると、猫は不安や恐怖を感じることなくリラックスできます。
スキンシップはコミュニケーションの手段でもあり、猫との距離を縮めることにつながりますから、甘えてきたときは積極的に行いましょう。
食事を用意する
猫が飼い主さんにサイレントニャーを行うのは、ただ甘えたいからだけではありません。時間帯によってはもっと切実な目的があります。それは生きていくために不可欠な食事です。飼い猫がご飯をもらう相手は飼い主さんだけです。
朝や夕方に飼い主さんの前に来てサイレントニャーを行うときは、「そろそろご飯かな」と時計を見る習慣を身につけましょう。そして、早めに猫の食事を用意してあげてください。
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