猫のフケが増えて気になったことはあるでしょうか?健康な猫もフケは出ますが、あまりにもフケが多い場合、何か病気やストレスなどの原因がある可能性もあります。
この記事では、猫のフケが増える原因や疑われる病気、家庭内での対処法や、動物病院での診療内容などについて、獣医師の平松育子先生監修のもと解説します。
猫のフケの原因とは何か?
―フケっていったい何なんでしょうか。
フケは、白色あるいは銀白色の角質が剥がれ落ちたものです。猫の皮膚には約3週間のサイクルで新しく生まれ変わるターンオーバー(新陳代謝)という機能が備わっています。ターンオーバーの際には古くなった角質が皮膚の奥から押し出され、剥がれ落ちます。この剥がれ落ちた角質のことを一般的にフケと呼びます。そのため、フケは健康な猫でも発生しますが、通常は少量であまり目立ちません。
―猫のフケが増えたように感じたら、どんな原因が考えられますか。
乾燥
冬のように空気が乾燥している時期は、人間と同じく猫も皮膚が乾燥し、フケがいつもより多く出ます。フケの原因が乾燥の場合、加湿器で部屋の湿度を上げたり、保湿剤を使ったりすれば改善するでしょう。
毛繕いがうまくできない
肥満の猫や口内炎を患っている猫の場合は、毛繕いをうまくできなくなり、フケが多く出ているように見える場合があります。そのようなときは、ブラッシングを定期的に行い、猫のフケを取り除いてあげましょう。
栄養不足やフードが合わない
体調不良が原因で満足に食事がとれなかったり、食べているキャットフードが合わない場合、栄養状態が悪化し、毛並みが悪くなったり、フケが多く出たりする場合があります。
ストレス
猫は環境の変化などで強いストレスを感じると、フケや抜け毛が多くなる場合があります。
老化
老化による代謝の低下や毛繕いの不足により、猫のフケが多く出る場合があります。
フケそのものは病気ではありませんが、上述したもの以外に猫のフケが増えるとしたら、何らかの病気の可能性があります。
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猫のフケが増えた場合に疑われる病気について
―猫のフケが増える病気について教えてください。
フケが増える病気としては皮膚炎が考えられます。ここでは、猫で多い皮膚炎について説明します。
アレルギー性皮膚炎
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミアレルギー性皮膚炎は、猫ノミの唾液中に含まれる抗原に対する免疫反応が原因で引き起こされます。何度もノミが寄生するとノミの抗原による感作(異物を排除しようとする免疫機能が働く状態)が成立し、再度ノミの寄生を受けるとアレルギー反応が成立します。フケのほか、猫の腰やしっぽの辺りの皮膚に大き目の発疹やかゆみや脱毛などが見られます。
アトピー 性皮膚炎
猫のアトピー性皮膚炎は、そのほかの皮膚炎が除外された場合に診断される場合があります。生後半年から2歳くらいまでの比較的若い時期に発症することが多い病気です。フケのほか、皮膚のかゆみや脱毛などが多く見られ、患部は、頭部や首、耳、胸、下腹部、大腿部に認められます。
食物アレルギー
食物アレルギーを患っていると、アレルゲンとなる食べ物を食べると強烈な痒みが起こります。フケ、皮膚のかゆみ、赤み、脱毛などがよく見られ、これらの症状は頭部・頸部のみの場合もあれば、まれに全身に認められる場合もあります。
感染性皮膚炎
膿皮症
膿皮症は、皮膚に傷が付ついたときや抵抗力が落ちているとき、不衛生な環境にさらされたときなどに、皮膚表面に常在するブドウ球菌が皮膚に進入して発症する感染症です。皮膚症状の多くは体幹に見られ、主な症状として、フケの増加やかさぶた、脱毛、膿瘍などが挙げられます。予防は、日ごろから皮膚や毛の手入れを行い、清潔に保つことです。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症はカビの仲間である糸状菌が皮膚に感染し、引き起こされる病気です、猫だけでなくあらゆる動物に感染し、人に感染する可能性もあります。感染動物との接触や菌に汚染されたほこりなどから感染します。主な症状は、フケのほかや脱毛、かさぶた、皮膚の赤みなどが挙げられます。予防は、飼育環境を清潔に保ち、保菌動物や菌に汚染された環境への接触を避けることです。
疥癬
疥癬(かいせん)はネコショウセンコウヒゼンダニの感染により引き起こされます。かゆみを伴う皮膚炎を起こし、フケも伴います。
猫のフケで気になる症状と動物病院に連れて行くタイミング
―動物病院を受診すべきタイミングについて教えてください。
猫に次のような症状が見られたら、早めに動物病院に行きましょう。
- フケが増えた
- 皮膚が赤い
- 脱毛
- 皮膚をかゆがる
- かさぶたがある
- ノミがいる
猫のフケが増えた場合の家庭内での対処
―猫のフケが増えた、気になるようなら、自宅でどのように対処すればいいのでしょうか?
上記で挙げた病気を原因として猫のフケが増えるようであれば、動物病院を受診してください。ここでは、日ごろのケアとして紹介します。
ブラッシング
猫にフケが多いと感じたら、週2、3回はブラッシングをしてあげましょう。ブラッシングの際にはやさしくブラシを当ててください。強くブラシを当てると皮膚が傷つき、フケが増えてしまったり皮膚病になってしまったりするおそれがあります。
シャンプー
猫の多くはシャンプーを嫌がり、うまくできません。嫌がらないのであれば、動物病院で相談し、薬用のシャンプーを使うといいでしょう。
保湿
猫のフケの原因が乾燥であれば、保湿剤も有効です。皮膚に塗るタイプやスプレータイプのものもあるため、使いやすいものを選ぶといいでしょう。
食事
スキンケア用の療法食を猫に与えると、皮膚の状態が良くなり、フケが減る場合があります。また、食物アレルギーが原因の場合は、アレルギー物質が含まれない療法食も有効です。
ストレス軽減
ストレスによる皮膚症状の場合は、ストレスの要因を取り除きましょう。トイレや水飲み場、人の出入りなど、猫のストレスの要因になりうるものを確認してください。
猫のフケが増えた場合の診療内容とかかる治療費
猫のフケの診療内容
まずは一般的な身体検査や問診を行います。
感染症が疑われる場合
皮膚症状が出ている部分の組織をセロテープで取り、顕微鏡検査をする場合があります。顕微鏡検査では細菌数や糸状菌の確認を行います。
アレルギー性皮膚炎が疑われる場合
アレルギー検査や食事療法を勧められる可能性があります。かゆみがひどい場合は、かゆみ止めの内服や注射を行う場合もあります。
感染性皮膚炎の場合
抗菌薬や抗真菌薬、駆虫薬を使用します。症状が局所的であれば外用薬を、全身に広がっていれば内服薬を使用します。
猫のフケの治療費例
ここでは、猫のフケが増えた場合の治療費として、疥癬症を例に紹介します。
- 治療期間:1か月
- 通院日数:2日
- 入院日数:0日
- 手術回数:0回
- 治療費 :5,000円
※上記の診察内容や期間、治療費は、一般的な成猫を基にした一例であり、全国の平均や水準を示すものではありません。また、体格や病状、動物病院によって異なりますのでご了承ください。
- イヌ
- ネコ
- 血統種
- ミックス
-
- 0歳
- 1歳
- 2歳
- 3歳
- 4歳
- 5歳
- 6歳
- 7歳
- 8歳
- 9歳
- 10歳
- 11歳
- 12歳
- 13歳
- 14歳
- 15歳
- 16歳
-
- トイ・プードル
- 秋田
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ゴールデン・レトリーバー
- シー・ズー
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- ジャック・ラッセル・テリア
- チワワ
- パグ
- パピヨン
- ビーグル
- フレンチ・ブルドッグ
- ボーダー・コリー
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ヨークシャー・テリア
- ラブラドール・レトリーバー
- その他犬種
- 6kg 未満
- 6kg以上 8kg未満
- 8kg以上 10kg未満
- 10kg以上 12kg未満
- 12kg以上 16kg未満
- 16kg以上 18kg未満
- 18kg以上 20kg未満
- 20kg以上 25kg未満
- 25kg以上 30kg未満
- 30kg以上 32kg未満
- 32kg以上 40kg未満
- 40kg以上 45kg未満
- 45kg以上