シンガプーラは、スマートな見た目とシルクのような毛並みが魅力的です。気品を感じられる佇まいから、ペットショップでも人気があります。迎え入れようと考えるなら、寿命やお世話の仕方などを理解しておきたいですよね。
この記事では、シンガプーラとの生活に役立つポイントを詳しく解説します。飼い方やお世話の方法をチェックして、快適な環境を準備しましょう。
- シンガプーラの歴史や特徴・性格
- シンガプーラの気をつけるべき病気
- シンガプーラの飼い方と長生きのためのポイント
- シンガプーラのお世話ポイント
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シンガプーラの平均寿命
シンガプーラの平均寿命は10〜15年とされています。猫の平均寿命は15年程度ですから、健康管理を適切に行えば、同じくらい長生きするということです。シンガプーラの年齢を人間に例えると、以下のようになります。
シンガプーラの年齢換算表
シンガプーラの年齢 |
人間での年齢 |
生後0〜6か月 |
0〜10歳 |
生後7か月〜2歳 |
12〜24歳 |
3〜6歳 |
28〜40歳 |
7〜10歳 |
44〜56歳 |
11〜14歳 |
60〜72歳 |
15〜25歳 |
76〜116歳 |
日本でこれまで確認されているシンガプーラの最高寿命は21歳です。
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ペットショップでも大人気!シンガプーラの歴史
かわいらしさの中にどこか謎めいた印象もある、ペットショップで人気のシンガプーラの歴史についてみていきましょう。
シンガポール土着の猫が起源
シンガプーラは自然発生の猫であり、いつ生まれたのか定かではありません。シンガポールに古くから住み着いていた猫であり、ときどき見かけるものの特に気に留められることのない存在でした。
1972年、「大きな瞳をもつセピア色の猫がいる」と聞いたアメリカ人の愛猫家メドゥ夫妻は、仕事で東南アジアに赴任中にシンガポールを訪れます。街中で小さなセピア色の猫を見つけたメドゥ夫妻は、滞在先に連れて帰り一緒に暮らし始めます。
1975年、赴任を終えた夫婦は、シンガポールで見つけた5匹の猫と共に帰国したことでアメリカに渡りました。
夫婦がアメリカに連れて帰った小さな猫は、「シンガプーラ」と名付けられ、美しい毛色と人懐っこさから多くの人を魅了したといわれています。
世界一小さな猫種として認められている
アメリカに帰国したメドゥ夫婦は、さっそくシンガプーラの繁殖を始めます。育種は順調に進み、6〜7年という異例の速さで新しい猫種として登録が認められました。
1979年には国際的な血統登録団体である「TICA」に、1982年には「CFA(アメリカ猫愛好家協会)」に公認されています。正式に猫種として認められたシンガプーラは、世界一小さな猫種として広く知られる存在になりました。
地元のシンガポールでシンガプーラは観光マスコットに認定され、マレー語のクチン(猫)とチンタ(愛)から、「クチンタ(愛猫)」という愛称で親しまれています。
シンガプーラの特徴
惹きつけられるポイントである、シンガプーラの特徴について紹介します。
体は華奢で小さいが筋肉質
シンガプーラは、純血種としては世界一小さな猫種です。成長しても3kg程度にしかならず、一般的な猫よりもひと回り以上小さいため、華奢な印象を与えます。
だからといって弱々しくはなく、体つきは筋肉質でほどよく引き締まっているところが特徴です。小さくても無駄な贅肉がつきにくいため、健康的でシャープな印象になります。
細く短い毛はシルクのような手触り
熱帯のシンガポールに暮らしていたシンガプーラの被毛は細く短く、体に沿うように密着して生えています。硬さはなくシルクのようなやわらかな手触りです。
大きな耳と目の色
シンガプーラの頭は丸く、大きな目と耳が印象的です。耳は先端が尖っていて、付け根は幅広で深いカップ型をしています。
また、アイラインを引いたようなぱっちりした目力の強さが印象的です。色はヘーゼル、グリーン、イエローのいずれかで輝きがあります。
シンガプーラのサイズ(体重と体高)
世界最小の猫種であるシンガプーラの成猫の体重はオスが2〜3.5kg、メスは2〜3kgと軽量です。また、体高は25cmしかありません。
シンガプーラの毛色
シンガプーラの毛は1本に数色の毛色があり、地色はオールドアイボリー、毛の先端はアグーチセピアと呼ばれる淡い茶色です。
アビシニアンとの違い
シンガプーラとアビシニアンはよく似ているため、よく間違われます。容姿こそ似ていますが性格は異なり、目や毛色なども違う猫種です。シンガプーラは神経質で慎重なところがあります。
一方アビシニアンは、活発で人懐っこい性格で、誰とでもどの動物とでも仲良くなれる性格です。
アビシニアンの目はシンガプーラのシャープな形とは少し異なり、丸みのあるアーモンド型をしています。また、目の色はグリーンとゴールドです。最も見分けやすいポイントは毛色です。
シンガプーラはセピアのみですが、アビシニアンはレッド、ブルー、ルディ、フォーンの4種類が認められています。
シンガプーラの飼いやすさは?どんな性格?
シンガプーラは初めて猫を飼いたい方でも迎えやすいのか、内面的な部分をみていきましょう。
やさしく甘えん坊
シンガプーラは、おとなしく甘えん坊な性格です。飼い主さまの言うことをよく聞くので、しつけやすいでしょう。
慎重な性格のため、最初は距離をとることもありますが、慣れると人懐っこさもあります。信頼できる飼い主さまが側にいると、初対面の人にも早く慣れ懐きます。ほかの猫とも打ち解けられるため、多頭飼いも可能です。
やんちゃで活発な一面も
シンガプーラは「小さな暴れん坊」という異名をもち、やんちゃで活発、好奇心旺盛な性質をもちあわせています。じっとしていることが少なく、小さな体で元気に動き回る姿に驚かされるでしょう。
また、高い場所に飛び乗るのが大好きです。小さな体を活かして人の肩にピョンと飛び乗ることもあります。とはいえ、体が小さく鳴き声が小さいので、物を壊したり大騒ぎしたりすることはほとんどありません。
シンガプーラのかかりやすい病気
シンガプーラには以下4つのかかりやすい病気があります。兆候などの変化を見逃さないようにしましょう。
ピルビン酸キナーゼ欠損症
シンガプーラは近年の遺伝子研究によって、遺伝性疾患が多いことがわかっています。その中でも特に発症リスクが高いとされているのが「ピルビン酸キナーゼ欠損症」です。
この病気は赤血球上のピルビン酸キナーゼという酵素が不足することで、貧血状態に陥ります。動こうとしない、食欲がない、足取りが重いなどの貧血と思われる異変を発見したら安静にさせましょう。
遺伝性の疾患に予防法はありません。しかし、遺伝子検査によって発症リスクが高いか確認することは可能です。治療法もないため、発症した場合は対症療法を行います。
肥大型心筋症
心臓の筋肉が厚くなる「肥大型心筋症」もシンガプーラに多い病気です。血流が滞って血栓ができやすくなり、足が麻痺することもあります。発症した場合は、心臓機能を高める薬や血液をサラサラにする薬を投与することで症状をコントロールします。
肥大型心筋症も同じく予防法はありません。発症した場合は進行を遅らせる目的での治療法のみです。場合によっては危険な状態になるケースもあるため、飼い主さまは早期発見に努めます。定期検診を受けて、症状を見逃さないようにしましょう。
ストレス性疾患
シンガプーラは神経質なところがありストレスを感じやすいため、ストレスが原因による疾患には注意が必要です。ストレスの度合いによっては次の症状が起こりやすくなります。
- 不安症
- 攻撃症
- 肥満症
- 常同症
- 皮膚炎
ストレスによる皮膚炎は、次で紹介する皮膚疾患とは原因が異なるものです。
これらは予防できる病気のため、原因を追求して取り除いてあげましょう。適度にスキンシップをとってストレスを解消してあげる、寂しがり屋なら留守番を最小限にするなど、なるべくストレスがかからない環境に整えてあげるのが大切です。
皮膚疾患
暖房設備の使い方や季節によっては、乾燥により皮膚疾患を起こすことがあります。室内の湿度には一年中気を配りましょう。乾燥しやすい冬場は、加湿器を利用したり乾燥しにくい床暖房を取り入れたりするのがおすすめです。
また、暖房設備から排出されるカビ菌によって、皮膚疾患を引き起こすこともあります。暖房設備は定期的に掃除して、カビの繁殖を防ぎましょう。
皮膚疾患を早期発見するためには、定期的なブラッシングが有効です。ブラッシングでは毛並みや汚れ具合だけでなく、皮膚の状態も確認しましょう。
シンガプーラの飼い方
シンガプーラが快適に過ごせる飼い方を紹介します。
自由に移動できるように工夫する
シンガプーラの運動量はそれほど多くありませんが、活発に動き回ります。できるだけ部屋を閉め切らず、家の中で自由に移動できるように工夫しましょう。
障害物にぶつかってケガしないように、使わない家電製品や家具は片付けます。猫専用の部屋を用意したり、部屋を自由に出入りできる猫用の入り口を設けたりするといいでしょう。可能なら、ドアは開けたままにしておくのがおすすめです。
また、好奇心旺盛なシンガプーラは、お風呂場でもトイレでも構わず入ろうとします。事故防止のために浴槽の水は抜いておきましょう。このほか、洗濯中はグルグル回る水の動きを面白がって、洗濯層に飛び込むことがあるので目を離してはいけません。
静かな環境を用意する
シンガプーラは騒がしい場所が苦手です。話し声、車や工事などの騒音が大きい環境ではストレスがたまります。防音対策を行うなどして静かな環境を用意しましょう。
また、明るすぎる環境もストレスになります。全部屋の明かりを落とす必要はありませんが、一室を暗めにして落ち着ける場所を用意してあげましょう。ベッドは窓のない端に設置するのがおすすめです。
小さな子どもがいる家庭では、子どもが遊ぶ部屋と猫が過ごす部屋を分けるといいでしょう。
寒さ対策をしっかり行う
シンガプーラは1年を通して温暖な気候のシンガポールで暮らしていた猫のため、寒さは苦手です。薄い被毛では真冬の低温に耐えられません。
冬場は室温を22℃以上に保ちましょう。特に子猫は寒さに弱いため、寝床に毛布を敷いて寒さから守ります。
シンガプーラと長く過ごすためには
シンガプーラが健康的に長く過ごすために、心がけるべきポイントを紹介します。
食事に気を配る
シンガプーラが毎日食べるご飯は、タウリンが含まれた高タンパクなものがおすすめです。猫は体内でタウリンを合成できません。タウリンは尿路結石の予防や健康的な体の維持にもつながる栄養素であり、タウリンが不足すると、心臓や目の病気などにもかかりやすくなります。
タウリン以外にも、低アレルゲンであるかやミネラルバランスもチェックしましょう。さらに、皮膚をケアする食材が使用されていると安心です。
健康診断を受ける
若くて見た目が元気でも、定期的に健康診断を受けましょう。見えない病気が隠れていることもあります。
健康診断を受けると、病気の早期発見につながるだけでなく、健康を維持するためのアドバイスをもらえるでしょう。
ストレスをためさせないよう工夫する
シンガプーラはストレスに弱いため、飼い主さまはストレスをためさせないように努めます。毎日コミュニケーションを欠かさず、お気に入りのおもちゃを準備しましょう。
室内でも積極的に体を動かせるように、上下運動できるキャットタワーの設置もおすすめです。
ただし、安全に動き回れるよう、ハサミなどの尖ったものや食べると危険なものは隠しておきましょう。
また、甘えん坊の子にとって長時間の留守番はストレスになります。定期的な留守番が必要な環境なら、分離不安症にならないように気をつけましょう。普段から過剰にかまわない、声をかけずにそっと外出するなどを心がけます。
シンガプーラのお世話
シンガプーラに必要なお世話のポイントを紹介します。
週2回のブラッシングと爪切り
シンガプーラは抜け毛が少ないため、ブラッシングは週2回程度にしましょう。頻回のブラッシングは皮膚を傷める可能性があります。爪切りもストレスにならない頻度で行いますが、苦手な子には爪研ぎを設置してあげましょう。爪切りの頻度を減らせます。
抜け毛が増える換毛期のシャンプー
シャンプーは春秋の換毛期に行う程度で構いません。猫は自分でグルーミングを行うため、犬のように定期的なシャンプーは不要です。
シンガプーラの値段の相場
シンガプーラの価格相場は約30万円です。ただし、ペットショップやブリーダーなどどこから購入するか、購入時期などによって変動します。
まとめ|シンガプーラは遊びに夢中で付き合える人におすすめ
シンガプーラの平均寿命は10〜15年です。この期間を楽しく快適に過ごしてもらうためには、食事の内容やストレスによる負荷に気を配りましょう。
甘えん坊でやんちゃなシンガプーラには、留守が少ないファミリーや遊びを積極的に付き合える人がおすすめです。健康に過ごせる環境を整えてお迎えしましょう。
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