噛み癖のある犬

犬の噛み癖を叱ってしつけるのはNG

犬の噛み癖は、子犬から成犬まで、遊びや関心を引くためのものから防衛的な攻撃まで様々なタイプがあります。大切なことは「噛み癖」としてひとくくりにせず、犬の噛み癖が起こる原因に目を向けることです。

 

噛み癖に悩む飼い主さまからは「どうやって叱ったらいいですか?」と聞かれることが多くあります。しかし、叱ってしつけることはほとんどの場合、無意味もしくは事態を悪化させます。

 

そもそも、「どうやって叱ったらいいですか?」という疑問を抱くということは、これまでにも少なからず叱ってきているはずです。叱っても効果がないから、どうやって叱ったらよいか聞きたいということが多いのでしょう。

 

犬のタイプにも寄りますが、1回「ダメ!」と言ったら噛まなくなる子もいます。しかしながら、噛み癖に悩んでいる飼い主さまの愛犬は、「ダメ!」と言っても止めないか、余計興奮するかのどっちかです。

 

大切なことは「ダメ!」と叱って抑えつけようとするのではなく、犬の気持ちに向き合って、なぜ噛み癖が発生しているか考えることです。そして、その原因を取り除けば、噛み癖は発生しなくなります。

 

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目次

犬の噛み癖が起こる理由

遊びの延長で噛む犬

1.遊びの興奮から

犬の噛み癖で最も多いのが、犬が遊びの興奮から噛むというものです。ロープ遊びをしているときに興奮して噛む、部屋の中を走り回っていて興奮して噛むというのがこれにあたります。

 

特に子犬でよく発生する噛み癖で、成長するにつれて減少していく傾向はありますが、2〜3歳ごろまで同じように噛むということも少なくありません。

 

2.関心を引くため

飼い主さまがテレビを見ている、スマホをいじっている、ご飯を食べているなど、犬に関心が向けられていない状態で発生する噛み癖です。

 

サークルやケージをあまり使わずに、リビングに出しっぱなしになっている家で発生しやすい噛み癖です。犬は、基本的に暇であるため、飼い主さまの関心を引けるのであれば、積極的に噛みついていきます。

 

飼い主さまの方も、犬が噛んできたことに対して無視しきることは難しく、「痛い!」と言ったり、立ち上がったり、何らかのリアクションを示さざるを得ないでしょう。そうなると、犬は、飼い主さまの関心を引けたと学習して、余計に噛むようになっていきます。

 

3.撫でられたくない/上から手を出されたくない

撫でようとすると口を開いて歯を当ててくるという噛み癖がこれにあたります。撫でようとしなくても、犬の上から覆いかぶさるように手を出すと噛むということもあるでしょう。

 

撫ですぎている家庭に発生しやすい噛み癖です。特に、顔の周りをワシャワシャ勢いよく撫でることが良いことだと思っている家庭では起こりやすいでしょう。犬を褒めるときには思いっきり褒めるべきと考えがちですが、犬が不快になるほど撫でまわすのは褒めるのとは違います。

 

犬は決して顔の周りをワシャワシャと撫でられたい生き物ではありません。激しく撫でられることで、手が近づいてくることにドキドキするようになり、興奮して噛むようになります。

 

4.ケアをされたくない/足を拭かれたくない

足ふきやブラッシング、目ヤニをとるときなどに発生する噛み癖です。子犬の頃、一番はじめはできていたのに、だんだんケアできなくなっていくという特徴があります。

 

この噛み癖に悩んでいる飼い主さまは、犬が嫌がっているのに、無理やりケアを行った経験に心当たりがあるはずです。足ふきやブラッシングなどのケアは、きちんと教えれば、犬は受け入れることができますが、無理やりやることで、「嫌なことをされるに違いない」という学習をさせてしまい、噛む行動を発生させてしまいます。

 

そのうえ噛んだことでケアから逃げることができると、犬は「噛めば嫌なことが終わる」と学習し、余計に噛む行動を増やしてしまうことになります。

 

5.物/フード/場所を守るため

ティッシュを持っていって守る、フードを守る、犬が寝ているところに近づくと唸るといった行動がこれにあたります。

 

物を守る行動は、物を守らせた経験が多ければ多いほど発生します。家が散らかっていて、物を守ってしまうような環境では、繰り返し物を無理やり取り上げることで「飼い主は自分(犬)の大切なものを奪っていく存在だ」と学習し、物を守る行動が強くなってしまいます。

 

フードを守る行動は、柴犬に起こりやすい行動で、遺伝的な影響が大きいでしょう。また、フードを与えるときに過剰にちょっかいをかけることで発生しやすくなるので注意が必要です。

 

犬が寝ているところに近づくと唸る行動は、犬が安心して寝られる居場所がないことで発生していることがしばしばあります。ソファで寝ていたところに近づくと唸るという状況は、ソファよりも心地よい自分専用のリラックスできる寝床があれば発生しません。

犬の噛み癖への接し方

犬の噛み癖への接し方

遊びの中で興奮する前にオスワリ

遊びの中で興奮して噛む場合は、遊びの中にオスワリを取り入れましょう。オスワリはおやつで誘導するとより確実です。興奮しすぎる前に、オヤツでオスワリを教えていけば、遊びで興奮して噛むことを減らせます。

 

相手できないときはサークルに入れる

関心を引くために噛む場合は、飼い主さまが犬の相手をできないときは、一旦サークルに入れるようにしましょう。また、しっかりと遊んであげる、1日2回30分ずつ散歩に行き、欲求を満たすことも大切です。

 

ワシャワシャ撫でない

犬が心地よくない撫で方をしているのであれば、止めましょう。犬とのスキンシップは、ゆっくり穏やかにしましょう。飼い主さまが落ち着いて接することができないと、犬が落ち着いて接することはできません。

 

無理やりケアしない

無理やりのケア、押さえつけてのケアは、百害あって一利なし。金輪際きっぱりやめましょう。ケアを行うときはおやつを使いながら気をそらしてやるようにしましょう。おやつを使ってもできないときは、早めに専門家に相談することが必要です。

 

犬が攻撃的になる状況を作らない

部屋を片付けて物を守らせない、フードを床におかずフードボウルを手にもって手から与えるようにする、ソファに乗れないようにするなど、そもそも攻撃が発生するような状況を作らないことが大切です。

 

個別具体的にどのようにしたら攻撃を発生させないかわからないときは、できるだけ早めに専門家に相談してください。

噛み癖は、専門家を頼る

噛み癖は、接し方を変えずに放置すると悪化するものがほとんどです。悪化すれば、飼い主さまの手に犬歯が刺さり血だらけになったり、何針も縫うような怪我を負ったりすることもあります。そしてそれが原因で飼育放棄に至ることも。

 

噛み癖は、まだ大丈夫と放置せず、しっかりと対応することが大切です。家族だけで悩んでいても埒が明きません。行動学を専門とする獣医師や、動物福祉に配慮したトレーナーを探して指導を受けるようにしてください。オンラインでの相談も増えています。ぜひ早めにご相談くださいね。

 

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獣医師奥田順之先生
この記事の執筆者 奥田 順之
獣医行動診療科認定医。鹿児島大学共同獣医学部講師(動物行動学)。帝京科学大学講師(ペット共生学)。NPO法人全国動物避難所協会理事長。岐阜大学獣医学課程卒。2012年NPO法人人と動物の共生センターを設立。飼育放棄の主な原因となっている、問題行動の予防・改善を目的に、犬のしつけ教室ONELife開業、2014年ぎふ動物行動クリニック開業。動物行動学の専門家として、ペット産業の適正化に向き合う。2021年NPO法人全国動物避難所協会設立しペット防災活動にも取り組んでいる。

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