柴犬の特徴や性格、飼い方

柴犬の歴史

天然記念物である柴犬の名前の由来は、小さい雑木から

日本海に面した、山岳地帯に生息していた柴犬は、小動物や鳥の猟犬として使われていました。

しかし、1912年にイギリス原産の猟犬が輸入されるようになると、その活躍を奪われます。そのため、柴犬は減少傾向あったのですが、1928年から柴犬を保護する動きが始まります。そして、1934年に社団法人日本犬保存会がスタンダード(犬種ごとの理想像を書き記したもの)を制定、1936年には国の天然記念物に指定されました。

柴犬の名前の由来は諸説ありますが、「シバ」は小さな雑木、小さいものという意味があり、日本犬の中で唯一の小型犬であることから、柴犬と呼ばれるようになったと言われています。

目次

柴犬の特徴

柴犬の特徴

骨格が図太く筋肉質。三角形の耳と巻き上げられたしっぽは、the 日本犬の特徴

骨格が図太くしっかりとしていて、四肢はとても力強く筋肉質。小さな三角形の耳と背中にくっ付くようにくるりと巻き上げられた尾は、柴犬を含む純日本犬の特徴です。

柴犬のサイズ(体重と体高)

柴犬は、6犬種いる日本犬の中で唯一の小型犬で、標準体重はオスが9~11kg、メスが7~9kg、体高(足元から肩までの高さ)はオスが38~41cm、メスが35~38cmと、メスはオスよりも小柄です。

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柴犬の性格

柴犬は警戒心と自立心が強く頑固

元来猟犬や番犬として活躍してきた柴犬は、とても警戒心と自立心が強く、頑固な性格です。

かつては、家族であっても主人以外には吠えて噛み付くのが良い柴犬とする時代がありました。しかし、時代と共に室内飼いが増え、愛玩犬としてかわいがられるようになり、フレンドリーで大らかな性格の柴犬が増えています。

柴犬の毛色

柴犬の毛色

柴犬には、次の5種類の毛色がJKC(ジャパンケンネルクラブ)によって認められています。

  • 食パンのような茶色の「赤色」
  • 麻呂眉のような斑点が出る「黒褐色」
  • 3色(赤、黒、白)が混ざった「胡麻」
  • 胡麻より赤や黒がそれぞれ多い「赤胡麻」「黒胡麻」
  • マズル(両目から鼻先まで)の両側、頬、首、胸、腹、尾の裏側と脚の内側が白い「裏白」

また、これら5色とは別にJKCでは非公認とされ、出生数が極めて低いにも関わらず、ほかの毛色に負けない人気を誇るのが「白色」です。これは、アルビノや突然変異ではなく、遺伝子の仕組みが関係しており、赤色や黒褐色を交配していく途中に一定の割合で生まれます。

柴犬の飼い方

日本に古くから生息している柴犬は、日本の気候や環境に適しているため室外といった飼い方ができ、また、小型犬のため室内という飼い方も可能です。

柴犬の性格は、自立心があり頑固ですが、飼い主が主人であることをしっかり教え込むことができれば、物覚えがいいのでその後は難しくはないでしょう。

しかし、主人以外の人に慣れる(吠えない、噛まない)ことは、小さいころから訓練しなければなりません。このことは、柴犬のしつけの中で特徴ともいうべき困難な部分であり、根気勝負となります。

また、柴犬は猟犬として飼われてきた性質から、毎日の運動量は中型犬並みです。柴犬を飼ううえで、散歩はもちろんのこと、ボール遊びや全力で走れる機会を作るなど配慮してあげましょう。

なお、柴犬は短毛ですがダブルコート(日差しや草むらの刺激などから肌を守る主毛と、保温の役割を担う副毛)なので、季節の変わり目に大量に毛が抜けるのが特徴です。毎日のスキンシップとしてブラッシングに加えて、換毛期にはよりこまめにグルーミングを行ってください。

柴犬のかかりやすい病気

柴犬のかかりやすい病気

適度なシャンプーで皮膚炎から守り、認知症予防に刺激のある毎日を

丈夫で健康的と言われる柴犬ですが、発症しやすい病気があります。生涯健康でいてもらえるよう、病気の原因や症状、対策やケアなどを詳しく知りましょう。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、ハウスダスト、カビ、ホコリ、花粉、ダニ、ノミ、食べ物などが原因で起こります。主な症状は、かゆみで、犬自身が患部を舐めたり噛んだりすることで脱毛や腫れ、皮膚炎悪化を招き、対処が遅れると広範囲に広がってしまいます。

1~2か月に一度のシャンプーで、皮膚や被毛を清潔に保ち、生活環境にアレルゲン(アレルギーの原因物質)を持ち込まないよう心がけましょう。

また、シャンプーのやり過ぎは、バリアの役割をもつ被毛の油を洗い流してしまい、逆効果になりますので気を付けてください。

乳び胸(にゅうびきょう)

乳び胸は、柴犬に多く見られる病気のひとつです。乳びというリンパ液が胸や肺にたまることで、肺を膨らますことが難しくなり、対処が遅れると呼吸困難の危険があります。

原因としては、けんかによる外傷、フィラリア症による心臓病、腫瘍、先天性の奇形などが考えられます。家庭で行える予防は、けんかやけがをさせないことと、早期発見のみのため、咳や食欲不振の症状があれば、すぐに動物病院へ行き、投薬や胸にたまっている液体を抜くなどの治療をしてもらいましょう。

認知症

昔の日本では、犬に肉よりも魚を与えていたことで、予防となるDHAを摂取していました。しかし、近年はドッグフードが主流になり食生活が大きく変動したことから、柴犬を含む日本犬全般で認知症を発症しやすい傾向にあります。

認知症の症状としては、日中に寝ることが増える、夜鳴きや徘徊をする、狭い場所では自力で後退や方向転換ができず出られないなどが挙げられます。

認知症の予防のために、高齢になっても散歩やマッサージ、おもちゃ遊びなどで脳や四肢に刺激を与える、DHA・EPAを含む犬用のサプリメントやフードを与えるようにします。また、手作りご飯の場合は、魚をメインに使用するなど、さまざまな方法があります。

認知症を発症後も同じように刺激を与える生活を送ることで症状が改善したり、悪化を防いだりすることができる場合があります。

柴犬の平均寿命

柴犬の平均寿命は、ほかの小型犬と比べると長めの13歳~15歳ほどと言われていますが、20歳を超える長寿の柴犬の報告があります。

柴犬の価格相場

柴犬の価格相場は5~20万円と大きく振り幅があります。その理由はブリーダーからの直販である場合とさまざまな手数料が加算されたペットショップでの購入の場合です。

ドッグショーで優秀な成績をもつ個体の子犬では、それ以上の高値が付くことがありますが、身近な店舗で見かける柴犬は、平均15万円ほどと思って構わないでしょう。

また、柴犬は毛色によっても価格が変わり、個体数が多い赤色は5~15万円、赤よりもやや個体数が少ない黒褐色や胡麻、黒胡麻、赤胡麻は10~20万円、より希少な白色は18~30万円と設定されることが多くあります。

柴犬を飼っている有名人

白塗り化粧のお殿様を思わせる白柴の「殿」を飼っている志村けんを始め、嵐の二宮和也、アナウンサーの生島ヒロシなど、日本では多くの芸能人が柴犬を飼っています。

スポーツ界でも柴犬はとても愛されており、サッカーの本田圭佑選手が、白柴「てつ」とのツーショットを公開しています。野球界のレジェンド、イチロー選手も夫婦で「一弓(いっきゅう)」という柴犬を飼っており、2019年3月の引退会見では、「奥さんとともに愛犬に支えられてきた野球人生だった」と話したことで大きな話題となりました。

また、柴犬の魅力は国内だけに留まらず、国際的大スターのレディー・ガガがオノ・ヨーコと交流があることから、「YOKO」という黒柴をかわいががる姿も報道されています。

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